「着いたか・・・やっぱり人が多いな。」
そう言いながら一人の若者が電車から降りてくる。少し周りを見渡した後、彼は体を少し動かす。時々、関節がバキッ、バキッ、と音を鳴るのを聞きながら色々な所を動かす。
「あぁ~~~~~スッキリした。やっぱり長時間電車の中で何もしないで座っておくってのは疲れるな。今後からは立っておくか。・・・さてと・・・。」
ひとしきり体を動かした後、彼は自分のカバンから地図を取り出しある場所に目をやる。
「え~~っと今が此処だからこっちの方に行けばいいか。・・・・・・あれ?これ地図逆だ。じゃあこっちか。」
途中、地図が逆だったことに気づいた後、彼は駅から出た。目的地まではさほど遠くはないし時間もあったので彼はゆっくり歩きながら周りの景色を見たりここまでのことを思い出したりしていた。
「やっぱり人が多いな。俺の町も田舎って訳じゃないけどここまで違うもんなのか。・・・・・・そういえば姉さんがテロには巻き込まれるなよって言ってたっけ。・・・テレビの見すぎだろ。いくらなんでも今のご時世テロなんてあるわけないだろ・・・。」
説得するのに苦労したなぁ、と言いながら故郷の姉のことをや幼馴染み達のことを考えていた。
「たくよ~、あいつ別の町の学校に行くって言っただけで『この裏切りモンがーーー!!』って言いやがって・・・まぁ、あいつも本気で言った訳じゃねぇだろうけど。・・・別に裏切ってねーし。今でもあの町は好きだし。・・・ただ・・・。」
自分に対して両手を上げてウガッーーー!!っと言って来てそれを隣でまぁまぁ落ち着いて、ね、と宥めていた二人の幼馴染みのことを思い出した後、彼は少し言われたことについて考えていた。
「・・・ただ・・・いつまでも子供のままじゃいけないと思っただけだっつーの・・・。」
そう、いつまでも姉に甘えていて良いわけじゃない。
いつまでも子供のままじゃいけない。
大人になるにはどうしたらいいのか・・・。そう思い彼が出した答えは・・・。
「だけど・・・いきなり家を出て一人暮らしっていうのは流石にマズかったかな・・・。」
そう、一人暮らしだ。だが、彼も一人で暮らし始めたからといってそれで大人に近づいたとは思っていない。というかむしろ大人になるって何なんだよという考えすら浮かんでくる。
「あぁーーもう!!あまりネガティブに考えてもしょうがない。一番大変だった姉さんの説得も成功したんだ。前向きにいかなきゃ!・・・・・・ん?何だこれ。」
心機一転、そう思った時に足元に何かカードらしき物が落ちていた。
「これって生徒証か?え~と・・・あっ、これって俺と同じ新入生のじゃん。大丈夫なのか?どうしようかな・・・・・・とりあえず学校に行くか。もしかしたらそこにいるかもしれないし。」
持ち主を探そうにもたくさんの人だかりの中から一人を見つけるのは不可能に近い。そう思った彼は先に学校に行っているかもしれないと考え、学校に向かうことにした。
「到着っと・・・ってあれは・・・。」
「えーと!何処にやったっけなー!確かここに入れたような・・・いやこっちだっけ?」
「あの~無いんだったら無いってもらってもいいんつですけど・・・。それに無いんだったら・・・。」
「あぁ、すいません!!もう少し待って下さい!もう少しで見つかると思うので。」
「いや、だからあのぉ・・・話を・・・。」
目的地の学校の校門『創神館学園』と書かれた石碑の前でたくさんの人が行き交う中で一人の少年が必死にバッグをあさっていた。その隣で受付らしい女性が少し困った様子でその少年を見下ろしていた。
「・・・・・・顔写真と一致・・・ということはアイツが探しているものって・・・。」
これだよな、と呟いた後、現在進行形でバッグをあさっている少年に近づき、生徒証を差し出す。
「なぁ、もしかして探しているのってこれか?」
「え?・・・・・・ってあーーーー!!俺の生徒証ーーーー!!ああ、良かった~~。ありがとうございます!どこぞの誰かさん!」
「いやいいよ。別に大したことはしてないし。」
自分の生徒証が見つかって大喜びする少年。すると拾った少年は何かを思い出したかのように聞き取りづらそうに大喜びしている少年に聞いてみた。
「なぁ、生徒証が無くなったんならそこの受付のひ人に言えば貰えるんじゃないのか?」
受付の人を指しながらそう言う。
「えっ・・・・・・・・・あ・・・・・・。」
「あはは・・・・・・いえ、あの、言おうとしたんですけどね・・・。」
あはは・・・と苦笑いしながら受付の話を聞いた少年はがっくりとしていた。
「俺の苦労は一体・・・・・・。」
「まぁ・・・どんまい。」
「せめて慰めてくれ。・・・ん?お前も新入生か?」
「ああ。」
「そうか。俺は
「俺か?俺は・・・・・・。」
そう士郎の質問に答えながら受付に自分の生徒証を見せた。
「はい。生徒証を確認しました。ようこそ創神館学園へ。」
「
運命というものはいつ決まるか分からない。
いつ始まるのか、いつ出会うのか、いつ動き始めるのか。
今から始まるのは序章だ。
運命へと繋がる物語の序章だ。
どうも、はじめまして。佐々木 空といいます。初めての作品ですけど暖かい目で見守って下さい。
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