仮面ライダー妖魔 番外編   作:玲音考人

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仮面ライダー妖魔スピンオフ 百花繚乱!最強の女子会!
百花繚乱!最強の女子会!


 

凪桜「……女子会?」

 

夢華「そーそー!ほら、私達仮面ライダー同士、付き合いも結構長いけどあんまり三人で集まったりってなかったじゃん?だからどうかなって」

 

雪音「というわけでして…どうでしょうか?」

 

凪桜「うん…いいと思う。私も二人とゆっくり話してみたかったし」

 

 ある日の昼下がり、夢華と雪音から女子会をしないかと持ちかけられる凪桜。

 同じく仮面ライダーとして戦う女子同士ではあるものの、三人で集まるということは殆どなかったこともあり、凪桜も誘いを快諾する。

 

夢華「やったー!」

 

雪音「…色々言ってはいますが…多分彼氏自慢をしたいんだと思います」

 

凪桜「そうなのか」

 

雪音「ええ。折角なので凪桜さんも時雨君の自慢でお返ししてあげちゃってください」

 

凪桜「……それは…私は構わないけど…雪音先輩は良いの?」

 

雪音「……まあ…二人の関係は素直に祝福してますし、問題ありませんよ」

 

凪桜「……そっか」

 

夢華「ちょっとー!二人でコソコソ何話してんのさー!」

 

雪音「何でもありませんよ。…それで、日時と場所はどうするのですか?」

 

夢華「うーん…考えてなかったなぁ。取り敢えず来週の日曜日で良いんじゃない?場所は…どうしよっか」

 

雪音「…では、私の家にでもしましょうか。広いですし、丁度良いのではないかと」

 

夢華「確かに!じゃあ決まりだね!」

 

凪桜「女子会か…楽しみ」

 

雪音「ふふ、そうですね」

 

 来週の日曜日に雪音の家で女子会を行うことを決めると、三人は楽しみそうな様子を見せる。

 そして、そんな様を離れた所から見つめる怪しい影が。

 

???「あれが仮面ライダー達か…悪くないな」

 

凪桜「!……」

 

雪音「どうかされましたか?」

 

凪桜「見られてるような気がしたんだけど…気のせいかな」

 

夢華「ええ…不気味…。まあ、気のせいなら良いけどさ」

 

 謎の影の視線を察知した凪桜はそちらを振り向くが、既に影はなく、凪桜は気のせいかと結論付ける。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

百花繚乱!最強の女子会!

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

──女子会・当日

 

夢華「さて、それでは第一回仮面ライダー女子会を始めたいと思います!いえーい!」

 

凪桜「いえーい」

 

夢華「…雪ち」

 

雪音「えっ…私も言わなければいけませんか?」

 

夢華「勿論!」

 

雪音「い、いえーい…」

 

 当日、雪音の家に集まった凪桜と夢華。

 様々なお茶菓子の並んだ高級そうな机を三人で囲むと、夢華は拳を突き上げてハイテンションに女子会の開幕を宣言し、それに凪桜もいつものクールな調子ながら乗っかる。

 しかし、雪音は特に乗っかろうとしていなかったため、夢華に促され、やや恥ずかしそうに拳を突き上げるのだった。

 

凪桜「……それで、女子会ってどういうものなの?」

 

夢華「良い質問だね、凪桜ちゃん!ふっふっふっ…女子会といえば恋バナだよ!」

 

凪桜「恋バナ」

 

夢華「よし、それじゃあお手本として私から話そっかな〜」

 

 女子会を始めたものの、実際には何を話すのかよく分かっていない様子の凪桜。

 そんな凪桜に夢華は女子会といえば恋バナと答え、その勢いのまま自分から話を始める。

 

夢華「都黎はなんと言ってもぶっきらぼうで不器用に見えて優しいところがいいんだよねー」

 

凪桜「…確かに、都黎は昔から面倒見が良かったな」

 

夢華「やっぱりそうだよね!後は意外と天然でさー、よく分からないことを真剣にやってる姿を見ると可愛いなぁって思っちゃったりして!」

 

雪音「……天然な印象はありますね」

 

夢華「あとあと、ご飯とかをすっごく美味しそうに食べるんだよね。こないだ一緒にお寿司屋さんに行ったんだけど──」

 

 夢華はテンション高めに都黎の良いところを挙げていくと、少し前に一緒に回転寿司屋に行った時のことを語り出す。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

都黎「これが…寿司。赤…オレンジ…白…結構カラフルなんだな」

 

夢華「そうそう。マグロにサーモン、後白いのはイカだね」

 

都黎「じゃあまずはサーモンから…。!美味い!美味いぞ夢華!!」

 

夢華「お、サーモン気に入ったんだ。私もサーモン好きだよ」

 

 色とりどりの寿司を前にどれから食べるか迷う都黎だったが、まずはサーモンの握りを食べることに決める。

 醤油を少し付けて、サーモンの握りを口に運ぶと、都黎はその味に目を輝かせる。

 

都黎「鮭の刺身を米に乗せて、醤油とワサビをつけて食べるだけでこんなにも美味しいとは…。それにしても、この米にはなんだか味があるような…」

 

夢華「あ、お寿司のお米…シャリっていうんだけど、シャリには酢飯が使われてるんだよ」

 

都黎「酢飯…お酢の力でこんな味に…!?」

 

 酢飯について知った都黎はシンプルな作りながらも魚の味を引き立てる奥深さに感動を覚える。

 

都黎「次は…マグロを食べてみるか。…これも美味いな!サーモンはまろやかな味だったが…マグロは独特な美味しさがある…!」

 

夢華「でしょ。…あ、そうだ、ちょっと高いけどマグロには中トロとか大トロとかもあるんだよ」

 

都黎「中トロ…大トロ…?」

 

夢華「そう。どっちも普通の赤身と比べると脂が乗ってるんだ。希少な部位だから値段は高くなってるんだけどね」

 

都黎「成る程…頼んでも良いか?」

 

夢華「勿論」

 

 マグロの握りを頬張り、やはり美味しそうなリアクションを見せていた都黎に、夢華が中トロと大トロについて教えると、都黎は中トロと大トロに興味を持ち、頼んでみることに。

 

都黎「中トロと大トロ…少しずつ色が白っぽくなっているんだな。…!美味い…!脂が乗って少し甘味が付いているな。こんなものがあったとは…!」

 

夢華「でしょでしょ!…お寿司には他にも軍艦とか巻き物もあるんだよ」

 

都黎「軍艦…巻き物…本当に食べ物か?」

 

 中トロと大トロをそれぞれ頬張り、美味しそうに舌鼓を打っていた都黎。

 そんな都黎に夢華は軍艦や巻き物について教えるが、当の都黎は名前が名前なだけに本当に食べ物かと訝る様子を見せる。

 

夢華「百聞は一見にしかず!このいくらとかうにとかが海苔の器の上に乗ってるやつが軍艦で、このきゅうりとかマグロを海苔と酢飯で巻いたやつが巻き物だよ」

 

都黎「な、成る程…じゃあ、まずはこのマグロを巻いた巻き物から食べるとするか。……美味いな!刺身とはまた違った食感だ…!」

 

夢華「それは鉄火巻きっていうんだよ」

 

都黎「マグロ巻きじゃないんだな。じゃあこれもきゅうり巻きじゃないのか?」

 

夢華「それはかっぱ巻きだねー」

 

都黎「そうなのか…。かっぱ巻き…なんか変なものを想像してしまうな」

 

夢華「ああ、そういえば都黎はカッパを見たことあるんだっけ」

 

都黎「時雨のアヤダマになる前にチラッとだがな。…元がきゅうりだから味は濃くないが、これはこれで美味いな」

 

 まずは巻物に手を付ける都黎。

 鉄火巻きとかっぱ巻きを食べるが、その中でかっぱ巻きの名称から巻かれたカッパの姿を思い浮かべ、なんとも言えない表情をする。

 

都黎「じゃあ次は…うに軍艦…で合ってるか?」

 

夢華「うに軍艦で合ってるよ」

 

都黎「軍艦はそのままなんだな…。これがうにの味…不思議な美味しさだ」

 

夢華「結構特徴的な味だよねー」

 

都黎「これがいくら軍艦…いくらは鮭の卵だったか」

 

夢華「そうだよ。結構美味しいんだよね。私も好きだよ」

 

都黎「ふむ。…!弾けるような感触と程よくまろやかな甘さの混じった塩味…確かに美味いな」

 

夢華「だよねー!」

 

 うに軍艦といくら軍艦をそれぞれ食べてその味に唸る都黎。

 そんな都黎の様子を、夢華は愛おしげに見つめていたのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

夢華「…って感じでさ!意外と食いしん坊なところが可愛いな〜って!」

 

凪桜「…都黎の気持ちは私にも分かる。世模継の環境じゃご馳走なんて食べれなかったから。だから、照羅巣に来てからの食事は毎日新鮮だった」

 

雪音「そうですよね…。まあ、日々お幸せなようで何よりです。さ、次は凪桜さんもどうぞ。夢華さんに負けないくらいのエピソード、期待してますよ」

 

夢華「?」

 

凪桜「任せて。彼氏自慢なら負けない」

 

夢華「ほほーう。それなら聞かせてもらおうじゃないの!凪桜ちゃんの晴っち自慢を!…てか、雪ちホントに大丈夫?あんな煽り方して」

 

雪音「問題あったら言いませんよ」

 

凪桜「?」

 

 都黎について語り終えた夢華に対し、今度は凪桜が時雨について話すよう雪音が誘導するが、そんな雪音を夢華はかつてフラれた経験から心配するが、雪音は心配には及ばないことを返す。

 

凪桜「時雨先輩のいいところはやっぱりなんと言っても優しいところかな」

 

雪音「そうですね。時雨君の長所といえば、という感じです」

 

夢華「だね!」

 

凪桜「いつも私のやりたいことに付き合ってくれるし、見守ってくれる。けど、ただ優しいだけじゃなくて自分の芯を持ってる強さもある」

 

夢華「晴っちって雰囲気柔らかいけど、結構しっかりしてるもんねー。敵だった頃が懐かしいや」

 

雪音「あの時も夢華さんの言葉を跳ね除けて新しい力を得てましたものね」

 

凪桜「後は…普段はしっかり者でちゃんとしてる、まさに“先輩”って感じだけど、偶に見せる子供っぽさも好きかな。この間一緒に遊園地に出かけた時なんだけど…」

 

 凪桜はいつものテンションのまま惚気を繰り出すと、少し前に遊園地に出かけた時のことを語り出す。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「休日だし、結構人いるね」

 

凪桜「うん。…親子連れとか、カップル連れも多い」

 

時雨「だね。…まあ、僕達もそうなんだけど」

 

凪桜「……ちょっと照れるね」

 

時雨「うん。…付き合い始めたらすぐ慣れるかと思ったけど、凪桜ちゃんといるとドキドキしっぱなしだなぁ」

 

 貴真賀にある遊園地へとやって来た時雨と凪桜。

 付き合い始めてからそこそこ経つものの、未だに初々しさを見せる二人は連れ立って遊園地へと入場する。

 

時雨「でも一緒に来られて良かったね」

 

凪桜「うん。一緒に来れて良かった。なんといっても…今はワンダーファンタジアコラボ中だからね」

 

時雨「うんうん。あ、あそこにニャイトいるよ!」

 

凪桜「ホントだ。あそこにはハムボシさんもいる」

 

時雨「あっ、本当だ!」

 

 遊園地に飾り付けられたワンダーファンタジアのキャラクター達を見て、先程までの初々しさはどこへやら、目を輝かせる時雨と凪桜。

 

時雨「…さて、そしたら何乗ろうか」

 

凪桜「うーん…じゃあ、ジェットコースターから乗ってみたい」

 

時雨「えっ…うん。分かった」

 

凪桜「……高い所苦手だっけ。無理しなくてもいいよ」

 

時雨「いや、大丈夫。…仮面ライダーとして戦ってるうちにちょっと慣れてきたし……いけるはず…」

 

 ひとしきり写真を撮り終えると、時雨と凪桜は遊園地の中を巡り始める。

 最初の目的地として凪桜が挙げたのはジェットコースター。

 高所が苦手な時雨は若干動揺を見せるが、慮って行き先を変えようとした凪桜に仮面ライダーとしての経験で少しは慣れたはずだから問題ないと返す。

 

時雨「……リュウジンさんの背中に乗って戦う時に比べれば…変身して飛ぶ時に比べれば…!」

 

凪桜「時雨先輩、いつも内心怖いと思いながら戦ってたの?」

 

時雨「まあ…正直結構怖かったかな…」

 

 ジェットコースターが最初の坂道を登っていく中で、時雨はなんとか自己暗示をかけ続け、そんな様子に凪桜は戦闘などで空を舞っている際には内心恐れを抱いていたことに気付く。

 

時雨「う…そろそろ落ちるよね…」

 

凪桜「もうてっぺんだからね」

 

時雨「戦う時に比べれば…うあああああ!?」

 

凪桜「おー」

 

 急降下していくジェットコースターに割と情けない声を上げる時雨。

 一方の凪桜は若干目を輝かせながら敷かれたレールの上を進んで乱高下していく。

 

時雨「…うぅ……」

 

凪桜「だ、大丈夫…?」

 

時雨「…まあ、なんとか。……凪桜ちゃんはよく平気だね…」

 

凪桜「うん。…結構楽しかった」

 

時雨「…そっか。…凪桜ちゃんが気に入ったなら良かったよ。僕も乗れないってほどじゃないし…また乗ろうね」

 

凪桜「!…うん」

 

 ジェットコースターから降りて、完全にグロッキー状態の時雨を心配する凪桜。

 しかし、なんだかんだと凪桜が楽しめたことを知ると、時雨は自分からまた乗ろうと提案し、そんな優しさに気付いた凪桜は嬉しげに返事を返す。

 

時雨「さて、次はどこに…って、あれ…!」

 

凪桜「ん?」

 

時雨「な、凪桜ちゃん、あれ見て!あれ!ハムボシさんが!」

 

凪桜「え?…あ、ハムボシさんの着ぐるみだね」

 

時雨「見れたらいいなとは思ってたけど、こんな早く見られるなんて…!」

 

凪桜「…一緒に写真撮りに行く?」

 

時雨「いいね!行こう!」

 

 次にどこへ行こうか考えていた時雨は、ふと視線を向けた先でハムボシさんの着ぐるみが歩いていることに気づき、興奮した様子で凪桜に声をかける。

 

時雨「いやー、写真撮れてよかった。凪桜ちゃん、ありがとね」

 

凪桜「全然いいよ。時雨先輩も楽しそうでよかった」

 

時雨「…あはは、ちょっとはしゃぎすぎちゃったね。子供っぽかったかな」

 

凪桜「私は子供っぽい時雨先輩も好きだけど?」

 

時雨「えっ!?…あー、それは……ありがとう。……なんか照れちゃうね」

 

 ハムボシさんと写真を撮り終えた時雨は、珍しく子供のようにはしゃいでいたことを凪桜に言われて自覚し、恥ずかしがるが、そんな時雨も好きだと凪桜がストレートに好意を伝えてきたために流石に照れた様子を見せる。

 

凪桜「私はこれからも、時雨先輩の色んな顔を知りたいって思ったかな」

 

時雨「……そうだね。僕も凪桜ちゃんの色んな表情を知っていきたいかな。…改めて、これからもよろしくね、凪桜ちゃん」

 

凪桜「うん。よろしく、時雨先輩」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

凪桜「…ということがあった」

 

夢華「ええ〜いいじゃん!しっかりカップルしてるね、二人とも」

 

雪音「お二人らしい微笑ましいエピソードでしたね」

 

夢華「……雪ち、大丈夫?」

 

雪音「いちいち気遣わなくても大丈夫ですって。私なりに整理はつけてますし。嫌ならそもそも断ってます」

 

凪桜「なら良かった」

 

夢華「…ふむ。それもそうか。……なら、丁度良いね。次は雪ちのターンだよ!」

 

雪音「私ですか?私には特に恋人はいませんが…。いくら整理をつけたといっても流石に次の恋には早いかな、と…」

 

夢華「なーに言ってんのさ!イバ君と一緒に暮らしてるんでしょ?どう?仲良くやれてる?」

 

凪桜「イバ君…ああ、イバラキドウジのことか」

 

雪音「彼は別にそういうのではないですが…」

 

夢華「ええー、何かあるでしょ〜。一緒に暮らしてればエピソードの一つや二つくらいさ!」

 

凪桜「そもそも雪音先輩はイバラキドウジのことをどう思ってるの?」

 

雪音「そう、ですね…。私にとってイバラキドウジ君は……世話の焼ける可愛い弟のような存在、でしょうか」

 

夢華「……へ?弟?」

 

凪桜「イバラキドウジって私達より遥かに年上じゃなかったっけ?」

 

雪音「まあ、実年齢でいえば確かにそうなのですが…なんというか、そういう雰囲気があるんですよね。だからついつい可愛がりたくなってしまって…」

 

 現在は楓山家に引き取られているというイバラキドウジについて、雪音は弟のように思っていると答える。

 

凪桜「成る程…?」

 

夢華「…イバ君も前途多難だね、この様子じゃ」

 

雪音「?…まあ、実際のところ、少し心配ではあるんです」

 

夢華「というと?」

 

雪音「どうやらあの戦いの後、イバラキドウジ君は私達と同じように歳を取るようになったみたいなんです」

 

凪桜「歳を取る?どうして今更?」

 

雪音「田貫教授曰く、空亡に力を与えられて、それが一度暴走してしまったことで、空亡の狭間の存在としての性質が作用して彼の中の人間としての部分が強くなったから、とのことです」

 

夢華「じゃあ、かなり寿命が縮んだってことじゃない?大丈夫なの?」

 

雪音「田貫教授の見立てでは恐らく私達と同程度の寿命になるだろうとのことです。今は普通の人間で言えば見た目通り14歳相当の状態だそうで」

 

 空亡の一件を経て仲間となったイバラキドウジだったが、既に数百年の時を生きているにも関わらず今になって歳を取る速度が上がった理由について、空亡の力を取り込んだ影響であるという夜御哉の見立てを雪音は語る。

 

夢華「そっか、雪ちはハーフだけどユキオンナの寿命が人間と大差ないからそこまで変わらないんだっけ?」

 

雪音「ええ。ユキオンナというのは『冷気を操る能力を持っただけの人間』とでもいうべきモノノケですから。寿命や肉体の強さも人間より若干高いという程度です。その分、冷気を操るという一点においてはずば抜けている種族である…と聞いてます」

 

凪桜「そうだったんだ。初めて知ったかも」

 

雪音「あまりその話をすることもありませんからね。お母様の言うところでは、人と結ばれるモノノケの中でも突出して数が多いのもユキオンナだそうです」

 

夢華「やっぱり見た目とかその他諸々が人間と近いのが大きいよねー。そうそう、雪ちのお母さん、すっごい美人さんなんだよ!」

 

凪桜「そうなんだ。確かに雪音先輩も美人だし、納得」

 

 イバラキドウジの話を受けて、話題は雪音の寿命が人間と近しいこと、そしてユキオンナというモノノケの詳細についてに移る。

 

夢華「で、結局イバ君はどう受け止めてるの?やっぱりショック受けてそうだった?」

 

雪音「いえ、本人はそんなに気にしてない様子でした。寧ろ背が伸びるのが早くなるなら楽しみとのことです」

 

凪桜「意外と前向きに受け止めてるんだ。ならよかったのかな」

 

雪音「そうですね…。もう十分生きてきたし、シュテンドウジ亡き今、私達もいなくなった後の世界で長々生きていきたいとも思わないそうです。……かなり小声で言ってましたが…」

 

夢華「イバ君もだいぶ馴染んできたってことなのかな。まあ、本人がいいならいいけど」

 

 イバラキドウジの寿命の件については本人的には前向きに受け止めていることを聞き、凪桜と夢華も納得した様子を見せる。

 

夢華「で、雪ちはイバ君と出かけたとか、そういうエピソードはないの?」

 

雪音「……そういえば、少し前に映画に興味があるようでしたので一緒に観に行きましたよ」

 

凪桜「どんな映画を観に行ったの?」

 

雪音「“呪われた村”という作品ですね。ホラー映画です」

 

夢華「なんでそんなのを…」

 

雪音「それが…」

 

 最近イバラキドウジと出かけたりしていないのかと問う夢華に、雪音は一緒にホラー映画を観に行ったことを思い出し、どうしてわざわざホラー映画を一緒に観に行くこととなったのか語り出す。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

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イバラキドウジ「……映画ねえ…」

 

雪音「映画に興味があるのですか?」

 

イバラキドウジ「え?いや…映画って大きいテレビみたいなものでしょ?それに、大体有名な映画ってどうせ後でテレビ放映されたり、サブスクで見れたりするんでしょ?なのにわざわざお金払ってこぞって観に行くなんて人間は不思議だなって」

 

雪音「まあ、映画は今、観に行くのに適していますし、何より映画館には映画館の良さがありますから。音響設備なども家のものとは段違いですし、独特の雰囲気があるんですよ」

 

 テレビの注目映画ランキングを見て何故人間が映画というものにそこまで熱を注げるのか不思議に思うイバラキドウジ。

 そんなイバラキドウジに、雪音は映画ならではの良さを説く。

 

イバラキドウジ「へえ…。そういうものかあ。数ヶ月とか一年なんてあっという間だけどなぁ…」

 

雪音「イバラキドウジ君は既に数百年と生きていますから、そう思われるのも無理はありませんが…」

 

イバラキドウジ「……そっか、人間にとっては数ヶ月とか一年って、長いんだよね。…忘れてた」

 

雪音「……そうです。イバラキドウジ君、映画が気になるのであれば実際に観に行ってみませんか?実際に体験してみるのもいいかと」

 

イバラキドウジ「成る程…べ、別に気になってるとかじゃないけど……まあ、行ってみようかな」

 

雪音「決まりですね。今度のお休みに行きましょうか。…何か見たい映画はありますか?」

 

 イバラキドウジはついつい数百年生きてきたモノノケとしての感覚で測っていたことを悟り、実際の人間にとっての一年の長さを思い知る。

 そして雪音の提案から映画を観に行くことにしたイバラキドウジは、どんな映画を見るかという問いにテレビの映画ランキングに目を移し、その中の一つに目をつける。

 

イバラキドウジ「……なら、あれを観たいかな」

 

雪音「……“呪われた村”ですか?その…あれは恐らくホラー映画かと思いますが…大丈夫ですか?」

 

イバラキドウジ「僕はモノノケだよ?人間の作り話如き、怖いわけないじゃん。雪音こそ、もしかしてビビってるの?」

 

雪音「私としてはイバラキドウジ君がよろしいのであればそれでいいですが…。では、それにしましょうか」

 

イバラキドウジ(ふっふっふっ…いつも弟扱いして揶揄ってくるお返しだよ。…精々映画に恐れ慄くといい…!)

 

 テレビの画面を指差しつつホラー映画である“呪われた村”を選ぶイバラキドウジ。

 雪音はそんなイバラキドウジを心配しつつ、本人が気にしないのであれば、ということで映画を決めるが、その裏で当のイバラキドウジはちょっとした悪巧みをしていたのだった…。

 

イバラキドウジ「ぽっぷこーん…何これ」

 

雪音「トウモロコシから作るお菓子です。映画のお供として親しまれているんですよ」

 

イバラキドウジ「そうなんだ」

 

雪音「折角ですし、買いましょうか。味は何にしますか?」

 

イバラキドウジ「うーん…オススメとかあるの?」

 

雪音「オススメですか…。こういうときはベーシックなものからいくのがいい気もしますし、そう意味ではキャラメル味なんてどうでしょうか?」

 

イバラキドウジ「キャラメル…じゃあそれがいい」

 

雪音「では、キャラメル味を一つ買いましょうか」

 

イバラキドウジ「二つじゃないの?」

 

雪音「量が多いので、二人で分けて食べたほうがよいかと」

 

イバラキドウジ「ふーん?まあ、それならそれでいいや」

 

 映画館にやってきた雪音とイバラキドウジ。

 映画のお供にキャラメル味のポップコーンを購入すると、それを持って座席まで向かう。

 そして、広告が流れ始めてしばらくすると、映画の本編が始まる。

 

『このままでは…この村は滅びてしまう…』

 

『どうにかして呪いを食い止めない…と…』

 

『どうした?』

 

『う、後ろ…』

 

『え?』

 

『うあ゛あ゛あああっ!!』

 

『ギャアアアアア!!』

 

イバラキドウジ「ヒッ…」

 

雪音「……」(怖いのなら、無理にこの映画を選ばなくてもよかったのですが…手のかかる子ですね)

 

イバラキドウジ「っ……。!…雪音…?」

 

雪音「しー」

 

イバラキドウジ「!……ふん」

 

 映画が始まり、その演出に明らかにビビった様子を見せるイバラキドウジ。

 そんなイバラキドウジを見かねた雪音はそっとを手を握り締め、驚いたように雪音の方を見やるイバラキドウジに、優しく微笑みつつ、立てた人差し指を唇に当て、静かにするよう促す。

 

イバラキドウジ「……人間の映画、舐めてたな…」

 

雪音「結構面白かったですね」

 

イバラキドウジ「……そうだね」

 

雪音「……怖がってたじゃないですか。なので先に確認したというのに…」

 

イバラキドウジ「こ、怖がってなんかないし!」

 

雪音「『ヒッ』とか『うっ』とか聞こえてきたのは私の気のせいでしょうか?……そういえば、随分と必死に手を握られたような気がしますが…」

 

イバラキドウジ「う…あれは別に…ただポップコーンが喉に詰まっただけだし!」

 

雪音「どんな状況ですかそれ…。もう、素直じゃないんですから」

 

 映画館を出たイバラキドウジは想定以上に内容が怖かったことで完全にグロッキー状態になってしまうが、雪音はそんなイバラキドウジに半ば呆れつつ、普段は絶対しない、甘えるような行動を取っていたことを揶揄う。

 

雪音「……そろそろ寝るとしましょうか」

 

コンコンコン

 

雪音「?どうぞ」

 

イバラキドウジ「……」

 

雪音「イバラキドウジ君?こんな時間に珍しいですね。どうかしたのですか?」

 

イバラキドウジ「その…べ、別に怖いとかじゃないけど?……お手洗いまでついてきてくれない?」

 

雪音「……もう、仕方ないですね」

 

イバラキドウジ「な、なんだよその薄ら笑いは!別に怖がってとかないし!ホントだからな!」

 

雪音「ふふ、そうですね」

 

 その日の夜。そろそろ寝ようかと雪音が考えたところで、イバラキドウジが部屋を訪ねてくる。

 その用件はどうやらお手洗いに行くのについてきてほしいとのことで、すっかり昼の映画で怖がってるのだと察した雪音はどこか楽しげに苦笑いしつつ、共に向かう。

 

イバラキドウジ「はぁ…」

 

雪音「まさかずっと我慢してたのですか?よくないですよ」

 

イバラキドウジ「……そんなことないし」

 

 用を足してややゲンナリした顔で戻ってきたイバラキドウジに、洗面所で待っていた雪音は我慢はよくないと教えるが、そんな雪音の言葉をイバラキドウジは力なく否定する。

 

雪音「さて、戻りましょうか」

 

イバラキドウジ「……うん」

 

雪音「ふふ、今日はイバラキドウジ君の思わぬ可愛い一面を知れましたね」

 

イバラキドウジ「可愛くないし!」

 

雪音「ふふ、お姉さんが寝るまでそばにいてあげましょうか?」

 

イバラキドウジ「いらないよ!てか弟じゃないし!僕の方が年上だし!」

 

雪音「ですが、どちらが大人かと言われると…」

 

イバラキドウジ「誰が子供だ!」

 

 部屋まで戻る道すがら、雪音はイバラキドウジのことを揶揄いつつ、仲睦まじく…まるで“本当の姉弟”のように会話を弾ませる。

 

雪音「……ふふ」

 

イバラキドウジ「…その笑いは何さ」

 

雪音「別に変な意味はないですよ?…ただ、イバラキドウジ君が来てくれてから、随分と日常が楽しくなりました。いつもありがとうございます」

 

イバラキドウジ「べっ…別に、僕はただいるだけだし……その、こっちこそ、いつもありがとう」

 

雪音「ふふ、イバラキドウジ君がそんなに素直なのは珍しいですね」

 

イバラキドウジ「う、うるさいなぁ!別になんだっていいでしょ!…ほら、もう寝るよ!」

 

雪音「そうですね。おやすみなさい」

 

イバラキドウジ「……おやすみ」

 

 ひとしきり話し、部屋の前に辿り着いたところで、雪音はふとイバラキドウジへの感謝の意を伝え、イバラキドウジも珍しく素直に感謝の想いを伝え返す。

 ちょっと照れた様子を見せるイバラキドウジが促したこともあり、二人はそのままそれぞれの部屋へと戻っていく。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

雪音「…ということがありまして」

 

夢華「イバ君も大変そうだなぁ」

 

雪音「?」

 

凪桜「イバラキドウジもだいぶ馴染んでるみたいでよかった。時雨先輩も心配してたし」

 

夢華「確かに。最初はあんなにトゲトゲツンツン!って感じだったのにね〜」

 

雪音「まあ、少しでも心安らげる場所ができたのなら、喜ばしいことです。……一通り話終わりましたが…」

 

夢華「そだね。……っていうか、あのさ」

 

凪桜「……うん。……お菓子、まだ半分もいってないね」

 

雪音「……少々張り切ってしまいまして。…すみません」

 

夢華「それはありがたいし美味しいけど…流石に食べきれないよね、これ」

 

凪桜「…まあ、そうだろうね。なんなら既に少し満腹感を覚えつつある」

 

 それぞれの話を終えたところで、三人は未だに机の上に並べられたお菓子を見て、このままでは食べきれないと悟る。

 

夢華「それなら誰か別の人呼ぶとか?」

 

雪音「それもいいですね」

 

凪桜「そういえば今日は咲穂先輩、空いてるみたいなこと言ってた」

 

雪音「なら、他の皆さんにもお声がけして──」

 

パァーン!

 

「「「!?」」」

 

 お菓子を食べきるためにも、誰か追加で呼ぼうとしていた矢先、庭先から花火のような音が響き、三人は慌てて外へ出る。

 

雪音「な、何事ですか!?」

 

夢華「あれは……」

 

凪桜「……誰?あの気色悪い怪物」

 

???「クックックッ…よくぞ参られた!」

 

雪音「どちら様でしょうか?ここは私の家なのですが」

 

夢華「てか、あなた人でもなければモノノケでもないよね?……何者?」

 

凪桜「……」

 

???「聞いて驚け!俺様こそは…数多の並行世界を統べし帝王!ヤ・ラレールだ!パ・ラレールは我が弟なり!」

 

凪桜「……ヤ・ラレール?パ・ラレール?」

 

夢華「知ってる?」

 

雪音「全く…」

 

Yラレール「我が愚弟がこの世界の仮面ライダーとやらに敗れたと聞いて来てみれば……」

 

凪桜「初耳…後で時雨先輩に聞いてみようかな」

 

雪音「知ってますか?」

 

夢華「全く…」

 

 雪音の家の庭にいたのは謎の怪物だった。

 怪物はヤ・ラレールと名乗ると、自身はパ・ラレールと名乗る。

 本人の名乗り通り、その見た目はパ・ラレールのそれの色調を変えたものとなっていた。

 しかし、卒業式の際の一件など知る由もない三人は終始困惑する。

 

Yラレール「君達が仮面ライダーだな!」

 

凪桜「そうだけど」

 

Yラレール「ふむ。となれば力としても不足なし。何より中々可愛らしいじゃないか」

 

雪音「……ありがとうございます?」

 

夢華「雪ち、素直に礼言わなくていいと思うよ」

 

Yラレール「実に気に入った!この世界を俺様の支配下に加える前に、君達三人を俺様の妃にしてやろう!」

 

夢華「ん?」

 

凪桜「え?」

 

雪音「はい?」

 

Yラレール「感動のあまり言葉も出ないか」

 

凪桜「いや、私には時雨先輩がいるから、あなたなんかと結婚しないけど」

 

Yラレール「何!?」

 

雪音「私もちょっと…遠慮させていただきますね」

 

Yラレール「なんだと!?」

 

夢華「私もやめとくね。そもそも、私も心に決めた人いるし」

 

Yラレール「……ふん。それが君達の答えというわけだ。よかろう。ならば…力づくで連れ帰るのみ!」

 

 突然のヤ・ラレールからの求婚に対し、口々に断りを入れる三人。

 そんな三人にヤ・ラレールは力づくで連れ去ると宣告し、銀色に輝く長剣を取り出す。

 

凪桜「……望むところ。二度と変なこと言えないようここでコテンパンにしてあげる」

 

《伊邪那美…!》

 

雪音「この世界を支配されるわけにもいきませんし、負けられませんね…!」

 

《ユキオンナ!》

 

夢華「全く、女の子の誘い方がなってないんだよね」

 

《キュウビ!》

 

《装填…》

 

《インストール!》

 

「「「変身!」」」

 

《支配装着…変化…!》

 

《デンシソウチャク!ヘンゲ!》

 

《冥界姫君…伊邪那美ヨロイ…!》

 

《凍結Blizzard!ユキオンナヨロイ!》

 

《幻影Illusion!キュウビヨロイ!》

 

 ヤ・ラレールに対抗すべく、凪桜、雪音、夢華の三人はそれぞれ同時に仮面ライダー黄泉 伊邪那美ヨロイ、仮面ライダー氷雪 ユキオンナヨロイ、仮面ライダー夢幻 キュウビヨロイへと変身し、ヤ・ラレールに立ち向かう。

 

黄泉「はあっ!」

 

Yラレール「ふん!」

 

黄泉「…!」

 

氷雪「ふっ!」

 

夢幻「たあっ!」

 

Yラレール「はっ!ククク、そんな攻撃…俺様には通用せんぞ!」

 

氷雪「えっ!?」

 

夢幻「嘘!?」

 

黄泉「攻撃が弾かれる…!」

 

 黄泉は終滅之薙刀を振るってヤ・ラレールへと斬撃を叩き込まんとするが、ヤ・ラレールが長剣でそれを受け止めるとそのまま強い反発力によって弾き飛ばされてしまい、続けて氷雪がレーザーガンモードのアヤカシレーザーアタッカーで放ったエネルギー弾と夢幻がレーザーブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーで放った斬撃も尽く弾き返されてしまう。

 

Yラレール「どうした?そんなものか?」

 

氷雪「ならば…」

 

夢幻「特殊能力で…!」

 

Yラレール「ふんっ!だあっ!」

 

氷雪「きゃあっ!」

 

夢幻「うあっ!」

 

黄泉「先輩!…だったら…彼岸桜!…千本桜!」

 

Yラレール「ふん!でやあっ!!」

 

黄泉「っああ!!」

 

 氷雪と夢幻は同時に冷気と狐火で攻撃を仕掛けるが、ヤ・ラレールの長剣によって全て弾き返されてしまい、互いに放った一撃を喰らってしまう。

 そして黄泉の放った桜色の円陣も、大量の桜の花弁も全て弾き返すことで黄泉を吹き飛ばす。

 

黄泉「っ…!」

 

Yラレール「今度はこちらからだ…!ふんっ!!」

 

「「「うああああっ!!」」」

 

 追い込まれた三人に向けて長剣を構えたヤ・ラレールは長剣の先端から凄まじい衝撃波を放つことで三人を変身解除にまで追い込む。

 

雪音「強い…!」

 

夢華「これ、反則でしょ…!」

 

Yラレール「これで俺様の力が分かったろう!さあ、ゆくぞ!」

 

凪桜「…嫌だ」

 

Yラレール「…何?」

 

凪桜「嫌だ…って言った。私は……あなたの妃なんかになりたくない!」

 

雪音「私も同意見です。……そもそも、どんなに強くたって、この世界を支配しようなんて人に、私たちは靡きません…!」

 

夢華「そういうこと!…私達は…仮面ライダー、だからさ。あなたなんかに負けるわけにはいかないんだよね」

 

Yラレール「ふん。強がれるのも今のうちだ。俺様は全てを思い通りとする…!君達は俺様の花嫁にするし、この世界も支配する。それが俺様だ…!」

 

凪桜「絶対に…負けない…!」

 

Yラレール「なんだ…!?」

 

雪音「!これは…ドライバーとアヤダマが…」

 

夢華「もしかして、共鳴してるの…?」

 

凪桜「!…そうか…これは、私達の絆の力だよ」

 

 ヤ・ラレールに反論しながら立ち上がる三人。

 すると、そんな三人の思いに共鳴し、身につけているドライバーとそれぞれの持つアヤダマから光が放たれ、一点に集まると、地獄アヤダマに似ている形状ながら、臙脂色と水色、桃色を基調とした新たな力…“百花繚乱アヤダマ”を生み出され、凪桜の手元に収まる。

 

凪桜「この力で…あなたを倒す!」

 

《百花繚乱!》

 

Yラレール「何が起きている…!?」

 

《三倍装填!》

 

《黄泉!》

 

《氷雪!》

 

雪音「えっ?これは…」

 

《夢幻!》

 

夢華「雪ち?ってええっ!?」

 

雪音「これは…まさか……」

 

夢華「なんか嫌な予感が…」

 

 凪桜は百花繚乱アヤダマを起動すると、そのまま禁書ドライバーへと装填し、更には上部のダイヤルを回転させる。

 一回転目で凪桜の足元に黄泉 伊邪那美ヨロイの顔を模した陣が展開され、二回転目で氷雪 ユキオンナヨロイの顔を模した陣が展開し、雪音がそこへ召喚され、三回転目で夢幻 キュウビヨロイの顔を模した陣が展開して夢華がそこに召喚されると、凪桜は表紙を展開する。

 

雪音「これって…絶対にアレですよね…」

 

夢華「間違いなくアレだよね…」

 

凪桜「二人とも、いくよ!」

 

雪音「…わ、わかりました!」

 

夢華「覚悟決めるよ!」

 

「「「変身!」」」

 

《支配装着…変化…!》

 

氷雪「やはりそうですよね…!」

 

夢幻「だよねぇ〜」

 

絢爛可憐(けんらんかれん)!百花繚乱ヨロイ!》

 

Yラレール「な…が、合体しただと…!?」

 

黄泉「これが…先輩達との新しい力…!」

 

氷雪『そんな気がしてましたよ。ええ』

 

夢幻『けど、見た目は晴っち達の奴ほど突飛じゃないね』

 

 変身のプロセスを見て強烈な既視感を覚えていた雪音と夢華。

 案の定というべきか、凪桜が表紙を折り畳むと陣から光が放たれて三人はそれぞれ仮面ライダーの姿に変わり、そのまま引き寄せられて一体化する。

 そうして現れたのは黄泉 伊邪那美ヨロイをベースに、右腕は氷雪、左腕は夢幻のものに変わり、背中には氷雪のマフラー、腰には夢幻の九本の尻尾が装着され、頭部装甲にも氷雪と夢幻の要素が加わったような外見の仮面ライダー黄泉 百花繚乱ヨロイだった。

 

Yラレール「ふん。どんな力を使おうと…ねじ伏せるのみ!はあっ!!」

 

黄泉「っと…!」

 

氷雪『腕、お借りしますね!』

 

Yラレール「くっ…!弾き返して…」

 

夢幻『今度はこっち!』

 

Yラレール「何…!」

 

 ヤ・ラレールは長剣から衝撃波を放って黄泉に攻撃を仕掛けるが、黄泉はそれを跳躍して回避する。

 そしてモードの異なるアヤカシレーザーアタッカーを二つ持つと、氷雪が右腕を操作してアヤカシレーザーアタッカーでの銃撃を仕掛け、それをヤ・ラレールが弾こうとしたところを夢幻が操作する左腕でアヤカシレーザーアタッカーによる斬撃を叩き込むことで弾き返すことを阻害して攻撃を通す。

 

黄泉「どんどん攻めるよ」

 

《氷雪!一・撃・必・殺!》

 

氷雪『お任せください!』

 

《氷雪乱撃!》

 

氷雪『はああ…はあーっ!!』

 

Yラレール「この程度…!」

 

 黄泉は百花繚乱アヤダマのダイヤルを二度回して上部のスイッチを押し込むと、氷雪の力を発動して凄まじい猛吹雪を起こしてヤ・ラレールに攻撃を仕掛ける。

 

黄泉「次は…!」

 

《夢幻!一・撃・必・殺!》

 

夢幻『いっくよー!』

 

《夢幻乱撃!》

 

夢幻『たあああっ!!』

 

Yラレール「何…!?ぐああっ!!」

 

 ヤ・ラレールが長剣で吹雪を抑え込もうとしている間に、黄泉は百花繚乱アヤダマのダイヤルを三度回転させて上部のスイッチを押し込む。

 そして夢幻の力を発揮して大量の狐火を呼び出して全方向から一斉に攻撃を仕掛けることで長剣による防御を許さず、そのまま抑えきれなかった冷気によってヤ・ラレールの長剣と身体の一部が凍りつく。

 

Yラレール「俺様は…負けぬ!」

 

黄泉「勝つのは私達だよ」

 

《黄泉!一・撃・必・殺!》

 

氷雪『そこです!』

 

夢幻『やっちゃえ!』

 

《黄泉乱撃!》

 

黄泉「はああっ!!」

 

Yラレール「これしき…くっ…押し切られる…!ぐああっ!!」

 

 黄泉は百花繚乱アヤダマのダイヤルを一度回転させて上部のスイッチを押し込むと、三つの円陣を展開し、そこからそれぞれ大量の桜の花弁を発射し、炸裂させる。

 凍りつきながらも強引に衝撃波を放って対抗しようとしたヤ・ラレールだったが、黄泉の攻撃の勢いがあまりに強かったがために押し切られてしまう。

 

黄泉「二人とも、畳みかけよう」

 

氷雪『力を合わせましょうか』

 

夢幻『いいね!いこうか!』

 

《一撃…必殺…!》

 

《絢爛滅撃…!》

 

黄泉「やあっ!」

 

氷雪「はっ!」

 

夢幻「たあっ!」

 

Yラレール「これは…!くっ…ぐああっ!!……俺様の剣が…!?」

 

 黄泉は禁書ドライバーを操作すると終滅之薙刀を構えつつ、自身の両隣にモード違いのアヤカシレーザーアタッカーを二つ浮かせる。

 そして終滅之薙刀からは桜色の斬撃を放ち、レーザーガンモードのアヤカシレーザーアタッカーからは水色の冷気弾を発射し、レーザーブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーは九つに分身して桃色のエネルギーを纏ったまま突撃していくことで性質の違う三種の強力な攻撃を受けたことで長剣は力を跳ね返しきれず、自壊して折れてしまう。

 

黄泉「厄介な剣が壊れた…!」

 

氷雪『この隙に決着をつけましょう』

 

夢幻『張り切っていっちゃうよー!』

 

《黄泉!》

《氷雪!》

《夢幻!》

《全員!一・撃・必・殺!》

 

黄泉「これがあなたのエピローグだよ」

 

Yラレール「…!」

 

《絢爛乱撃!》

 

「「「はあっ!!!」」」

 

Yラレール「ふんっ!…!?」

 

「「「はーっ!!!」」」

 

Yラレール「まさか…これまでとは──ぐああああっ!!」

 

 黄泉は百花繚乱アヤダマ上部のダイヤルを四度回転させると、高く跳躍し、桜の花弁と冷気、狐火を纏って跳び蹴りを繰り出す。

 手のひらから放った光弾で抵抗しようとするヤ・ラレールだったが、自身の身を幻と化すことでその反撃をすり抜け、そのまま強烈な一撃を叩き込むと、桜の花弁もろともその全身を凍てつかせ、直後逃げ場のない状態のまま多量の桜の花弁が炸裂し、大爆発を起こす。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

咲穂「そんなことが…」

 

雪音「結局、なんだったのでしょうか…」

 

夢華「仮面ライダーのこと知ってそうだったけどね」

 

凪桜「今度時雨先輩にでも聞いてみよう」

 

星海「もしかしたら汰月さんも知ってるかもしれませんね」

 

麗那「並行世界の帝王…聞いたこともありませんね…」

 

 ヤ・ラレールを撃破し、戻ってきた凪桜達。

 そこに呼び出した咲穂、星海、智由、千瀬、麗那が合流していた。

 

千瀬「ってか、ホントにこんな色んなスイーツ食べてもいいの!?」

 

雪音「ええ。三人ではとても食べきれそうになかったので」

 

智由「これって、もしかして手作りですか?」

 

雪音「はい。…お恥ずかしいことに、少々張り切ってしまいまして…」

 

星海「これが手作りなんて凄いです!」

 

麗那「お菓子作り習えば真黒兄さんに喜んでもらえるでしょうか…」

 

咲穂「いいんじゃないですか?きっと喜んでくれますよ♪」

 

凪桜「私も習ってみようかな…」

 

夢華「晴っちに作ってあげるの?」

 

凪桜「それもいいけど…自分で作れるようになったらいつでも食べれるし…世模継の皆にもお裾分けいっぱいできるかなって」

 

千瀬「凪桜ちゃんって、ホントいい子だよねえ…」

 

 お菓子を囲んでわいわいと会話を楽しむ凪桜達。

 こうして、戦いの中で結ばれた少し特殊な縁による女子会はしばらく続いていくのだった…。




仮面ライダー妖魔スピンオフ作品「百花繚乱!最強の女子会!」をご覧いただきありがとうございます!

告知を忘れていたので些か唐突感のある投稿となってしまい申し訳ございません。

今回は女子組が主役ということで、結構スピンオフとしても特殊な流れになっていましたが…いかがだったでしょうか?
私は当然女子会など参加したことはないので(そもそも男性ですし)、妄想100%という感じではありますが、楽しんでいただけていれば何よりです。

さて、今回で妖魔関係の作品は一旦終了となり、9月投稿開始のメカニックに注力していきますので、半年ほど音沙汰ないかとは思いますが、よろしくお願いいたします。

最後に告知となりますが、仮面ライダー妖魔、本編関連もひと段落ということで、時期は未定ですが「小説版」にあたる作品を投稿しようかと思っておりますので、是非ともお楽しみに!
タイトルはもう決まっておりまして、「仮面ライダー妖魔 黄昏の旅路」となります!
あのキャラのその後を描いた話となりますので、是非お楽しみに!
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