ティエラの地より 〜転生少年、深淵に挑む〜   作:エアロダイナミクス

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 まさかの本日4つ目の投稿!
 いや、本当は順番的に明日の朝だったんですよ。ただ…この話、夜中の方がいいかなって。なんでかっていうと……





 激グロ&鬱展開注意です。R-15タグ、頑張って!


25、あるダイバー達の顛末

 

 

 

 

 

【SIDE:とあるダイバーパーティー】

 

 

 

 

 

 

「よし、じゃあ今日はここで採取していこうか。警戒頼む」

 

「あいよ」

 

「いいペースね。昼までには帰還できるかも」

 

「油断は禁物よ。帰るまでがダイブだからね」

 

「はいはい。それよかペトロ、ペグとってくれねーか?」

 

「こっちは手一杯だ、テメーで取り行けや!」

 

「聞いちゃいないわね…」

 

 

 彼らは、【黎明の翼】というパーティーだ。リーダーのジョアンを中心に、アニタ、ペトロ、マリー、シーロの5人組である。彼らは本格的にダイブを始めてから2年が経つ。ダイバーとしては新人と中堅の中間地点である銅級(カッパークラス)ダイバーであり、もうすぐ銀級(シルバークラス)に届くかといった所だ。

 

 彼らは現在地はアラン平原に来ている。ここは、希少な薬草を始めとする植物資源の宝庫だ。よって、中堅ダイバーでもよくここを利用する。

 

 

「普段よか魔物が少ないから楽だな」

 

「あ、ピドラ草発見〜! 今夜はお楽しみね! ジョアン」

 

「あのなぁ…盛るのも程々にしとけや。帰るまで油断は禁物なんだろ?」

 

「ペトロ、アンタもそろそろイイ(ヒト)見つけたら?」

 

「うるせーぞアニタ! オレの事はほっとけ!」

 

「まーた始まった…集中しろよな」

 

「それこそほっときましょ、シーロ」

 

 

 アニタが見つけたのは()()()である。実にパーティー内でジョアン、アニタとシーロ、マリーの2組のカップルが出来上がっている。それは珍しい事でもない。ダイバーは男女共に適正がある。筋力は男性に劣る女性だが、霊力はその限りではないからであり、むしろ女性の方が霊力は高い傾向にあるからだ。よって、ダイバーの男女比はそこまで離れてはいない。だからこそ男女パーティーが成立する。そして、若い男女がくっつくのはよくある事だ。彼らは5人パーティーである。独り身のペトロには辛い状況と言えるが、彼は気にせずパーティーに在籍している。彼らは同じ孤児院出身であり、昔馴染みという腐れ縁であるからだ。彼らは今、漸く波に乗り始めた。もうすぐ銀級(シルバークラス)に手が届く。その高揚と慣れが彼らを動かしていて、だからこそのこの軽口である。

 

 

 

 

 しかしここは【暗黒領域】。何が起きてもおかしくはない場所。彼らには確かに油断があった。それは行動には現れない、だけど確かに彼らを蝕む心の緩み。

 

 

 

 ──それが、彼らに異変を気付かせることを遅らせた。

 

 

 

「……おい、ちょっと作業止めろ」

 

「ん? 何だよペトロ、もうすぐ規定数だぞ?」

 

「いや、気のせいならいいんだが…()()()()()()()()?」

 

「は? そりゃここは奥地とは言え浅層だから薄いのは当たり前だろ?」

 

「バカ、ちげーよ! それが()()()()って言ってんだよ!」

 

「……! 確かに…何で気付かなかったのかしら…」

 

「おい、リーダー! コレってまさかとは思うが…アレじゃねぇか?」

 

「まさか…アラン平原で起きるなんて聞いた事もないぞ…」

 

「や、ヤバいよ! 早く逃げなきゃ!!」

 

「…ッ! 急ぎ片付けろ! ここから少しでも離れるッ!」

 

「いや、ダメだ! 間に合わねぇ!! 瘴気が()()()()()!!」

 

「じゃあどうすんだよ!! ここは掴まる場所もねぇ! オレ達は飲み込まれたらアウトだぞ!!!」

 

 

 

 彼らには不幸が二つあった。一つは、彼らがルーキーを卒業してすぐであり、いざという時の帰還石を未所持であったという事。所持するパーティーは資金的にも銀級(シルバークラス)以上である。中層はこのような万が一が起きやすい。その為に必須とも言えるアイテムである。銀級(シルバークラス)以上は常に帰還石を用意しているので、例え巻き込まれても無事に戻れる担保があった。しかし、彼らには何も無い。

 

 二つ目は、この場所。アラン平原が遮蔽物も何もない場所だったという事だ。これが例えばアビタの森の様な木々が有れば、まだ流されずに済んだかもしれない。しかし、ここはそうではない。見渡す限りの平原。つまり、掴まる場所などどこにも無いのだ。ただ、ここは浅層である。()()()()()がない限り、滅多に起きるものではない。それこそ万分の一である。だからこそ彼らは油断していた。

 

 

 

「リーダー! どうすんだ!!」

 

「う……あ……」

 

 メンバーの1人であるシーロがジョアンを急かす。しかし、あまりの事態にジョアンも頭が回っていない。それがメンバーの焦りを加速させる。無理もない。彼らはルーキーを卒業してから間もない。全員が未成熟な10代なのだ。そして、全員がパニックに陥りそうになったその時──

 

 

 

「全員!! よく聞け!!! 死にたくなきゃ全員拠点のペグを引っこ抜いてそれぞれ持て!! それを地面に深く突き刺して離すな!!!」

 

 

 大喝するように指示を出した者がいた。ペトロである。彼が有無を言わない口調で命令したおかげでメンバーの思考が一瞬止まり、そして再起動する。

 

 

「た…確かに…! それしかねぇ!! 全員! ペトロの言う通りにしろ!!」

 

 

 リーダーのジョアンがメンバーに指示を出す。それに反応してパニックに陥りかけたメンバーが素早く動き出す。全員で拠点用のペグを引っぺがし、それを手に持って深々と地面に突き刺す。決して飛ばされない様に、離されないように。彼らは幼馴染である。全員で必ずこの危機を乗り越えると信じて。

 

 

「……ありがとよ、ペトロ。やっぱりお前の方がリーダー向いてるんじゃねぇか?」

 

「馬鹿言え。オレが出来るのは補助だけだ。上に立つ器じゃねぇ。それよりも、んな事は無事に乗り切ってから言え」

 

「そう…だな。オレは向いてると思うが、まぁとりあえず乗り切るぜ! 皆!!! 決して離すんじゃねぇぞ!!」

 

「「「おう((ええ))!!!!」」」

 

「……そう言う所が、お前がリーダーに向いてる理由さ」

 

「何か言ったか? ペトロ、気張ろうぜ!」

 

「当たり前だ。絶対生き残るぞ」

 

 

 

 彼らの即席の準備が完了し、その直後に瘴気の大波が彼らを襲う。そう、これは【暗黒嘯(ダークネスタイド)】。本来なら()()で起こるなどあり得ない現象。それは確実に彼らを襲った。

 

 

 

「ぐうっ…かなり大きいぞ…!」

 

「絶対に離すんじゃねぇぞ!」

 

「分かってる!!」

 

 

 彼らは必死で地面にしがみつき、流されまいとする。流されたら確実にアウトだ。まさに命がけである。即席の固定具で何とか地面にしがみつく5人。凄まじい瘴気の流れは、彼らの体全体を浮かせるほどだが、彼らはそれでも必死にしがみつく。

 しかし、彼らのペグでは固定が緩すぎた。最初にしっかりと打ち込めていなかったペグもろとも、アニタの体が引きはがされる。

 

 

「アニタ!!!」

 

 

 それを恋人であり、リーダーであるジョアンが片手で何とか捕まえる。しかし、片手で何とかできるものではない。

 

 

「ダメ! ジョアン! アンタまで流される! アタシは離して!!」

 

「バカ言え!! んなことできるか!!!」

 

「ジョアン!! お前まで流されるぞ!!!」

 

「嫌だ…! そんなのは嫌なんだ!!」

 

 

 そして、ジョアンのペグまでも地面から抜け、彼らは瘴気の波に呑まれていった。

 

 

「クソッ…!! なんてこった……」

「ジョアン…アニタ…」

 

 

 もう一人の女性メンバーであるマリーが必死に捕まりながらも嘆く。しかし、彼らとて状況はほとんど変わらない。まだまだ続く激しい瘴気の波は、彼らの体は垂直にまで持ち上げる。

 

 

「も、もうダメだ…!」

 

「諦めんな! もうすぐ収まる!!」

 

「でも、もうペグが…!!」

 

 

 彼らが深々と固定したペグが、あまりの負荷に地面ごと抜け掛かっている。そして…

 

 

「クソッ! ダメだ! 抜ける!!」

 

「くっ…仕方ない…いいか! 流される前にお互いに掴まれ!! せめてバラバラにならないようにするんだ!」

 

「わ、わかった!!」

 

 

 彼らが体を何とか寄せ、手を伸ばしてそれぞれの手を取ったその瞬間、地面ごと彼らのペグは引き抜けて、彼らは瘴気の波に呑まれていった──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……ここは…?」

 

 

 ペドロが最初に気がついた。霊力が激しく消耗している。もう半分以下だ。彼はそれでもしっかりと仲間のマリーとシーロの手を握っていた事に気付く。不幸中の幸いであった。急ぎ、彼らを揺さぶり起こす。

 

 

「はっ…こ、ここは?」

 

「う…ん…これってやっぱり流された、ってコト…?」

 

 

 現状把握が曖昧な3人だったが、何とか態勢を立て直して辺りを見渡す。そこは、アラン平原などとはまるで様相が違っていた。

 

 

「なんだ、ここは…?」

 

「何かの…巣?」

 

「気色わりぃ…しかもこの瘴気…まさか深層か?」

 

 

 辺りの様相は一変していた。深い森、しかしただの森ではない。木々の様なモノは菌糸にまみれ、枝の所々から人面のようなモノがせり出している。色はピンクや紫でおよそ通常の植物には見えない。木々の間には蜘蛛の巣のような灰色の糸が隈無く張り巡らされ、そこから無数の糸に包まれた球体が垂れ下がっている。地面は腐り果てたようなモノに覆われ、黒ずみ、吹き出物のような穴が無数に空いている。そこから線状の巨大な生物が移動しているのが遠くに見て取れた。

 

 

 その様子は、この世のモノとは思えず、3人は同時に地獄をイメージした。

 

 

「や、ヤベぇぞ…無事だったのはいいが羅針盤も狂ってやがる…」

 

「どうするの!? このままじゃアタシ達は霊力削られて死んじゃうよ!」

 

「参ったな…せめて中層であってほしかったんだが…とにかくここを抜けるしか無い」

 

「どうやって?」

 

「少しでも瘴気の薄い方へ。それしかないだろ」

 

「……それしかない、か。ならなるべく接敵しないようにしないとな」

 

 

 小声で方針を決める3人。おそるおそるその地獄の森から移動を開始し始めた。留まっても死あるのみ。最後まで生き残るために足掻く。それがダイバーの心得でもあるからだ。

 しかし、その方針も微かに聞こえた悲鳴により中断された。

 

 

「おい…! あの声は!」

 

「ええ! アニタの声よ!! 確かこっちから聞こえたわ!」

 

「急ぐぞ! ピンチなら助ける!!」

 

 

 その声の聞こえた方向に急行した3人は、暗がりの中、後ろ向きに座り込んでいるアニタの姿を発見した。しかし、その後ろ姿に声を掛けるも全く反応が無い。

 

「お、おい…アニタ! どうしたんだ!!」

 

「ま、待て!」

 

 ペトロが声を掛けるも、シーロが後ろから制止する。よく見れば、その更に前方に巨大な影が()()を行っている姿が目視できたからだ。

 それは、巨大なヒトガタ。それらが3体で何かを奪い合っている。よく見ると、ソレはジョアンの足だった。そして、彼の本体は更に奥で何体かの巨大な影に四方から引っ張られ、()()()()()()()()()

 

 

「うっ…おえぇえぇ…」

 

 

 ビシャビシャと吐瀉物がマリーの皮鎧を汚した。男2人もさすがの事態に固まってしまったが、ソレをいつまでも許す状況では無い。幸いにもアニタは後ろ姿から無事のようだ。ペトロは密かに想い人であるアニタを助けようとし、駆け寄った。

 

 そして、その手を引こうとしたが、その手が、()()()と体から離れた。ペトロはその時、アニタがこの世から既に去っているという直感を得てしまった。何故彼女だけ襲われていないのか。よく見れば、彼女の座りこんでいた気色の悪い地面には、鮮血が混じっている。それは明らかに彼女の血液。

 それでも、諦めきれなかったペトロは腕が取れてしまった彼女の後ろ姿の肩に手を当て、彼女を振り向かせた。すると──

 

 

 彼女の顔の穴という穴から無数の線虫が飛び出している。血涙を流し、空洞になった眼窩からうねうねと動き回る線虫。それをみて、冷静であったペトロの精神も限界を迎えた。

 悲鳴を上げそうになったとき、彼の口を仲間のシーロが押さえ、彼女から引きはがした。

 

 一方アニタの体はそのまま倒れこみ、そしてドンドンとその腹部が異常に膨れあがる。ペトロは見た。その異常に膨れあがったアニタの胎が弾け、中から蛙のような生物が産まれた事を。彼女に少なからず好意を持っていた彼は、そこで恐怖よりも怒りが勝った。そして、せめてその生物を始末せんと、シーロをふりほどき駆け出す。後ろからシーロやマリーが彼を引き留める声を発したが、ペトロの頭は怒りで支配され、届かなかった。

 

 

 獲物の片手剣を取り出す。彼はその普段の冷静沈着さに似合わず、炎使いである。アニタごと燃やす勢いで炎を発した。アニタから産まれた蛙に似た生物は、その血にまみれた姿を震わせて血液を落とすと、()()()()()()()。そして、炎はアニタごと直撃。

 

 

 勢いよく燃えるアニタに哀悼の意を示しながら虚無にも似た心持ちで呆然としていたペトロだったが、その視界の端に何かを捉えた。慌ててそちらを向けば、ソレは確かに先ほど燃やした蛙だった。後ろ向きではあるが、間違いない。

 ソイツがゆっくりとふり返る。途端に消沈していた怒りが再びペトロの中で湧き出していた。そして、その蛙を屠らんと再び突撃しようとしたが、何故か感覚が無い。おそるおそる自分の身体を見てみると……腕がだらんと垂れ下がり、足も言うことを聞かなくなっていた。そのまま、身体が溶け出している。遂には彼の身体は気色の悪い地面に倒れた。もう全身が溶けている。だが、顔だけは無事だ。それを見て、蛙はニヤニヤと嗤って近づいてくる。粘膜だらけの大きな口。中には鋭い棘のようなものが散見される。その蛙が何をしたか、そして何をしたいかを、ペトロは理解してしまった。

 

 

「や、やめろ……やめてくれ…」

 

 

 もう効かなくなった神経を必死に動かそうと試みるが、彼の身体は半分以上溶けている。そして、ついに蛙がその口から長い舌を出し、ペトロに巻き付かせて絡み取り、瞬時に彼の身体を飲み込む。

 頭から飲み込まれた彼は、口の中で必死に身体を動かし、断末魔の悲鳴をあげた。それを楽しそうな表情をしながらゆっくりと、ゆっくりと飲み込んでいく。人間の慟哭こそがごちそうとでも言わんばかりに。

 

 

 シーロとマリーはあまりの光景に恐怖で動けなくなっていた。両者ともに下半身から温かい液体が迸るのを感じていた。仲間達のあまりにも酷い殺され方によって脳が麻痺してしまったかのようだ。だが、次は自分たちだと正確に理解したとき、何とか震える身体を動かし、その悪夢の光景から逃れようともがく。そして、恐怖によってバラバラな神経を何とか制御しながら彼らは少しずつその饗宴から離れていった。例の蛙はペトロを味わうことに夢中になっていて、その2人をニヤニヤしながらも見送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ……どうするの? ねェ、一体どうするの!?」

 

「畜生! リーダーもアニタもペトロも死んじまったッ!!」

 

「あんな死に方は嫌だよぅ……もうやだ、お家に帰りたい…!」

 

「泣くんじゃねぇ! 泣きたいのはこっちの方だ! ……今は少しでも希望を捨てずに逃げるんだ!」

 

 

 

 

 暗い森が続く。いつまでもそこから抜け出せそうに無い。一体どこまで飛ばされてしまったのかも分からない。正に絶望というに相応しい。だが、それでも諦めずに2人は足掻く。例え、それが絶望的な行軍だとしても、少しでも希望を持ち続ける。それがダイバーなのだ。

 

 

 しかし、その希望もあっけなく打ち破られる。

 

 

 前方には、ジョアンを解体していたと思われる怪物の別個体が5体。立ちふさがっていた。よく見れば異常に細長い胴体、長すぎる首、そして人間に似ているが、決定的に異なる老爺の顔面を持つ怪物。手足も4本ずつ有り、その口は顎関節など関係無いとばかりに異常に大きく広げられている。身長だけでも5メートルはある。それが5体。

 

 

「マリー……お前は生きろ」

 

「シーロ! 嫌だよぅ…一緒に逃げよ!?」

 

「ダメだ。2人じゃ逃げられねぇ。俺が引きつけるからお前だけは生き延びてくれ」

 

 

 ダメ、という間もなくシーロはその怪物に向かって走り出す。その身体になけなしの霊力を滾らせて。マリーはそこで逡巡した。しかし、シーロのその思いを無碍にするわけにはいかないと、彼女は別方向へと走り出す。大粒の涙をこぼしながら。後方からブチブチブチと肉のちぎれる音が聞こえるが、耳をふさぎ、立ち止まらないようにただ走った。断末魔の悲鳴だけは聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ…。もう、ダメ…ここは……どこ?」

 

 

 

 彼女は奇跡的に森を抜けることに成功した。しかし、瘴気は未だ濃いままだ。そこは廃墟であった。だが、それが彼女にはありがたかった。少しでも人工物があることが彼女の精神を繋ぎ止めていた。だが、もう彼女は限界だった。

 

 

 

 そんなとき、彼女の耳に人の声が聞こえた。

 

 

「お~い。無事かね?」

 

 

 普段なら、こんな場所で聞こえる声など疑ってしかるべきである。しかし、彼女の精神状態はそれを容易く受け入れてしまった。

 

 

「あっ、あっ、こ、ここです!! ここにいます!!」

 

 

 現れたのは、黒髪の総髪の中年男性。白衣を着ていて、どことなく研究者の様な雰囲気である。これまで怪物の宴を見ていた彼女は、思わずその男性に飛びついた。

 

 

「ヒック…ヒック…仲間が…仲間が魔物達に食べられて……!」

 

「ふむふむ、森の方にいたのかね。よかったぞ、君だけでも助かって。吾輩も心配しておったからな」

 

「私…助かるの?」

 

「あぁ、安心するがいい。ここは安全だからね。()()()()()()()

 

 

 そういって、彼女を抱き寄せながら頭を撫でて安心させる。そうして、マリーが安心した瞬間に彼女は急激にガクンとその身をその男に委ねた。生きてはいるが、意識を失っている。

 そんな彼女を抱く男性の背中から触手のような影が多数生え、翼の様に展開される。その触手の一つが彼女に突き刺さっていた。

 

 

 

「君は貴重な人間だからな……大事にするさ。()()()()としてね」

 

 

 

 そう呟きながら、彼女を抱えた男は廃墟の中へと消えていく。「コストの割に1人しか手に入らなかったか。もう少し手段を考えるべきかな」とぼやきながら。

 

 

 

 

 

 そうして、一つのパーティーは全滅した。









 ダイバーは危険がいっぱい!


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