100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み)   作:メガネズミ

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ハーメルンはTS好きが多い…しかし100カノでそういうのがない!
じゃあ書くか!読みたいし!

そんな感じで始まった本作、どうかお楽しみくださいな


第1話:清辺津 河流(♂)

 

“運命の人”

 

「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」という作品において、人がこの世に生まれた時に定められる“最高の恋愛パートナー”同士のことだ。

 

      

 オレの名前は清辺津(せいべつ) 河流(かわる)

 

 この漫画の序盤を読んだのちに転生し、この世界に生まれ落ちた一般男子高校生(♀)。

 

 なんで(♀)かって?今一時的に薬のせいでこうなってるだけだからな!そんなことよりも重要なのは…だ。

 

 今オレは本気で逃げている。全力疾走だ。多分人生で一二を争うくらいにはガチだ。相手は愛城(あいじょう) 恋太郎(れんたろう)。この世界、君のことが大大大大大好きな100人の彼女…通称100カノにおける主人公であり、おれにとっては数年来の友人であり。

 

……今のオレ(♀)の“運命の人”らしいんです。

 

 

 

「待てって清辺津(せいべつ)!」

 

「嫌だ待たん!オレは…オレは…!お前に対して堕ちたくねぇ〜!」

 

 

 

 

 

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 なんでこうなってしまったのか。色々な事情含めて説明しようとすると時は結構前に遡る。前だって前。もうちょい前。あっ待て行き過ぎ!シークバーもうちょい左!そうそこ!ヨシ!

 

 あれは…卒業式の日からだったか。友人Aと恋太郎、そしてオレが揃って帰路に就いていた時まで事態は遡る…

 

 

 オレの立ち位置は…まぁ愛城恋太郎の友人A+α程度の友人ってとこだ。数式みたいで分かりづらい?オレもそう思う。Aとかαとか頭痛くなりそうだよな…。ってそうじゃねぇ。今日は卒業式。恋太郎の運命が変わる日であり、物語のスタート地点。いつものように恋太郎と友人Aと駄弁りながら下校中だ。まぁ卒業式の後なんだけどな。

 

 

「そろそろ元気出せって、恋太郎!たかだか失恋がなんだってんだ!」

 

 

 

 卒業証書の黒い筒を肩に担いだ友人Aが話しかける先には…病んだミッ○ィーが。じゃなかった恋太郎が。しわっしわの顔で電柱に向かって嘆いている。

 

 

「そうだぞ!101回フラれたからって折れるな!次は1001回だ!」

 

 

鼓舞するようにバシッと背中を叩けば、哀しそうな形相の恋太郎が振り向く。

 

「だって清辺津…101だぞ…?」

 

「ここまで来たら101も1001も同じだろ!頑張れ頑張れ!」

 

「…だな!」

 

 恋太郎の眼前にグッとサムズアップしてみせると、くしゃくしゃになっていた状態から少しずつ表情が戻っていく。この不屈の精神もこいつの良いところなんだよなぁ…。

 

「…でも結局、卒業式の今日までずっと謎のままだったな…どうしてお前がそこまでこっぴどくフラれるのか」

 

 顎に手を当てて考え込む友人Aを前に、確かにとオレも手を当てる。理由を知っている側からすれば納得だが、そうじゃないとやっぱりおかしいよな…こんだけ良いやつなのに。

 

「だよなぁ…モテる要素揃いまくってんのにここまでモテないのは一種の才能…むしろ能力じゃないか?」

 

 

「褒めてんのか貶してんのかどっちだ⁉︎」

 

 

 褒めて…いや貶してるっぽいような…やっぱ褒めてるって事で!

 

「うーん…恋愛感情を抱かせない能力か…」【UN LOVE- 不 恋 -アンラヴ】とか?」

 

「最近完結したジャンプ漫画のネタ引っ張ってくるなよ!読者混乱するだろ⁉︎」

 

 まぁまぁ…多分ネタ通じるでしょ。通じなかったらその時は調べて貰えばいいし。

 

「にしても100回もフラれてもなお告白できるそのメンタルは何なんだよ」

 

「ってか清辺津は清辺津で他人の失恋回数把握してるのもヤバいだろ…」

 

 友人Aに言われた事で、改めて異常性を確認する。確かに。いやまぁオレはあくまで漫画だから知ってるだけだし!でもこんな事言えないしなぁ…。まぁ強いていうなら…。

 

「だってこいつ、昔とは言えオレのこと女だと間違えて告白してるんだぜ?そんなもん…折角なら最後まで見届けたいだろ…!」

 

「蒸し返すな黒歴史を!」

 

 まぁ隠すものでもないから公開するが、オレの容姿は確かに女っぽい。服取り替えたら多分男だとは思って貰えないと思う。身長はあんまり伸びずに148cm、顔立ちも幼い女の子のよう。初見だと男装だと思われるパターンがあるくらいには女っぽいのだ。過去の恋太郎が勘違いするのも分かる。

 

「フッ…まぁオレ顔は良いからなぁ…!」

 

「そのせいで彼女出来ないのはどこのどいつだよ」

 

「う…」

 

 まぁ…それはそう。この容姿のせいで全然彼女が出来ない。恋太郎とまではいかないものの数回は告白をしているが、全て女の子っぽいという理由で断られている。

 

「ヴッ…!」

 

「あっやべ流れ弾が」

 

『彼女出来ない』という現在の恋太郎特攻の弾丸がど真ん中をぶち抜いたのか、再び沈み込む恋太郎。それをみて笑う友人Aとオレ。この奇妙な友人関係も今日で終わると思うと少し残念だ。

 

 あの後も色々と喋りながら、友人Aとの分かれ道を経て恋太郎の隣を歩く。家が近い事もあり、帰り道はほぼ一緒だ。ちなみに友人Aは別の学校へ行くが、オレは恋太郎と同じ学校。恋太郎ファミリーが完成するまでは見届けさせてもらうぜ…お前の人生!

 

 

 

 

 

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「『失恋記録伸びるだろうが自殺だけはすんなよー』か」

 

「せっかくの新たなる門出に一体どこまで不吉なことを言えば済むんだあの友人Aは!」

 

「安心しろって恋太郎!」

 

「清辺津…」

 

「オレが記録係として不正なカウントしてやるから記録は伸びねーって!な?」

 

「結局フラれる前提じゃねーかおい!」

 

 あーやっぱり最高だわ。恋太郎とのかけ合いは何度やっても飽きねぇ。正直今世で1番楽しんでるまではある。恋太郎を揶揄うのは本当に楽しい。でもなぁ。もうすぐこいつは一大ファミリーを築く(未結婚)んだよなぁ…漫画があの後も連載してたらの話だが。

 

 羽香里のお母さんが出た辺りで転生したから分からないんだよなぁ…あの後羽香里は助かったんだろうけど、一体どうなったんだろうな…?流石に恋太郎だしどうにかしたんだろうけどな。

 

 問題はだ。ファミリーと一緒にいる時間が増えれば当然こいつと遊べなくなるのだ。こいつで遊べなくなるというのもある。まぁ。…寂しいけどこいつが幸せならそれで良いか!よし!

 

「おーい清辺津!立ち止まってると置いてくぞー?」

 

「…おう!」

 

 おっと。いつの間にか考え込んで足を止めてしまっていたか。大丈夫、あいつのことだし何やかんや遊ぶ時間は取れるだろ。そう自分に言い聞かせ、胸の奥でチクリと走る痛みを誤魔化すように、足を踏み出した。

 

「なぁ清辺津、ちょっと神社寄っていいか?」

 

「恋愛成就ってか?まぁ良いけど…」

 

 ようやくか。ここで恋太郎は神様から色々と話を聞かされるわけだが…オレも居ても良いんだろうか。一緒に居たら聞けないとかあるか?まぁ何とかなるだろ…仮に今来なくても、後で恋太郎の元には現れるだろうし。

 

 …と油断してたせいで思いっきりびびらされたんだがな!アホかオレは!

 

 来るかもしれないのは分かってたけどガチでビビった。「ひゃう⁉︎」なんて声を出した挙句、腰が抜けて尻餅をついた。はずかしい…!だって仕方なくね?賽銭箱に人の顔だぞ…怖ぇって!

 

 話の大筋は知ってるから大体で聞き流したが、特に変わったところも無さそうだった。ただ、一つだけ引っかかった部分があった。運命の人の数について。その数何と101人と言っていたのだ。

 

 なんてことだ。これじゃ100カノじゃなくて101カノ…!もしかして彼女の数と恋太郎の告白失敗回数が連動してたってのか⁉︎そんなバカな…!

 

 オレが…オレが100カノを…終わらせちまったってのか…⁉︎

 

 …まぁ1人くらい増えもするか?だってオレという異物が存在してる訳だし。多少ズレくらいは…まぁあるかもしれないってことで。

 

 そう言えば後もう一つあった。神社から帰る直前、オレの方を見た神様が

 

「お主は…いや、よそう。時が来ればいずれ…」

 

 

 とか言ってたことだ。何だその勿体振り方!まぁなんかあるんだろうけど…今は話してくれなさそうだし良いか。とりあえず今はいい。それよりも。

 

「よかったじゃねーか恋太郎!彼女101人だってな!」

 

「おう!楽しみだな…もし本当なら高校の入学式が待ち遠し過ぎるぜ〜‼︎早く来い入学式!」

 

「あぁ、楽しみ…だな…」

 

 ……あとわずかしかないかもしれないこの瞬間を、少しでも長く楽しんでいたいんだ。

 

 

 

 

 

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 今日は入学式。恋太郎が初めて告白される日…なのだが。

 

「うぅ…ゲホッ!」

 

 …オレは風邪を引いていた。

 

 何やってんだオレは。あまりにも致命的なミスだ。しかもただの風邪じゃなく、運の悪いことにインフルエンザ。幼い頃に両親を亡くしており、一人暮らしのオレにはかなり辛い。万が一恋太郎にも感染したらダメだということで、お見舞いはかなり頑張ってキャンセルさせた。

 

 病気にかかる危険を冒してでもお見舞いに来てくれるのは嬉しいが、それで折角の出会いを無駄にしてしまっては勿体無い。どうにか電話越しに説得することで事なきを得たが、『熱弁に体力を持っていかれた』+『恋太郎ファミリーがどうなっているのかが楽しみ過ぎてロクに眠れなかった』のコンボによって体調を悪化させ、高校生活のスタートダッシュに大失敗したのだった。

 

 一応恋太郎が毎日通話してくれているから状況は把握しているが、あっという間に彼女が増えていくのはやっぱり驚く。最初に2人、間髪入れずに3人、4人とどんどん増える。事情を知ってても若干驚きの方が上回っている。知ってるけど改めて聞くとどうかしてるなマジで!まぁこいつだからこそ報われても良いと思えるけどな!優しくて気配り出来てオレみたいなやつとも仲良くしてくれてて…納得ではあるよなぁ…うん。

 

 

 …さて。やっぱり気になるな恋太郎ファミリー。漫画で知っているとは言え、本当に恋太郎を任せられる人達なのかこの目で見極めねばなるまい。そう心に誓い、恋太郎との通話の日々でその思いを募らせていたのだが。

 

 病気も治り、まともに登校できるようになってからも初日から休んだ分の補講で忙しく、結局放課後が自由になったのは5人目、薬膳楠莉さんが加入した上でキスゾンビハザードを乗り越えた話を聞いてからだった。

 

 今日という今日はこの目で見定めてやる。なんか目的がズレてるような気がしないでもないが、まぁヨシ!

 

 ともかく、今回は秘策ありだ。それは…朝凸!現在、恋太郎の彼女である「花園羽香里」さんと「院田唐音」さんが通学路で恋太郎を待ち構えているのは確認済みだ。であれば。先んじて恋太郎と一緒に登校すれば、確実に出会える…我ながら完璧な作戦だ。

 

「こうして清辺津と一緒に登校するのも久々だな…」

 

「だなぁ…朝練の時間まで補講とか勘弁して欲しいぜ全く…!」

 

 中学までの時のように恋太郎と顔を合わせて登校。あーやっぱり楽しいわこれ。しばらく歩いていると、2つの影が見えた。来たか!どれどれ、オレが見定めてやる!

 

「おはよう、羽香里、唐音」

 

「おはようございます恋太郎君…と?」

 

「おはよう恋太郎…って」

 

「えっと…おはようございます?」

 

 ふむふむ…これが恋太郎の彼女…良い子達だな!うん!…にしても何だろうか?その不思議そうな目は。いつも慣れっこな現象を見ているようでいて、少し違和感を感じている…?

 

 よく分からない視線を向けられた後、まず金髪の子… 院田さんが。続けて桃髪の子… 花園さんが口を開いた。

 

「誰よその親しげに『ここが自分の居場所だ』とでも主張するかのような態度で恋太郎の隣に居る女の子ッ!」

 

「恋太郎君の新しい彼女ですか…?」

 

「「新しい彼女⁉︎」」

 

思わず恋太郎と声が被る。いやちげーって!

 

「ちげーよ!オレは!男だ!制服男だろ⁉︎男だよ!」

 

「本当⁉︎どう見ても女の子でしょ!」

 

「…にしか見えませんけど」

 

「本当だよ2人とも…彼は清辺津河流、ただの友人だよ」

 

 ナイス恋太郎。さすが恋太郎。いやぁマジで予想してなかった。女の子扱いはまだしも彼女て…仮にオレがこいつの運命の人なら出会った瞬間『ビビーン!』するかどうかで分かるだろ?そういうのがなかったからヨシ!

 

「また彼女が増えたかと思いました…」

 

「…まぁ別に良いんだけど」

 

「彼女が増えても俺の皆に対する愛は減らない…むしろ増やしてみせるよ!」

 

「「キュン…!」」

 

 なんか目の前ですごいラブコメしてんなぁ…。にしてもやっぱり恋太郎は良いな…!こういうとこだよな…誠実で…好意を隠さずにはっきり言えるとこ…うんうん…!

 

 

 

 

 

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 そんなこんなで色々あり、放課後。先ほどの2人に加え、小柄でスマホの読み上げ音声で喋る「好本 静」さん、成績が学年トップで何事にも超効率的な「栄逢 凪乃」さん、薬の開発が得意な「薬膳 楠莉」さんの3人を含めた、現恋太郎ファミリー全員とご対面となった訳だが。

 

「[今日も今日とて追加戦士が…]」

 

「新しい彼女…なのだ?」

 

「……じゃねぇから!オレ違うから!彼女じゃない!男だって!」

 

「多様な性と同時に付き合うのは効率的。」

 

「[男の娘…雄の中の雌でやんすか]」

 

「…いや彼氏でもねーから!友人!ゆ!う!じ!ん!」

 

 おい天丼やめろ!盛りすぎて豪華になっちゃうだろ!このネタずっと続かねーって!そもそも男の娘でもな…いやあるか?オレ自身はそう思ってないけど…確かにあるか?

 

「…さて、改めて。オレの名前は清辺津 河流だ。恋太郎に彼女が出来たって聞いてここに来たんだが…ふむ」

 

「じ…じっと見られてるのだ」

 

「私たちも最初はああして見定められていましたわね…」

 

 ……ふむふむ。なるほど。やっぱりだ。特に彼女の加入順に変化はなく、人数にも変更はない。性格もおそらく。大体わかったぞ。つまり…。

 

 

 

「…………さすが恋太郎だな!」

 

「どういう思考回路でそうなったのよっ⁉︎」

 

 あれ?今の流れってそんなにおかしかったか?だって…なぁ?

 

「見た感じ善人で良い人達ばかり…その上で全員射止めたって事だしなぁ…やっぱ恋太郎はすげぇって!だって皆恋太郎の事が大好きなんだろ?逆も然りだろうけど…」

 

「そりゃあ…その…」

 

「はい…恋太郎君が大好きです…!」

 

「そうなのだ!」

 

「[そうでやんす!]」

 

「そうね」

 

「皆…!お…俺も大好きだーッ!」

 

「「「「「キュン…!」」」」」

 

 おーおー。まーたやってら。それにしてもすごいぜ恋太郎。運命の人だったとしても、漫画を読んでたから分かる!ここまでなったのも、『ビビーン!』で終わらせずアイツが踏み出したからだ!すげぇんだよな…本当

 

 まぁ顔も見れたしオレはお邪魔にならないうちに退散するか!お邪魔にならないように屋上から去ろうとしたオレに、薬膳さんが声をかけてきた。

 

「待つのだ!新しい薬を作ったから実験…じゃなかった飲んでみてほしいのだ!」

 

言い換えた意味あったかそれ⁉︎ でもそういうのは彼女達とやった方が…」

 

「薬品の治験は人数が多い方が効率的」

 

「…確かに?」

 

 薬の実験は正直怖いけど、さっきの栄逢さんの言葉に言い返せない自分がいる。確かに納得しちゃったし。

 

「じゃあとりあえず飲んでみるのだ!」

 

「おう…」

 

 言われるがままに渡された試験管の中の液体を飲み干す。味は…にっっっが‼︎思わず地面に伏せてしまう。やべーってこれ。どう考えても苦すぎる。

 

「味が苦すぎる…!姿は…何か…変わった?」

 

「薬は失敗なのだ…?」

 

 薬を飲んだのにも関わらず、全然体に変化がない。あれ?失敗かこれ?ペタペタと身体中を触ってみるが、特に違和感はない。

 

「うーん…ちょっと恋太郎も試すのだ!」

 

 あっドンマイ恋太郎。あんなにがい薬とか辛いだけ…あれ?恋太郎が飲んだ途端、今度は一気に体付きが変化していく。これは…女になってる?あと髪が一気に伸びた事で顔が、特に目が隠れて前が見えなくなってるな。すごいシュールだ…髪なっが!地面にガッツリ着いてるし、相当の長さだ。

 

 

「なるほど…女の子になる薬だったのだ!」

 

「[あのモサモサ…まるで太古の密林]」

 

「髪が長くて前が見えない…!楠莉先輩、打ち消しの薬を!」

 

 おっと。今のうちに目に焼き付けておかねば。こんな馬鹿やってる恋太郎を見れるのもあと少し。これ以上ファミリーが増えたら、流石に邪魔者になってしまう。今でもそうだけど。こんな異物がここに居る事自体が間違いだしな。

 

「さぁ打ち消しの薬を飲むのだ!」

 

 薬膳先輩に手渡された薬を飲んだ…飲んだ?飲んだのかアレ?毛でよく見えねぇ…!と思ったのも束の間、シュルシュルと毛が元に戻っていく。あーあ戻っちゃった。

 

 にしてもあの薬の効果が女になる薬だとしたら、それってつまり今のオレは女ってことか。ほぇー。オレって女になってもあんまり変化ないんだな。

 

 さて、復活した恋太郎を揶揄うとするか。そう思ってあいつの瞳を見た瞬間だった。

 

『ビビーン!』

 

 瞬間、全身に衝撃が走った。目の前にいる男が好きで好きでたまらなくなる。カッコいいなこいつ。童顔寄りなのに太い眉が少しアクセントになっていて男らしく、かわいい。それでいてこちらを見つめる真剣な眼差しが…って。

 

 おい。

 

 待て。

 

 待てと。

 

 今何が起きた。

 

 『ビビーン!と全身に衝撃が走って』?『相手のことが好きで好きでたまらなくなった』?

 

 

 一度冷静になろう、オレ。だってオレだぞ?今確かに女になってるけど。…えっ?いやいやいや。ねーって。ありえねぇって。

 

 その場に立っていられなくなり、屋上の扉を乱雑に開けて校舎の外へと走り出す。

 

 おいおい嘘だろ。一体何が起きてる。分からん。ただ分かることが一つある。

 

 

 

 ……そう、オレ(♀)の運命の人が…愛城恋太郎である、という事だ。

 

 




もうオチは見えてるようなものですが
どうかお付き合いくださいませ

話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!

  • 本編を進めてほしいのだ!
  • 掲示板回を一区切りつける方が効率的
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