100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み)   作:メガネズミ

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まさか2週間も空けてしまうとは…‼︎夏バテやら用事やらで書く時間が取れず申し訳ない…‼︎

次回以降はなんとか3日に1回更新に戻す予定です…‼︎

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第75話:異世界モノの盗賊あるあるのヤツ

 

 

 前回までのあらすじ。王冠恋物語についてのちょこっとした解説とうろ覚えの朗読をした結果、このままだと原作ブレイク必至だと分かったって感じだ。本来であればカマクル一行に付いていく筈の従者が逃げてしまったため、このままだとほぼ詰みなのだが。

 

 恋太郎が従者の代わりとしてカマクル一行に同行する事によって、一旦の危機を回避するという事になったのだった。

 

 

 普通なら代わりになるなんて簡単な事じゃないが、普段読んでいることと手打ちした際の経験のおかげで一言一句完璧に台詞を覚えている恋太郎なら可能だ。いやぁやっぱり流石だな恋太郎。そんな恋太郎が従者としてカマクルに仕える事になるシーンを少しばかり楽しみにしていたんだが…うん。色々あって見逃したんだよな。辛い。

 

 ついでに言うと今の俺は身体中ボロボロで泥と土まみれ、頭から血を流して意識がふわふわしている。なんでそんな事になったのかと言えば、ちょっとした事件があったからだ。詳しい事はまぁ…今から始まる回想を見てくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 時は少し前に遡り、オレ達が一旦近くの茂みに隠れてカマクル一行が来るのを待っている時から始まる。

 

「ほ…本当に…来るんでしょうか…?」

 

「従者の少年が居たことを考えれば、間違いなく来る筈なんですけどね…」

 

「…‼︎皆静かに!馬車の音が聞こえてきた…‼︎」

 

 茂みに身を潜めていると、本当に車輪の回る音と馬の足音が聞こえてきた。それだけじゃない。鎧と鎧がぶつかるような、カチャリカチャリという音。凄いな…ドラマとかアニメとかでしか見たことがないような本物の騎士が、今この近くに居るのか。

 

 

 音がある程度近くなった辺りで、オレ達が居たのとは別の方向の茂みから盗賊達が現れた。いよいよか。ここで先ほどのシーン…カマクルと老騎士が盗賊達と戦うシーンになる訳だ。そんなことを考えながら見ていると、少しの会話の後に本当に斬り結び始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 小説で知ってはいたものの、実際にこうして騎士が戦うシーンを見ると…なんというか凄いとしか言いようがない。かっこいい。めちゃくちゃ興奮する。もし隠れていなきゃいけない、という状況で無ければもっと近くで見に行きたいくらいだ。

 

 

 勿論刃物を扱って人同士が争っている事への恐ろしさはあるけれど、それ以上に騎士がかっこいい。これが王道ファンタジーか。出来れば魔法なんかも見たかったけど、今の時点ではまだお預けだろう。はやる気持ちを抑えつつ、下手に動いてここに居ることがバレないようにしなければ……

 

 

 

 …ん?おかしいな。さっきまでよりも、カマクル達との距離が近くなった気がする…いや気のせいじゃないなこれ。なんでだ。しかもやけに視界が開けているし。さっきまで茂みに隠れていた筈だから、周りは緑のはずだ。しかもやけに時間がスローに感じてるし、何かがおかしい。

 

 

 とは言ったが、原因は自分でも分かってるんだけどな。この現象が起こるときは、大抵の場合アレが起きている場合だ。アレだよアレ。最近はノルマの如く扱われがちな、オレの死因(になる可能性)No.1。

 

 

 

 そう…転倒だ。

 

 

 

 

 

「…おわぁあああああッッ!?!?!?」

 

 

 いやぁヤバいなこの状況。まさか茂みの中で、しかもしゃがんだ状態でしっかりと木にしがみついた状態から転ぶとは。足元がぬかるんでいたのか、はたまた滑りやすい木の根だったのか。久々の15回転で地面をゴロゴロと転がっていったことで、何かにぶつかってしまう。いやぁ随分転がったな。これが体操とかスケートだったら世界取れるくらいの回転数だぞ。

 

 

「おぇ…い…痛ってぇ…」

 

 転んでいる最中に軽く頭を切ったのか、額からは少なくない血が流れ始めている。痛みからして傷は深く無さそうだが、ちょっと血の量が多いかこれ。しかも気持ち悪い。視界が揺れてぐわんぐわんしているし、口を押さえていないと吐きそうだ。縦回転でぐるぐるするのは本当に気持ち悪くなるから嫌いだな。右手で出血した場所を抑え、左手で口元を押さえて上を見上げれば、物語の中の世界でしか聞かないようなデカい男達の姿。盗賊だ。

 

 

「なんでやんすかこのガキ⁉︎」

 

「まさか茂みに隠れてたなんてな…誰かに追われてたか?傷だらけだ…」

 

「随分と珍妙な格好してるでやんすな?」

 

 

 

 盗賊にぶつかった事で回転が止まったのは良い…いや全然良くねぇ。相手は殺しを躊躇わないような奴らなんだぞ⁉︎このままだと何をされるか分かったものじゃない。だが恋太郎達に助けを求めようにも、流石にこの状況でこちらに呼んでしまえば目立ってしまう。そうなれば恋太郎達に危険が及ぶ。幸いにも盗賊の頭領や騎士カマクルには、オレが転がってきた事は気付かれていないようだが。変に騒いでしまえば気付かれる可能性がある。

 

 

「しっかし変な服装でやんすなぁ…?他国の使者とかでやんすか?」

 

「確かにな…だが今ちんたら相手してる暇はねぇ」

 

「でもぶつかって来たのはこいつの方ですぜ?おいお前、この落とし前を一体どうやって付ける気でやんすか?あぁ〜ん?」

 

「………‼︎」

 

 ダメだ。返答しようにも、このままだと間違いなく吐いてしまう。落とし前の付け方への返答がゲロなのはどう足掻いても煽りとしか受け取られない。でもそれしか出来なさそうなんだよな…頭から流れてる血の量も思ったよりあったみたいで、ただでさえぐわんぐわんする視界が更に歪み始めた。あっこれ気絶の前兆だわ。

 

 

 なんとか恋太郎にテレパシーで状況を伝えるが、果たしてどこまで上手くいくか。あっという間に真っ暗になっていく景色に対して、多分手持ちが全滅した時のポケ○ンもこんな感じなんだろうなぁと想像した辺りで意識がぷっつりと途切れたのだった。

 

 

 

 

「……」

 

「…ん?どうしたでやんすか?」

 

「気絶してるな…?なんにせよこの服、間違いなく異国の物だろう。傷だらけで汚れはあるが…服の様子から見て身なりも綺麗。追われていたであろう事を加味しても利用価値はある…か」

 

「へっへーん!ぶつかられたとはいえ、このガキはあっしの手柄って事でやんすな‼︎取り分が楽しみでやんす‼︎」

 

「どうせ頭領のモンだろうがな…まぁいい。随分と都合が良いが…ありがてぇな。向こうから獲物がぶつかってくるなんざそうは起こらねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「河流…ッッ!!!!」

 

 愛城恋太郎は今にも飛び出しそうな身体をなんとか抑え、堪えていた。このままでは河流はどうなってしまうか分からない。テレパシーのおかげで大きな怪我をしていない事は伝わってはいたが、それでも自身の視界に映っている彼女の姿はボロボロであった。

 

 額からは血を流し、地面を強く転がった事により身体中に擦り傷が出来ている。砂と泥に塗れた事で白かった制服は汚れ、翡翠のようなツヤのある髪は見る影もない。土や泥を被った事でくすみ、乱れてぐしゃぐしゃになっている。

 

 

 いつもの事、と言えばそうなのかもしれない。だが、もしあの時転ぶのを止められていたらと思わずにはいられなかった。今、自分1人であったなら間違いなく飛び出していただろう。だが今はそういう訳にもいかない。自分の近くには他の彼女達も居るのだ。

 

「落ち着くのだ恋太郎‼︎」

 

「闇雲に突っ込むわけには行かないわ恋太郎ちゃんッ‼︎」

 

「羽々里様の言う通りでございます‼︎」

 

「実戦経験のない現代人では盗賊の対処は不可能に近い」

 

「いくら恋太郎先輩だって無茶だ…‼︎」

 

「でも…急がないと河流が‼︎」

 

 だが、事態は一刻を争う状況だ。今すぐには手出しされないかもしれないが、放っておけばどうなるか分からない。せめて一瞬でも気を引くことが出来れば、最速で突っ切ればどうにかなる可能性はある。例え、自分の身にどれだけの危険が迫っても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ってください恋太郎君ッ‼︎」

 

「…羽香里ッ⁉︎」

 

 もう時間がない。そう思って駆け出そうとしたのを、身を挺して止めてきた羽香里。体勢が抱きつくような形になってしまった事で一瞬頭が真っ白になるが、すぐに駆け出すべく羽香里を振り払おうとした手を誰かに握られた。この感触は唐音だ。

 

「待ちなさいよッ‼︎無策で飛び込んでもどうにもならないのは分かってるんでしょ⁉︎」

 

「でも……‼︎」

 

「落ち着いて恋太郎ちゃん。さっき話していた事を聞いた感じだと…ちゃんと作戦を考えてからでも間に合うわ」

 

「[無茶したくなる気持ちは分かるぜ相棒]」

 

「ですが…勝算のない無茶は美しくありませんわ‼︎」

 

「それにいつもの恋太郎先輩だったらちゃんと考えて無茶するだろ?」

 

「…ッ‼︎」

 

 羽々里さんに、静ちゃんに、美々美先輩に、胡桃に。皆に諭されて、改めて今の状況を認識する。確かに河流は危険に晒されているが、盗賊達の会話からもすぐに襲われるということはなさそうだ。それに盗賊達のほとんどは騎士カマクルの方に意識が向いている。河流に気づいていたのも2人ほど。持っている刃物のサイズと形状を考えれば、あれを投擲することはまずないだろう。見たところあれ以外に武器もないようだし、あくまでも近接だけと言ったところか。

 

 確かに何も考えずに突っ込んでいけば、逆に河流が人質にされる可能性もあったかもしれない。止めてくれた皆に感謝しつつ、作戦を考えていく。

 

 

 

 

 

 

 

「…‼︎ちょうど良い薬が残ってたのだ‼︎どんな生き物でも眠らせられる睡眠薬なのだ‼︎」

 

「話に聞いてる羽香里の家で使った薬だね‼︎」

 

「[随分と都合が良いが…ありがてぇな]」

 

「…華暮さん!ミスディレクションを他人に発動させる事は可能ですの?それで河流さんを連れて離脱出来るのなら…」

 

「え…えっと…た…試した事はまだ…なくて…でも普通の撹乱だけなら…」

 

「でしたら愛々様と私めの2人で撹乱するのはどうでございましょう?」

 

「色々漁ってたら、『ぶっかけると顔が爛れていてー薬』と『感覚がおかしくなる薬』と『めちゃくちゃ土煙の出る薬』もあったのだ‼︎」

 

「[賊は煙玉に弱いのが定石よ!]」

 

「ボクの持ち歩いてるバットは何かに役立てられないかな…?」

 

「なら唐音さんのパワーで遠めに投げて、育さんがバットで打った石で薬をぶち撒ければ…」

 

「投げる方向の計算は既に完了している」

 

「今の恋太郎君は従者の服を着ているから、河流さんほど目立ちはしないでしょうし…」

 

 

 

 

 こうして作戦は決定した。凪乃の計算した弾道で唐音が投げた『めちゃくちゃ土煙の出る薬』の入った瓶を育が石で打ち落とし、河流の近くの盗賊2人を巻き込む。そこに愛々ちゃんと芽衣さんが煙の中で行き来する事で注意を逸らし、その隙をついて俺が河流を連れて離脱する。

 

 その結果がどうなったのかは、言うまでも無い。皆が無事のまま、キチンと河流を取り戻し。その後俺は、カマクル一行に加わる事に成功したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 …って感じだ。ちなみに恋太郎視点が混ざってるのは、この話を恋太郎の記憶を通じて知ったからだ。ん?さっき目が覚めたのに、どうやって恋太郎の記憶を読んだのかって?そりゃあ簡単だ。今も恋太郎が近くに居るからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 もう気づいている人は居るかもしれないな。今の恋太郎は、騎士カマクルの従者としての役割を全うしている筈。なのになぜオレのそばに居るのか。答えは簡単だ。

 

 

 

 

 

 オレが…カマクル一行に混じってしまっているからだ…ッッッ!!!!

 

 

 





盗賊に捕まりかけるノルマ達成‼︎
放っといたら死にそうな転倒デバフは伊達では無いのだ…‼︎

話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!

  • 本編を進めてほしいのだ!
  • 掲示板回を一区切りつける方が効率的
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