100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み) 作:メガネズミ
ここすき・閲覧・評価・感想、どれも励みになっております!!!!
夏バテで執筆が止まってしまい申し訳ないです!!!!
またペースを元に戻していきたい…‼︎
「そんな…物語の中だなんて…‼︎」
「小説とは驚きですわね…」
「そ…そんなこと…あるんですね…」
まさか王冠恋物語の中とはな。いやまぁまだ確定ではないけれど…ほぼ確定みたいなものだろうし。しっかし物語の中の世界に入るとかあり得るのか?なんてオレが言ったら総ツッコミくらいそうなので言わないが、それにしたってやっぱりこれは不思議な体験だな。
「小説の中の世界…だとして、思ったよりも普通だね」
「そもそもこの世界自体が小説なのだ」
「今更過ぎて忘れちゃいそうになるわね…」
「散々ネタにしてきたじゃないのよッッ‼︎」
「ご本家の小説様でも小説もとい本ネタは使われておりますので…」
「このネタもセーフではあるんだろうけどさ…!」
「[多用は禁物であろうな]」
「実際に同じネタを擦り続けると読者層が偏り続けるというデータがある」
「今更過ぎるのだ」
「ここまで着いてきてる読者の皆だったら今更殆ど気にしないで居てくれるはず…!」
「…………」
「…ん?どうしたんだ河流?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「
一瞬黙り込んでいたオレを見て、心配そうに声を掛けてくれる恋太郎。そういう気配りできるところいいよな。好き。
…じゃなかった。今は別の話だ。なぜ黙り込んでいたのかといえば、少し悪い想像をしてしまったからだ。皆が雑談している中で少し考えていたのだが…『もしかしてオレ達はここから帰れないんじゃないのか』という事についてだ。
根拠としてはオレの存在だ。実際、オレは元いた世界から物語の中…「100カノ」の世界に入り込んでいる人間だ。まぁオレの場合は死んでからこちらに来ている上、完全に赤子からの0スタートだったので同じとは言い切れない。今回のような異世界転移ではなく異世界転生というやつだ。
だがこの年齢になるまで帰れていないのも事実。帰りたがっている訳ではないし、そもそも肉体自体は完全にこの世界で得たものだからそのまま転移するのもおかしいし…と無視できない色々な部分はあれど、『物語の世界に迷い込んで元の世界に15年帰れていない』というのは事実だ。
つまりこのままこの世界で一生を過ごさなければいけないんじゃないのか、というのが不安要素なのだが。困ったことにこれを伝えることが出来ない。なぜなら…オレはまだ恋太郎達に対して、『そのこと』を隠しているからだ。
オレの元いた世界には『100カノ』という漫画があった事と、それをオレが読んでいたという事だ。
これまでも何度か言ってみようと思う機会はあったが…ついぞ言えなかった。だってそうだろう。読んでいたのは序盤とは言え、オレは未来を知っていた事になる。なのに何も動かなかったんだぞ。羽香里の家のトラブルの事もそうだが…1番は恋太郎だ。
オレは最初から、あいつが100回もフラれる事を分かっていた。
なのに『次こそは』なんて軽々しく言い放って、あいつがフラれるのを分かっているのに止めなかった。
確かにそっちの方が『原作通り』ではあるんだろう。実際、愛城恋太郎という男は100回…いやオレを含めると101回か。それだけフラれたとしても…決して折れることなく、諦めずに今を勝ち取った。原作通りの修正力だとかそういうものじゃない。ずっと隣で見ていて分かったことだ。
愛城恋太郎という男は、自らの力で試練を乗り越えて幸せを掴んだのだ。
だが。その過程は苦しみに満ちていた。
フラれるってのはそんなに軽いものじゃない。愛情の否定、存在の否定、自己の否定。そんな苦しみを101度。常人であればとっくにおかしくなってしまうだろう。その上、愛城恋太郎はとても愛情深い男だ。フラれる苦しみは常人以上。
結果として。これまで生きてきた間、ずっとフラれ続けたあいつは…自己肯定感が限りなく低くなってしまっているのだ。一応オレが居た事で、原作より少しはマシになっている。
…だが。それがなんの言い訳になろうか。
止められたはずだ。返事が分かりきっている告白など、いくらでも。そうでなくても、伝えられたはずだ。お前は生涯幾度となくフラれるってことを。オレはこの先もずっとフラれ続けると分かっている親友に対して、ただそこに居るだけしかしてこなかった。隠していた。
……とんだ裏切り行為だよな。何が彼女だ。何が親友だ。
でも、その事を伝えるわけにはいかなかった。
怖かった。自分が…別の世界から来たことを知られるのが。先を知っているからこそ、主人公だからという理由で近づいた事がバレるのが。まぁ最初はそうだったとはいえ、一緒に居るのがあんまりにも楽しくて…気がついたら離れられなくなってて。アイコンタクトどころかテレパシーが使えるくらいの親友になっていたけれど。
それでも。最初の最初、初対面の時は。『主人公』としてしか、『愛城恋太郎』というキャラクターとしてしか見ていなかった事を知られるのが、怖かった。それに原作ブレイクだって怖かった。恋太郎と彼女達のイチャイチャが見られなくなるのが怖かった。
だったらそもそも恋太郎に近づくなってのはその通りだし、オレが告白されてる時点でだいぶ変わってるのはまぁ…うん。そこは完全に想定外だったし、そもそもフラれたのが1人増えたところで大丈夫だろ…と最初の頃は思っていたからな。しかも理由が男だからだし。多分セーフだと思う。
まぁそんな事はさておきだ。そう言った理由から、今のこの状況に対しての不安をオレは口に出せない。
分かってはいる。恋太郎なら、皆なら隠していた事を許してくれる。でも…やっぱり怖い。あり得ないとは分かっているはずなのに。もしも皆に、恋太郎に拒絶されたらどうしようという不安がつきまとう。
優しい皆のことだから、きっと表面上は拒絶したりしないのだろう。けど、もしも心のどこかに少しでもわだかまりが出来てしまったら?きっと小さな小さな溝ができてしまう。普通の人なら気付けないようなものだったとしても、できてしまうかもしれない。いつも通りの会話をしているはずなのに、ほんの少し違和感が生まれる…それが怖い。
『もしも』を考えるだけで、声が出なくなる。
出来ることなら、一生隠していたい。
けど…今この状況を冷静に対処しようとした場合。オレの体験は元の世界に帰る役に立つ可能性がある。オレの頭脳では「もしかしたら帰れないかも」程度しか思いつかなかったけど、頭の良い誰かの考察材料にはなるかもしれないのだ。
一体、どうしたら良いんだオレは…!!!!」
「…らしいのだ皆!」
「…は?」
いやちょっと待てと。オレ別に声に出してなんて…いや出してるわ。フキダシの「」が上にあったわ。ってかまさかアレか⁉︎ヤンデレの薬の効果がまだちょっと残ってたってのか⁉︎ウソだろ…これまでだったら1話使って良いヒキだろ!?!?!?
「そんな…物語の中だなんて…‼︎」
「小説とは驚きですわね…」
「そ…そんなこと…あるんですね…」
「この流れ最初でも見たぞ…?」
「まぁけど散々メタいことやって来てるからね…」
「[何を今更]」
「散々原作やアニメを話題に出している時点でこのシリアスは破綻している」
「この世界が漫画だったとは…という驚きは本作品においては成立し得ないものでございますし」
「アンタがビビってる事は分かったわ…でも!別にそうだったからと言って何かが変わる訳じゃないんだからねッッ!!!!」
「…皆」
「河流、お前は隠してた事を負い目に感じてるのかもしれないけどさ。俺は隠してもらってて良かったぞ。だって…これから合計で100回以上もフラれるなんて事実、フラれる前から分かってたら辛過ぎるからな…」
「でも…」
「それに、『あえて』だろ?自分を誤魔化したって俺の目は誤魔化せない。お前の知る原作通りにしようとしてたのも、俺に幸せになって欲しいからで。下手に大きく原作を動かせば、俺が今みたいになれないかもしれないからだった‼︎」
「言葉に出してなくたって、俺にはちゃんと伝わってる。河流が河流なりに最善を尽くした事は、ちゃんと伝わってるんだ‼︎例え河流がそう思えていなくて、無意識にしか感じられていない事だったとしても…な?」
「……‼︎」
「『この言葉』が…『お前の心』が嘘を付いてないのは…あの時みたいに噓発見機なんて使わなくても分かるだろ?」
「……恋太郎」
「さぁ早いとこ元の空気に戻すのだ!」
「行動するのであれば前向きな方が効率的」
「こういう時こそ根性で…!」
「いや無理だろ…とは言い切れないか」
「根性論も時には必要でございます」
「こ…今回は…そうじゃなくても…良さそう…ですけど…」
「そういえば原作ブレイクって言ってましたけど…さっきの従者っぽい人が王冠恋物語の主要人物だって話じゃありませんでしたっけ?」
「そういえばそんな話もあったわね…」
「だとしたら早く対処しないと不味いんじゃないの?」
「そういえばそうだった‼︎早くなんとかしないと…ッ‼︎」
「だな…じゃあ止めに行くか!物語を捻じ曲げる…『原作ブレイク』を‼︎」
「[タイトル回収こそ花形だぜ‼︎]」
「こんな回収で良いのかよ…ッ⁉︎」
最初はもっとじっとりさせるつもりでしたが、書いてるうちにファミリーの皆が除湿剤になってくれたのであっさり乾きました。
転生者特有の原作知識問題、これにて完!!!!
話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!
-
本編を進めてほしいのだ!
-
掲示板回を一区切りつける方が効率的