無個性(尚、最強の武闘系な)少女のヒーローアカデミア 作:平和推し
そんな中村上はお楽しみを邪魔したヴィランを成敗していくのだった…
ヴィラン連合の1人マスタードは個性でガスを操りながら森の中を歩いていた。
彼は学歴社会に不満を持ち、エリートの集団である雄英高校の生徒が自分の手の中で苦しむ光景を、ガスマスクの中で想像して愉悦の笑みを浮かべていた。
「クソエリート共め…結局は暴力に勝てねぇんだよ。お前らエリート達は所詮単なるガキ…ん?なんだ?誰か近づいて来る?」
マスタードはふとガスの中、自分に近づいて来る存在を知覚して、手に持っていたニューナンブM60*1の撃鉄を起こし、自分に真っ直ぐ近づいてくる人物に発砲できる準備を整えた。
「誰だ!!雄英のエリートか!?」
そしてマスタードは…
ドシャリ!
ズリ…ズリ…
ズリ…ズリ…
と何か湿ったものを勢いよく置いた後、それを引きずる音と共に現れた存在を見て恐怖を覚えた。
それはマスタードから見ても大きかった。
泥か或いは別のナニカでボサボサになった長髪…
ボロボロの黒いコート…
手に持つ血のついた大きな麻袋と鈍い輝きを持つ鉈…
そしてゴポゴポと溺れているような独特な呼吸音が聞こえ、顔を完全に覆ったホッケーマスク…
そしてオマケ程度に抜群のプロポーション…
(じ、ジェイソン!?な、なんでこんなヤツが!?それに…女?なのか?)
勿論この不審者の正体は村上である。
現在村上は自身に効きもしない*2毒ガスを無視して直進行軍で感じた覚えのない“気”の元であるマスタードに接近していた。
「な、なんなんだ…お、お前も連合の…」
村上はヴィランだしビビらせてやるかと軽い気持ちで声を変えて恐ろしい声色を作ると、見下す様にマスタードの問いに答えた。
「ゴポゴポ…レンゴウ?シラヌ…コチラハ、湖カラ来タ。狩リノ…途中ダ…邪魔スルナ…ゴポゴポ…羽虫メ…」
「な、なんだと!!このコスプレ野郎!」
割と短気なマスタードは自身を見下して、更には羽虫呼ばわりした目の前の存在を敵認定した。
…もう少し彼が賢ければその異様な存在の危険度を測れただろうが、それはもう不可能である。
「いいか!コッチには銃があるんだ!オマエみたいな脳筋と違ってな!それにコッチの方がそんな錆びた刃物より強いし、俺には強力な個性が…」
「ハッ…クダラナイ…」
「は?何言ってんの?銃だよ?オマエなんか一発で死ぬ、分かんない?」
村上は心底バカにして笑う演技をする。
「ドウセ玩具ダ…オマエノ様ナ子供ニ相応シイ…実ニ滑稽ダ…」
「テメェ!!」
マスタードは怒りに任せて額に銃を向けて発砲した。
パンっ!という乾いた音が響き渡り、相手が額を撃たれてのけ反ったのを視界に収めつつ、マスタードは更には引き金を引いて相手の上半身に鉛玉を撃ち込んだ。
そして仰向けに倒れた相手を見下ろしてマスタードは、リロードしながら嘲りの言葉を投げる。
「どうだ?玩具じゃ無かったろ?湖から来た誰かさん?ま、聞こえて無い…」
「成程…確カニ玩具デハ無カッタナ」
「…え?」
しかし確実に脳天と上半身に鉛玉を撃ち込んだ筈の相手は、何事も無かったかの様に起き上がってマスタードを逆に見下ろした。
「な、なんで…生きて…」
「銃ガチ小サスギル…ナァ、クソガキ…」
「ひ、ヒヒィ!?」
パンッ!パンッ!
恐怖に震えるマスタードは、尻餅を着いて後退りつつ必死に発砲するものの、今度は当たっても弾丸はポロポロと落ちていくばかりで、ゆっくりと歩み寄ってくる村上の歩を止めるには至らなかった。
「オット…コイツハ預カッテオコウ。」
「あ…ああ…」
そして銃をアッサリもぎ取られ、個性で反撃しようとガスを集めたが…
「洒落臭イ…」
「ガフゥ!?」
腹に足を置かれて集中が乱れた。
「た、たのむ!見逃してくれ!!」
「イイダロウ…」
「ほ、本当か!!」
しかし村上はマスタードのガスマスクを外して鉈を上に振り上げ…
「コレヲ受ケ止メロ!」
思いっきり殺気を浴びせて振り下ろした。
「…気絶したか…まぁヴィランだし問題ないだろ」
村上は鉈をマスタードの薄皮一枚切り裂くギリギリで寸止めをして、マスタードが恐怖のあまりに気絶と失禁したのを確認すると、マスタードを縛り上げて、戦利品の銃を懐に仕舞うと月夜を見上げた。
「さてと…この襲撃は死柄木がオレがいる事前提で立てたのか?それとも…オレを出し抜けると思った黒幕野郎の仕業なのか…まぁやる事は変わらない」
村上はホッケーマスクを被り直し、その下でニヤリと笑った。
「オレに…オレ達に手を出したその意味を…この襲撃に絡んだヴィラン共全員に!徹底的に身体に恐怖として刻み込んでやるよ!今のオレは…湖から来た怪物…“レイクキラー”だ!」
村上は鉈を握り直して夜の闇へと駆け出した。
次回!敵か味方か!レイクキラー参戦!
お楽しみに!