ヴェルドラとの一時の別れから数時間後、俺とリムルは順調に洞窟を進んでいた。が....
「.....まさか声を出せるようになるとはな...」
「本当に強すぎないか?コピーして渡したりとかも出来るんだろ?」
....そう、俺の思いつきによりスキル:魔力声帯を作ることにまさかの成功。
...スキルでどうにかなることか?これ。
「....そう言えば、リムルはどうして転生したんだ?」
「ん?あぁ....通り魔に刺されて死んだ。」
「.....死因同じかよ....」
死に方まで一緒とか笑えないぞ?
「そっちも通り魔?」
「いや、裁判で負かした相手に逆恨みで刺された。」
「お前のがヤバくね?....てか裁判って?」
「あぁ、一応前世は弁護士だったからな。」
「マジ!?すげぇ~...」
「....そこまで頭とかが良かったわけじゃ無いからな?」
実際頭は中の上くらいだった...はず。*1
「...家が弁護士一家だったからな。法律の知識を蓄えるのにこの上ない場所だったんだよ。」
「へぇ~、凄い家だな。俺は凡人だからよくわかんないけど。」
....ま、
「と、何かでかい扉があるな。」
「ほんとだ、どうする?喰う?それとも切り刻む?」
「物騒。」
そんな会話を続けていたら、軋む音を鳴らしながら扉が開き始めた。
「!誰か来る、隠れるぞ。」
「了解。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふぅ、やっと開きやしたぜ。鍵穴まで錆ついちまってんだから。」
「まぁ仕方ないさ。300年も手入れされてなかったんだ。」
....冒険者、か?
'あれって冒険者か?'
'多分そうだろうな。見た感じここの調査に来たみたいだ。'
「でも封印の洞窟を調査しろだなんて、ギルドマスターも無茶ぶりよねぇ。」
....あ。
'....これヴェルドラがいなくなったって知られてるのか?'
'....竜種くらいの魔素ならいなくなったら分かる...かも?'
《現在、この世界では暴風竜ヴェルドラの気配が消滅したことにより混乱が起きています。》
........
'リムル、多分お前もスキルから聞いただろ?'
'あぁ、そっちも...ヨドさん?だっけ?から聞いたって事で良いんだよな?'
'.....勿論。'
つまりここに人が来たのは....
'俺たちが原因か...'
'だな...'
迂闊だった、まさかいなくなることで多大な影響を与えるとは....
'いつか人に接触出来たら謝罪するか。'
'そうだな。'
まぁ色々話していると....
「お二人とももっと寄ってくださいよ、あっしの隠密
....
《その通りです。》
'なるほど....'
'なんてドリーム
'何でもございません!!!'
....この犯罪者予備軍が....
「うぉっと、蛇か。」
「....多分俺の進化前の奴だな。解析に
ま、すぐに終わるか。
「紫氷。」
そう言い終わる瞬間、
「...すげぇな。」
「倒すのは譲る。スキル増えたんだろ?」
「あぁ。」
そう言って、リムルはスキル:水刃を使った。結果....
「...少しグロいな。」
「確かに....ん?」
「どうした?」
「何か大賢者に捕食する事を進められた。」
....捕食...まさか。
「....喰ったらスキルが手に入るってことか?」
「多分そう。」
...コイツもなかなかチートだよな....
「何か毒霧吐息ってスキルゲットした!!」
「それ絶対使うなよ?」
使われたら対処出来るか流石に分からん。
「わかった。後今後
「.....識別擬態やろうか?」
「....ちょっと欲しいかも。」
後で渡すか。今はまだゆっくり出来ないし。
「ひぃぃ~!!蜘蛛は駄目蜘蛛は!!」
「お、ヨドに聞いたら良い感じのスキルを持ってるらしいぞ?」
「じゃあもうレグルスが作れよ!?」
「確かに。」
と言う事で粘糸と鋼糸と言うスキルをゲットした。そして....
「合体させて粘鋼糸って言うスキルになった。」
「何でナチュラルに合体してるんだ....?」
合体は男の夢だろ。*2
で、もう洞窟に敵と呼べる奴がいなくなったので.....
「行くか、外。」
「だな。」
と言う訳で洞窟から出たが.....
「「森だぁ.....」」
どこからどう見ても森である。あ、洞窟から出る前に識別擬態は渡しておいた。
「さて、進むか。」
「あぁ。どう進む?」
そんな感じで歩いていると.....
「...ん?」
「ゴブリン....か?」
30匹ほどのゴブリンに出会った。武装をしてはいるが、貧相な体躯、ボロボロな武器。
正直、襲われても返り討ちに出来ると思っていた。けれど....
「グガッ...強キ者ヨ......」
....へぇ、喋れるくらいには知性があるのか。
「コノ先二ナニカ用事ガオアリデスカ?」
「いや、用という用は無い。ただ歩いていただけだ。」
「グガッ!強キ者ヨ!アナタ様ノお力ハ十分二ワカリマシタ!ドウカ声ヲ鎮メテ下サイ!!!」
.....何で?
「思念が強すぎたんじゃ無いか?」
「なるほど.....すまない、調整がまだ出来なくてな。」
「オ、オソレオオイ!我々二謝罪ナド不要デス!!」
....何でここまで頭低いんだ?
「それで、この先には何があるんだ?俺達、用事は無いし。」
「作用デシタカ。コノ先二我々ノ村ガアルノデス。強力ナ魔物ノ気配ガシタノデ警戒二来タ
次第デス。」
強力な魔物....
「俺達か?」
「ハイ。」
......
「リムル、お前から見て俺の魔素はどうなってる?」
「えぇっと....ダダ漏れ。」
「やっぱりか....」
これまで魔素《体から放出されている場合は
....
「すまない、今調節しよう。....リムルもやった方が良いか?」
「ハイ、お二人トモトテツモナイ
「俺もかぁ.....」
そうして
どうやら泊めてもくれるらしい。
ついでに声の聞き取りもクリアになった。どうやら魔力感知の応用で聞こえていたらしい。*3
そうして辿り着いたゴブリンの村。ゴブリンの見た目から推察していたが、やはりボロボロだ。
そうして待っていると、村の村長とやらがやってきてこう言った。
「牙狼族なる強力な魔物から我らを守ってくれ。」.....と。
牙狼族は100匹、ゴブリンは戦える者は...60匹ほど。絶望的な戦力差だ。」
「...村長、一つ確認だ。俺達がこの村を助けるなら、その見返りは何だ?お前達は俺達に何を
差し出せる?」
....よく分かってるな、リムル。本来なら気まぐれで助けるのも良いが、
少し体裁を整えた方が良い。
「強き者よ!我々の忠誠を捧げます!!」
....よし、体裁は整った。そんなとき、狼の遠吠えが響いた。
「牙狼族の遠吠えだ....!!」
「いよいよ攻めに来るのか!?」
....流石に怯えてるな。けど、
「怯えるな、これから倒すんだから。」
「だな。」
「!では....」
「あぁ、お前達の願い。」
「「暴風竜ヴェルドラに代わり、我らリムル・テンペストと
レグルス・テンペストが聞き届けよう!!」」
「!我らに守護をお与えください、さすれば今日より、我らは貴方様方の忠実なるシモベで
ございます!!」
.....さぁ、獣狩りだ。
さて、まずは....
「....皆、牙狼族にやられた者です。中にはもう長くない者もおります....」
「....リムル、体内で調合した回復薬は出せるか?」
「勿論。それを使って行けば良いんだな?」
「あぁ、頼む。」
説明しよう。回復薬とは、リムルと洞窟で過ごしていた時に見つけた植物【ヒポクテ草】から汁を抽出し魔素と混ぜることで出来た薬の事である。ちなみに効果は実証済み。*4
そんなこんなで回復薬を使っていると、村長の息子から呼ばれた。
「ご命令の【柵】を皆で作って見ました。...いかがでしょうか?」
「あぁ。強度が心配だが、急ごしらえなら上出来だ。」
さて、少し強化しておくか。'粘鋼糸'
「この糸は?」
「俺とリムルが手に入れたスキルの一つだ。伸縮自在だが切れ味もある。」
「なるほど!!」
....今できるのはこれくらいか。後は連中が攻めてくるのを待つしか無い。
「きっ来た!!来たっすよ!!牙狼族っす!!」
「!親父殿、奴らが例の....」
来たか....ん?あの狼...思い出した、俺とリムルを見て逃げ出した奴だ。
族長の息子みたいな奴だったか。
「スライムと蛇如きが小癪なことを....行けお前達!!」
おや、警告を聞かなかったか。息子の意見を聞いておけば....
仲間を失わなかったのに。
「!?何だこれは!」
「あの糸はさっきの...!」
「上手く引っかかったな。矢と粘鋼糸を避けながら柵まで行くのは困難だ。」
「あぁ。たとえ辿り着いたとしても、柵に頭を引っかけて棍棒で潰される。」
「「突破される可能性は限りなく低い。」」
side族長
...あり得ん!我ら誇り高い牙狼族が、ゴブリンやスライム、蛇のような下等な魔物に翻弄されて
いるなど!!
「...認めぬ。」
「!親父殿!?」
....糸の罠は仲間の血で見える、それに我が爪と牙を以ってすれば切断も容易い。
「調子に乗るな下等風情が!!ひねり潰してやる!!」
「..甘い」
「!?」
動けぬ....
sideレグルス
「粘糸だ。粘鋼糸と同じだと思わせたら引っかかるだろうと思ってな。」
こう言うこともあろうかと、一時的に粘鋼糸を元の二つのスキルに分けて粘糸だけを張り巡らせたのだ。予想通り引っかかってくれて助かった。
「さて、負けを認めるか?」
「ふざけるな!我らは誇り高い牙狼族だ!!それが屈服など...!」
「ならその誇りを、自分の死で汚すのか?」
「....っ!....わかった。負けを認めよう。好きにするが良い。」
「ありがとう。出来れば殺したくは無かったからな。傷ついた者もこの後治療しよう。」
「......もう既に手遅れな者はどうするのだ?」
「俺に手遅れなんて存在しない。等しく治してやるさ。」
「......」
side族長
....そうか、これが上に立つ者か。
自身の力に溺れず、その力を守るために使う者。....我とは、大違いだ。
.....この者の元でなら、我は本当の意味で強くなれるのか?
「....貴様、名はあるのか?」
「あぁ。レグルス、レグルス・テンペストだ。あっちはリムル・テンペスト、俺の親友だ。」
「そうか....」
....彼らと、共に入れる強さを身につけるために。
「レグルス様、リムル様。我ら牙狼族一同、あなた方に従おう。」
「「.......え?」」
「親父殿!?」
「あなた方の元でなら、我が仲間と共に居続けられる力を学ぶことが出来ると感じた。
ゴブリンの者には歓迎されぬのは百も承知。どうか...!!」
「......」
sideレグルス
...まさかここまで懇願してくるとは。思いの外仲間思いだったか。
「わかった、俺は良いぞ。リムルはどうだ?」
「俺も良いよ、数は多くて損は無い。」
「!ありがとうございます。これよりあなた方の牙となろう。」
「.....レグルス様、リムル様。」
「お前は....族長の息子か?」
「はい。...正直、戸惑っている者も少なくありません。ですが、あなたが、あなた方が
心まで鬼では無いことは見て分かります。...これから、よろしくお願いいたします。」
「...あぁ。共に生きていこう、この場所で。」
....こうして、ゴブリンと牙狼族の争いは、両者が俺とリムルに忠誠を誓う事で終わった。
.......何故?
書いてたら過去一長くなった.....はい、と言う訳でオリキャラは牙狼族の族長になります。
名前に関しては次回を待っていてください。次回は名付けとルール決め、書ければドワーフも
書こうと思います。ちなみにレグルスはドワルゴンに行きません。権力者が一気に消えたら
不味いからです。その代わりの出会いを用意しますのであしからず。
後書くのを面倒くさがったけど新たにスキル:医学書(医療の知識を手にいれる事が出来る)を
手に入れており、手遅れなんて無いと言ったのはこれのおかげでエリクサーが手に入るから
です。