100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み)   作:メガネズミ

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…という訳でバッドエンド集!

絵本でバッドエンドを示唆するやつがありましたが、せっかくだし普通にバッドエンド見せちゃえ!という事で始まる番外編です。

ちなみに今回、河流に家族(偽)が増えます。




番外編3:変われないバッドエンド/変わる未来

 

 

 “運命の人”と出会い、結ばれなければなんやかんや不幸になって死ぬ。

 

 割とあっさり流されがちではあるものの、これはかなり恐ろしい話だ。恋太郎の彼女達は皆が皆、とても個性的だ。それは皆の良いところでもあり、同時に悪い点になる可能性を秘めている部分だ。

 

 実際、彼女達は恋太郎と出会うまではその部分が悪い形で働いてしまい、中々上手くいかずにいた場合も多かった。

 

 

 

 …もしも。もしも、恋太郎が恋太郎じゃなかったら。こんな風に彼女のために真剣になれる、誠実でカッコいい奴じゃなかったら。もし皆が運命の人と結ばれなかったら、一体どうなってしまうのだろう。

 

 

「どうなるんじゃろうなぁ?不幸になって死ぬのは決まっておるが…過程は想像できそうなもんじゃ…」

 

 そうだよな…悪い部分が前面に出て…そのまま…か…

 

 

 

 

 

 …ん?誰だお前。ってかここはどこだ。真っ白い空間、窓や扉なんて一つもない。オレの正面には1人の人間。いや…人間じゃないかもしれない。見覚えのある服を着ているし、こいつは恐らく…!

 

「ヒトかどうかを疑っておるようじゃのう?無論儂は人間ではない…神じゃ。」

 

 神。一度転生をし、恋愛の神という実物に会っているからこそ、それが虚偽ではないことがはっきり分かる。しかし随分とファンキーな髪型だな。恋愛の神と似て殆どハゲなのに、頭の中央部分だけに異様に長い毛が生えており、上に逆立っている。角みてぇ。

 

「自己紹介が遅れたのう?儂は誕生の神。恋愛の神とは…かつては仕事中に、共に金ローを見ておったくらいの仲じゃ。」

 

 こいつが。こいつが誕生の神か。オレがこうなった元凶とも言える相手。恋愛の神はまだ直接恋太郎に真実を伝えてはいたものの、こいつは伝言だけだった。その伝言もふざけたものだった。正直こいつに対する好感度はかなり低い。

 

 確かに見た目を女の子っぽくしてくれていたこともあって、オレ自身や恋太郎からも女になったのが受け入れられやすかったものの。それでも結局こいつがやらかさなければこうなっていたと思うと、とてもムカつく話だ。

 

「んで?ここはどこなんだ?」

 

「あぁ、安心せい。ここはただの夢の中…目が覚めれば元通り、いつもの日常に帰れる場所じゃよ」

 

 なら良いか。さっさと要件を済ませてもらって、早く起きて元の日常に帰りたい。

 

「お主をここに呼んだのは簡単じゃ。先ほど言っておった、運命の人と結ばれなかった際の不幸な死。これを…お主に知って貰おうと思っての?」

 

「…なんでだよ」

 

「……儂が伝えるとでも?これは試練じゃからな。あぁ心配はいらん、見せるのはお主1人分だけじゃが…それでもいくつかあるからのう…尺は足りるぞ?

 

「ツッコミにくい空気でボケるのズルくない?」

 

 試練…か。神様の戯れってやつだろうか。まぁ出られそうにないし、付き合ってやるしかないか。しかし何か違和感を感じる。安心しろって…なんでだ?それはそうと恋太郎が助けてくれるとありがたい。助けて〜ってな。もしかしたら夢の中でも来てくれるかもだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そんな事で、なんでかオレは自分の不幸な死?を見る事となった。全くもって気が乗らない…いや乗る奴なんて居るはずないけどさ。

 

 目の前の壁には8つのモニターのようなものが投影され、そこから過去のオレ…正しくは過去のオレが辿る可能性のあった結末を見られるようになっている。

 

「まず第一の分岐じゃ。もし、お主が男の際に…愛城恋太郎と友人になっておらんかったら?」

 

「…………どうなるんだよ」

 

 画面に映し出されたのは、今のオレとは似ても似つかない、無気力で動かないオレの姿。髪はいつもと比較にならないほどボサボサで荒れており、目は死人のよう。服の隙間から見える大きな古傷が、何か大きな事故にあったような印象を抱かせる。

 

「お主は大きな怪我をし、なんとか一命は取り留めるものの…何者にも成れず、死ぬ。変わる機会がなかったからじゃな。自身の名に恥じぬ生き方を出来なかった事もあり、塞ぎ込んで孤独に死ぬのがこのエンドじゃ。」

 

「なんていうか…割と想像通りだな。」

 

 大きな怪我、つまりこの時のオレは死にたがりが消えなかった事でこの傷を負い、それが原因で世間を恐れて変われなくなったという事なのだろう。まぁ恋太郎が居なかったら十分ありそうな感じだな。

 

 

 

 

「では次じゃ。お主と恋太郎が友として出会い、友のまま疎遠になっていたら?」

 

「考えただけで死ぬより辛いぞそれは…‼︎」

 

 今でもすっごく辛いんだが⁉︎見る分にはまだいいが、実際に起こったら困るなんてもんじゃない。

 

「それまで自身を支えてくれていた恋太郎が居なくなった事で自暴自棄になるのじゃ。危険な事に突っ込む性格も変わらず、助ける者もおらん。その末路など…まぁ言わずとも分かる事じゃろう?」

 

 映像に映るのは、身体中が傷だらけでなお不良に立ち向かおうとするオレの姿。その背後には頭を抱えて縮こまる子供。

 

 なるほどなるほど。善性は残っているけど、半ばヤケになっていて自らの身を顧みず無茶をして…か。恋太郎に説得されてなかったらあり得たかもしれないな、本当。

 

「次じゃ。お主が女になった後。ここからは6つ一気じゃ。思ったより尺が足りたから巻きでいくぞ?

 

「あんたシリアス向いてないんじゃないのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「一つ!逃げる際の階段!転げ落ちてアウトじゃ‼︎」

 

「あんな速度で走ってたらそりゃあな?」

 

 階段で足を滑らせて、頭から落ちていくオレ。そもそも身体能力低いし、スタミナ無いのに。あの時屋上から無事に駆け降りられた事がそもそも奇跡だって。

 

「二つ!車じゃ!校舎まで逃げ切れた場合…急に飛び出したせいで走っていた車と衝突してアウトじゃ‼︎」

 

「車は急に止まれません…ってか。まぁそらそうだろ。」

 

 飛び出して轢かれるオレの姿。小学校とかの講習ビデオかこれ?そりゃあ焦ってたとはいえやっちゃダメだし、それで死ぬのはまぁ…まだ納得の範疇だろ。

 

 …ん?なんか誕生の神、息切れしてないか?顔色が青くなってる…なんか腹に悪いものでも昼に食ったんだろうか。

 

「三つ!転倒じゃ‼︎恋太郎から逃げようと家に向かって走る途中、転びに転んで線路まで転がって…そのまま電車に轢かれてアウトじゃ‼︎」

 

「教育に悪いタイプのピタゴラスイッチだよな…絵面も字面も。あと転倒ワンパターンなのも良くないな。」

 

 うわすっごい勢い。なんなら転倒だけで死ぬんじゃないのかこれ。確かに普段も恋太郎が居ないとこうなるかもしれない時あるよな…転倒運がやけに悪い日とか。

 

「……四つ!家になんとか辿り着くものの、恋太郎に向き合わなかった罪悪感を鎮めるために料理を始める!じゃが、中々集中出来ずその際に誤って包丁が…」

 

「…なんかこういい感じにグサッとなってアウト、か。料理してたらありそうでやだなそれ。」

 

 見ろよあの包丁の挙動。一周回って芸術的なくらいに辺りにぶつかってから刺さりにいってるわアレ。どうなってんの?さっきの雑ピタゴラスイッチへの当てつけか?

 

ウップ……五つ!仲直りの弁当を抱えたまま…」

 

「…学校に急いで行く最中、橋の下に弁当を落っことしそうになってなんとかキャッチするも、足を滑らせて橋から転落…アウトか。」

 

 もうなんか先が読めてきた。ってか大丈夫かよ誕生の神。めちゃくちゃ吐きそうな顔してんじゃねーか。隠しても無駄だぞおい。さっき「ウップ…」してたの聞こえてたからな?

 

 しっかし面白いくらいに橋から落ちる流れと言い、これまでのオレの結末…特に女になってからってどこか既視感あるんだよな…なんだろ。

 

ハァ…ハァ…ッ…!六つ!学校には着いたものの、廊下で走ってしまい。哀れな事に教頭のディープキスの餌食に…!女だとこの時点では教頭は気付いておらんからのう…ゴフッ…!

 

「ディープキスが死と同等扱いなのおかしいだろ‼︎」

 

 やっぱ何かおかしいって。そもそもこれを死と称するのもそうだし、途中哀れとか言ってるのもそうだし、見せてる本人が吐きそうになって…ってか血ぃ吐いてんなこいつ。大丈夫か?もしかして精神的なダメージとかそういうやつか?

 

…ってか教頭先生をオチに使う流れって可哀想じゃないか?原作に刺さるからやめろ?確かに。

 

「こ…これにて終わりじゃ…!どうじゃ…お主が辿る可能性のあった…未来は…!」

 

「ノベルゲーとかのすっごい雑なバッドエンド集見た気分だったわ」

 

 さっきまでの既視感。それは、ノベルゲーのバッドエンド。なんというか、終盤でイベントの数は足りないけど、とりあえずバッドエンドを多めにして分岐を増やそうとした努力の跡が見られる感じ。最後のやつって絶対数足りなかったから急場で入れたやつだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「大丈夫か河流ッ!!!!」

 

「恋太郎ッ⁉︎なんでここに…⁉︎」

 

 なんでか知らんが口から血を吐いて蹲る誕生の神の背中をポンポンしてたら、モニターから恋太郎が出てきた。えっお前今どっから出ててきた⁉︎ってか本物か?本物だなこれ。

 

「恋愛の神に手伝ってもらったんだ…それより河流は大丈夫なのか⁉︎誕生の神に何かされてないか⁉︎」

 

「無事だけど…ってかお前はどうしてあの中から?アレってオレのバッドエンドだったんじゃ…ん?」

 

 

 見間違いだろうか。なんか…バッドエンドの映像変わってないか?傷だらけで死んだ目だったオレは外に出てキラキラとした目で誰かと話している。不良から子供を庇ってたオレはなんかボロボロになった不良の上で誰かに助けられてるし、女になった直後の6連発のオレはいずれもお姫様抱っこで誰かに抱えられたまま傷ひとつない。

 

「なぁ恋太郎?ここに来るまでになんかあったか?」

 

「ん?あぁ…道中で色んな姿の河流を見つけてさ。見捨てられなかったから助けてたんだ。まずボロボロになってたのを見つけたから説得して外に連れ出して、不良に囲まれてたから不良を全員薙ぎ倒して、転びそうになってたのは抱えて、車に轢かれそうだったのはスライディングしながら抱えて避けて、包丁は真剣白刃取りで受け止めて、橋から落ちそうだったのは身体を掴んで引き上げて、教頭先生はその…河流が女の子になったってことを証明したんだ…

 

「最後言い淀んでたよな?ナニ隠したんだ全く…探らねぇけどさ」

 

 にしてもそうか。通りでバッドエンドの画面が変わった訳だ。いやぁ…そうか。お前は…オレが手遅れになっても間に合ってくれるんだな。すげぇや。さすが未来の旦那様だわ。こうでもないとオレが未来まで生きてられてる気しないし妥当だけど。あんな映像見ちゃったら、明日にでも死にそうな貧弱さを嫌でも思い知るわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「んで、あんたはなんでこんな事したんだ?」

 

 白かった地面を真っ赤に染めて、その中心に蹲る誕生の神へ問いかける。

 

「それは…お主へ与える試練として…」

 

「なーにが試練じゃ阿呆。お主の方が途中で限界じゃったじゃろ…」

 

 目を逸らして答える誕生の神をさらに問い詰めようとした時、地面からにょんっとハゲ頭が生えた。この頭は…恋愛の神‼︎

 

「悪かったのう恋太郎、河流。こやつが馬鹿なことをしたせいで…」

 

 そうして現れた恋愛の神は語り始めた。なぜ誕生の神がこんな事をしたのか。本人が言わない理由?言う気は無いの一点張りだったからな。

 

「儂だって隠す予定じゃったが…ああも自ら泥を被ろうとする姿は見ておれんからのう?…そもそも儂もやらかしとるし。」

 

 泥を被る?どういうことだろうか。折角恋太郎に会えたってことで、ギュッとくっつきながら話を聞き始めた。夢なのに恋太郎あったけぇや。好き。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそもの話。オレがビビーン!したのは女になってからだが、実は男の時点で既に運命の人判定が起こってしまう仕様らしい。多分ビビーン!と運命の人判定は別処理なんだろう。

 

 そのため、もし最初のまま男同士という事で恋太郎と結ばれない場合、オレの死はほぼ確だったという事だ。その事が生まれる前から分かっていた誕生の神は、もう性別は決まってはいるもののオレの姿を女に近づける事でなんとかくっつけられないかと考えていたらしい。実際恋太郎が告ってきてたし、ある意味成功だった訳だ。

 

 だが、結局結ばれたわけではないのが不味かった。このまま疎遠になった場合。つまり1話の流れのまま、距離が離れていった場合…オレの死はほぼ確と。ふむふむ。

 

 これを解決するにはオレが女になり、恋太郎とビビーン‼︎して付き合わなければならないが…生憎、誕生の神には人を女にする力は無かったらしい。なんだよ。伝言の時は出来るけど面倒みたいな雰囲気出してたくせに。

 

 なんでも、生まれた事を肯定する存在である『誕生の神』にとって、性別を入れ替える事は生まれた際の性別の否定…ひいては誕生の否定へと繋がるため出来ないんだとか。むっず。

 

 しかし運の良いことに、楠莉先輩の薬でオレは女になった。『性別を変える事』は否定でも、『新しく女として生まれたオレ』を肯定することは誕生の神として可能だった。

 

 こうして誕生の神はオレの性別を女で固定し、今に至るというわけらしい。ちなみに、オレは目を離すとすぐ死にかねない貧弱なやつなのでちょくちょく手助けしてくれてるらしい。恋太郎が不在の時に大事故に巻き込まれなかったのはそのせいだったのか。納得。

 

 

 

 

「じゃあ…なんでそれを言わなかったんだ?あんな風に『遊びで人生を弄んだヤツ』なんて伝言せず、本当の事を言えば良かったのに…」

 

 

「……清辺津河流。お主は善性が強い。故に、儂がこうして手助けをしている事を知ったら…感謝してしまうのじゃろう?元凶が儂と恋愛の神である事を知った上でなお。神にとって感謝は…信仰はとても重要なものじゃ。じゃからこそ、儂がそれを受け取るのは間違っておる…儂にそんな権利はないんじゃよ…」

 

「誕生の神……」

 

「こやつはずっと悔いておったんじゃ…あの日のミスのことをずっとの。こやつでなければここまで入れ込む事はあり得ん。一日たりとも欠かさずたった1人の人間を見守るなど…神々からすれば正気の沙汰では無いんじゃよ。

 

「じゃあなんで誕生の神はこんな事をしたんだ‼︎そんなに入れ込んでいる河流を苦しめるような真似を…ッ‼︎」

 

「恋太郎、言うほど苦しく無かったからノーカンじゃダメか?」

 

 

 

 

 

「……ハァ。お主たちには敵わんのう…恋愛の神、お主にもじゃ。」

 

 そうして誕生の神が真意を語り始めた。いわゆる舞台裏の話ってヤツだ。こういうのオレ好きなんだよな。

 

……儂は悪役になるつもりじゃった。清辺津河流に不幸な結末を見せ、そこから愛城恋太郎が救い出す事で2人の仲がさらに深まる。加えて恋愛の神に向いていたヘイトが、儂に向くようになる。」

 

「見せるものを不幸な結末にしたのはアレじゃ。清辺津河流、お主にも危機感を持って欲しかったんじゃよ。一歩間違えばお主はああなる。普段は愛城恋太郎の助けがあるとはいえ、あのような状況は起こる可能性があったんじゃから。まぁ、あの日は儂が手助けをしておったから、死ぬ事は絶対に有り得んかったがのう。

 

「教頭のキスを入れたのは…数合わせでもあり、ファーストキスを失うのはあまりに可哀想じゃったんでな。気づけば不幸な結末に入れておったんじゃよ…」

 

 

 なんというか…うん。すっごくベタな事をしようとしたけど本人の性質と相反してたから上手くいかなかったとか、そういうやつだなこれ。だって誕生の神なんだし、バッドエンド…つまり死は、非常に嫌いなものだったに違いない。だからあんなに苦しそうにしたり、血を吐いてたのか。

 

 イメージ的に近いのはアレだ。花園家で唐音が嘘発見機に座ってた時のやつ。好きと叫んだ唐音に対し、嘘発見機が『ウソ!ウソ!』と答えた。あの時の恋太郎に近いんだろう。あとはこの後に出てくる彼女に…あっネタバレになっちゃう?じゃあ無しで。

 

 とにかく、心から合わない事を無理にでもしようとした結果がこれなんだろう。無理させちゃって悪かったなぁ。言動の端々から善性が滲み出ちゃってたし。

 

「そんな自分勝手な…河流がどんな気持ちだったか…‼︎」

 

 話を全て聞いた上で、なおも怒る恋太郎。そりゃそうか。オレは許せるかもだけど…親友兼彼女を傷つけた相手に容赦がないのは分かってるし。どうしたものか…神相手に一発ぶん殴るとかやりかねない。ってか一発で済むか?

 

 

 

 

 

 なんとかギュッとくっつく事で怒る恋太郎を抑えつつ、白い地面に正座で座り込んだ誕生の神を見る。一体何をする気なんだろうか。

 

 

「さて…清辺津河流よ。もう儂の考えがバレてしまった以上は仕方があるまい。この通りじゃ。……本当に…申し訳なかった…‼︎

 

 おいおい。それはダメだって。神様だろ?そんな…土下座なんかしちゃダメだろう。

 

「すまなかった…!もっと早くにこうしておくべきじゃったのかもしれん…‼︎誠意が足りておらんかった…‼︎」

 

 血が流れるほどに地面に額を擦り付け、深く謝罪する誕生の神。さしもの恋太郎も、怒るに怒れなさそうだ。そりゃあそうだろうな。ずっと影で償い続けてきた上、今回の件だってオレ達のために考えて起こした事だった訳だし。

 

 

「んじゃあオレからのお願いを聞いてくれたら、チャラって事で。」

 

「河流…」

 

「良いだろ恋太郎?こんなに償ってて…謝罪もしてるんだし。」

 

「分かった。儂にできる事であれば可能な限り…」

 

「おい誕生の神、そこまでせんでも…!」

 

「なにを言うか!儂はそれほどの事をしたのじゃ!償うためならどんな事だろうと…!」

 

 

 

「…おじいちゃんになってくれ‼︎」

 

 

 

 

「………ほ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「しかし驚いたのう誕生の神よ…まさかおじいちゃんとは‼︎」

 

「そうじゃな…今も半信半疑なほどじゃよ…ふふ…」

 

「なんじゃ、かつて無いほど嬉しそうにしおって…!そういえば、何故あの事を伝えなかったんじゃ?」

 

あぁ…愛城恋太郎に、清辺津河流の不幸な死を覆す機会を与えた事か!別に…単なる言い忘れじゃよ。あやつはあやつで僅かに悩んでおったからのう…『本当に自分が河流を守れているのかどうか』じゃったか?守れておるに決まっておるじゃろう!でなければ、『清辺津河流の不幸な未来が、愛城恋太郎の彼女になってから可能性ひとつ残さず消滅した』なんてこと、起こるはずも無かろう?試練の分岐を見つけるの大変じゃったんじゃから…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

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 翌日。なんやかんや夢?で起きた事は2人とも覚えていたので、色々と恋太郎と話している。もちろんおんぶして貰いながらなッ‼︎好き‼︎

 

「なんで河流はあんなこと言ったんだ?ぶん殴ろうとした俺がいうのもなんだけど…神様をおじいちゃんって…

 

 まぁ我ながら中々ヤバいことを言ったのは事実だと分かってはいる。でも、その上でそうしたかっただけだし。

 

「だってさ?なんでもって言ってたし…前世も今世もおじいちゃんに会ったことも無かったからさ。それに…」

 

「…それに?」

 

「なんていうか…オレの事をずっと見守ってくれたり、危ない時は助けてくれてたり…時に厳しい試練を用意するけど実は意外と甘かったり。オレにおじいちゃんが居たんだったら…こんな感じなのかなって…

 

「…そっか」

 

 納得したようにこちらに微笑みかける恋太郎。うーん…なんか遠くが騒がしいような気がする。まぁ良いか。何かあっても恋太郎も居るし、ファミリーの皆も居るし、オレにはとても頼もしい……おじいちゃんが増えたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ええいやめんか誕生の神‼︎これ以上の金運はあやつには要らん‼︎」

 

「相手は河流じゃぞ⁉︎金などあって困るものでは無いじゃろう‼︎金運バンクへの扉を閉めるでない‼︎」

 

「それにしてもやりすぎなんじゃ…‼︎もう少し節度を…」

 

「節度など知った事ではないわ!そこをどかんか‼︎」

 

「どいたらすぐに振り込むじゃろう⁉︎お主、清辺津河流のなんだというんじゃ…!

 

 

 

 

 

「どけ‼︎儂はおじいちゃんじゃぞ‼︎‼︎」

 

 






あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

『絵本でバッドエンドを示唆するやつをやろうと話を練っていたら、いつの間にか河流に家族が増えていた』

何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何が起きたのかわからなかった…

…なんで?

話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!

  • 本編を進めてほしいのだ!
  • 掲示板回を一区切りつける方が効率的
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