100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み)   作:メガネズミ

55 / 113

食欲喪失編、完結‼︎シリアスほどでは無いですが少しだけ真面目です



第50話:胡桃ちゃんのためにお料理を作ろうの会

 

 

 胡桃ちゃんの食欲を取り戻すには、美味しいものを大量に作れば良いという事で。ファミリー全員でそれぞれ料理を作って出す事になった。恋太郎もだ。

 

 

 

 

 

「べ…別に胡桃のために作ったんじゃ無いんだからねッ‼︎」

 

「じゃあ今何のために作ったんです?」

 

「そのツンデレは非効率」

 

「[効率的なツンデレとは如何に]」

 

 さて一番手は唐音。出したのは…クッキーだ!チョコチップクッキーとは、中々良いセンスだ。バタークッキーの風味とチョコレートの甘みが良い感じに合わさる相性抜群なお菓子だ。

 

 

 唐音はよく恋太郎にあ〜んをして瞼から食べさせているからな。いやどう食ってるんだろうな本当。ドラ○もんだと確か目でピーナッツを噛むとかいう無茶を言っていたが、マジでやれるのってすごいよな…さすが恋太郎。

 

 

 

 せっかくだしチョコチップクッキーの作り方の解説も入れとこうか。

 

 クッキーの生地はバターを温めてかき混ぜる工程から始まる。泡立て器でクリーム状にした上で砂糖や生卵を加えて更に混ぜ、薄力粉を粉っぽさがなくなるまで混ぜる。クッキー生地は一旦ここでストップ。混ぜる工程がかなり多いので、意外と力を使うかもしれない。ちなみにこの後も更に混ぜるぞ。

 

 次にチョコチップだが、板チョコなんかを砕く事でチョコチップを作れる。少し大きめに砕くのがコツだ。これをさっき作ったクッキー生地に投入。チョコが均等になるように気をつけながら混ぜきれば生地は完成だ。

 

 あとは一口サイズに生地を千切り、オーブンシートに載せていく。クッキーやパンもそうだが、焼くと生地が広がる系のものは間隔を空けて置かないとくっ付くので注意だ。そこからはオーブンで加熱して、ちょうど良いと思った焼き加減で止めれば完成だ。焼きすぎてもダメだが、生焼けよりかはマシなのである程度長めに焼くのを意識しても良いかもしれない。

 

 …とまぁ以上がチョコチップクッキーの作り方だ。こういうのがちゃんとできる唐音は、多分本人が思っている以上に女の子出来てると思うぞ。

 

 

 

 

「………」

 

 クッキーを口にした胡桃ちゃん。流石に最初から元には戻らないだろうけど、少しくらいは…

 

『おいっっしい〜〜ッ‼︎』

 

 

 いやなんか聞こえたぞ今。めちゃくちゃ小さくてか細い声だったが、確かに聞こえた。この声は一体どこから…⁉︎

 

「今の声は…胡桃のお腹辺りから聞こえなかった?」

 

「そうですわね…普段胡桃さんがお腹を鳴らしている時の音に近いような…そんな気がしますわ!」

 

 

 

 

 

 続いて羽香里。用意したのは…卵焼き!これも羽香里が恋太郎によく食べさせているものだ。しっかし順番…は胡桃ちゃんの事だしそこまで気にしないにしても、手作りクッキーの後に玉子焼きなんて…そう思った人も居るだろう。だが、今回羽香里が用意したのは…ちゃんと甘い卵焼きなのだ!

 

 ちなみに卵焼きをチョイスした理由はよく分かっていない。別にそういうネタ的なものは…いやどうなんだ。羽香里の事だし何か意味がありそうな気がしないでも無いが。

 

 卵焼きの作り方を解説しようかとも思ったが、知ってる人が大多数だと思うので割愛する。まぁせいぜい使う砂糖がグラニュー糖なんかがおすすめって事くらいか。上白糖よりもグラニュー糖の方が本来の味わいを残せるので、今回の卵焼きには合っているというわけだ。

 

 

「お口に合えば良いんですけど…」

 

 

「………」

 

『おいっっしい〜〜ッ‼︎』

 

 

「やっぱり少し声が聞こえるわね…!」

 

「鼓膜を揺らすこの振動は間違いない」

 

 やっぱりそうだ。本当に小さいが声が聞こえる。それに、心なしか胡桃ちゃんの顔も元に戻っていっている。じゃあ残る皆の料理も一気に行くか!

 

 

 

 

 

 

「[我が掌の絶技、お見せしよう]」

 

 静はおにぎり。小さい手で必死に握ったのが伝わってくる、可愛らしいサイズのおにぎりだ。具はおかか。かつおぶしのパックに醤油を掛け、少し混ぜただけの代物だが。中々どうしてこれが美味しい。それまで甘いお菓子系だったのに対し、塩っ辛さでアクセントの効くこれを選んだのは正解だ…ナイスだ静。

 

 

 

 

「食事にはこれが最も効率的」

 

 凪乃はサプリメント。いやアウトォ‼︎ちゃんと認可取らなきゃダメだろそれは。

 

「いやちゃんと製造業なんかで許可を…」

 

「楠莉も普段から大量に薬作ってるからセーフなのだ!」

 

「[倫理観の欠如]」

 

「もっとヤバい人が身近に居ましたわねッ…⁉︎」

 

 そういえばそうか。後遺症どころか下手したら死の危険すらある薬をバンバン作っている楠莉先輩がいる以上、今更そんなことも言ってられないか。

 

「…サプリメントは冗談。作ったのはラムネ菓子

 

 いや良かった…!流石にサプリメントを自作はしなかったか…‼︎ちなみにラムネの作り方だが、ボールに砂糖・重曹・コーンスターチ・クエン酸・レモン汁を入れて混ぜ、更に水を入れて混ぜることで大本が出来る。あとはそれをラムネのサイズに分け、型なんかに押し固めて乾かすと完成だ。

 

 本来乾かすのには丸一日を要するが、羽々里さんの権力による最新技術で短時間で乾かせた。すごいな…それ後で欲しい。しかしどんな効率マシーンなんだそれ。乾かす時間をここまで短縮できるなんて凄いな…いやまぁ噓発見機とかあるし納得の技術力だけど。

 

 …ってラムネ作りも解説しちまったじゃねーか。飛ばすって言ったのに…‼︎でも本当にこのペースで続けたら絶対尺が足りない。というわけでここからは本当にダイジェストだ。

 

 

 

 

 

「口の中が火ぃ吹く超激辛!辛い方が食欲増進になるはずなのだ!」

 

 楠莉先輩は激辛の麻婆豆腐。市販の素を使いつつ、隠し味として豆板醤と唐辛子を大量に入れている。豆板醤はピリッとした辛味とコクが人気の調味料で、市販の素にも含まれてはいるが、別口で入れるのも中々アリだ。でも唐辛子…気のせいじゃなかったらハバネロとか色々入れてたよな…?

 

 あれだと楠莉先輩はいけても、胡桃ちゃんには少々辛すぎるんじゃないのか。フードファイトフェスティバルの時もそうだったけど、舌が劇薬に慣れすぎている楠莉先輩って味覚大丈夫なんだろうか…⁉︎

 

 

 

 

「ママのミルクの時間でちゅよーーッッ‼︎‼︎❤︎❤︎」

 

 次だ。羽々里さんが作ったのは…ミルク。あのさぁ…‼︎いやまぁ別に何作ろうが勝手ですけど。しかもしっかり哺乳瓶に入れて飲ませてる辺りそういう意図しか感じない。

 

 だが、実はこれには意図がある…はず。多分。辛いものを食べた後に他のものを食べると味が引っ張られてしまうが、その時に牛乳…ミルクを飲むと辛みがおさまり口の中がリセットされるのだ。おそらく羽々里さんはこれを狙っていたはず。

 

 楠莉先輩が激辛麻婆を作っていると知った羽々里さんが、胡桃ちゃんのために辛味を抑えるためのミルクをチョイスした…そうであってくれ。

 

「あびゃびゃびゃびゃびゃ胡桃ちゃんが私のミルクをッッ‼︎‼︎❤︎❤︎」

 

 

 

 

 

「こちら、お紅茶にございます」

 

 芽衣さんはいつもの紅茶だ。いつも胡桃ちゃんが美味しそうに飲んでいる、日常の象徴のような飲み物。オレの場合はどちらかといえば先読みで食べたいものを用意してあげる感じなので、こういうのはあんまりやらない。やっぱりあれだな…こういう『いつも飲む』系は芽衣さんがかなり上手だ…!

 

 ミルクで辛味がリセットされた味覚に、スーッと染み渡るであろう紅茶の風味。若干残るミルクの後味を消して邪魔者にせず、むしろミルクティーのような味わいさえ錯覚させた。羽々里さんの無茶振りに近いミルクという選択さえも活かす手腕…流石芽衣さんだ。

 

 

 

「ちょっと味付けが濃いけど…ヘルシーで美味しいよ!」

 

 育はささみ焼き。鳥のささみを黒胡椒や塩、酒やスパイスを加えて焼いたものだ。もともとヘルシーなささみを茹でたものでサラダを考えていたようだったけど、胡桃ちゃんの食欲を更に刺激するためにこれを選んだらしい。なるほど…!

 

 

 

「美味しく食べられる上、更に美しくなれますのよ!」

 

 美々美先輩はタピオカミルクティーだ。ドリンク系が意外と多いな…⁉︎噛めば噛むほど小顔効果の出るタピオカだが、実はお店で売っているものよりも作りたての方がよりぷるぷるしている事が多い。乾燥のタピオカが売っているので、お湯で戻して流水でさっと冷やすといい感じになる。しかしまさかのミルクティー被り。まぁでも胡桃ちゃんはそこまで気にしないから良いけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、大体の面子の料理を食べた胡桃ちゃんはというと…

 

「………」

 

『おいっっしい〜〜〜ッ‼︎』

 

 なんか因子そのものは戻ったっぽい。くるくると鳴る代わりに食欲因子が声をあげている。どういう現象だよこれ。あれか?口で言えない分が溢れ出てんのか?なんかツッコミにくい雰囲気なせいで皆ツッコめずにいるけど。

 

 

 ただ、まだ量が足りない感じだ。残るのはオレと恋太郎。大トリである恋太郎の準備を眺めつつ、こちらの料理も仕上げていく。良い香りだ。あえてこいつをギリギリで作ったのも、作る過程の匂いを楽しんで欲しかったからだ。

 

 

 

「さぁ…おあがりよ!」

 

「とうとう食○のソーマのキメ台詞ごとパクったのだ」

 

 

 オレが作ったのは……そう、ちゃんこ鍋だ。ずっとちゃんちゃん言ってるしね…‼︎ちゃん呼びがちゃんこを連想するからって、前にも沢山食べさせてあげたこともあった。おかげで今もちゃん呼びが出来ている…たまにちゃんこせがまれるけども。

 

 しかしこのちゃんこ鍋、実は前座だ。味が濃いように見えて、実は少し薄い。ほんの少し…あとひと声物足りなく感じるように作ってあるちゃんこだ。次の料理のインパクトを引き立たせるようにしつつ、シメに選ばれがちなちゃんこをあえて前座に使ったのは…このため。

 

 

 さぁ恋太郎。あの時みたいに出してやってくれ。お前の作る…『メンチカツサンド』を…ッッ‼︎

 

 

 

 

 

「………」

 

「…胡桃、どうかな?」

 

 あの時と同じ作り方で作った、恋太郎のメンチカツサンド。タレはあの時のように作ったものともう一つ、秘密裏に恋太郎が研究し続けていたものだ。オレの力は借りず、自分の力で再現した上で…更に超えてきた一品。これで…!

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかここまでやっても上手くいかないなんて…!」

 

「[万策尽きたでやんすか]」

 

「あともう少しの筈なんだ…ッ!もう少しで胡桃が…!」

 

 …けど、ダメだった。あと少しだって事は分かっている。だが、何かが足りていない。完全に食欲の本流を呼び起こすには、あと一手。食べるものでもない、食べる場所でもない…一体なんだろうか。

 

「このまま親元に返すわけにもいかないのよね…」

 

「一体何が足りてませんの…?あとほんの少しの気がしますのに!」

 

「ぅ…沢山の料理を見てたら楠莉も食べたくなっちゃったのだ…!」

 

「ちょっと楠莉、こんな時に…」

 

 確かに。オレ達も沢山料理を作ったけど、全然食べれていないせいでお腹が空いてきた。そういえば移動販売も帰っちゃっただろうし…何か作ろうかな?今はちゃんこ鍋の反動で立つこともできないけど。

 

「あはは…私もお腹が空きました…」

 

「流石にボクも空いたなぁ…」

 

「[まさか我自身も空腹の徒になろうとは]」

 

「べ…別にお腹なんて空いてないんだからねッ‼︎」

 

 うーん。皆もお腹が空いてきてしまったか。こういう時は羽々里さんに頼んで出前をとって、ファミリー皆で美味しく…美味しく…

 

 

 

 

 

 

 ………そうかッッ‼︎

 

 オレが気づいたと同時…いや、恋太郎の方が一瞬早くか。負けた…‼︎まぁでもほぼ同時だしセーフセーフ。

 

 

 

 

 

 

 

 一体何が足りなかったのか。何をすれば良かったのか。ヒントは…胡桃ちゃんが恋太郎に告白した時だ。いやぁまさかアレが伏線になるとはね。じゃあ開示といきますか。せっかくだし、答え合わせと同時に実況でもしよう。

 

 

 

「じゃあいくよ皆?せーのッ!」

 

「「「「「「「「「「「いただきます‼︎」」」」」」」」」」」

 

「………!」

 

 

 

 

 

 

 それぞれの手にあるのは、何も同じメニューじゃない。別に、全員が同じものを食べる必要すらない。大切なのは…

 

 

 

 

「……ぃしい…」

 

 

 

 

 

「ぉい…しぃ…!」

 

 

 

 

 

 

「おいっっしいいい〜〜〜ッッッッ‼︎‼︎‼︎❤︎❤︎❤︎」

 

 

 

 

 …『皆で一緒に食べること』だったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 …確かにそうだったなって。今日の胡桃ちゃんは皆が作った色々な料理を食べていたけれど、ずっと1人で食べていた。恋太郎と…ファミリーの皆と食べるようになって、一緒に食べる事の楽しさ、美味しさを知った。だから足りなかったんだろう。

 

 

 ほんのあとひと押し、それは…大好きな皆と一緒にご飯を食べるという、幸せのスパイスだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ本当に今回は危なかったのだ」

 

「あたしの体質のせいもあるとはいえ…どう落とし前つける気なんだ…ッッ…⁉︎

 

 なんとかなったとはいえ、今回の件はかなりヤバかった。流石に胡桃ちゃんからもしっかり楠莉先輩に灸を据えて…

 

 

 

 

「また激辛麻婆作ってあげるのだ」

 

「許す」

 

 いや胡桃ちゃんッッ⁉︎

 

 

 





何を食べるかも大事ですが、やっぱり皆で食べる事が1番!解決‼︎
なお次回

話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!

  • 本編を進めてほしいのだ!
  • 掲示板回を一区切りつける方が効率的
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。