無個性(尚、最強の武闘系な)少女のヒーローアカデミア 作:平和推し
もしそうなら冬美さんは…(記録はここでトリプル赫灼熱拳により焼き途絶えている)
村上は周囲をキョロキョロと見回している紅白頭の少年を見てそれが誰だか一瞬で気づく。
「あの縁起のいい頭髪…轟じゃねぇか?」
「あ?確かに半分野郎だ…アイツも来てんのかよ。」
「我が同士燈矢の弟さんですね。」
「かっちゃん、村上さんももう少し覚え方があるでしょ…」
するとこちらに気づいたのか、轟は駆け寄って来た。ほとんど無表情の為、なかなか心中を察することはできないタイプだが、村上は勘で“友達見つけられて嬉しい”と思ったのを瞬時に察した。
「よお轟、お前チケットってどうしたんだ?」
「村上か…親父はNo.2のプロヒーローだからな、招待状が届くんだが…オールマイトが日本のヒーロー代表格としてここに行くとなると、本土のヴィランが活性化する可能性があるとかで行けなくなるんだ。だから来た。」
轟の言う事は正しいと緑谷は思った。オールマイトが少しでも日本の本土から離れるだけで、ヴィラン達は活性化する。
ひとえにオールマイトがその他大勢のヒーローすら霞んで見える『平和の象徴』としてあまりにも巨大な存在である為で、エンデヴァーがこの時に羽を伸ばし始めるヴィランが出ると考えるのは予想でき、それに対処するのは自分の役割だと考えるだろうとも。
「なるほど…所でヴィランタイムアタックはやったか?爆豪と切島はやったらしいが…」
「いやいい…村上はどうなんだ?」
「オレ?んーまぁ物は試しでやってみるわ」
「テメェが俺の記録抜けるかよ!繊細なコントロールとかは無縁そうだしな」
「まぁ見とけ」
村上は参加を表明し、アトラクションの前に立つ。
「続いてのチャレンジャーはこちらの美人さん!さて!一体どんなアクションを魅せてくれるのでしょう!」
村上はサポートアイテムである仕込み杖を取り出し、胸の高さあたりで真一文字になるよう構えると…
「ヴィランタイムアタック!START!!…え?」
「【覇気・武装色】+【六式・月歩】+【縮地】…『鼻唄三丁矢筈斬り』!」
次の瞬間にはアトラクションを背にして納刀しており、鯉口をカチンと鳴らすとヴィランを模した的は既に切断されて、カウントは止まった。
「「「「えええ!?」」」」
「す、すごい!!なんと2.76秒!最高記録です!!先程よりも10秒以上の差を見せつけてくれました!」
「ふぅ…ん?どうしたお前ら?口開けっぱなしだぞ?」
村上が話しかけるとフリーズ状態だった緑谷達が復帰した。
「村上さん!アレはどういった仕組みで!?」
「本当に無個性なのよね?そのサポートアイテムすこし見せてちょうだい!…この素材と構造でアレを!?」
「村上ちゃんはもう四皇を名乗っていいですよ。」
「どんなトリックだよデカ女!!有り得るはずねぇだろ!」
一気に詰め寄る者と違い轟と切島はまだ再起動に時間がかかっていた。
「!?なぁ轟?…見えたか?」
「いや、なんも見えねぇ…村上がいつの間にか後ろを向いたと思った時には既に的は切断されていた。全く理解が出来ねぇ」
「村上ってマジで強えな…」
「俺たちも負けねぇように頑張んなきゃな」
「ッ!ああ!そうだな!」
そしてかなり人数が増えた村上一行は休憩しようとカフェに向かうと…A組の女子達と上鳴&峰田、そしてカクカクとした動きが特徴的な委員長飯田がいた。
「あ!デク君達や!」
「麗日さん!それに皆も…一般向けのチケットってそんなにある物だったっけ?」
「それは私の家がスポンサーの関係でチケットが送られて来たので…耳朗さんやお茶子さんはじゃんけんで勝ったからここに…」
「オイラ達はバイトで…」
「ぼ…俺はリハビリ中の兄の代わりに出席する為だ!」
「なるほど轟と飯田は大体同じ理由なのか…」
そして全員が和気藹々と会話をし始める。渡我は村上に対する恋慕を話しているので、女子(村上除く)はキャピキャピしており、それを聞いている峰田は“百合!”と大歓喜だった。
「なるほど…渡我さんは村上さんのパートナーになりたいと…」
「そうです。村上ちゃんは私の太陽ですから」
「そこまで言うって…」
「気になったんだけど、何があったの?」
「簡単に言えば個性とそれに関係する衝動ですね。村上ちゃんがいなければ私は人に危害を加えるヴィランになっていたと自分でもわかります。…だから村上ちゃんのそばに居たいんです。」
(((想像より重い理由だった。)))
すると轟も渡我の話に思うところがあったのか話を振る。
「アンタも俺の家族と同じで救われたのか…」
「轟さん?同じというのは…」
「俺の家族は昔関係性が最悪だった。」
「あのエンデヴァーが?」
「親バカランキングやベストパートナーランキングで上位のエンデヴァーが?」
「そうだ…そんでもって兄貴が悩みやらをずっと我慢していた…でもある日突然今までの我慢を親父にぶつけたんだ。あと母さんも…で兄貴が言うには天使のような子供に助言を受けたらしい…それが兄貴曰く村上だった。」
その言葉を聞いた女子達は爆豪を煽ったり、メリッサに専門的な話をしている村上を見る。
彼女は自分達よりもずっと前からヒーローをしていたと気づかされた。
「そうやったんか…」
「流石は村上さんですわね。」
「ウチらも負けられないね。」
「まぁ…天使に助言されたと思った兄貴は性格がぶっ飛んで今の兄貴になったんだが…前よりかはずっと良かった。」
「そういえばお兄様はどのような方なのでしょうか?」
「プロヒーローの“ブルーフレイムロード”だ。本名は轟燈矢」
「「いや、性格ぶっ飛びすぎてない?」」
「まぁ!あの個性的すぎるヒーローが?」
そうして盛り上がる女子を見て上鳴と峰田は…
「「イケメンってズルイよなぁ!」」
めっちゃ悔しそうだった。
まだまだ続きます。