恋人の宝多六花にじ~っくり見とれたい!   作:前野へーた

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クリスマス、サンタコスの六花と初めて朝まで一緒に

 俺たちがこうしてクリスマスの夜にホテルの部屋を取るだなんて、つい数か月前までは想像もしていなかった。六花とは何度か体を重ねたことはあるけれど、朝まで一緒に過ごすのは初めて。今夜はそんな特別なひとときに、彼女がわざわざ用意してきたサンタのコスプレ衣装。俺は部屋に足を踏み入れた瞬間から、その姿に釘付けになっていた。

 

 場所は都会の中心部にある、ちょっと洒落たビジネスホテル。とはいえクリスマスムードを意識しているのか、フロントやエレベーターホールには小さなツリーやリースが飾られ、普段より少しだけ華やいだ空気が漂っている。部屋は高層階で、窓からは街のイルミネーションが見下ろせる。夜景を眺めながら乾杯できるようにと小さなテーブルが設えられ、ライトも暖色系に調整されているようだ。

 

 チェックインを済ませ、荷物を置いて一息ついたところで、彼女が「先に着替えてくるね」とバスルームへ消えていった。

 しばらくして姿を現した六花を見て、俺は言葉を失う。

 

 サンタ帽をちょこんとかぶり、ふわふわの白いファーがトリミングされた赤いワンピース。

 まさか、ここまでしっかりクリスマス仕様で決めてくるとは思わなかった。まるでコスプレイベントにでも出るかのようだ。しかし、普段のクールな雰囲気を残しながらも、この特別な夜に俺だけが知る彼女の素顔を重ね合わせると、頭がクラクラするほど魅力的に映る。

 

 部屋にはヒーターが入っているせいか、ほんの少し暑いくらい。でも俺の体温はそれ以上に上昇している気がする。外の夜景よりも、赤と白の衣装をまとった六花の姿が、今の俺にはずっと眩しい。お互いの体をある程度知っているはずなのに、改めて見ると、まるで初めて見るかのようなときめきに襲われるのは何故なんだろう。

 

 彼女の身長は155cmと小柄だ。それでもスタイル全体を俯瞰すると、まず目が奪われるのは、やはりグラマラスな下半身。ヒップラインから太ももにかけて、ワンピースの裾がちょうどいい長さで隠しきれていないのが、むしろ彼女の肉感を強調している。

 

 立ち姿でいるときはもちろん、少し動いただけで布地がふわりと揺れ、柔らかそうな太ももの上部が露わになる。その瞬間、俺は思わず喉が鳴りそうになるのをこらえた。

 

 照明をやや落とした室内でも、六花の肌はしっとりと輝いて見える。もともと「真珠のような肌」と評される彼女のボディは、華奢な上半身と豊満な下半身のコントラストが色っぽい。

 

 彼女がサンタ帽を深めに被ったせいで、長い黒髪がうなじのあたりでゆるやかに広がり、首筋や肩をほんのり艶やかに飾っている。それだけでも充分色気を感じるけれど、やはり視線は自然と彼女の腰から太ももにかけてのラインへ落ちてしまうのだ。

 

 さらに、ワンピースの胸元はファーの縁取りがあって派手な印象も受けるが、彼女の上半身は意外とコンパクトにまとまっている。それでもネックラインが少し開いているせいで、鎖骨の形や首筋に浮かぶ筋、そこに薄く張り付いた汗のきらめきまで見て取れる。

 

 背伸びをするように腕を上げると、肋骨まわりがわずかに浮き上がり、肌の薄さが際立つ。上は細く、下は豊か……そのアンバランスさこそが六花の悩みらしいが、俺に言わせればこの世で唯一無二の芸術品だ。

 

 サンタ風ワンピのスカート部分は、彼女が動くたびに軽くふわつくのがまた心憎い。丈は短めなのに裾には白いファーが施されており、内側のラインを完全に隠しきれていない。そのため、歩くたびにきゅっとしたヒップの形がチラチラと視界を誘う。

 

 彼女もそれを意識しているのか、やや照れくさそうにスカートの裾を直す仕草を繰り返しているが、その「隠そうとして隠しきれない」もどかしさが、逆に俺の好奇心を刺激してやまない。

 

 普段から「下半身が大きすぎるんじゃないか」とコンプレックスを口にする彼女だけど、何度見ても飽きるどころか、その丸みを帯びた曲線に思わず触れてみたくなる衝動をかき立てられる。

 

 グラビア雑誌に出てくるようなモデルとは違う、生々しくて温もりを感じるフォルム。二の腕やウエストまわりはそれほど太くはないのに、腰回りと太ももだけはしっかりと存在感を放っている。その不均衡さが、彼女の体をますます魅惑的に見せているのだ。

 

 髪は肩から先まで長く伸び、黒々とした艶が夜の闇を吸い込むよう。サンタ帽の赤と黒髪のコントラストが、さらに白い肌を引き立てている。よく見ると、額や首筋にはほんの少し汗がにじんでいるようで、彼女も恥ずかしさと緊張で体温が上がっているのかもしれない。そのわずかな光沢が、彼女をより官能的に彩っているようで、俺は鼓動を抑えられなくなる。

 

 体を重ねた相手とはいえ、今夜は特別だ。いつものライトな密会とは違う。このクリスマスの夜、朝までずっと二人で過ごす。ベッドから起きたとき、真っ先に目に飛び込むのが彼女の姿になる……その事実を思うだけで、興奮やら喜びやら、いろんな感情が入り混じってしまう。

 

 彼女はそんな俺の気持ちを察しているのか、スカートを抑えながら「そんなに見ないでよ」と拗ねたように言う。だけど、その頬は少し赤らんでいて、内心まんざらでもなさそうだ。

 

 六花が着ているサンタコスは、ベストタイプのワンピースに近いデザインで、ウエスト部分に黒いリボンが結ばれている。白いファーの縁取りは首元から裾にかけてあしらわれ、動くたびに微妙に揺れて表情を変える。彼女が軽く伸びをすると、そのリボンがちょっとだけずれて、ウエストのくびれが強調されるのが何とも色っぽい。

 

 サンタ帽は、先端にふんわりとしたボンボンが付いているオーソドックスなデザイン。彼女の黒髪とのコントラストが視覚的にインパクトを与え、上半身をやや華やかに見せている。足元は濃い赤のソックスに、ローファータイプの小ぶりな靴。わずかにヒールがあるため、155cmの身長を少し底上げしているのが微笑ましい。

 

 アクセサリーはほとんど付けていない。シンプルなイヤリングを片耳につけているだけで、胸元や手首に派手な装飾はない。「どうせならベルとか付けたらいいのに」と茶化して言えば、彼女は「似合うわけないじゃん」と笑って返すかもしれない。

 

 いや、本当は自分に過度な飾りをするのは恥ずかしいのだろう。シンプルであるからこそ、自然に目が行くのは彼女自身の肌や髪、そして圧倒的な下半身のシルエット。彼女もわかっていて、こうして余計なものをまとわずに勝負しているのかもしれない。

 

 テーブルの上に用意してあった小さなクリスマスギフトを抱える仕草を見せながら、「はい、メリークリスマス」と照れ笑いを浮かべる。そのワンピースから覗く鎖骨と、うっすら浮いた首筋の汗が視界に入るだけで、俺はまるで酔いが回ったように思考が霞んでいく。シンプルな衣装の中にこそ、彼女のバランスの取れた色気が存分に発揮されていると痛感する。

 

 クリスマスソングが小さく流れる部屋で、俺は彼女のコスチュームやボディラインに見惚れつつ、これから先の夜に思いを馳せる。すでにお互いの体を知っている仲だとしても、やはりこうして正面から魅力を突きつけられると、まったく飽きることがない。

 

 むしろ、夜が長ければ長いほど、彼女の違った表情や仕草に出会える予感がする。その期待に胸を膨らませながら、俺は六花へ向ける視線をいったん逸らせないままでいた。

 

 ◇

 

 ワンピース姿の六花を前にすると、俺はまるで熱でもあるかのように体が火照ってくる。彼女と過ごす夜はこれまでにもあったが、クリスマスの特別な雰囲気に包まれているせいか、鼓動の高まり方が違う。少し赤らんだ頬で「どうかな」と問いかける彼女の声には、いつになく甘さが滲んでいた。

 

 クールで通っているはずの六花が、こんなふうに相手の反応を探るような瞳で俺を見つめる——それだけで胸の奥がぐっと締めつけられる。彼女の呼吸がゆっくりと弾んでいるのを感じるたび、俺も緊張を抑えられなくなる。今ここで、俺たちの距離がどこまで縮まるのか。その予感が空気に溶け込み、まるで密やかな交換を交わしているようだ。

 

 ホテルの部屋はシンプルな内装ながら、クリスマス仕様のささやかな飾りがあちこちに施されている。テーブル上の小さなキャンドルが、部屋の明かりに混ざって優しい影をゆらめかせ、六花の肢体をさらに柔らかく映し出していた。

 

 窓の外には、街のイルミネーションがくっきりと輝いている。だが、その鮮やかな光よりも、部屋にこもる穏やかな暖かさのほうが俺の目を奪う。暖房が効いているせいか、少しだけ乾いた空気を帯びていて、六花の肌にうっすら汗が滲んでいるのもわかる。フローリングに敷かれたカーペットへ、俺と彼女の影が重なるように落ちているのが妙に生々しかった。

 

 俺はベッドの端に腰かけ、六花はテーブルの近くに立っている。自然と視線の高さがほぼ同じになって、彼女のワンピースの裾と太ももがちょうど目の前に広がる形だ。これは狙っているのか、それとも偶然なのか。意識するほど、視界には彼女のボディラインがはっきりと収まっていく。

 

 クリスマスソングが小さく流れる中、六花のサンタ帽が垂れる先端がかすかに揺れる。そこへ視線をやったあと、どうしても目は真っ白なファーから続く肌へと落ちてしまう。彼女が少し恥ずかしげに、でもどこかうれしそうな仕草を見せるたび、俺の鼓動は一気に高まっていく。

 

 何度見ても飽きないのは、腰のあたりから太ももにかけての曲線だ。小柄な体格ながら、ヒップから腿まで一気に丸みを描くラインは、視界を奪うどころか心まで捕らえて離さない。サンタワンピの裾は短く、動くたびにふわりと揺れる。そのたびに、彼女はスカートを押さえて視線をそらそうとする。けれど、本音では俺の反応を気にしているのが手に取るようにわかる。

 

 普段の六花は自分の下半身をコンプレックスだと言っていた。しかし、俺にはそこが何より魅力的に映る。太ももの内側のわずかな隙間、柔らかそうな肌の起伏、その真珠のような白さが、ホテルの照明に照らされるといっそう艶めいて見えた。足首に至るまでほどよく引き締まっているせいで、下半身だけが浮き立つアンバランスさが、逆に生命力を感じさせる。

 

 さらに、彼女の首筋や鎖骨も見逃せない。サンタ帽をかぶることで耳やうなじが露わになり、そこにほんのり汗が光っているのがわかる。長い黒髪はそのまま下ろしているから、髪の間から見える肌のコントラストが強烈な誘惑になっている。見慣れているはずなのに、こうして「クリスマスのサンタ姿」という非日常の要素が加わるだけで、彼女のすべてが新鮮に思えて仕方ない。

 

 彼女が「高嶺の花」と呼ばれるのは、その冷たいほどの美貌と人当たりのクールさゆえだろう。だが、本当の六花はお人好しで、日常に退屈を覚えつつも自分から大胆な行動を起こすのは苦手だった。そんな彼女が、俺と一緒にいるときだけは素直に甘えてくれたり、こうしてサンタ姿で挑発してみせる。もしかすると、このホテルでのクリスマスが、彼女なりの「新しい自分になってみる」挑戦なのかもしれない。

 

 思えば俺も、彼女と初めて一夜を過ごしたとき、クールな見た目とは真逆の情熱に驚かされた。下半身のラインに自信がないと言いつつ、実際はそこを愛おしそうにさする俺の手を、拒むどころか求めてくる。きっと彼女は刺激に飢えているんだろう。だからこそ、この夜もファー付きワンピースを選び、俺の反応を計りながら照れ笑いを見せているのだ。

 

 部屋の暖かさとクリスマスの高揚感が混ざり合い、彼女を見ていると胸が熱を帯びる。俺たちはお互いの肌を何度か感じ合ったけれど、今夜はまた違う。朝まで一緒にいるということは、ただ身体を重ねるだけじゃ終わらない時間を共有するということ。六花の恥じらいや高揚が、まるで波紋のように俺の内側へ広がってくる。

 

 隠そうとしても隠しきれない欲望がある。それは俺だけのものじゃなく、六花にだって確かに存在している。彼女がときどき見せる潤んだ瞳と、頬に浮かぶ熱の色は、その証拠に違いない。思い切って誘い合い、もっと深く溶け合ってみたい。そう思うほど、彼女の体温が愛おしく感じられる。

 

 俺は腰かけたベッドから立ち上がり、彼女に近づく。クリスマスソングの音が小さく耳に入り、どこか現実感が薄れたような不思議な心地になる。六花が少しだけ目を伏せ、口元に照れを滲ませたまま、スカートのリボンに手をかけた。

 

「今日、もう一つプレゼントがあるんだ。それは……私。ねぇ、ほら、リボンを解いてみて……」

 

 俺の胸に渦巻いていた熱が、いっきに昂ぶる。彼女がリボンを指先でつまんだまま、意を決したように微笑んでいる。その笑顔は決してクールとは言えない。俺は手を伸ばし、触れる寸前で躊躇する。けれど、彼女の「早く」という視線に押され、まるで夢の中を彷徨うように指先を動かす。

 

 今夜の俺たちは、確実にこれまでとは違う場所へ踏み込もうとしている——そんな予感とともに、六花のリボンに触れる感覚がやけに鮮明に伝わってきた。

 

(終わり)

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