ありふれた凡人の少年は異世界で無敵となる   作:究極の闇に焼かれた男

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今回は少し胸糞要素があります。


幕間:南雲ハジメにとっての救世主

 

 

 

 

わたし、南雲ハジメにとって霧嶋晋司は幼馴染であると同時に、自分の事を守ってくれる救世主の様な存在でもある。

 

彼とは家が隣同士という事もあって交流があり、2人きりで過ごす時間も自然と多かった。

 

晋司は自分の事を"喧嘩が少し出来るだけの、何の才能も持たない男"と自称するが、わたしにとっては違うと断言出来る。

 

あれは小学生の頃に遡る。 わたしは客観的に見て容姿が整っており、所謂"美少女"の類として多くの男子から好意を寄せられていた。

 

自分で言うのもあれだけど、人当たりもよく他人に笑顔を振り撒いてもいた。 教師からも一目置かれる生徒として知られていたが、そんなわたしの事を気に食わないと思った同級生の女子の一部が陰湿な嫌がらせを仕掛けるようになった。

 

教科書を破り捨てられたり、机にイタズラ書きをされたり、上履きをトイレの中に捨てられたりした。 時には人目の付かない所に連れ込まれ暴力を振るわれそうになる事もあった。

 

でも、暴力を振るわれそうになった時には必ずと言っていい程に晋司が現れ、イジメをしてくる女子達を追い払ってくれていた。

 

そんな日々を過ごしていたある日の放課後、その事件は突如として起きてしまった。

 

わたしは偶然にも1人で帰宅路に着いていた際に、嫌がらせを行う女子の一部がけしかけた上級生の男子が仲間を引き連れて、わたしを人目の付かない路地裏に無理やり連れて行こうとしてきたのだ。

 

当然の事ながら、わたしには複数人の男に抵抗する力も無ければ、ただ泣き喚く以外に出来ない程に非力で弱かった。

 

わたしを路地裏に無理やり連れ込んだ男達は醜悪な表情を浮かべながら、わたしに舐め回すような視線を向けながら手を掛けようとしてきた。

 

これから何をされるのかを理解したわたしは静かに涙を流しながら、そっと瞼を閉じながら心の中で助けを求めた。

 

 

──誰か・・・助けて・・・・・・。

 

 

心の中で助けを求めた瞬間だった。

 

 

「その娘に手を出すな」

 

 

そんな声が聴こえてくると同時に、わたしを襲おうとしていた男達の悲鳴が路地裏内に響き渡った。

 

わたしは恐る恐る瞼を上げると、わたしを襲おうとしていた男の腕を捻っている晋司と、腕を捻らた痛みで絶叫を上げながら涙と鼻水を流している男の姿があった。 その近くには気を失っているのか、他の男達が鼻血を垂れ流しながら地面に倒れていた。

 

 

「・・・っ・・・・・・しん、じ・・・」

 

「悪い、こいつらを消し掛けた女を合法的にぶちのめすのに少しばかり時間が掛かった」

 

 

そう言いながら、晋司は絶叫し続ける男の顔面に肘打ちを振り下ろすと、男は頭に肘打ちを振り下ろされた衝撃で鼻血を噴き出し歯も何本か折られながら気を失った。

 

 

「無事、では無さそうだな・・・・・・ハジメ。 遅れて本当に、ごめんな」

 

 

涙で顔を腫らしたわたしの顔を見た晋司は、後悔を滲ませた表情を浮かべながら震えるわたしの事を優しく抱きしめながら、何度も謝り続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

それから暫く経ってから知らされたことだが、わたしを襲おうとした上級生の男達は全員纏めて少年院へと送られ、男達をけしかけた主犯格の女子も今回の事を切っ掛けに実の両親から絶縁を突き付けられたらしい。 それと、わたしを救う為に男達をぶちのめした晋司に関しては、わたしの証言もあり御咎め無しとなった。

 

あの日の出来事は今も尚忘れずに、わたしの記憶の中に刻み込まれている。 あの日の出来事を切っ掛けに、わたしは両親と晋司以外の人間を拒絶する様になるのと同時に、わたしは晋司のことを1人の異性として意識する様になった。

 

そんな大好きで、わたしにとって一番の救世主である彼の為なら、わたしは例え地獄の底だろうと着いて行く。

 

だからだろう、

 

わたしは"奈落の底へと落とされて行く晋司"のことを追う様にして、自らの意思で奈落の底へと飛び降りていた。

 

 

 

to be continued‥

R-18の話を呼んでみたい?

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