Public Enemy ~黒鳥と三つの文字《ラス・トレス・レトラス》の先生   作:山翁

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色々な友人がブルーアーカイブ二次創作書いたので触発されて。


オープニング
Three knee deep


連邦生徒会長室。

 

ギヴォトス最高権力の場所であり、先般にその最高権力をリン代行から掠め取った不知火カヤの執務室となっていた。

遅めのブランチ 連邦生徒会ビル内に居る幹部用食堂より取り寄せたサンドウィッチだ。しっとりとした白パンに挟まれた中身の牛肉はカヤの口でもアッサリと噛み切れるほどに軟らかく、味付けのグレイビーソースはパンに染み込むほどにタップリと掛かっていた。

付け合わせのスープは胃に優しい黄金色のコンソメスープ。

それらを時間たっぷり掛けて食べ終わり、食後の為に淹れたモカの香りを堪能する。

エスメラルダでも良かったのだが、まだ作戦の成否が分からない以上は安易に祝杯を上げる物では無い。

それにモカの独特な香りも好きだ。

 

「ふふっ……遅れたブランチを楽しんだ後に飲むモカの香りは、やはり格別ですね」

 

「さてと。そろそろ子ウサギ駅爆発のニュースが流れる頃合いですが……」

 

卓上の電話が鳴る。

発信者名を確認するとジェネラルの文字が表示板に表れていた。

直ぐに受話器を手に取る。

 

「はい、連邦生徒会長代行の不知火カヤです」

 

『カイザーのジェネラルだ』

 

「あ、ジェネラル。子ウサギ駅の件は順調に?」

 

『いやFOXはしくじった。作戦は失敗だ』

 

「……はい?FOX小隊が作戦に失敗……?」

 

「ジェネラル……。私たちは運命共同体(共犯)ですよ?」

 

『言われんでも分かっている、SOFが即応待機状態だ』

 

「お願いします、今は貴方がたが頼りです」

 

『それはありがとう、だがカイザーだけ苦労するのでは』

 

「良いでしょう。コチラもRABBIT小隊いやシャーレに対する阻止線を張ります」

 

『期待している。後だな、私の傍受班が聞いたところによると連中ハイランダー鉄道学園へ事故を装った情報を流しているらしい』

 

「それは……、有意な情報ですね」

 

『どうするかは任せる』

 

ジェネラルの話を聞きながらカヤは左手の中指で机を叩いていた。

 

トントン

 

トントン

 

トントン

 

指が生み出す一定のリズムが思考を整理するのに必要な脳内回路を整える。

今更、何を迷うことが。

ルビコンは当の昔に超えたこと。

自らの破滅ではなく世界(連邦生徒会)の破滅(革命)を選んだのだ。

 

「ジェネラル……私達はどんな手をとっても止めるべきです」

 

『それは……フリーエンゲージの許可という事だな?』

 

「受け取り方はご随意に。それでは」

 

カヤはデスクに備え付けられた電話のプッシュオンを左手で押しジェネラルとの会話を終え、そのまま内線ダイヤルを押す。

数秒後に低い声が聞こえる。

 

『こちら公安局ですが』

 

「代行です。元SRT所属のRABBIT小隊に対して連邦最重要指名手配テロリスト認定を」

 

『何を根拠に?』

 

「一般市民からの善意の通報が有りました。良いですかRABBIT小隊はハイランダー鉄道学園に対して虚偽の情報を流布し公共交通に対するテロリズム行為をしています。理由はそれです。良いですね?カンナ局長」

 

『……分かりました、手配しましょう』

 

「良いですか!最優先司令ですよ!並びに公安及び警備の非番は直ちに非常呼集して下さい」

 

『理由はなんです?』

 

「件のRABBIT小隊は現在、この連邦生徒会の建物に向かってます。武装した元SRT生徒がテロリズム的な目的を持って連邦生徒会の建物に向かってるんです。治安に対する脅威対象です、検挙の用意を」

 

『ええ、良いでしょう。そちらも手配しておきます』

 

「感謝しますよカンナ局長」

 

そっと壊れ物を扱うように受話器を置くとテーブルに置かれたコーヒーカップの中を見つめる。

コーヒーカップを手に取り唇に寄せる。

モカの酸味とフルーティーな味わいが口腔内に広がり頭をリフレッシュさせる。

まだ大丈夫だ、まだ。

ジェネラルとカイザーSFOがシャーレを止めるはず。

カンナとて私と色々な事柄を共有している仲。

シャーレに踏み込まれて何もかも暴かれれば全てご破算なのは同じだ。

大丈夫、大丈夫。

私は超人なんだ。

上手くこなしてみせる。

その為に、この連邦生徒会長の椅子(クーデター)を手に入れたのだ。

私なら上手くやれる。

手に持ったコーヒーカップの淵を親指で撫でながらジェネラルかカンナの報告を待つ。

 

「チェックメイトじゃないのかな。連邦生徒会長代行(不知火カヤ)殿」

 

「貴女は……」

 

声を掛けられた方向を見やる。

連邦生徒会長室の入り口にはメキシカンハットを左手で持ち、右手にはコルト・コマンドーを持った生徒が一人佇んでいた。

 

「麻草アン……。貴女はこの場に呼んでいませんよ?」

 

「ああ、そうだな。呼ばれてないから勝手に来た」

 

そう言って麻草は執務室に入り私の机の上に腰かけた。

メキシカンハットを頭に被り直し、ミレニアムの制服を改造した服の胸ポケットから手巻きシガレットを取り出し火をつけた。

 

「折角のモカの風味が台無しになります」

 

「そりゃスマンな」

 

麻草は悪びれた様子もなく吸い続ける。

なぜ?

今更この女はココに来たのだ。

 

「それで何用で?知っての通り私は忙しいんですが」

 

「ああ知っている。ま。でもその忙しさも直ぐに終わるし、それに」

 

「それに?」

 

「シャーレが着くまで私たちが話す時間位はカイザーが稼いでくれるさ」

 

 

 

同時刻

 

 

 

「迫撃小隊!目標ぉ!前方!500M!弾種ガス!」

 

「宜しいので!ジェネラル!ココは市街地です」

 

「宜しいも宜しくも有るか!シャーレがタッチダウン(強制捜査)を決めると君も私もプレジデントに首を吊るされるんだぞ」

 

「はっ!」

 

部下が青ざめたモノアイで砲弾をセットする。

砲班はSOFじゃなく臨時で引っ張った連中だからどうも腹の据わりが良くない。

 

『こちらSOF、配置につきました』

 

「よろしい、主たる目標は敵突撃の破砕だ」

 

『軽迫の榴弾を使えばすぐに済むのでは?』

 

「馬鹿が、公にシャーレの先生(捜査官)なんぞ殺せるか」

 

『確かに、ではSRT小隊を目標にします』

 

「存分にやれ」

 

無線兵に無線機を押し付けると双眼鏡を使いRABBIT小隊と先生を見る。

何度も煮え油を味わったが今回はそう簡単には済まさんぞ。

 

「勝敗は最後の1秒まで分からんぞ先生」




もう一人の主役の先生が喋ってないオープニングってある?
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