原神IF -知っているようで、知らない世界- 作:白い花吹雪。
町の外で鉱石を一通り集めた後、鍛冶屋を訪ねてみて思ったのは、まずは武器のレシピが一通り揃っていたこと。
前の世界ではレシピを入手しないと作れない武器が多く、それまでは作れる武器が少なかったが、今回はなんとそれらの「レシピが必要だった武器」が最初から作れるようになっていたのだ。
もっともこちらの世界にも「レシピを入手しないと作れない武器」はあるし、レシピがわかっていても現時点では作れない武器もあるので、実用的な面では前の世界とあまり変わりがないのだが。
それと、鍛冶屋の店主について思ったのが、前の世界より多少口が良くなっている、ということ。
以前は放浪者にも負けないくらい口が悪かったが、今回はサンドローネと同等か、それよりマシなくらいにはなっていた。
で、アリアの言っていた「特殊な強化を施した武器」のことについては、正確には「転生武器」と呼ばれるものであり、最近になって確立された「魔鉱を使って既存の武器をさらに加工して強化する」というシステムである、と説明してくれた。
ただし今のところ、原型を使って鍛造できる武器と、他の一部の武器にしか対応していない。
また、精錬を重ねた武器もこの加工ができるが、必要な魔鉱の数が増えるらしい。
魔鉱の必要数は最初が30、それ以降は精錬が1進むたびに10ずつ増えていく。
ちなみにこの加工を施した武器がなぜ「転生武器」と呼ばれるのかというと、「見た目や名前をほぼそのままに、新たな力を得て生まれ変わった武器」だかららしい。
今回は最初ということで斬岩・試作を作ってもらった。
前の世界でもモンドで入手し、見た目が好きで長らく愛用していたので思い入れがある武器……なのだが、性能は正直高いとは言えなかった。
こちらの世界でもそれは変わりないようだが、今回はこれを転生させるという手がある。
ちょうど転生可能武器らしいので、さっそくやってもらった。
その結果、剣は持ち手と刃の部分がきれいな銀色になり、ほかの部分はほぼそのまま……という見た目になった。
過去の斬岩とは印象が多少違うし、性能も別物になったのだろうが、それでも決して嫌なデザインではない。
当分は、剣はこれを使うことにしようか。
ちなみに先ほど拾ったシャープシューターの誓いは、残念ながら転生させられないようだ。
まあ、こちらは鍛造武器ではないので仕方ない……それにどうせメインで使うのは剣の方なので、あまり影響はないと思う。
その少し後、鍛冶屋の前をガイアが通りかかって声をかけられた。
そのまま話してみてわかったが、私たちが風魔龍の件を解決しに風龍廃墟へ行っている間、彼はほかの面々をまとめて町の守りを固めていたらしい。
なんでもジンから頼まれたそうで、「我々がいない間、モンドの守りが手薄にならないようにしてほしい」と言われ、町の内外を警備していたそうだ。
ちなみに「ほかの面々」とはロサリアやダリア、ノエルなどの神の目の所有者が主体で、中にはモナやベネット、リィルなんかも含まれていた。
ただし中には前線に出るのが向かない者もいたため、彼らは後方で高所からの偵察を行ったり、情報伝達を担っていた。
そんな中、風龍廃墟での私たちの様子を望遠鏡で見ていた者がいた。
途中で風魔龍が空高く飛び立ってしまったのでそこまでだったが、それでも本人は面白いものを見たといい、ほかの者たちにそのことを伝えた。
そしてそこから風魔龍が城に向かってきたことで皆がヒヤヒヤしたが、彼は私たちを信じていたので、きっとすべてが終わって帰ってくるところなのだろうと考えており、それは見事的中した。
その後はジンから正式に風魔龍が鎮まったことも知らされ、私に栄誉騎士の称号が与えられることになったわけだが、モンド城から私たちを望遠鏡で見ていた人物は、むしろモンド人でもないのに風魔龍に真っ向から挑む覚悟と勇気を持っていた時点で、その称号を与えるべきなのではないかと考えていたようだ。
ところで、その人物とは誰なのかというと……アルベドだ。
彼は自前で高性能な望遠鏡を開発していたらしく、それでわざわざ風龍廃墟の様子を見ていたそうだ。
バリアで遮られて見えなかったのでは?と思ったが、外からは意外とそうでもなかったのかもしれない。
この時ばかりはスクロースも興味を引かれて出てきたが、その後すぐ部屋に戻ってしまった。
もっとも彼女の場合それが平常運転なので、気にすることはないが、とアルベドは述べていたらしく、ガイアもそれを支持するとのこと。
そういえば、今回の世界ではまだスクロースに会っていない。
正直特別思い入れのある人物でもないが、一度は会っておくべきかもしれない。