女が強いあべこべ社会な種族の宇宙海賊で戦闘員をやっている男の話 作:スペースパイレーツ
クロウには夢があった。
「ゼファの英雄になりたいのか……? クロウ」
「はい」
今から数十年前……まだクロウが幼く、母の下に暮らしていた時の頃だ。
太古の昔に故郷を失ったゼファは、銀河の各地にある難民御用達の寂れた星や、宇宙港などを拠点に暮らしていた。クロウも例に漏れず、部族単位で小さな星に居を構えていた。
凶暴な原生生物と厳しい自然環境の広がる星だったが、ゼファの部族は持ち前の逞しさで生き延びていた。そこで育ったクロウは自分が男でありながらサイオニックを宿していると自覚した。
ゼファの戦士となる最低限の基準を、男という身分で満たしたクロウは自分は特別だと
「ゼファの男で英雄になるのは並大抵の事じゃない、わかってるだろう」
「わかっています、ですが母様……俺にはサイオニックがある。1000年ぶりと聞きましたよ……男でサイオニックに目覚めたのは」
そこで育ったクロウは、他の男児とは違って人一倍勇敢かつ、傲慢になっていた。男でサイオニックに目覚めた希少な存在……自分は特別、ならばなんだって出来るという錯覚だ。
「サイオニックになったから英雄になれると?」
「はい、だってそれが使えてゼファの戦士でしょう」
「甘い、甘いな……我が子ながらに……考えが甘すぎて呆れる」
母はフードの奥に顔を隠したまま答える。
『力があるから英雄になるのではない、人々から求められてからこそ初めて英雄になる』
『……それは』
『かつて厄災の魔の手から一族を救ったのが、サイオニックが使えるゼファの男だったから自らと重ねたのか? 愚か者……』
痛いところを突かれて、クロウは黙り込む。
『では……俺は何すれば良いのでしょう』
クロウは母に問うた。
すると母は振り返らずに言った。
『一族の為に……自分がまず何をすべきかを考えろ』
幼いながらに衝撃を受けたクロウは息を呑む。
一族のため、何をしたら……そう考えると何故苦しい。
というか本当に胸あたりが苦しい、クロウは胸を押さえようと手を伸ばして――何かが当たった。
「――ん」
なんでちょっと艶やかな声――そう思って、クロウの意識が覚醒すると。
「おはよう、よく寝れたかな?」
「…………プリム、ケツどけろ」
プリムが寝ていたクロウの腹に腰をかけていた。
まるで優雅に本を読む淑女のように座っていたが、苦しい事には変わらない。そんな彼女はいつもの戦闘服ではなく、灰色のローブを着て、その下に身体にフィットしたようなスーツを着ていた。
「せっかく起こしに来てやったのに」
「自分で起きれる……」
「もう過ぎてるけど……5分」
腕につけた端末でしっかり指し示す彼女。
クロウは段々と焦りを顔に浮かべる。
「……くそ」
「おーい、ありがとうは?」
「どーも」
「今時子供でも礼は言えるよー」
やかましいと叫びながらクロウは急いで着替えようとして――振り返る。プリムはじっと服を捲り上げていたクロウを見ていた。覗きというには清々しすぎる。
「着替えるから部屋出ろよ」
「減るもんじゃないでしょ」
「……いいから出ろよ」
◆
ゼファは何も初めから宙賊だったわけじゃない。
気の遠くなるほど昔の話、ゼファはかつて最も栄えていた銀河文明エキュメノの主要種族の1つだった。エキュメノは自由と調和を愛し、様々な種族が対立することなく共存していた。
そんな中で特にゼファは誇り高い戦士として広く知られており、女性が主力で戦う事なら銀河で最も美しき戦士団とも言われていた。
しかしそれは長くは続かなかった。
突如謎の厄災がエキュメノを滅ぼした。
ゼファを含めた名だたる英雄が厄災を止めようとしたが、全く敵わずに散っていき、かろうじて生き残った者たちは散り散りになっていった。
散っていった者の中には、かつての栄光を取り戻すべく動いた者もいた。しかし生き残りの多くは、誇りよりも生き残ることを優先に考え、あらゆる星々で掠奪を始めた。
これが後にゼファが宙賊として悪名を轟かせる要因となった。サイオニックを扱う彼女らは非常に強く、頭脳に優れた男達が生み出した機械兵器は、効率的に敵を壊滅させていく。
そんな生活をするようになってもう100万年以上……ゼファの中では変化が生じていた。
それは若い世代を中心とした誇り高い戦士だった頃に戻ろうとする考えが普及し始めている事。
クロウが所属しているクラン・オブ・ストームはまさにそんなムーブメントの中心にいた。テオス・インペラトルの支配に反旗を翻し、かつての栄光を取り戻してゼファをまとめて一族の復興させるという最大目標を掲げていた。
◆
帝国の輸送船を襲撃し、物資を奪った帰還から数時間後。
旗艦ライトニング・ダガーの大広間には、クラン・オブ・ストームの戦士たちが集まり、盛大な宴が開かれていた。
鋼鉄の壁にサイオニックの光が反射し、天井に設置されたホログラムが戦利品の一覧を映し出している。食糧、武器、エネルギーセル――いずれも帝国の物資であり、これでしばらくの間は補給に困ることはない。
宴の中心では、大勢の女戦士たちが高揚した声を上げながら、手にした酒を酌み交わし、歓談に興じている。長い戦いを生き延びた戦士たちは、その興奮と生存の喜びを分かち合うように、笑い、語り合い、時にはふざけ合いながら杯を重ねていた。
「――この航海は本当に実りあるものだった」
中央の演台に立つのは、副船長のアリシア。
水色の髪をサイドテールにまとめ、スラリとした体格が特徴的な彼女はこの宙賊の中で、屈指の剣士として武勇を立ててきた。そんな彼女はクールな美貌に鋭い眼差しで持って、戦士たちを見渡しながら静かに言葉を紡いでいた。
「お前たちの勇敢さが、クラン・オブ・ストームの誇りを再び輝かせている。この調子で、我々の力を銀河に示していこう」
力強く響く彼女の声に、戦士たちは歓声を上げ、手にした酒を高く掲げる。
「クラン・オブ・ストームに栄光を!」
「栄光を!!」
ホログラム越しに演説を聞いている別室の者たちからも、遅れて歓声が上がる。そんな賑わいの中、クロウとプリムが少し遅れて広間へと足を踏み入れた。
「先に始まってやがる……」
「君が眠りこけてたからね」
「すぐ起こせよ」
「かわいい寝顔をしてたなぁ」
プリムはふふふと笑う。
クロウは呆れながら集会の中に入ると、真っ先に気づいた友人達が遅れて来た2人を見て、露骨にいやらしい笑みを浮かべた。
「おやおや? クロウが遅れて登場とは珍しいねぇ?」
「そりゃあプリムと一緒だもの、なぁ?」
「……お楽しみだったのか?」
クスリと笑う女たちの言葉に、クロウはまたいつものかと慣れた様子で否定する。
「くだらん。単に疲れていただけだ……そんなことはしない」
「ふーん……?」
ぶっきらぼうに言い放つクロウだが、女戦士たちは「へぇ?」と楽しそうに目を細めるばかりだ。
一方、プリムはそんな反応を楽しんでいるようで、わざとクロウの腕に絡みつきながら肩を寄せる。
「あらあら、そんなに必死に否定しなくてもいいのに?」
「……お前も乗るな」
クロウが軽く肩をすくめると、周囲の戦士たちがさらに盛り上がる。
「クロウのこと、そろそろ誰かモノにしちゃえばいいのにねぇ」
「そうそう、こんな逸材、逃すのはもったいない」
他の文明よりずっと女の社会的地位や役割が強い彼女たちにとって、男は貴重な存在で宝に等しい。しかもクロウが戦士として認められている男という事実は、彼を巡る争奪戦を過熱させる要因となっていた。
一応男はクロウ以外にもいるのだが……。
「クロウ以外は番がいるしね〜……そうなったら自動的に注目されるのは当たり前じゃない」
「……はぁ」
総勢300人の人員の中、男はクロウ含めて15人。
しかもクロウ以外はすでに相手がいる。
となれば絶賛フリーである彼に目が向けられるのは当たり前の話だ。
「まぁまぁ、宴の席ぐらいは色々忘れて楽しんだら?」
そう言いながら、プリムはクロウに酒杯を差し出すと彼は小さく息をつき、渋々それを受け取ると、一口だけ流し込んだ。
喉を焼くような強い酒が、体の奥まで染み込んでいく。
「……俺は戦うのは得意だが、こういうのは苦手だ」
クロウの言葉に、プリムは可笑しそうに笑う。
「だからこそ、私たちが教えてあげるのよ」
周りにいる女たちから揶揄われながらも、とりあえずはこの宴を楽しもうとした所だった。人集りの中をゆっくりと歩み寄る者がいた。皆はその人物を見て、そそくさと道を開けていく。やがてその人物はプリムとクロウの近くまで歩くと、声を発した。
「プリム、クロウ」
「「!!」」
その声に聞き覚えのあった2人はすぐに姿勢を正しながら振り返る。
「アリシア副船長」
「此度の活躍、見事だった。私としても鼻が高いぞ」
口ではこう言っているが、アリシアは一切無表情。
感情の起伏がないため、皆からは氷のようだと言われている。
「……自分に出来る事をしたまでです」
「私も同じです、それにあの輸送船には厄介なブラッドトルーパーもいなかったので」
帝国の誇る白兵戦に特化した連中は幸いあの中にはいなかった。おかげで楽々仕事を完遂出来たと、2人は本気で考えていた。
「それでも成果は成果だ、よくやった」
「ありがとうございます」
「ただ今回……わざわざ話しかけたのは褒める為じゃない」
周りはピリついた空気を感じ取り、プリムとクロウに哀れみの視線を向けた。向けられていた2人も「これはお叱りか……」と戦々恐々としていた。
何せ2人が遅れてやってきたのだ、間違いなくいい印象なんか抱かないだろう。
「ここで話すのもあれだ……少し来てもらおうか」
一体何を言われるのか……そう考えながら2人はアリシアの後を黙って着いていった。
◆
アリシアに連れられ、クロウとプリムは静かに歩を進める。
ライトニング・ダガーの船内は、実戦的な造りをしており、無駄のない構造が随所に見られる。
壁には異星文明の工芸品や金銀の装飾品が並び、ホログラムで保存された古代の戦術書や貴族が着ていたであろう豪華な衣装まで、雑多に並べられている。
もうこの時点で2人はどこに連れて行かれているかはわかっていた――船長室だ。
「遅刻した事じゃないか……用って言うのは」
「それなら私は私で黙らせる手段あるから」
クロウの呟きに、プリムがクスリと妖しく笑う。
そして、いよいよ分厚い扉の前に立つと、アリシアが無言で手をかざした。
「船長……連れてきました」
「おう! 入りなぁ!」
機械音とともに扉が開き、広々とした船長室が現れる。
そこは戦利品の倉庫でもあるかのような空間だった。
装飾されたブラスターライフル、重厚な鎧、銀河貴族が愛用していたであろう金細工のカップ……そのすべてが雑然と置かれている。
だが、最も目を引くのは、室内の中央に鎮座する巨大な玉座のような椅子だった。
そして、その椅子に胡坐をかいて座っているのが――
「ご苦労だなぁ、アリシア」
クラン・オブ・ストームの船長――ソヴ。
新興のクランでありながら、早くも宙賊として頭角を現した猛者である。彼女は肘掛けに片腕を預け、鋭い金色の瞳でクロウとプリムを見下ろしていた。
色黒の肌は戦士らしい艶を持ち、肩に届くかどうかの銀髪は無造作に流されている。そして、頭には彼女の象徴とも言える捩れた二本の角があり、その獰猛な笑みと相まって圧倒的な存在感を放っていた。
何せ彼女はサラシ姿になって、引き締まった腹筋が露わにしながらふんぞり返っている。いかにもな格好に、クロウは難しそうな顔をする。
「よう、プリム……そして、クロウ」
ソヴは威厳ある雰囲気で語りかける。
だがプリムは知っている。
「……っ、んん! ク――2人とも怪我が無くて良かった」
(船長……めっちゃクロウをチラチラ見てるな)
妙に気まずそうに、クロウをチラチラ見るソヴ。
理由を知っているプリムはジト目を向ける中、アリシアは心配そうにソヴの様子を伺う。
「船長……? 早く本題を」
「あ! ああっ! 悪いな……ついつい誇らしくなっちまってよ」
「は、はぁ……」
わかりやすく狼狽えるソヴを見て、アリシアはただ困惑する。クロウは露骨にソヴから目を逸らし、プリムはいい笑顔だ。このままじゃ妙な空気になったまま戻れないと考え、ソヴは本題へ入る。
「今回お前たちを呼んだのはざっくり言うと、二つ伝えたいことがある。まず1つ目に関してだが……」
ソヴは真剣な空気に戻すと、デスクの上にあるホログラム投影機を起動する。
「アタシらクラン・オブ・ストーム、クラン・オブ・スカー、クラン・オブ・レイス、クラン・オブ・ダガーの4つのゼファのクランで、同盟を組む事になった」
「……確か他の3つは俺たちと同じ新興の宙賊、ですよね」
「ああそうだ……クロウ、彼らの目的も同じ――ゼファの復興だ」
クラン・オブ・ストームを含め、かつてのエキュメノを取り戻そうとするネオ・エキュメニズムと呼ばれる運動は、今やゼファだけじゃなく、帝国に対して反抗的な種族を中心に広がりつつある。それによってソヴはゼファの悪名を払拭し、かつての栄光ある一族としての地位を取り戻そうとしていた。
そんな中でまず最初の段階として、4つのクランの統合を計画していた。
「近いうちに他3つの船長と……他にも参加を表明している氏族が惑星ドラグシスに集まる。未来のゼファにとって大事な会談になるのは間違いない」
「なるほど……それで私たちにそれを話すというのは――」
プリムとクロウはもうすでに船長が何を言いたいか理解した。
「プリムとクロウにはアタシの護衛として会議に同席して欲しい」
やはりそう来たかと2人は思っていると、ソヴは立ち上がってクロウとプリムに向き直った。
「お前らはこれまでの戦果を考えても、アタシの船の中でエースと言っていいクルーだ。会談では他の船長も護衛を付けるだろうから……まぁお前達2人入れて、あと3人ぐらいは入れるつもりだ」
「お褒めの言葉……ありがとうございます」
プリムは当然のように受けとめつつ、しっかりと礼を言ったがクロウは少しだけ眉を寄せる。褒めてくれるのはありがたかったが、まだまだ弱いと彼は考えていた。
「……言い過ぎです」
「そうか? 特にクロウ、お前がこの会談にいることには大きな意味がある」
ソヴはクロウをじっと見つめ、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ゼファにとって、男は機械技術や戦略で戦いを支える存在だ。けどお前は違う。お前は男でありながらサイオニックを操る戦士だ。それをこの同盟の場で大々的に示しておけば、アタシらクラン・オブ・ストームが、ゼファの中でも特別な存在だと知らしめることができる」
ソヴの瞳が光を宿す。これはただの誇示ではない。
戦略的な意味を持った動きだ。
「護衛でありながら、俺たちの主導で進めるための手札に必要だから……という事ですか」
「ああ、そうだ」
ソヴは頷き、少しだけ表情を引き締めると、ゆっくりと語り始めた。
「カエラムを知ってるだろ? お前がガキの頃に憧れた英雄だ」
クロウは目を細めた。
知ってる所の騒ぎじゃない。何せクロウにとっての理想の人物であり、ゼファの歴史に語り継がれる伝説の英雄の名前だ。
「……厄災の時、最後まで戦い抜いた男の戦士」
「そうだ。ゼファの男でありながら剣を取り、誇り高き戦士として死ぬまで戦い抜いた英雄カエラム。彼の名は、今でもゼファの間で語られ、特別視する奴らは多い」
ソヴは拳を握りしめる。
「クロウ、お前はカエラムを想起させる存在だ。お前がこの場に立つことで、私たちのクランは、ゼファの誇りを取り戻そうとする者たちにとって、希望の象徴になれる」
クロウはソヴを見つめる。そこには、ただの野心や打算ではない、確固たる決意があった。
「実質……旗印みたいな感じですね」
「おうよ。お前がいるだけで、この会談の流れは変わる」
ソヴはニッと笑った。
「だからクロウ、お前にはしっかりと
ソヴがクロウの肩をバシバシ叩きながら豪快に
もうクロウは突っ込む気力すらなかった。
「……船長、一応クラン・オブ・ストームが抱える戦士ということをお忘れなく……。言葉は慎重に選んでください」
「お、わりぃな。ついつい」
アリシアは頭を抱えながらソヴを注意すると、悪びれもなく言った。本当に無意識だったみたいだが、プリムからしたらそんなに面白くはなかった。
「それでもうひとつは?」
プリムはさっさと終わらせたいのか、急かすように言った。
「ああ、もうひとつは褒美だ。活躍してくれたし……何でも好きなことを頼んでいい」
ソヴは非常にありがたいことを言ってくれた。
褒美……とクロウは考えてみたが、あまり思いつかない。強いて言えば少しの間休みが取れたら嬉しいぐらいだ。
「なんでも……ですか」
しかしこの褒美の内容を、プリムが有効活用しない訳がなかった。
「会談の日にちは決まってますか?」
「いやまだ調整中だな」
「なるほど……そして私たちは、この後はスティングに帰る予定ですよね?」
スティングというのはクラン・オブ・ストームの拠点であり、居住地である辺境の星の名前だ。航海の予定を終えたクロウ達は、もう2日後には星に帰る予定だった。
「ああ、そうだな。それがどうかしたか? プリム」
「なら私はクロウと1週間2人で休みたいですね……ええ」
「…………ん??」
プリムは実にいい笑顔で言うと、ソヴは目をパチクリさせた。数瞬だけ理解が及ばなかった彼女だが、ようやく気づくと慌て出した。
「い、いや! 何でもって言ったけど、それはダメだな!! うん!」
「船長なのに……自分の言葉に責任持ってないんですか?」
「おい、プリム……逆らうなら――」
ソヴもちょっとイラついたのか、目をピクピク動かしながら反論しようとしたが、プリムには伝家の宝刀があった。
「……私、
「こんな時に幼馴染出すなや……てめぇ」
「……ふっふっふっ」
暗にクロウと何があったか知ってるよと、プリムは目で訴える。何を隠そう……クロウとプリム、そしてソヴは幼馴染同士だ。
「あー! もう! 1日! 1日だけだ! スティングに戻っても色々と仕事がある、だから長期間は空けられない」
「わかりましたっ、じゃあクロウと1日過ごさせていただきます」
プリムはこっそりとクロウにウィンクすると、クロウはげんなりした。いい加減……自分が色々言った方が良いのはわかってはいるが、ソヴもプリムも我が強く、押し退けても無理矢理寄ってくるだろう。
「羽目は外すなよ、絶対だからな」
「船長と一緒にしないでくださーい」
「っ!! やっぱりお前のそう言うとこ苦手だ、こらぁ!!」
かくして重要な仕事の前に、プリムとの1日が決まったクロウは重たいため息を吐いた。
ゼファはめちゃくちゃ長生きです。
軽く数万年は生きます。