恋人の宝多六花にじ~っくり見とれたい!   作:前野へーた

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新婚旅行 学生時代の水着で誘う俺の新妻、六花(終)

 もうすぐ日が沈むというのに、リゾート地の空気にはまだ熱がこもっている。海からの潮風がかろうじて体を冷やしてくれるけれど、俺の胸の奥はとっくに冷ましようのない熱を抱えていた。

 

 ここは新婚旅行先のトロピカルなビーチ。周囲には多国籍の観光客が楽しげに行き交い、青い海と白い砂浜が視界いっぱいに広がっている。だが、そんな風景よりも、今の俺にとって圧倒的な存在感を放つのは、目の前で小さめのビキニを身に着けて微笑む六花の姿だ。

 

 結婚してからまだ数か月しか()っていない。結婚式や新居の準備に追われて、ようやく取れたまとまった休暇が今回の新婚旅行。学生時代から付き合い始め、互いの体を深く知り合い、さらに結婚という形で新しい関係を築き始めた俺たち。

 

 今は「もっと新しい可能性を見つけよう」と、二人の未来mを描きながら日々を過ごしている。だけど、こうして南国の海で彼女がかつての水着を取り出し、俺を誘惑しようとしている姿を見ると、まだまだ自分も知らない彼女の一面があるんだと再認識させられる。

 

 高校時代に買った……というか、俺と初めて海デートしたときの水着をわざわざ持ってきた六花は「小さいかな、まだ入るかな」なんて言いながら、昼過ぎに部屋で着替えて出てきた。その瞬間、俺の心臓がバクンと音を立てた気がする。

 

 色は淡いブルーを基調に、胸のところにフラミンゴのワンポイントが入った二つの三角布(さんかくぬの)。紐の部分も華奢(きゃしゃ)で、背中側で結ぶタイプだから、正直いまの彼女の体には少し窮屈そうに見えた。

 

 場所はビーチリゾートが立ち並ぶ一角で、椰子(やし)の木がいくつも植えられ、砂浜にはパラソルとデッキチェアがずらり。ここに来て何日か過ごしているうちに、彼女はこの南国独特の熱気にどんどん浮かされてきたようだ。

 

 昨日まではぴったりサイズのワンピース水着を着ていたのに、今日は「学生時代のビキニ、持ってきちゃった」と笑う。俺にしてみれば、「もっと刺激的な体験を探しているんだろうな」というのが手に取るようにわかる。

 

 俺たちの周囲には、同じように海を楽しむカップルや家族連れ、友人同士で来たグループが思い思いに遊んでいる。ただ、その雑踏の中でも、彼女の姿は一瞬で目を引く。何人かがちらちらとこちらを見ているのを感じるが、いまの俺には嫉妬(しっと)という感情はまるで湧いてこない。

 

 むしろ「そうだろうな。見たくもなるよな」と他人事(ひとごと)のように納得してしまう。あまりに美しい、そして挑発的な光景だからだ。

 

 彼女の身長は155cmと小柄ながら、昔からウエストは細く、下半身のボリュームが目立つ体型だった。高校時代はそれがコンプレックスだったと聞いているが、俺が「そこが好きだ」と何度も伝え続けたことで、今では「最も自信のある部分」になったらしい。もともと大きめだったヒップと太もものラインは、ここ数年の間にさらに形が整ってきたようで、まるで彫刻のような曲線を描いている。

 

 淡いブルーのビキニトップは、三角形の布を二枚つないだだけのごくシンプルなタイプ。おそらく当時は余裕があったはずのカップも、今はバストを無理やり収めているような状態で、少し動くだけで谷間の形が変わり、肌がチラチラと見え隠れする。

 胸を支える紐は首の後ろを通して結ぶ形だから、彼女が首を振るたびに紐がかすかに食い込み、そこに汗の粒が光るのがなんとも(つや)っぽい。

 

 一方のボトムは、さらに露出度が高い。布地が申し訳程度に前と後ろを覆い、両サイドは細い紐で結ぶ仕組み。そこにヒップのふくらみが押し寄せるように張りついているので、角度によっては布がめくれそうでハラハラする。

 紐の根元あたりの肌には、かすかな圧迫感の(あと)が浮いており、彼女がちょっとでも腰をひねると、そのラインがさらに強調されていくのがわかる。

 真珠のように輝く肌が、午後の太陽を受けて淡い反射を起こし、ヒップから太ももにかけての輪郭が柔らかい陰影となって目に焼きつく。

 

 太ももは、正面から見ると一見スラッとしているように見えるが、斜め横にまわればそのボリュームがはっきりわかる。内側にほんの少し隙間があるものの、外側は丸みが出ているため、歩くたびに重心がわずかに揺れる。

 

 その動きに合わせてヒップも上下に弾み、ビキニの布地が引っ張られたりたわんだりする。(そば)で眺めると、生地が若干きしむ音が聞こえてきそうなほどぴったりフィットしているのが感じられ、「大丈夫か、破れやしないか」と心配になるくらいだ。

 

 そして長い黒髪は、海風にあおられて彼女の肩口や背中に舞い落ちる。ときおり髪をかき上げる動作をするたび、バストの上部がほんの少し盛り上がるのが見えて、強烈な色気を放っている。まるで「どう、私の体の変化に驚いてる?」とでも言いたげな仕草に見えて、正直、まともに目を合わせられない。

 

 結婚してまだ間もないが、すでに体の相性や求め合い方についてはかなり深く理解し合っているつもりだった。ところが、こうして南国のビーチに来て、昔のビキニ姿で迫られると、改めて「彼女にはまだ未知の魅力があるんだ」と思い知らされる。

 

 リゾートホテルでの滞在は一週間ほど。午前中は島を巡る観光をして、昼からはこうしてビーチでのんびり、という日々が続いている。気温は30度を超えるが、海風が意外と快適で、日差しを抑えるパラソルの下で冷たいドリンクを飲んだり、海に入ったりして過ごすのが最高の贅沢(ぜいたく)。ただ、彼女が学生時代の水着を再び着たのは、今日が初めてだ。

 

「ねぇ、この水着まだ着れるんだよ。すごくない?」

 

 彼女が笑いながら言う。確かに驚きはあるが、サイズ的にはもはや限界に近いようにも見える。俺は冗談半分で「破れそうだぞ」と返すが、彼女はあくまで余裕の笑みを浮かべ、「大丈夫だって」と胸や腰を揺らして見せる。

 

 その様子に周りから小さな視線が集まっているのを感じる。けれど、嫉妬よりも、彼女の成長した体を誇りに思う気持ちが強く、そこへ不意に()き上がってきたのが「こんな美女に、俺の子供を産んでほしい」という熱烈な願望だ。

 

 結婚したばかりで、新しい家族を早く作りたいという思いは前々からあった。しかし、いざこうして彼女の体を改めて目の当たりにすると、その「子供を産んでほしい」という気持ちがさらに色濃く強まる。

 

 なんでこんなタイミングでそんなことを考えるんだ、と自分でも少し不思議に思うが、彼女が昔以上に女性らしさを増し、なおかつ愛おしく刺激的に見える今だからこそ、自然に湧き出す本能なのかもしれない。

 

 ◇

 

 あまりにも身体が完成されすぎているせいか、俺は自分が見つめている六花の姿に圧倒されていた。結婚してからもう数か月も()ったのに、彼女の変化や奥深さをまだまだ(つか)みきれない。学生時代の水着を、あえてこの新婚旅行に持ってきていること自体、彼女の探究心がどれだけ強いかを物語っている。

 

 俺はふと、「こんな美女に、俺の子供を産んでもらえるなんて本当に実現するんだろうか」と、信じられないような想いを抱いてしまう。彼女が足を運ぶたび、ビキニの小さな布地が際どく揺れ、太ももやヒップの動きが目を奪う。そこに生命を宿してくれるのかと思うと、不思議と胸が熱くなる。

 

 ヤリたいなんてレベルじゃない。いまの俺は、ヤラねばならない、という大きな覚悟や愛情を感じているのだ。

 

 ビーチの人影は、午後の日差しが緩みはじめたせいで少しずつまばらになっていた。カップルや家族連れが、それぞれのタオルやパラソルを片付け始めている。遠くでは、陽が傾いて海面をオレンジ色に染め、水平線にゆっくり沈もうとしているところだ。潮風が汗ばんだ肌を程よく冷やし、六花の長い黒髪を軽く揺らしている。

 

 波打ち際では子供たちが最後の水遊びを惜しむように波と(たわむ)れていて、その先には水上バイクが帰港しているのが見える。ビーチを囲む南国の樹木はやや背が高く、青空から夕暮れ色へ変わっていく空と調和している。まるで一日の終わりというより、何か新しい物語がこれから始まる予感さえ感じさせる夕方の空気だ。

 

 俺は彼女のやや後ろ寄り、半身ほどずれた位置から歩いている。そこから見ると、やはり彼女の下半身の曲線が否応なく目に入る。ときおり彼女が振り向き、「何見てるの?」と微笑む。そのときに見せるスッとした鼻筋と切れ長の(ひとみ)が、学生時代に「高嶺の花」と呼ばれた名残(なごり)を思い出させる。

 

 とはいえ、そのクールな雰囲気を損なうことなく、今の彼女は新妻としての色香を身につけている。淡いブルーのビキニは、彼女がほんの少し動くだけで布がずれる危うさを(かも)し出していて、視界のどこを切り取っても(つや)と刺激を感じる。その光景に、俺は今まで感じたことのない興奮と安堵(あんど)が奇妙に入り混じった気分だ。

 

 彼女が砂浜の上をゆっくり歩くとき、ヒップの丸みが左右に小さく弾む。両サイドの紐はかろうじて結び目を維持しており、ほどけたりしないか見ているこちらがハラハラするくらい。紐が生地に食い込み、肌に赤い(あと)がついている部分もあり、そこからほんの少し汗がにじんでいるのを見つけると、彼女の存在をさらにリアルに感じてしまう。

 

 トップはやはりサイズが合っていないのか、胸が柔らかくあふれ気味に収まっている。胸の下には微かな陰影が生まれ、彼女が大きく息を吸うたびに形がわずかに変わる。肌は真珠のように滑らかで、日差しを受ける角度によってツヤが浮かび上がる。特に水に濡れた後などは、(しずく)が胸の谷間をつたってビキニの布地に吸い込まれ、視線をさらに誘導するように感じられる。

 

 長い黒髪は、ラフにまとめずそのまま下ろしている。光が当たると毛先は若干茶色(ちゃいろ)く見えて、学生時代との変化を思い出させる。かつてはもう少し重たいストレートだったが、今は少しウェーブがかかって柔らかそうだ。彼女が手櫛(てぐし)でさっと髪をかき上げるたび、バストの形が微妙に変わり、その下にあるくびれや骨格もちらりと見える。

 

 当時のビキニを引っ張り出すという行為に、彼女の隠れた意図を感じる。おそらく「昔の自分と今の自分の違いを見せつけたい」のであり、彼女なりに夫を翻弄(ほんろう)する楽しみを見出しているのだろう。俺だって、学生時代からずっと彼女と付き合い、結婚まで進んだ身だ。けれど、まだまだ知らない領域があると確信できる瞬間が、まさにこうして南国の砂浜で訪れている。

 

 さらに「もっと刺激的な体験をしたい」と常々言う彼女は、新婚旅行中だというのに早くも「次はどんな可能性を開こうか」と考えているふしがある。二人の子供が欲しい、と感じたのも、もしかすると彼女と一緒なら何が起きても乗り越えられそうだという無意識の確信があるのかもしれない。

 

 砂浜を歩きながら、俺は何度も彼女の姿に目を奪われる。まわりの男性客が一瞬視線を向けても、嫉妬(しっと)にはならない。むしろ、「わかるよ、その気持ち」と共感すら覚える。だって、こんなにも美しく、堂々と自分の体をさらしていて、それでいてどこかクールな雰囲気を保っている。

 

 そして、その体に自分の血が混じった子供を宿してくれるかもしれない、という事実が妙にリアルに胸に迫ってくる。今はリゾートの熱気に浮かされているが、もし本当に子供を(さず)かったら、彼女のボディラインはどう変化するだろう。そんな未来の想像に、俺は胸の奥が熱く(うず)くような感覚を覚える。

 

 彼女が急に振り返り、「何度も見すぎじゃない?」と可笑(おか)しそうに笑う。

 俺は気恥ずかしさで視線をそらし、砂に視点を落とす。すると、彼女がパラソルの陰に置いた荷物のほうへと歩み寄り、さっとタオルを広げる。(しずく)がまだ肌に残っているのか、きらきらした小さな水玉が太ももやヒップに散らばっているのが見え、心臓がまた高鳴る。

 

 次の瞬間、彼女はタオルを脇に投げ捨てるように置き、俺の首に腕を回して余裕たっぷりに唇を重ねてきた。息を()む間もなく、軽く離れてはまた、何度もキスしてくる。周囲に人がいるのを意識しながらも、この大胆さと甘さに酔わされるようだった。

 

「ほら、部屋に帰ろ」

 

 低い声でささやく彼女の(ひとみ)には、微かないたずら心と、確固たる愛情が同居している。俺は躊躇(ちゅうちょ)する余裕もなく、彼女の背中に手を回し、ぴったり抱き合う形で歩き出す。

 

「ねぇ、好きだよ。世界で一番あなたが好き」

 

 まだ夕焼けには早い青空とエメラルドグリーンの海を背に、俺たちは足並みを合わせて砂浜を進んでいく。視線が(から)まり合うたび、彼女の唇がわずかにほころび、そのたびに「家族を作る」未来がすぐそこにあると実感するのだった。

 

(終わり)

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