100?いや、101カノだ!オレがアイツに堕ちるなんて有り得ない(完堕済み)   作:メガネズミ

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色々と大変な事があって書くのが遅れてしまいました…‼︎
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第82話:君百彼女恋物語

 

 

 えっと…ここはどこだろうか。何かしなきゃいけなかった気がするが、思い出せない。それよりも…凄い場所だぞここ。漂流して辿り着いたこの場所は、天候も穏やかで気持ちの良い日差しが降り注いでいる。

 

 まるで天国だ。これまで食べたこともないような美味しい果実が山ほど成っている。胡桃ちゃんが見たら喜びそうだ。また今度、ファミリー全員でここに来られたら良いのにな。まさに桃源郷という言葉が相応しい場所だ。遭難してすでに数日、だというのにここでの生活は何一つ不自由なく過ごせている。

 

「ヘッ、果実に負けないくらいに顔が真っ赤じゃねぇか」

 

「よせやい、アンタだってそうだろう?」

 

「なッ…‼︎よもやお主達がそのような仲であろうとは…!」

 

「お…お二人はすでに恋人であったのですね…」

 

 獣使いと盗賊もイチャイチャしている。それを見たカマクルとイオ姫はかなり驚いているようだ。いやぁ結構バレバレだったと思うんだがな?ちょいちょい2人でフラッと居なくなる事もあったし。顔を真っ赤にして驚いているところを見ると、意外と2人はウブだったのかもしれない。

 

 

 

 そういえば確かにオレ達だって最近は全然キスとかしてなかったのを思い出した。今はファミリーと離れているし、オレだけ抜け駆けのように恋太郎とするなんて嫌だからな。ただでさえ親友って点で抜け駆けしているようなもんだし、そこら辺はズルい気がするのであまりしていない。

 

 あとは2人だけだと、どっちかっていうと親友としての面が強く出る気がする。男友達…いやまぁ今のオレは女だけども。とにかく、男友達としての馬鹿騒ぎに寄りがちなのだ。特にキスとかイチャイチャとかを意図的に避けようとするとそうなる気がする。

 

 ただまぁ…あんな風にいちゃついてる2人を見ると、若干クるものがある。…まぁちょっとだけなら良いか。

 

「お主達まで…!」

 

「そ…そんなに情熱的に…⁉︎」

 

 獣使いと盗賊のイチャつきだけでなく、オレ達の分も見た事で更に顔を赤らめている2人。お?どんどん顔が近づいていってないか?っていうかアレか。イオ姫の方が顔を近づけているのか。

 

 良いぞ良いぞもっとやれ。そのままキスでもして仕舞えばいい。イオ姫はまだ気づいていなかったようけど、彼女はとっくにカマクルに惚れている。もちろんカマクル側もだがな。どっちもお互いに好意を抱いていながらも、全く踏み出せていなかった状況が一気に変わるかもしれない。

 

 こんな場所だからこそ、関係を進展させるに丁度…ん?なんだ今の。『こんな場所だから』だと?何を言ってるんだオレは。別にここは普通の無人島だろう。偶々食べるものも沢山ある桃源郷…いや待て。何か違和感がある。単に食べ物がたくさんあるだけなら、オレはこんな場所なんて言い方をするはずが無い。

 

 

 中世ならともかく、飽食の時代に生まれたオレが食べ物がある程度でこんな言い回しをするはずが無い。何か、何かがある。そういえばここに来た時も、何かを忘れていた気がする。思い出さなければならないことにモヤがかかっている気がする。

 

 そう考えながら、カマクルとイオ姫の唇がゆっくり近づいていくのを眺めて…ってなんだ恋太郎。いきなり脳内テレパシーをガンガンに響かせてきて。あっちを見てくれ?あっちって言ってもお前…そこにはローブを来た少女しか…

 

「皆…そろそろ起きる時間だよ…モグモグ…」

 

 …あ。

 

 

 思い出した!!!!

 

 

 

 

 なるほどな…漂流した後、この島で食べた果実によって眠らされて幻覚を見てたって事か。しかも皆で共有する幻覚…ある意味別の世界と言ってもいいレベルだろう。しかし胡桃ちゃんが起こしてくれて助かった。

 

 現実世界では蔦がびっしりと体に絡みついており、あのままだったら植物の栄養分にされてあっという間に干からびていただろう。R指定のないガチの苗床は笑い物にならない。本当に肥料になるところだった。

 

 しかしどうして胡桃ちゃんだったんだろうか。こういう摩訶不思議な現象の対策を持っていそうなのは、楠莉先輩とかだと思うんだが。まぁ良いか。

 

 

 

 ちなみに後で話を聞いたところ、後からこの島に皆は来ていたらしい。頭にモヤがかかっていたせいで覚えていなかったが、そういえばそういう島だったわここ。だから若干違和感を感じてたのかオレは。さっきの幻覚世界に入るにはこの島特有の果物を食べなければいけないが、それを食べたのが胡桃ちゃんだったかららしい。途中、『楠莉の作った薬の耐性をぶっ飛ばす薬』とかいう恐ろしい話を聞いたのだが、その話はまた後日としよう。だって怖いし。そんなに薬物耐性出来るほどオレ達って楠莉先輩の薬を飲まされてたっけ…⁉︎

 

 

 …いやよく考えたら最初にオレが女になったのも楠莉先輩の薬が原因だったわ。こりゃ相当飲んでるな。納得。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「唯一正気のまま幻覚の世界に旅立てる果実を胡桃さんが食べた時はどうなるか不安でしたが…解決できてよかったですわ‼︎」

 

「清々しいほどの説明口調だね‼︎」

 

「[何を今更]」

 

「楠莉の薬の耐性をぶっ飛ばす薬ってそんなに怖いのだ?」

 

「そんな薬が必要なほど飲んでいた事実が恐ろしいですよ…!」

 

「し…市販薬の…こ…効果って…どうなんでしょう…?」

 

「恐らく楠莉先輩の薬は市販薬とは比べ物にならないものですわ!」

 

「つまり通常の薬が効かなくなっている可能性が高い」

 

「サラッと恐ろしい話するわね…」

 

「仮に病気になっても根性で…ッ‼︎」

 

「病気は無茶しても良い事無いですよ…?」

 

 

 

 

「まぁ薬が必要になったら楠莉ちゃんに頼めば良いじゃないの!」

 

「いや絶対ヤバい薬しか出てこないだろ…ッ⁉︎」

 

「以前私めが羽々里様のために肩こりの薬を頼んだことがありましたが…」

 

「あの時の薬ならまだ残ってるのだ!『肩がほぐれてドロドロになる薬』なのだ〜!」

 

「コリどころかグズグズに溶けてるじゃないのッ!!!!」

 

「凝りがグズグズ…煮凝り…」

 

『くるくるくる…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あの…カワル殿?今…よろしいでしょうか?」

 

「ふぁ…!こんな時間に一体なんだ…?」

 

 あれから数日。とある宿屋での事だ。夜も更けてきた頃、イオ姫がオレの部屋に足を運んできた。どうやらカマクルとの関係に関して悩んでいるらしい。獣使いと盗賊、オレと恋太郎の姿を見ていた事で、自分がカマクルに抱いている気持ちに関して少し見当がつき始めているようだ。

 

「私には…許嫁がいます。その人が居るというのに、こうしてカマクルに恋心を抱いてしまっている…この気持ちは間違いなのでしょうか?」

 

「…違う!」

 

 

 

 違う。そんな事はない、と心から否定する。物語として、この先カマクルとイオ姫が結ばれるからとかそういう事じゃない。今こうして目の前にいる彼女が、1人の少女が、異世界にきて出来た友達が抱く想いが間違いでないことを、強く言い放つ。

 

「その想いは間違いじゃない!その恋は無くすべきものじゃないッ‼︎」

 

 だってそうだろ。強制的な許嫁で、愛も恋もないままに無理矢理だなんてあんまりだ。その為に大切な気持ちを捨てなきゃいけないなんて間違っている。

 

 

 それでもと悩むイオ姫に対して、オレはこの世界の少し未来…いや。とある恋物語と…オレが惚れた男の話をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「これはオレの友人から聞いた話なんだがな?」

 

「そうやってお互いに恋した2人の間には、あまりに大きな壁があった。」

 

「けれど2人は諦めなかった。」

 

「身分の差など無いかのように。」

 

「隔てる壁ななんて無いかのように。」

 

「愛を貫き通し、2人は結ばれたんだ!!!!」

 

 

 思えば、最初に会った時からカワル殿はとても…不思議なお方でした。不幸な業を背負いつつも、めげる事なく屈託なく笑い、従者の彼との身分の差を乗り越えて愛を貫くその姿は、私には到底真似のできないものだと、そう思っていました。

 

 ある日のこと、カマクルに対する想いについて不安に駆られ、どうして良いのかと問いかけた時…カワル殿は話をしてくださいました。彼女が話す、とある恋物語。それはどこか私とカマクルの関係に似ているように感じられました。そうですか。愛し合う2人は、そうして結ばれたのですか。

 

 …出来る事なら、私も。カワル殿や従者の方、そしてあの恋物語の二人のように、カマクルと愛し合いたい。

 

 

 

 

 ですが、そう簡単では無いのです。私は一国の姫であり、カマクルは一介の騎士。ただでさえかなりの身分差のあるカワル殿達以上に、大きく離れた身分の差。この壁はどうにも…どうにも分厚く、恋の物語では到底穿てぬのでは無いかと思うほど。

 

 そんな風に不安そうにしていたのを見計らったのでしょうか。カワル殿はもう一つ、お話をしてくださいました。

 

 

 一夫多妻が認められぬ国での、恋のお話。国の法で禁じられた恋を乗り越えて、愛を育む者達の物語。時に笑いがあり、涙があり、感動があり、とても大きな愛のある物語。それを語るカワル殿の横顔は、いつもの従者殿との恋を話す時とそっくりで、それ以上にいきいきとしていらっしゃいました。

 

 それがまるで現実で、昨日あった事かのように話す姿は、やっぱりどうにも不思議に見えました。けれど、分かったことがあります。

 

 身分の差、国の敷く法、立ち塞がる大きな壁。そんなものは愛の前には意味が無いのだと。

 

 私から踏み出せるか、と言われれば、まだ頷く事は難しいです。けれど、今日ここで私の中で何かが変わりました。えぇ。私は…カマクルとの愛を貫き通したい。そう思っているのだと、強く感じました。

 

 

 例えそれが…叶わなくても。この願いを、愛を、抱き続ける事は罪では無いのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 …あれから更に旅は続いた。冒険の日々を乗り越えて、ようやく再び王都に辿り着いた。いやぁマジで色々あった。ここからいよいよクライマックスだ。

 

 さて…そもそもオレ達は元の世界に帰れるんだろうか…?

 

 





次回‼︎いよいよ異世界?編完結!!!!

話の優先度はどっちがいいか教えてくれよな!

  • 本編を進めてほしいのだ!
  • 掲示板回を一区切りつける方が効率的
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