ありふれた凡人の少年は異世界で無敵となる 作:究極の闇に焼かれた男
物事とは時に思いもよらない事が切っ掛けで最悪の事態へと傾いてしまう。 その殆どの場合が、救いようのない愚か者の身勝手な行動が原因である。
広間で小休憩を挟んだ後、一行は20階層の探索を再開し、その道中で「ロックマウント」という魔物との戦闘で一波乱起きつつも順調に進み続けていた。
そんな中、白崎がロックマウントとの戦闘で崩れた壁に視線を向けると、青白く発光する鉱物が花咲く様に壁から生えているのが見つかり、それを見たメルドが解説する。
「ほぉ〜、あれはグランツ鉱石だな。 貴族の御婦人や御令嬢に人気で、結構式の指輪やイヤリングとかに加工して贈り物にすると喜ばれるぞ」
その言葉を聞いてハジメを除いた女子達が注目する中、メルドの説明を聞いて白崎が「素敵…」と零しながら、うっとりとした表情をしながら頬を染めながら誰にも気付かれない程度にチラリと晋司に視線を向けるも、その視線に勘づいた晋司は表情を引き攣らせた。 もっとも、八重樫ともう1人だけはその視線に気付いており、それが最悪な事態を引き起こす起点となってしまった。
「だったら俺らで回収しようぜ!」
そんな言葉とともに、唐突に檜山が動き出した。 グランツ鉱石に向けて崩れた壁を素早く登っていく檜山に対し、メルドは慌てた様子で止めようとする。
「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」
メルドが叫ぶも、檜山は敢えて聞こえてない振りをしながら鉱石の場所に辿り着き、そのまま触れようとした時だった。
「ッ、団長! トラップです!」
鉱石の辺りをフェアスコープで確認していた騎士の1人が青褪めた表情で警告するも、それより早く檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。
「っ、ハジメ!」
「晋司!」
魔法陣が広がるのを見て、晋司とハジメは咄嗟に互いの手を掴み合ったと同時に魔法陣は部屋全体へと広がり、一行は眩い光に呑まれ一瞬の浮遊感とともに転移させられる。
転移させられた一行は空気が変わったのを感じながら、ドスンと言う音とともに地面に叩き付けられる。 地面に叩き付けられる瞬間に、晋司は咄嗟にハジメを抱き締めながら仰向けに地面に叩き付けられ、背中に痛みと衝撃を感じる。
「ぐっ!?」
巨大な石造りの橋の上に叩き付けられた痛みに思わず苦悶の声を漏らすも、晋司はハジメの安否を確かめる。
「ハジメ、怪我は無いか?」
「うん。 晋司のお陰で何ともないけど・・・・・・それより晋司は大丈夫なの!?」
「ああ、特に大した怪我は負ってない」
「良かった」
ハジメはホッとした様子で息を吐くと、立ち上がった晋司は周囲を見渡し始める。
「それにしても、此処は何処なんだ?」
「分からない・・・・・・けど、凄く嫌な感じがする」
周囲を見渡すも20メートルはある天井と横幅10メートルの足場、そして100メートル近くもある橋上に立っている事しか分からず、橋の下に視線を向けるも深淵の如き闇が広がる奈落しか見えなかった。
「お前達! 直ぐに立ち上がって、階段まで急ぐんだ!」
険しい表情をしながらメルドが雷の如く号令すると、生徒達は慌ただしく動き出し始める。 その時、階段側の橋の入口に魔法陣が現れた、中から無数の魔物の群れが出現し、更には反対の通路側から一際大きな魔法陣が出現し、中から巨大な魔物が姿を現した。
「あれは・・・・・・まさか!?」
その巨大な魔物の姿を捉えたメルドは目を大きく見開かせると、魔法陣から姿を現したその巨大な魔物の名を呟いた。
「・・・・・・"ベヒモス"・・・・・・なのか」
それは、現在の晋司たちでは手も足も出ない程の最悪の存在だった。
to be continued‥
R-18の話を呼んでみたい?
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NO