恋人の宝多六花にじ~っくり見とれたい!   作:前野へーた

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披露宴 幸せに酔った六花のミニスカドレス

 まるで初夏の太陽をそのまま閉じ込めたかのように、ガーデンの一角は明るく、緑と花の(いろど)りが鮮烈(せんれつ)なコントラストを成している。俺はこんな晴れやかな舞台の中心で、本当にこの女性と家族になれるのか──まだ信じられない気持ちでいっぱいだ。

 

 六月のガーデン披露宴は、友人たちが思い思いに飲んだり食べたりして、あちこちで笑い声が弾けている。どこかゆるやかな祝祭感が漂うなか、彼女の姿がまるで違う次元の存在に見えてならない。俺は軽く息を()む。

 

 今日は卒業後、正式に入籍を済ませた俺たちが開いたガーデン披露宴の二次会とも呼べる時間帯。日中の式とは違い、彼女はお色直しのために白をベースとした短めのドレスに着替え、会場を再び沸かせている。少しアルコールが入っているのもあって、先ほどまでの清楚(せいそ)な雰囲気とは打って変わり、友人たちと楽しそうに談笑しているのが見える。

 俺はその姿を少し離れた場所から見つめている。ふと目に入るのは、男性客の何人かが彼女へ注ぐ熱い視線だ。かつてなら、あの視線に嫉妬(しっと)で胸がざわついたかもしれない。だが今は、なぜか静かな誇らしさしか感じない。

 

 どころか、あまりにも美しく(まぶ)しすぎて「本当にこんな女性と結婚していいのか」とさえ、恐れめいた感情がこみ上げてくる。その思いは、愛しさと畏怖(いふ)を入り混ぜたような奇妙な熱を伴い、俺の胸をじわじわと締めつけるのだ。

 

 高校時代から「手の届かない無理め女子」「高嶺の花」と呼ばれた彼女だったが、口では多少の不満を言いつつも頼まれごとを断れない優しさを持っていた。そんな彼女は、俺という存在を受け入れ、お互いの体を深く知り尽くした末、新しい家族を築く段階にまで来た。いまは「もっと刺激的な体験を重ねたい」と、隠れた冒険心を(あらわ)にしているところでもある。

 

 遠目でもわかるのは、ミニ丈のドレスから露わにされた脚のラインだ。彼女の身長は155cmと決して高くないが、腰から太ももにかけては豊満なカーブを描き、その存在感を主張している。高校時代はそれがコンプレックスだったと聞いているが、今ではその下半身こそが最大の武器だと知っているのだろう。

 

 ドレスは純白を基調としながら、アシンメトリーのロングトレーンが背面から伸び、前方は大胆にカットされている。ヒップラインと太ももの上部がほとんど隠れていないため、視線を送る者を否応なく()きつける。

 

 一歩動くたびに、柔らかそうな太ももがわずかに揺れ、自然光を反射した肌の光沢がはっきりと見える。まるで真珠を砕いて粉末状にしたものを肌に振りかけたような、しっとりとしたツヤがあるのだ。

 

 腰回りから太ももへのラインは、歩き方や体重のかけ方で微妙に形を変える。普段はストイックにお手入れを欠かさない彼女だからこそ、生々しさの中にも適度な張りが感じられる。しかもミニドレスのすそが高くスリット気味になっていて、ちょっとした動きで視線を(いざな)う仕掛けになっているようだ。

 

 友人たちに呼びかけられて振り向くとき、そのヒップから脚へ続くフォルムが斜めから見える形になり、かつて彼女が抱えていたコンプレックスを嘲笑(ちょうしょう)するかのように、圧倒的なセクシーさを放っている。

 

 さらに、上半身との対比が一段と視覚的インパクトを増している。彼女の肩や腕は華奢(きゃしゃ)で、二の腕に浮かぶ細い筋肉が彼女のクールな印象を際立たせる。

 

 一方で、胸元は包み隠さないほど深く開いているわけではなく、どちらかといえばリボンやフリルで可愛らしさを演出しながら、肩や鎖骨(さこつ)(あらわ)にしている。この小柄で華奢な上半身から、急激にボリューミーな下半身へ移行するギャップが、信じられないほどの色気を生み出しているのだ。

 

 長い黒髪はハーフアップにまとめられ、左右の(ほお)に数本だけ髪が垂れている。彼女の顔色は、少しアルコールが入っているせいでほんのり赤みを帯び、笑うたびに頬が緩み、目尻(めじり)も優しく下がっている。

 

 高校時代のクールな「高嶺の花」の面影が完全に消えてはいないが、今の彼女は「皆と楽しみたい」という欲求が前面に出て、穏やかな笑顔を見せているのが一目でわかる。

 

 こうして見ると、あの下半身のフォルムや健康的な肌の光沢は、もはや芸術品といえるほどの完成度だと思えてしまう。そんな彼女が、俺の妻であり、これから新しい家族を作っていくパートナーなのだ。俺たちはお互いの体を深く知り尽くし、さらに新たな可能性を広げるつもりでここにいる。

 

 お色直しで彼女が選んだのは、白をベースとしたミニ丈ドレス。前面が膝上どころか太ももの上部まで大胆にカットされているが、後方はロングトレーンで長く伸びているため、動きが加わるとまるでウェディングドレスのミニバージョンのようにも見える。

 

 胸元はハートカットを少しアレンジしたようなデザインで、小さなコサージュやリボンをあしらい、「可愛さ」と「セクシーさ」の両面を兼ね備えている。リボンの中心には小さなクリスタルの装飾があり、ガーデンの陽光(ようこう)を受けてちかちかと光を放つ。

 

 足元は10センチほどのヒールサンダル。ストラップが細かく入ったデザインが、かえって足首の細さを強調している。そこから上に伸びる太ももまでのラインが視界に入ると、その圧倒的な差──華奢な足首から豊かな太ももへ続く曲線──が強烈な印象を与える。

 

 さらに、小さなイヤリングやシンプルなブレスレットを付けているものの、あえてネックレスは付けずにデコルテ《首元から胸元にかけて》を強調しているのがわかる。黒髪の下から(のぞ)く白い肩と鎖骨は、彼女の長所である透明感ある肌をアピールするには最適なキャンバスだ。

 

 トレーンやリボンが揺れるたび、彼女の太ももやヒップのラインがさりげなく見え隠れし、周囲の目を誘っているのは間違いない。とくに男性陣はそれが気になって仕方ないだろうと思う。けれど、不思議と俺はそれに嫉妬を感じない。むしろ「ああ、この眩しさは、俺にはもったいないくらいだ」と、畏敬(いけい)にも近い感情を募らせるばかりだ。

 

 ◇

 

 アルコールで頬を染めた六花が、友人たちの輪の中心で笑っている。遠慮なくはしゃいでいる姿が(まぶ)しい。彼女とお互いの体を深く知り尽くし、これから新しい家族を築くんだと思うと、得体の知れない喜びと、どうしようもない(おそ)れがないまぜになって胸が震える。

 

 ガーデンには鮮やかな草木や花が咲き乱れ、六月の()んだ風がテーブルクロスや彼女のドレスを揺らしている。夕方に差しかかる光がオレンジ色に変わり始め、友人たちは軽いスナックやカクテルを手に、自然の中で自由にくつろいでいた。まるで大きなピクニックのように(にぎ)わいながらも、どこか幻想的な空気が漂う。

 

 少し離れた位置から彼女を見ていると、周囲の男友達が妙にそわそわしているのがわかる。以前なら、その視線に嫉妬(しっと)で胸がざわついたかもしれない。けれど今は、「そりゃ見惚(みと)れるだろう」と不思議なくらい納得してしまう。むしろ、こんなにも美しい女性が笑顔を振りまいている姿に、見ている俺の方が怖いくらいだ。まるで現実感が失われていくような、奇妙な感覚にとらわれる。

 

 ミニ丈のドレスがすそを揺らすたびに、太ももとヒップの境目があらわになる。以前はコンプレックスだったという下半身のボリュームこそが、いま彼女が誇りとして見せつける最大の魅力だ。白い布が貼りつくように彼女の肌を際立たせ、光を受けてかすかな陰影を生み出している。

 

 足元を見ると、細いストラップのヒールが華奢(きゃしゃ)な足首を絞り、そこからふわりと(ゆる)やかに広がる太ももまでのラインを際立たせる。黒髪はハーフアップにまとめられ、透明感のある肌とのコントラストが強い。赤みを帯びた頬と笑顔が同時に見えた瞬間、全身が総毛立(そうけだ)つような衝撃を覚える。こんなにも綺麗な女性が、俺の隣にいるなんて。

 

 高校時代、彼女が「高嶺の花」と呼ばれていたころの姿を思い出す。口ではぶつぶつ文句を言いながら、貧乏くじを引いても拒まずにやり遂げる優しさがあった。そんな彼女が、俺と出会って、コンプレックスを武器に変え、こうして人前で大胆に脚を出せるほど自信をつけた。

 

 結婚したばかりの俺たちは、まだ若く、未知のことも多い。だけど彼女の冒険心や好奇心を受け入れながら、二人で新しい家族を作っていく。この先なにが待っているのか、想像もつかない。それでも構わないと思えるほど、いまの彼女は魅力に満ちている。

 

 彼女が同級生たちと話している輪の外で、俺は微かに震える心を自覚する。自分が選んだ女性があまりにも美しすぎて、身の丈に合わないんじゃないか──そんな不安がうずき上がる。けれど彼女は、こちらを見つけると穏やかに目を細め、一瞬でその不安を(ぬぐ)い去ってしまうように笑う。

 

 周囲の(にぎ)わいも、BGMのポップな音色も、すべてが背景に溶け込んでいき、俺だけが彼女に釘付けになっている。それでいい。いや、それしかないと思う。体を深く知り合い、心を通わせたこの幸せを、自分の言葉で表しきれないくらいだと実感する。

 

 やがて、友人たちが「ブーケトスしようよ!」と(はや)し立て、彼女が笑顔で小さな花束を手に取る。頬の赤みが増して、うれしさを隠しきれない様子。その瞬間、彼女はテーブルの上にグラスを置き、わざとらしく気合いを入れるように両肩を揺らしながら振り返った。

 

「私、最高に幸せ!」

 

 そう叫んで、彼女はブーケを思い切り後方へ放り投げる。歓声が上がり、ゲストたちが手を伸ばして争奪戦を繰り広げるのが見える。投げ終わった彼女がこちらを向いたとき、その瞳はまだ興奮と喜びで輝いていた。足りないのは何もないのに、さらに先へ進むようなエネルギーを感じる。

 

 俺は胸をかすかに締めつける畏怖にも似た感情を抱えながらも、彼女をまっすぐ見つめ返す。この先何があっても、彼女の笑顔を守りたい。それがいまの俺にできる、精一杯の決意だった。

 

(終わり)

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