無個性(尚、最強の武闘系な)少女のヒーローアカデミア 作:平和推し
「村上君、なんでボクがこうして立っているかわかるかい?」
「二足歩行を可能にする骨格を有しているから?」
「ハハッ!残念ながらちがうのさ!お説教中だからなのさ!」
神野事変と呼ばれる事になったあの日から数日後、村上は普通に怒られていた。
「確かに領空侵犯したのはまぁ…認めますけど、しょうがないですよね?人間を殴り飛ばして他国の空まで飛んで行って、更に追撃して地球一周してるんで」
無茶苦茶だが事実である。
「うーん、そんな事八木…オールマイトでもやらないのさ!」
「オレは正体知ってるしなんなら全国で知られるんで、言い直さないで良いですよ校長」
しかし校長意外にもこれをスルー
「とにかく、君がやらかしてしまった事はもう取り消せないのさ!八木君が命を救われた形になっているから、大事にされてないだけで本来なら君はお尋ね者でもおかしくないのさ!」
確かに村上がやらかしたのは…
航空法違反…罰金刑
領空侵犯…航空自衛隊にスクランブル発進される
防衛関連法違反…同上
各国領空侵犯…密入国、不法入国
航空保安法違反…重罰
テロ等準備罪、航空機等不法使用罪…脅威とみなされて、撃墜される
である。(筆者調べ)
確かに説教程度で済むなら1番穏当であろう。
「それに関しては…此度の不始末として腹でも斬りますよ。」
「戦国かな?まぁ腹を斬ってもらう必要はないのさ!その代わり…君には厄介な頼み事をするかもしれないから、覚悟しておいてね?」
村上は若干将来の厄介ごとを危惧しながらも、校長との面談を終えると家に戻りながら、メッセージアプリを開いてクラスグループに結果報告をした。
『オレが腹切りする必要は無いってよ、まぁメッチャ怒られたけどな』
直ぐに既読がついて、返信が返ってくる。
『よかったのかな?』
『まぁウチらの心配がひとまず杞憂で良かったよ』
『やったな村上!』
『イェーイ!無罪判決だ!』
『いやいや、別に犯罪者じゃねぇだろ!?』
『ハッ!無駄にコッチに悩ませんなよ!デカ女!』
『爆豪は素直じゃねぇな…』
『嬉しくねぇツンデレ…いやデレ何処だ?』
『爆っ殺すぞ!醤油顔とクソ髪が!』
『新しい単語生まれたぞ』
『爆豪ちゃん以外に使わないわね、その単語』
『特に要らない言葉ですわね。』
返信だけでもこの賑わいである。コレが直接ならどれほど良かったかと思うが、現在雄英高校ではヴィラン連合によるプッシーキャッツ達の合宿所襲撃とそれによって起きた爆豪誘拐事件により、生徒達は自宅待機させられているので、こうしたやり取りしかできていない。
「みんな元気そうだなぁ…そうでしょ?トガちゃん?」
「…えへへ、バレちゃいました!」
そう言って村上の座るソファーの真下からゴキゴキ…ズルズル…と音を立てて這い出て来たのは、幼馴染の渡我被身子である。
…決して貞子やフレディでは無い
「関節外してまで下に潜りたかったの?」
「ソファー下の物が無ければ、何個かは外す必要は無かったのですが…」
「ごめんて、使ってないダンベルとかの箱と、完全に中身を記憶している漫画本の段ボール箱だからさ…」
「(私に)売れば良いのです!村上ちゃんの使用済み(意味深?)ならお小遣いと私の身体でも支払いますよ!」
「いやそれはちょっと…愛着とか思い出もあるからなぁ…」
この2人は特異的な思考回路なので、読者が“こ、コイツ!?頭がおかしい”と思っているのなら、安心して欲しい貴方は正常である。
「ん?そういえば鍵は?オレ合鍵渡したっけ?」
「ふふ、それは秘密なのです!」
多分ピッキング(犯罪)である。これでも渡我被身子は雄英高校ほどでは無いにしろ、ヒーロー科のある学校で実技や筆記含めたトップクラスの実力者であり、村上ブートキャンプもこなしている強者である。
そして愛の力でブーストがかかっているので、単なる鍵程度では止められないのだ。
「ふーん、まあ良いや…それより暇だからさ?…やらないか?*1」
「オッホ!?…シャワー借りますね…」
「どうやら認識の齟齬があるみたいだな。」
この後滅茶苦茶やった。*2
そして翌日、村上は荷物整理をしていた。
決して重愛系ストーカー気質な可愛い*3幼馴染の渡我被身子に売りつけるとかでは無く、校長との話で寮生活が近々始まるという話があったので、今のうちに纏めているだけである。
「衣類はこのぐらい纏めて、下着は後回しに…いつ買い出し行けるかはわからんけど、念のため愛用の洗顔料とかは詰め替えパックを何本か追加して…後は共用になりそうな物は省くか…」
村上はそう言いながら不要な皿や、食器類の棚などをリサイクルショップ行きのダンボールに、手洗い石鹸の未開封品などを渡我被身子へ渡すための紙袋に入れたり、冷蔵庫の中にある消費期限が近い食べ物や、すぐに使いきれそうな細かい食材などを使って、料理を作り食べたりと引越しに備えていた。
「そういえばトガちゃん…寂しいからって理由で雄英高校に侵入したりしないよな?…しないよな、流石に」
一抹の不安を抱えながらも村上の日常は過ぎていくのだった。
次回も楽しみに!