仮面ライダー妖魔 番外編   作:玲音考人

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超バトルDVD枠
「仮面ライダー妖魔 幻のモノノケ!?ツチノコ捜索作戦!」


 

「ツチノコを探してほしいんです!」

 

 12月のある日のこと。歴史研究部の元に、そんな依頼が舞い込んでくる。

 

時雨「えっと…君は?」

 

「あ、申し遅れました。俺は 遊間(ゆうま)(もとむ)っていいます」

 

凪桜「ツチノコって?」

 

調「えっ、知らないの?結構有名な妖怪…UMA?だよ。なんかこう…太くてジャンプする珍しい蛇みたいな感じのやつ!」

 

咲穂「まあ、凡そそんなイメージですよね」

 

求「まさにそのツチノコを探してほしいんです」

 

時雨「な、成る程…とはいっても、一体どう探せば…」

 

 現れた依頼人の名は遊間求。ツチノコを探しているという彼の依頼に応えるにしても、そもそもツチノコなんてどこにいるのだろうかと時雨達は頭を悩ませる。

 

求「実はこの近くの西黒山にいるって噂が最近何件も出てるんです!」

 

時雨「成る程…じゃあ、そこにツチノコがいるかもしれないってことかな」

 

求「きっといます!絶対います!」

 

時雨「は、はい。だと良いですね…」

 

調「ツチノコって本当にいるんだ…」

 

リュウジン「そうだな。ツチノコはいるぞ」

 

時雨「あっ、ちょっとリュウジンさん!」

 

 凄まじい熱量を見せる求に困惑する時雨。その一方でツチノコが実際にいるということを出てきたリュウジンが肯定し、人前にリュウジンが姿を現したことで時雨は慌てる。

 

求「あっ!まさかあなたは…!」

 

リュウジン「ん?…フッ、分かるか」

 

求「もしやあなたこそ…ツチノコ!?」

 

リュウジン「違うわっ!?」

 

凪桜「ふっ…ふふっ…ツチノコ…フッ…」

 

リュウジン「おい凪桜!何笑ってんだ!」

 

凪桜「リュウジンって龍の割になんかちっさいし…リュウジンよりツチノコの方が分かりやすいから、ツチノコで良いんじゃないかなって」

 

求「リュウジン?なんだ、ツチノコじゃないのか……」

 

リュウジン「良いわけあるか!我はリュウジンだ!それと貴様!何故露骨にガッカリするんだ!」

 

 ツチノコと勘違いされ、憤慨するリュウジン。それを揶揄う凪桜やツチノコじゃないと分かりガッカリする求に対して更に怒るのだった。

 

時雨「ま、まあまあ!それでリュウジンさん、ツチノコについて何か知ってるんですか?」

 

リュウジン「うむ。といっても我も会ったことはないのだが…ツチノコというモノノケは非常に神出鬼没らしくてな。捕まえたと思っても気付いたら消えている。そんなモノノケだと聞いたことがある」

 

咲穂「それは中々…探すのに骨が折れそうですね」

 

調「確かに…」

 

求「俄然燃えてきました!それでは明日の朝9時に西黒山に行きましょーっ!!」

 

時雨「元気ですね…。取り敢えずそれでいきましょう」

 

凪桜「ツチノコ…楽しみ」

 

時雨「凪桜ちゃんまで…ま、いいか」

 

 かくして、求と共に歴史研究部のツチノコ探しが始まったのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「ここが西黒山か〜」

 

凪桜「ここにツチノコが…」

 

時雨「それで、どうやって探すのですか?」

 

求「それについてはお任せを!…じゃーん!これがツチノコの好物です!」

 

調「成る程、それで誘き出す…って、え?何これ」

 

求「スルメと味噌、それとお米です!」

 

時雨「おじさんか何かを呼ぼうとしてます?」

 

求「本当は日本酒らしいんですけど、高校生はお酒買えないので、お米で代用です」

 

※未成年飲酒、ダメ絶対!

 

時雨「ますますおじさんの気配が…」

 

 ツチノコを誘き出すために求が取り出したのは味噌にスルメイカ、そして米。どことなくおじさん臭さを感じていたところに、米は日本酒の代用だと聞かされ、時雨はますますおじさん臭さを感じる。

 

時雨「というか、生米でいいのですか?」

 

咲穂「せめて炊いた方が…というか甘酒とかで良かったのでは?」

 

求「あ。あーっ!そうじゃん!その手があったかー!!買ってきます!」

 

時雨「待って待って!取り敢えず今ある物で進めましょう!」

 

凪桜「早くツチノコに会いたいし、始めよう」

 

 咲穂からの指摘に、求は山を下って甘酒を調達しに行こうとするが、流石に今からまた戻ってくるまで待ちたくはない時雨に止められる。

 

時雨「それじゃ、この辺に置いて…」

 

求「隠れて様子を見よう!」

 

時雨(これで見つかるなら僕達要らないような…)

 

 味噌にスルメイカ、そして米を皿に入れて地面に置くと、時雨達はその場を離れ、隠れて様子を伺う。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

──二時間後

 

時雨「……あの」

 

求「なんでしょうか」

 

時雨「や、やり方変えてみません?」

 

咲穂「……ここにずっといるのも…流石に寒いと言いますか…」

 

調「くしゅんっ!…これならまだ探してた方がマシだよ…」

 

求「成る程…それもそうですね。このままだと皆さんの手を借りた意味ないですし」

 

時雨「あ、それは遊間君も感じてたんですね。よし、じゃあ自分達から探すとして…どうしましょうか」

 

 二時間経過するも依然進展がなく、寒さに凍えるだけだったため、能動的に探すことに決める。

 

調「ツチノコって蛇ですよね?」

 

求「そうですね」

 

調「じゃあ冬は冬眠してたりして」

 

求「…確かに」

 

咲穂「では岩の裏や積もった落ち葉の下、木の洞などにいるかもしれませんね」

 

凪桜「ならその辺を片っ端から探してみよう」

 

 ツチノコは蛇…即ち変温動物であることが予想出来るため、冬である今は冬眠しているのではないかという調の見立てから、咲穂がいそうな場所をピックアップし、全員でそこを探すことに。

 

時雨「ツチノコさんいませんかー?…いなさそうですね…」

 

 時雨は木の洞を覗き込むも、特に何も見つからずにそこを離れる。

 

凪桜「ここだなっ!…ハズレか」

 

 凪桜はダイナミックに積もっていた落ち葉を蹴り飛ばすが、そこにツチノコの姿はなかった。

 

調「よいしょっ…と!」

 

求「ふんっ…ぬぬ…!」

 

咲穂「ふっ…ふう、疲れまし…た…ヒッ!虫!?」

 

調「わっ、ちょっ、咲穂先輩!?」

 

咲穂「私虫苦手なんです…!!」

 

求「ツチノコいないなぁ…」

 

 調、咲穂、求の三人は協力して大きめの石をひっくり返すが、その下から冬眠していたであろう虫がワラワラと飛び出て来たことで、虫を苦手とする咲穂は調に抱き着くと顔を青ざめさせる。

 そんな二人を他所に、求はマイペースに落ち込むのだった…。

 

時雨「見つかんなかったね」

 

凪桜「探し方が悪かったのだろうか」

 

咲穂「虫…」

 

調「咲穂先輩は虫がトラウマになっちゃったし…」

 

求「…仕方ない。ここは別の手段でいきましょう!」

 

時雨「別の手段?」

 

 結局あちこち探し回ったもののツチノコを見つけることの出来なかった時雨達。

 すると、求は手段の変更を提案する。

 

求「はい。これを使うんです。テッテレー!ダウジングロッドー(ダミ声)!」

 

時雨「凄いどこかで聞いたことある言い方!…って、ダウジングロッドでどうやって探すのですか…?」

 

求「それは勿論こうです!」

 

時雨「…それ、本当に探せます?」

 

求「あっ、反応来たー!!こっちか!」

 

調「本当に反応が出た…」

 

咲穂「着いていってみましょうか」

 

求「ここに…ツチノコが…!……え、何これ」

 

 ダウジングし始めた求だったが、突然何らかの反応を検知すると、そちらの方へ向かう。

 そして、その場所を掘ると、その場所には古びた小袋が。

 

時雨「…随分古そうな物だね」

 

求「中にツチノコが…!?」

 

凪桜「これは…硬貨?」

 

咲穂「!これは…天宝通宝…!?」

 

調「何それ」

 

咲穂「非常に希少価値の高い古銭です。しかもこれだけ保存状態が良ければ相応の値段に──」

 

求「ツチノコじゃないのか」ポイッ

 

咲穂「!?」

 

調「捨てたー!?」

 

凪桜「…どんどん転がり落ちて…川に落ちてしまった。探すのは無理そう」

 

時雨「儚い夢だったね…」

 

 小袋から出て来たのは希少価値の高いという古銭。しかし、求はその小袋がツチノコではなかったことにがっかりし、そのまま川に投げ捨ててしまう。

 

※不法投棄はやめましょう

 

求「見つからないなぁ…」

 

時雨「うーん。やっぱり山って広いですもんね…。そうだ!こういう時は助っ人を呼びましょう!」

 

求「助っ人?」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

汰月「成る程、ツチノコか。丁度暇だったから良いよ」

 

賢昇「要は宝探しみてえなもんだろ?面白そうだし良いぜ」

 

時雨「二人ともありがとうございます!」

 

 人手を欲した時雨により呼び出された汰月と賢昇は、ひとまず協力的な姿勢を見せる。

 

汰月「まずは俺に考えがある」

 

時雨「おっ、なんですか?」

 

汰月「ツチノコってのは蛇だろ?」

 

求「その通りです!」

 

汰月「…なら、蛇の気持ちになればいい!」

 

《大蛇!》

 

時雨「えっ」

 

《装填!》

 

汰月「変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

蛇行咬合!大蛇ヨロイ!》

 

求「おお!蛇!これはもしやツチノコの力!?」

 

霊魂「残念。これはオロチの力だよ。けど…蛇は蛇だ!とうっ!!」

 

時雨「一体何をするんでしょう…」

 

賢昇「ごくり…」

 

霊魂「ニョロニョロ〜」

 

時雨「えっ」

 

賢昇「は?」

 

咲穂「……」

 

調「えっと…」

 

凪桜「そうか、身も心も蛇になりきることでツチノコの居場所を探ろうとしてるんだ…!」

 

求「成る程!じゃあ俺も一緒に!ニョロニョロ〜!」

 

時雨「……」

 

 汰月の導き出した方法。それは霊魂 大蛇ヨロイへと変身し、その上で蛇になりきるというものだった。

 そして、それを実行するべく地面に転がって両手足を伸ばして身体をうねらせている霊魂と、それに倣って同様に地面に転がって身体をうねらせている求を見て、時雨は絶句する。

 

賢昇「はっ、てんでダメだな!霊魂」

 

霊魂「なんだと…!」

 

時雨(今回ばかりは降谷君に同意せざるを得ない…)

 

賢昇「俺が手本見せてやらぁ!」

 

《鬼!》

 

時雨「え、変身するんですか?」

 

賢昇「まあ見てなって」

 

《装填!》

 

賢昇「変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

鬼気粉砕!鬼ヨロイ!》

 

幽冥「うーしっ、オラァ!ツチノコゴラァ!!出てこいやぁ!さっさと出てこねえと焼きツチノコにしてやるぞゴラァ!!」

 

時雨「恐喝!?何してるんですか!?」

 

求「そうか…脅して出てくるよう促すのか…!なら!早く出てこいよツチノコ!じゃないと…えっと…お前をボールがわりにしてバスケットボールするぞ!」

 

時雨「脅し方の癖が独特すぎる!…じゃなくて、そんな脅したりしたら余計出てこなくなりますよ!?」

 

 まさかの幽冥 鬼ヨロイに変身してまで脅すという手段に出始めた賢昇に対し、時雨はツッコミを入れる。

 

賢昇「なら妖魔、お前が探してみろ」

 

時雨「仕方ないですね…。そうだ、これなら!」

 

《天狗!》

 

汰月「結局時雨も変身するんだ…」

 

《装填!》

 

時雨「変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

疾風神通!天狗ヨロイ!》

 

妖魔「よーし、神通力の力でなら!はあっ!!」

 

賢昇「おいそれズルだろっ!?」

 

汰月「レギュレーション違反だ!」

 

妖魔「ニョロニョロしてたり脅したりするよりよっぽどマシですよ!?…っと、妖気の反応を見つけた!」

 

賢昇「早っ」

 

汰月「最初からこれで良かったんじゃ…」

 

 時雨は妖魔 天狗ヨロイに変身すると、地面に手を突き神通力の力で何かの反応を見つける。

 その様に、汰月は初手でこれを使っていればもっと早く話が終わっていたのでは?と思うのだった。

 

妖魔「よーし、じゃあここに…皆ー!危ないから離れててね!」

 

凪桜「いよいよツチノコの登場か…!」

 

求「遂に…この時が…!」

 

《装填!一・撃・必・殺!》

 

妖魔「はあっ!!」

 

《疾風射撃!》

 

ドオオオンッ!

 

 妖魔は見つけた場所目掛けて弓状態の妖之弓剣を構え、ドリル状の風を纏った矢を放ち、地面を掘る。

 すると、土煙の中から何者かの影が現れる。

 

時雨「あっ、いた!」

 

汰月「あれが…ツチノコ…!」

 

賢昇「…ん?あの影…なんか見覚えあるような…」

 

求「ツチノコ…!」

 

凪桜「はっきり見えないな…」

 

「貴様ぁ…何故ここが分かった…!」

 

時雨「ん?…ん?あれって…」

 

汰月「!?あれはツチノコじゃない…ノヅチだ!前に倒したのとは別の奴みたいだけど」

 

ノヅチ「いかにも!オラはノヅチ!」

 

 土中から現れたのはツチノコ…ではなくノヅチだった。

 

求「ツチ…ノコ…?」

 

ノヅチ「ツチノコじゃねえよ!ノヅチだっつってんだろ!」

 

求「なんだ、ツチノコじゃないのか」

 

時雨「この状況でよくそんな冷静でいられますね!?」

 

ノヅチ「この野郎…バカにしやがって!たく、折角の罠が…!」

 

時雨「…罠?」

 

ノヅチ「ああそうだよ!ここを通った人間を地中に落としてその魂を…あっ」

 

汰月「成る程…こっちのやらかしなら謝ろうかとも思ったが…」

 

賢昇「悪い奴を見つけられたから結果オーライか!」

 

 見つけ出されたノヅチはどうやら人を襲うつもりだったらしく、そんな悪巧みを露呈させ、ノヅチは開き直る。

 

ノヅチ「こうなったら…お前達の魂を奪って口封じだ!」

 

賢昇「上等だ!」

 

《鬼!》

 

汰月「お前を倒す!」

 

《大蛇!》

 

《装填!》

 

「「変身!」」

 

《憑依装着!変化!》

 

《蛇行咬合!大蛇ヨロイ!》

 

《鬼気粉砕!鬼ヨロイ!》

 

幽冥「うーしっ!いくぜ!!」

 

霊魂「時雨もいこう!」

 

時雨「はい!…ってあれ?何このアヤダマ…」

 

 襲いかかってきたノヅチに対し、汰月と賢昇は霊魂 大蛇ヨロイと幽冥 鬼ヨロイに変身して迎え撃つ。

 そして、時雨が加勢しようとアヤダマを取り出すと、見たことのない 黄金(こがね)色のアヤダマがその手におさまっていた。

 

時雨「…折角だし、使ってみよう!」

 

槌子(つちのこ)!》

 

時雨「成る程。ツチノコのアヤダマだったんだ。…ってええ!?ツチノコのアヤダマ!?なんで!?いつの間に!?……ま、まあいいや。とにかく今は…戦わないと」

 

《装填!》

 

時雨「ツチノコさん、力を貸してください!」

 

《憑依装着!変化!

 

未知跳躍(みちちょうやく)!槌子ヨロイ!》

 

求「おおっ!その姿はまさに…ツチノコ!」

 

霊魂「はあっ!…え?ツチノコの力?」

 

幽冥「んなのいつの間に手に入れたんだよ妖魔!」

 

妖魔「いやなんか気付いたら持ってて…」

 

 時雨が槌子アヤダマを妖書ドライバーに装填すると、黄金色を基調としたツチノコが出現し、時雨の周りを跳ね回る。

 そして、ツチノコが装甲に変化して各所に装着され、丸みのある黄金色の装甲を身に纏い、赤色の複眼を持つ妖魔 槌子ヨロイが現れる。

 

ノヅチ「三人…だったらこっちも増援だ!」

 

餓鬼「うぅ…!」

 

餓鬼「ゔぁ〜」

 

霊魂「餓鬼か!」

 

幽冥「ハッ!速攻で片付けてやらぁ!」

 

 数の差を補うためにノヅチが呼び出した餓鬼達を前に、霊魂と幽冥は突撃して果敢に攻撃を仕掛ける。

 

妖魔「よーし!はっ!…ってうわあっ!?えっ!?ちょっ…飛びすぎだってえええ!」

 

ドシャッ!

 

ノヅチ「フッ、何してるんだか…丁度いい!コイツなら弱そうだし俺でも倒せそうだ!」

 

 妖魔も戦いに加わろうとジャンプするが、ツチノコの力で超強化されたジャンプ力を把握しきれていなかったことで高く飛びすぎてしまい勢い余って地面にダイブしてしまう。

 その様子を見たノヅチは妖魔をターゲットに設定する。

 

妖魔「いてて…」

 

ノヅチ「オラッ!」

 

妖魔「!うわっ!負けませんよ!はあっ!!」

 

ノヅチ「うああっ!!」

 

妖魔「おおっ、これがツチノコさんの力…」

 

 ノヅチが近付いて殴りかかるも、妖魔は感覚強化によって直前に察知し、回避する。

 そして反撃の蹴りでノヅチを大きく吹き飛ばし、木に叩きつける。

 

妖魔「よーし…!はっ!よっ、ほっ、たあっ!!」

 

ノヅチ「何!?なっ…うああっ!」

 

 妖魔はノヅチに接近すると、ピョンピョンと連続ジャンプすることでノヅチを翻弄し、隙が出来たところに痛烈な蹴り技を浴びせる。

 

妖魔「これならいける…!」

 

ノヅチ「ちょこまかと…ならば!フンッ!」

 

妖魔「うわっ!地面が…!?」

 

ノヅチ「ふん、これなら跳ね回れまい…!」

 

妖魔「ちょっ…っとと…おわっ!」

 

 妖魔の攻撃に苛立ったノヅチが地面を殴り付けると、地面が波打ち、妖魔はバランスを崩して転けてしまう。

 

ノヅチ「無様だな!俺をおちょくった罰だ!ハハハハハ!!」

 

妖魔「ってて…ん?あれ?ちょ、止まれないんだけど!?」

 

ノヅチ「ハハハ…アレ?おい、ちょっと待て、なんでこっち来てんだ!?おいやめろ、止まれ!?」

 

妖魔「止まりたくても止まれないんですよ〜!!」

 

ノヅチ「な、ちょ…ぐぎゃああああっ!!」

 

 転けた妖魔は起き上がるために横へ転がって体勢を変えようとするが、次の瞬間その身体は転がったまま止まらなくなる。

 段々と回転速度を上げ、黄金色のオーラまで纏って巨大なローラーのようになった妖魔がノヅチに迫り、その様にビビって放った懇願も虚しく、ノヅチは妖魔に轢き潰されてしまう。

 

調「うわぁ…」

 

咲穂「……え、えげつない攻撃ですね…」

 

妖魔「す、好きでああしたわけではないんだけどね…。目、回った……」

 

ノヅチ「こんなバカな…!?」

 

《蛇行銃撃!》

 

霊魂「はあっ!!」

 

「「「「うおあああっ!!!」」」」

 

《鬼気槍撃!》

 

幽冥「だあっ!!」

 

「「「「ぐおおおおおっ!!」」」」

 

 回転の影響で目を回す妖魔と轢き潰されたせいで大ダメージを負ったノヅチを他所に、霊魂は銃状態の妖之斧火縄から蛇状の水エネルギー弾を発射して餓鬼達を撃ち抜き、幽冥は槍状態の妖之盾槍に炎を纏わせて金棒状のエネルギー体を形作ると、そのまま横薙ぎに振るって餓鬼達を打ち砕く。

 

霊魂「時雨、こっちは片付いた!」

 

幽冥「さっさと決めちまえ!妖魔!」

 

妖魔「…分かりました!」

 

《一・撃・必・殺!》

 

ノヅチ「や、やられてたまるかあああ!」

 

《未知剛撃!》

 

妖魔「はあああ…はあっ!!」

 

ノヅチ「ああああ!!…アレ?…上ーっ!?」

 

妖魔「はあーっ!!」

 

ノヅチ「うぎゃーっ!!!」

 

 妖魔は霊魂と幽冥からの言葉もあり、決着を付けるべく必殺技を発動する。それを悟ったノヅチは阻止しようと我武者羅に殴りかかるも、その拳が当たる前に妖魔が高く跳躍したことでその拳は空を切る。

 そして、上空から落下してきた妖魔は黄金色のエネルギーを纏った右脚で押し潰すようにノヅチの脳天を垂直に蹴り込み、そのまま爆散させる。

 

時雨「これが…ツチノコさんの力…」

 

汰月「ツチノコパワー、凄いな」

 

賢昇「全くだな。しかしどこから出てきたんだか…」

 

時雨「それがよく分からないんですよね…気付いたら持ってて…」

 

求「ツチノコの力、見せてもらっても良いですか!?」

 

時雨「良いですよ。…ってあれ?」

 

汰月「どうしたんだ?」

 

賢昇「勿体ぶらずに見せてやれよ」

 

時雨「いやそれが…アヤダマが無いんです」

 

汰月「え?さっきまで手に持ってたろ」

 

賢昇「どういうことだ…?」

 

リュウジン「…ツチノコは神出鬼没。現れたと思ったら消えている。…アヤダマとなってもそうなのやもしれんな。或いは、そもそも時雨に手を貸したのも一時の気紛れだったのかもしれん」

 

求「残念です…」

 

 変身を解いた時雨は槌子アヤダマを仲間に見せようとするが、気付いた時には槌子アヤダマは忽然と姿を消していたのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

凪桜「結局、ツチノコは見つからなかったな…」

 

時雨「力になれなくてごめんなさい…」

 

求「いえいえ、良いんです!…少なくとも、ツチノコはいるんだってことが分かりましたから。だから、これからは自分の力で見つけてみせます!」

 

時雨「遊間君…」

 

求「諦めずに探し続ければ…いつかきっと会える、そんな気がするんです。だから俺、これからも頑張ります!」

 

時雨「応援しますね!」

 

求「はい!……皆さん、今日はありがとうございました!俺いつかツチノコに出会って…皆さんにいい報告できるよう頑張るんで!」

 

汰月「ああ、頑張って」

 

賢昇「おう、頑張れよ!」

 

咲穂「結構楽しい体験になりました。ありがとうございます。応援してますよ」

 

調「最初はどうなるかと思ったけど…いつかきっとツチノコが見つけられますよ!」

 

求「はい!」

 

「……」ガサ…

 

 結局ツチノコは見つからなかったものの、その存在は確認出来たため、求は気合を入れ直していつかツチノコに会うと宣言する。

 そして、そんな様を茂みの陰から見つめているのは、黄金色の体を持った丸っこい蛇だった…。求がツチノコに会える日は、案外遠くないのかもしれない…。

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