100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み) 作:メガネズミ
短くてすまぬ…‼︎
「そんな薬が作れるなんて…」
「本当にデメリットはないんでしょうね…?」
「ちゃんと自分で試して確認したのだ!なんだったら唐音も飲んでみるのだ?」
なるほどな…まぁこの感じなら大丈夫そうか。何かヤバい情報を隠して飲ませたとかでもなさそうだし。偶にあるのが怖いけど。もしくは完全に不慮の事故がある時とか。よっぽどそんな事はないだろうけど。
ふと思ったが…薬の副作用で前後の記憶がぶっ飛んでいる薬なんかもあるんだろうか?そういう薬だと危険性なんかも分からなくなりそうだが…まぁ今回は大丈夫だろう。だって空腹が収まる薬だぞ?記憶飛ぶなんてどう考えてもおかしい。
これまでの法則から考えても、そういうのは無いだろうし。安心とまではいかないだろうが、なんとかなる。そう考えていたのだが。
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「本当だ…全然お腹が空かない…!」
「これを目の前にしても?」
「…空かない!」
凄い効果だなこれ。試しにおにぎりを胡桃ちゃんの目の前に出してみたけれど、それでも手が伸びてこない。くるくるというお腹の音も聞こえてこないし、これは大成功なんじゃないのか…?
「…ちゃんと元に戻るんでしょうね?」
「打ち消しの薬を飲めばいけるのだ!」
「凄い…これなら空腹に苦しまなくなる…!」
「ならもう胡桃ちゃんにイライラされずに甘えて貰えるのねッ⁉︎」
「は?」
しかもアフターケアも万全と。確かにご飯を食べなきゃいけない時は打ち消しの薬を飲めば良いから、万が一という事もない。羽々里さん?まぁ通常運転だし良いかなって。
「[何やら芳しい香りが]」
「あれは…移動販売ですわ!」
ほう…移動販売か。学校に来るなんて中々珍しい。いやまぁ羽々里さんだったらいくらでも呼べるだろうけど。今回はそういう感じは無さそうだし、仕込みは無さそうだ。安心して食べられる。
「折角だから皆で買いに行きませんか?」
「良いね!胡桃も食べたいだろうし…」
「別にいいよ…お腹減ってないし」
んなバカな。まぁ…薬飲んでたし納得…いや出来ないなやっぱ。胡桃ちゃんが移動販売に…食事に興味を示さないなんて。そもそも静ですら気づいたこの良い匂いに対して、胡桃ちゃんだけがなんの反応も示していなかった。やっぱり違和感が凄い。さっきは多少の違和感で流せたが、とても変な感じがする。
「ほら、皆で食べるし胡桃も食べよう?打ち消しの薬を飲んでさ」
「あたしは別に…」
…なんだこの違和感⁉︎すごく変だ。まるで胡桃ちゃんじゃないみたいだ。胡桃ちゃんを構成しているパーツが欠けてしまったかのようだ。
「私も胡桃ちゃんが美味しそうに食べているところが見たいわ…!」
「薬の効果を試す意味でも飲む方が合理的」
「[ほらほら、食わねぇとどうなっても知らねぇぞ?]」
「まぁ…そこまで言うなら…」
しぶしぶではあったが、打ち消しの薬を飲んだ胡桃ちゃん。あの薬、本当に空腹じゃなくなるだけなのか?人格とまではいかないけど、ご飯を食べたいという気持ちや好きという気持ちまで奪っているんじゃないかと思ってしまう。まぁ何はともあれ、しっかり打ち消しの薬も飲んだしこれで…
「胡桃も薬を飲んだし、じゃあ皆で移動販売に…」
「…あたしはパス。薬を飲んだけどお腹空かないし」
「「…ッッ⁉︎」」
今なんて?だってさっき薬を飲んだはずだろう。これで空腹が収まる薬の効果も切れるはずじゃ…
「[なな…何を言ってるでやんすか?]」
「打ち消しの薬を飲んだのに…胡桃が元に戻ってない⁉︎」
「ちょっと…どういう事よ楠莉ッ⁉︎」
「楠莉にも分からないのだ!ちゃんと試した時は打ち消しの薬で効果は消えたのに…!」
楠莉先輩も困惑しているようだ。ちゃんと打ち消しの薬は飲んだはずなのに、効果が消えていない。これは確か…強力な薬の場合に起こるって話だ。でも、試した楠莉先輩の効果は打ち消されたらしい。だとするならこんな状況になるはずがないのに。どういう事だ…⁉︎
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一旦現状を確認し直そう。胡桃ちゃんは空腹が収まる薬を飲んだ事で、いつものように唐突に空腹になる事がなくなった。おにぎりを前にしても空腹にならないという点から見ても、しっかりこの薬が効いているのは分かっている。
だがこの効果は、あくまでも打ち消しの薬を飲む事で切れるはずだった。しかし、実際に胡桃ちゃんが打ち消しの薬を飲んだにも関わらず効果は消えていない。これは一体どういう事なのか。
そもそも、あの空腹が収まる薬を飲んでから胡桃ちゃんの様子は変だった。空腹がどうこうという部分でも十分変ではあるものの、それ以外にもおかしな点はあった。よくよく考えてみれば…空腹が収まるだけなら、食欲が無くなることはないはずだ。
空腹。それは、お腹が空いた状態という事。なんでも良いからお腹に収めたいと思う、体が出す号令のようなもの。生物が餓死しないようにと用意した、飢餓を示す信号。それが空腹だ。
空腹と食欲は似ているが、違う。空腹でなくとも、人は美味しそうなものを見れば食欲が自然と出てくるものだ。食べたいと思う気持ち…それが食欲。お腹が空くのと食欲が無いのとは、似ているようで少し違うのだ。ニアイコールとかいうやつだ。
それに、食欲というなら胡桃ちゃんは他とは一線を画す。彼女は匂いどころか、言葉の連想からも食欲を生み出す子だ。いや冷静になると凄いなそれ。
とにかく、空腹が収まるからといって食欲が消滅する訳では無いはずなんだ。なのに今の胡桃ちゃんは…まるで別人のように食欲を失っている。
空腹が収まる薬を飲んだせいでこうなったのは明白だが、明らかに効果がおかしい。可能性があるとすれば、この薬の本当の効果が違っていたとかだろうか。楠莉先輩と胡桃ちゃんでは、食に対する価値観や重要度がまるで違う。
「でも…もしかしたら河流の時みたいに、素質があったとか薬との相性が良すぎたとかがあるかもなのだ…!」
「た…確かにそれもあるか…?」
「…?どうしたのだ?」
「な…なんでも無いぞ?」
「清辺津河流、なぜそんなに動揺を?」
おっと危ねぇ。確かそんな感じの言い訳してたなって。今のオレは楠莉先輩の薬で女になった後、誕生の神の力で性別を固定されている訳だが…神の存在を口に出すのもアレだったし、それを隠すために使ったのが素質や相性だ。オレと女になる薬の相性が良すぎた、元から女としての素質があったのでこうなった…という理由づけをしたのがほんの少し昔の話。そんな事もあったなぁ。
まぁそれとは明確に違うと言えるが、とりあえず言い訳として便利だしこのままで良いだろう。
「でもそれなら変じゃないか?元々食が細いとかならともかく、むしろ胡桃はその真逆のはず。素質があるようには思えないんだけど…」
「確かにそうなのだ…」
「元々女のような見た目の清辺津河流に女の素質があるのは納得できる」
「でも胡桃は…」
「[むしろ食欲の徒]」
そうだ。胡桃ちゃんはむしろ、空腹を抑える素質から真逆の所に居る存在だ。だとするなら素質はありえない。なら…アレか。薬の効果が違っていた可能性だ。楠莉先輩と胡桃ちゃんでは、食欲からして大きく違うから…そこに何かがあるはず。
あぁでもない、こうでもない。脳内でいくつか仮説を立ててみるも、これだというものが浮かばない。一体何だろうか。そう考えていた時だった。
「………」
『………』
「…胡桃?」
先ほどから食欲が無くなっていた胡桃ちゃんだったが、何やら表情が変だ。まるで無。何の感情も抱いていないような…そんな感じ。これは一体…⁉︎
「も…もも…もしかして…」
「楠莉先輩、何か心当たりが…⁉︎」
「もしかしたらかもしれないのだ…!く…胡桃の食欲因子が…無くなっちゃったかもしれないのだーーッ‼︎」
次回辺りで解決予定…その次はいよいよ⁉︎
話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!
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本編を進めてほしいのだ!
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掲示板回を一区切りつける方が効率的