100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み) 作:メガネズミ
今回はそれほど経たずに更新出来た…‼︎
次回もこうしていきます…‼︎
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ここは暗く澱んだ洞窟の中だ。外は土砂降り。空気がじとっと重くなるほどに降り続けた大雨は、先ほどまでこの場に漂っていた絶望的な空気感を表すようだった。
「あぁ…!私などを守るためにこのような…!」
「良いのです…姫を守れただけで…充分な成果…!」
騎士カマクルがイオ姫を庇って刺客から矢を受けてなお、なんとかたどり着いたこの洞窟。ここには老騎士と、獣使い…ビーストマスターと、従者である恋太郎と、そしてオレと…この地を管理するモノである小さな神獣が1匹。
騎士カマクルの受けた矢傷は深かったが、イオ姫の清らかなる心に感銘を受けた神獣が、洞窟内を照らすほどの輝きを放ったのちに姫に与えた癒しの力で傷は癒えている。だが、それでも絶望的だったのだ。
「天は我らを…姫を見放しておるのか⁉︎」
「参ったねこりゃあ…アタシらじゃどうにも…‼︎」
「なんと深い業を背負っておるのだ…過酷な運命とはいえこれはあまりにも…!」
頭から、老騎士、獣使い、神獣がそれぞれ言葉を発している。放たれた音は何度も反響し、外に漏れる事はない。大雨で崩れた大岩が、洞窟の出口をしっかりと塞いでしまったのだ。剛力の戦士でも居れば話は別だが、ここに居る誰もがそんな怪力を持ち合わせては居ない。いやまぁ彼女バフがフルに掛かった恋太郎だったら訳なく突破してもおかしくはないけど、今の恋太郎は従者だからそういう事が出来るとカマクル達にバレてはマズい。
よって、オレ達はここから脱出する術が無いのだ。老騎士や騎士カマクルのような騎士では、洞窟を塞ぎ切るような大岩を破壊することは出来ない。獣使いのネズミたちが通る事が出来る隙間すらないこの洞窟では、その力を発揮する事は不可能。神獣の力は癒しの力のため、直接的な大岩の破壊は出来ない。従ってその力の一端を宿したイオ姫にも出来ることはない。一応神獣の与えた力をイオ姫が十全に扱えれば可能性はあるとの事だが…力を渡された直後にそこまで扱う事は難しいだろう。
現状はまさに詰みだった。というかオレも詰んだと思ってた。本来であれば、ここにセクハラ好きの狂戦士が居たはずなのだ。オレとしてはめちゃくちゃ嫌いなヤツではあったものの、本来の物語ならここに居るはずだったのだが…居ない。理由は不明だ。もしかしたらオレたちがこの世界に来てからやらかした何かが原因なのかもしれないが。
とにかく、大岩を破壊する手段が無い以上はどうにもならない。それでさっきまでのオレ達は諦めかけていたのだ。そう、さっきまでは。
「なんと!そなたもかの神獣と同じく、神に類するものじゃったか…!」
「あの者に神の気配は感じられぬ。だがあれは…」
「こいつぁ凄い輝きだね⁉︎さっきの神獣様にも引けを取ってねぇ‼︎」
「なんという力…‼︎そなたの体躯からはとても予測できぬほどの…‼︎」
「あなたは…一体…」
「こんな大岩如きで業だなんて…笑わせるわね!」
だが、今は違う。目の前でまるで太陽の如き光を放っているのは、他ならぬ彼女だ。恋太郎ファミリー随一のパワータイプにして、大いなるツンデレの光を纏いし者。彼女であれば、あの大岩にヒビくらいなら入れられるかもしれない。そうして、どうにか少しずつ砕いていけば。そう考えていた。
そんな淡い期待を…良い意味で吹き飛ばすかのように。彼女の振るった大槌は、巨大な大岩を一撃で粉砕した。一連の流れを見ていた者は、後にこう語っている。
大穴が空いた隙間から差し込む日差しを一身に受けながらも、陽光にも負けぬほどの輝きを放ち続ける彼女の姿は、正しく只人のものではなかった。尋常ならざるその姿を見て、我が従者のひとりであるカワルはポツリと溢した。あれは遠い伝説に聞く、超尖照嶺人である…と。
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「凄まじい一撃でしたわね…!」
「まさかあの大岩を粉砕してしまうなんて凄いわね…!」
「私達にセクハラを仕掛けてきた狂戦士を凪乃さんや唐音さんが撃退した事で抜けた穴をきっちり埋めてくれましたね…」
「[唐突な説明台詞ありがとな‼︎]」
「あれが超ツンデレ人なのだ…⁉︎」
「[凄まじき破壊力、正しく人を超えた一撃であった。]」
「凄かった…あの一撃をボクの」
「言わせねぇよ…⁉︎ってか大槌でやったら吹き飛んじゃうだろ…⁉︎」
「その時はボクも超ストイック人に…!」
「いやもはや何人だよッ⁉︎」
「バーゲンセールにも限界はあるわね…」
「そもそも超ツンデレ人の時点でおかしいわよッ!!!!」
「唐音さん、それ自分でなっておいて言うんですね…」
「………」
「…凪乃様?」
「まだ落ち込んでるのだ?凪乃…」
「想定よりも異世界の岩の硬度が高かった事で院田唐音を危険に晒した事に変わりはない」
「しかし凪乃様は万が一にも爆発が唐音様に及ばないようにと威力を調整していたではございませんか」
「む…むしろ逆になって怪我しなくてよ…良かったですし…!」
「あんまり深く考えすぎてもダメよ?ここはほら、ママの谷に全力で飛び込んできても…」
「飛び込む事の是非は置いておいて、こうして唐音さんも無傷で戻ってきてるんですし…」
「そうよ!こうして私が戻って来れてるんだし、こうしてくよくよして終わった事に拘るなんて…効率的じゃないんじゃないの?」
「そうですわね!そうして塞ぎ込んで時間を無駄にしている姿は美しくない…凪乃さんらしくありませんわ!」
『美シィイイッ‼︎』
「確かにすでに終わった事柄を引き摺るのは非効率的」
「ようやく調子が戻ってきたのだ?」
「では次の王冠恋物語攻略に向けて考慮すべき問題を再度洗い出しにかかる」
「[やはりお主はそうでなくてはな!]」
「そういえば恋太郎君と河流さんは超アイヤ人でしたけど…」
「私は超ツンデレ人ね…あの時の経験のおかげで、気合を入れたらいけるようになったわ!ただ絶対になれる訳じゃないけど…」
「あ…あたしも多分いけるはず」
「異世界って事で彼女達の強化計画でもやってるのだ…⁉︎」
「流石にそんな訳はないと思うけど…」
「ですが着々と増えていっていますわね」
「[あながち間違いではないかもしれんのぅ]」
「や…やっぱり…バトル路線への…テコ入れ…でしょうか…?」
「超冥土人…もとい超メイド人の芽衣は格好が付くけれど…」
「得意な事によって名前に格好が付きにくいのだ…凪乃は超効率人なのだ?」
「私の場合は…超美人…今まで通りですわ‼︎」
『ふふーんですわ!』
「ボケとツッコミが完結してて手を出しにくいわね…‼︎」
「なんなら超ペコデレ人って変な名前になるせいであたしもツッコミにくい…ッ‼︎」
「…いやそもそも超ツンデレ人ってなんなのだ?」
「読者への解説が無いままに話が進みすぎている」
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いやぁマジで焦ったな。一時はどうなる事かとも思ったが、狂戦士の代わりを唐音がしっかりとやり遂げてくれた。ってかやりすぎだろアレ。なんだよ超ツンデレ人って⁉︎元の狂戦士でもあそこまでやんなかったと思うんだが。まぁ洞窟から出られて良かったけども。
超ツンデレ人…まぁアイヤ人と同じだろうなぁ。見た感じ、唐音の持つツンデレパワーを一気に爆発させて増幅したんだろう。かつてツンデレ喪失編で手にした、溢れるほどの過剰なツンデレパワー…それを再現したって所か。しっかしとんでもないパワーだった。下手をすれば超アイヤ人3の恋太郎に、パワーだけなら迫るレベルなんじゃなかろうか。…って何考えてるんだオレは。別にバトル路線になった訳じゃないだろうに。まぁとりあえず助かって良かったか。
あの日の王都で彼女達と別れた後、また冒険を続けているオレ達は、今みたいにちょこちょこ彼女達の助けを受けながら着実に物語を進んでいる。道中はいろいろな事があった。途中でオレを攫ってた子分と、その親分である盗賊が仲間に加わったり。マヨネーズがとうとう手元に来た事で料理のレパートリーが増え、ついでに獣使いのしもべ達向けに餌を作ったらかなり懐かれたり。老騎士や盗賊達のためにつまみを作ったら思ったよりガチに喜ばれたり。旅だとそこらへん死活問題だしなぁ。ってかなんか料理ばっかだな。まぁ旅の飯関連は結構任されてるし。それ以外だと転がりまくって色々あったとしか…まぁまた別の機会でいいか。そんなこんなで割としっかり冒険譚をなぞっているのだった。
「おぇ…‼︎やばいこれマジでやばいダメなやつ…ッ‼︎」
「河みたいな色の髪なのに船の上が苦手なんでやんすねぇ?」
「いや海も川もダメだぞオレ…‼︎」
「こんな大シケでは船酔いでは済まんじゃろうて…‼︎こうも揺れると船から落ちかねんぞ!」
「それにこんな怪物が居るなんてね!やっこさん、簡単に通してはくれなさそうだ!」
「子分のバカはさっさと武器を取ってろ!使者殿は…」
「我が従者よ!カワル殿が吹き飛ばされぬよう…」
「私が船内に連れてゆきます!騎士様達はご武運を!」
「我が騎士よ!神紋を以て援護します…早急にあの怪物を!」
とある海上にて。大シケによって揺れに揺れる船で酔いまくったオレは、恋太郎に連れられて船内に避難した。せっかく本物の大海蛇…シーサーペントを見る機会だったが、一目見るのでギブアップだった。なんとか老騎士の操舵で船は転覆せずに済んでいるものの、大海蛇に襲われてはひとたまりもない。しかしあんなに声を張り上げて堂々としているとはな。いやぁイオ姫も随分と立派になったなぁ…代わりとばかりにオレはダウンしてるけども。いやいつもか。
ちなみにこの先の流れを知っているオレ達としては、一旦作戦を練る意味もあってこっちに2人で避難した。脳内で会話できるとはいえ、一応2人きりの方が色々と安心だし。あとオレが海に落ちないように必死で踏ん張る恋太郎にこれ以上無茶をさせたくなかったのもある。ってかあのままだと2人して落ちてたかもしれないしな。
この後の流れを順に説明するか。大海蛇に関しては、神獣から授かったイオ姫の神紋によって強化されたカマクルが一刀両断するので問題なしだ。盗賊達や獣使いの援護があったとはいえさすがだ。
だが、その後が問題だ。大嵐で船は漂流し、どこか見知らぬ島へ辿り着くことになる。そこでは力があってもどうにもならない出来事があるのだ。この場合は果たしてどうするのが最善か…そう考えていた時だった。
突如として船が大きく揺れ、ばきりと外れた船の扉から中に海水が入ってきたかと思えば、身体を外に投げ出された。まずい。もうこの場面か。一応後でなんとか落ち合おう、と恋太郎に脳内で会話しつつ、どんどんと薄くなっていく感覚に身を任せる。あぁ。嫌な感覚だ。これはまるであの時の…死んだ時の感覚に近い。
怖い。こわい。どこまでも引き摺り込まれそうな、深い闇を近くに感じる。このままだとやばい。でも身体は動かない。殆ど感覚がないんだ。そのまま恐怖に、絶望に押し流されそうになって…
暖かい、安心感のあるがっしりと腕を一際強く感じた。そうだ。オレのそばには恋太郎がいる。きっとオレを抱きしめてくれているんだろう。海の流れに逆らって、離してたまるかと必死に。オレ自身の体の感覚がないから、なおさら恋太郎の存在を強く感じる。いやぁ…これなら大丈夫か。決して安心できる状況ではないはずなのに、この異世界に来てから久しぶりに心から安心できた。ゆったりと意識が闇の中に落ちていく。なんだろうな。こうやって恋太郎だけを感じてみるのも…偶には…良いかも…
目が覚めると、そこはまるで桃源郷だった。やべぇ。策を考える前に来ちゃって…
…いや。そもそも…何をすればいいんだっけ?
異世界から戻るまでがなんとか間に合いそう…いや間に合わせて見せますとも…‼︎
話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!
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本編を進めてほしいのだ!
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