100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み)   作:メガネズミ

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1,2話の裏!恋太郎視点でお送りします!

少し短めなのは許して…次回以降の色々を考えているのでお待ちを…
ちなみに皆さんは大食い大会の出場人数についての規定の変更、許せます?

建前:いくら恋太郎の愛や羽々里さんの権力といえど…伝統ある行事の規定を変えるなんて…ッ!

本音:大食いチャンピオンが不正してたしそれくらい良いのでは?




番外編2:恋太郎から見た清辺津河流/1•2話Another

 

 

「なぁ見ろよ恋太郎!この棒長さちょうど良くないか?」

 

「確かに手持ちには良いかもな!」

 

「だろだろ?よし…こいつはここに隠して…っと」

 

 愛城恋太郎から見て、清辺津河流という「男」は友人であった。事あるごとにコロコロと表情を変え、もう中学を卒業するというのにも関わらず、子供っぽく楽しそうにはしゃぐやつだ。

 

 はしゃいでいるのは良いのだが、あいつは非常に貧弱だ。特に持久力が致命的に無く、シャトルランや2000m走などはもってのほか。ハッキリ言って運動に向かなさすぎる。その上、よく怪我をする。毎日のように転ぶのは序の口。家の中を歩いていても身体をぶつけてしまう事もあって、あいつの家の家具には全て赤ちゃん用の角をなくすクッションが付けられている。

 

 そんな貧弱なあいつが命の危険に見舞われた事は1度や2度では無く、俺も何度か助けている。いや、下手をすれば数十…数百だろうか。明らかに異常だ。これはあいつが貧弱である事もそうだけど、それ以上に…危険を省みないからだと思っている。何かあったら自分だけではどうにもならないと分かっているはずなのに、それでも止まらない。

 

 何度か説得をしようとしたものの、あいつの内に響く事はなかった。どうあっても、今の生き方を変えるつもりはないらしい。何かがあれば変わるかもしれないが、そう起こりはしないだろう。悔しいけど、俺にしてやれる事は今まで通り守ってやる事だけ。そう、思っていた。

 

 

 高校に入学してからは、あまりに激動の日々だった。あれだけ告白しても出来なかった彼女が、何と5人も。ただ、少し不安になる事もあった。清辺津がインフルエンザになってしまったのだ。出来れば助けに行きたいが、あんなに止められてしまってはどうしようもない。もし無理してでも看病しようものなら、それを止めようとする事で体力を消耗し体調を悪化させてしまうだろう。その後何とか体調は戻ったものの、補習などで中々時間が取れず、距離が空き始めていた。

 

 このままでは、いずれ会わなくなってしまうかもしれない。そんな一抹の不安に駆られた事で、話せる機会を増やそうと清辺津を屋上に呼び。できた彼女達を紹介したのだ。意外と相性は悪くなさそうだったが、自分がこの中では邪魔だと感じているのかすぐに立ち去ろうとしてしまう清辺津。せっかく彼女達に了承を取った上で呼んでいるわけだし、せめてもう少しだけでもいて欲しい。

 

 その気持ちを感じとったのか、それとも偶然か。楠莉先輩が実験の話を持ち出した。結局俺も飲むことになったその薬の名は、『女になる薬』。姿がほとんど変化しなかったあいつに比べ、前髪が長くなって前が見えなくなってしまった俺。何とか打ち消しの薬を飲み干し、ようやく開けた視界であいつを見た瞬間。

 

 身体に衝撃が走った。

 

 あり得ないと思った。あいつが”運命の人“だなんて。だってこれまでも、当たり前のようにその瞳を目にしている。混乱した脳が捉えたのは、逃げ出すあいつの姿。待て。そんな風に駆け出したら転んでしまう。そんな心配を他所に、清辺津は階段を一気に駆け降りていく。止まれ。止まってくれ。確かに何が起きているのかは分からなくて、怖いけれど。遠くへ行かないでくれ。

 

「待てって清辺津!」

 

「嫌だ待たん!オレは…オレは…!お前に対して堕ちたくねぇ〜!」

 

 帰ってきたのは、拒絶の言葉。「堕ちる」という意味は一瞬訳が分からなかったけど…そうか。思い出した。確か、清辺津が読めと半ば押し付け…いや貸してくれた本にあったか。ニュアンス的にも間違いない。つまりそれは、俺を好きになりたくないという事。一瞬足が止まりそうになった。

 

 あの時の、勘違いをしてフラれた時の記憶が脳裏をよぎる。これ以上近づけば、俺はあいつに嫌われてしまうんじゃないか。そんな悪い考えを吹き飛ばしたのも、あいつとの楽しい記憶だった。あれだけ一緒に居たんだ。好きになりたくない、という言葉にも何か理由があるはずだ。いつもなら何と無く聞こえてくる心の声は、両方がパニックになっているせいか微塵も聞こえない。向こうだって混乱しているんだ。だから咄嗟にあんな事を言ったのかもしれない。

 

 またフラれまいと、今度は友人を手放したくないと、次々と頭の中に言い訳が浮かんでくる。違う。違うだろ、俺!今大切なのは清辺津の身体の方だ。あんな駆け降り方をしたんだ。すぐに体力が尽きて倒れてしまうかもしれない。階段で転んでしまえば大怪我は免れない。好き嫌いなんて後でいい。今はあいつを助けないと。

 

 止まりかけた足を動かし、階段を降りてみればフラフラ、ヨチヨチと歩くあいつの姿。良かった。無事だった。それでも止まろうとせず、逃げおおせようとするあいつに声を掛け、身体を支えている。

 

「清辺津!」

 

「ぜひゅー…ぜひゅー…!」

 

 こんなに無茶をして。もし階段で倒れてしまったら、転んでしまっていたらどうなっていたか。

 

「う…うるへぇ…ぜひゅっ…!」

 

「清辺津は体力無いんだから無茶するなって!」

 

「ぐ…うぅ…」

 

 大丈夫かと顔を覗き込めば、苦しそうにしつつもいつもの顔がそこにあった。心底俺を嫌悪したような表情でもなく、拒絶しようとしているわけでもない。頭が混乱して上手く思考出来ていない時の顔だ。こうやって表情で丸わかりなところもかわいいよな。

 

 ……そうか。さっきの感覚が正しいとするなら、清辺津は俺の運命の人。俺もじわじわと好きになっているのだろう。けれど何か新しく好きになったというよりかは、今まで良いと思っていたものがさらに良いと思えるようになった感覚だ。

 

 違う部分があるとすれば、身体の感触とか…ッ!何だこれ⁉︎いつもの清辺津と同じようで全然違う!こう…少し硬いような感じだったのが…すっごく柔らかくて…髪や身体からは甘くて爽やかな良い匂いがふわっと香ってくる…ッ!

 

 ちち違うから!俺は別に変な意味じゃなく…単に本当に変わってる部分かこうだからって言いたいだけで!それにこうして止めておかないと無理して身体を動かしちゃうから!って落ち着け俺。健全だ…心を健全に保て。誰に対しての言い訳なのか分からないけれど、つい心の中で叫んでしまった。

 

「落ち着けって清辺津!楠莉先輩が打ち消しの薬を持ってきてくれたから…」

 

「放せってこの…え?」

 

 まずはこの事態を収めないと。変な思考を外に追い出し、先輩が持っている薬の話で流そうとする。もしかして清辺津、この薬を飲めば良いって忘れてたんじゃ…?しかし、サッと薬を飲んでおしまいとはいかなかった。いつもの体勢で薬を飲ませようとした時にすごくドキドキしてしまったのはカットするとして、飲んでも元の清辺津…性別…清辺津?に戻らなかったのだ。

 

 もしかして一生このままなのだろうか。一縷の望みをかけてあの神社へ行った。行く過程で間違いが起こりそうになったけど、何とか平静を保った。よく頑張ったぞ俺。あのタイミングで何か起きていたら、それこそヤバかったかもしれない。

 

 神社で神様から話を聞き、今の清辺津の状態を知った俺は誕生の神とやらを到底許せそうに無かった。俺だけでなく清辺津まで。あいつは怒る俺を宥めてくれていたけど、本当はあいつ自身が1番怒りたかっただろうに。

 

 また、何気に前世の記憶の話が真実だったと聞いて、本気で謝罪した。まさか真実だったとは思わなかった。昔過ぎたのもそうだが、流石に荒唐無稽だった。

 

 少しずつ怒りを収めていく中で、代わりとばかりに大きくなっていく感情が一つ。いや、これはさっきからずっと大きくなり続けていたものだ。何とか別の感情で蓋をしようとしていたけれど、とうとう出来なくなりつつあった。

 

 ついつい視線があいつの方に行ってしまう。気を抜けばすぐに言葉が漏れてしまいそうだ。『お前が好きだ』…と。別に元が同性だから言わないとかそういう事じゃない。これを言えば、俺は嫌われてしまうかもしれない。それは嫌だ。フラれる事もあの時のトラウマが蘇って恐ろしいけど、それ以上にお前と…清辺津河流と離れる事が嫌だ。お前に嫌われてしまうのが嫌だ。

 

「………恋太郎」

 

「あ…ッ…あぁ!どうした?清辺津…」

 

 確かにここでアレを言ってしまえば、彼女にする事は出来るかもしれない。運命の人と出会って結ばれなければ、死んでしまうという話。清辺津は運命の人については知っていても、死んでしまう事は知らない。それを理由にすれば、彼女にする事は出来るだろう。けれど、そんなやり方は嫌だ。

 

「…愛城、恋太郎」

 

「…ッ!」

 

 なんだよ清辺津。いきなりそんな目をこちらに向けてどうしたんだ。そんな…照れているような…何かを伝えようとしているような。普段のあいつらしくないような、隠しきれない何かを小出しにしているような感覚。

 

「色々と理由はあれど、まぁそんなこんなでオレは男から完全に女になった訳だ。もう元には戻れねぇ。だから…その。なんていうか…これからが不安、だからさ。頼れるやつが隣にいると嬉しい…っていうか…」

 

「………」

 

 あぁ。そっか。そっちもだったのか。良かった。安心して気が抜けそうになるが、何とか踏ん張ってあいつの声を聞く。せっかく言おうとしてくれているんだし、最後まで聞き届けて…

 

 

「……やめたやめた!前置きなんて似合わねぇわ!なぁ、恋太郎!オレが言いたいことはもう分かってるだろ?カッコつけて言おうと思ったけど…1人じゃ無理そうだわ。だからせーので言おうぜ?頼むよ、な?」

 

 

 全く。清辺津らしい。確かにその感覚は俺にも伝わっている。ようやく心が繋がった。少しだけ、少しだけ覚悟を決めるために間に話を挟む。もちろん、それはお互い了承済み。

 

「そう言ってお前昔みたいにフるつもりじゃ…!」

 

「フるか!今度はこっちからも話持ちかけてんだから!じゃあ行くぞ?3、2、1!」

 

 あぁ。一時はどうなる事かと思ったけれど。こうしてお前は戻ってきてくれたんだな。遠くへ行ってしまうかに思えた友人は、何と女になって帰ってきてくれた。

 

「愛城恋太郎!」

 

「清辺津河流!」

 

 それも、俺の運命の人として。もう、どこへも行かせない。俺が見ていないと、お前は危なっかしくて仕方がないから。お前が居ないと、どこか生活も味気ないから。

 

「オレと…」

 

「俺と…」

 

 まだ、お前の心には闇がある。まだ俺はそれを救えていない。友人としては踏み込みきれず、お前を救えずにいたけれど。今度こそ救ってみせる。彼氏としても、その先としても!

 

「「付き合って下さい!」」

 

 そうして俺達は、友人兼恋人になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 愛城恋太郎から見て、清辺津河流という「女」は親友兼彼女である。事あるごとにコロコロと表情を変え、高校生にもなったというのにも関わらず、子供っぽく楽しそうにはしゃぐやつだ。かわいい。愛らしい。愛おしい。

 

 

 

 

 

 親友の距離のまま来る悪友感も、恋人のように甘えてくる可愛さも含めて…世界で1番大大大大大好きな人だ。

 

 

 





 またどこかで花園家編のAnotherを書くかも…?

話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!

  • 本編を進めてほしいのだ!
  • 掲示板回を一区切りつける方が効率的
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