申し訳ないです。
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第零話 終わりと始まり。
ーー……温かく、強い春一番の吹く2月のある日の夕暮れ時。都内にある小さな書店から1人の青年が嬉々とした表情で出てきた。
彼は
彼は今日が発売日の小説を買って出てきたのだ。
「ふふふっ!ついに買えたぞ、“とある青年の異世界転生騒動記”!内容が分かりやすくて面白いんだよなぁ。これで25冊目。そろそろクライマックスだ。」
自分が好きな小説を買い、ホクホク気分で家へと向かって帰っている焔は、バス停に向かおうとした時、何やら不審な気配を察知する。
振り返るとそこには鋭利な刺身包丁を持って、自分を刺そうとしている男がおり、焔は咄嗟に回し蹴りで包丁を弾き飛ばした。
「あんた!!いきなり何すんだ!!?」
「この野郎、邪魔すんじゃねぇよ……。」
騒ぎを聞きつけてバス停にいた者達は距離を取るが、男は年下の焔にされた事で怒りを覚え、目つきが鋭くなっていく。
「あああああああぁ!!」
男は刺身包丁を拾うと、叫びながら耀目掛けて突き刺そうと走ってくるが、焔はそれを避けて男を抑え込み、足で転ばせて男が動けないようにする。
「誰か!警察呼んで下さい!!早く『ドスッ!!』…………え?」
何かが胸に刺さる感覚と痛みを覚えて、離れると自分の胸には鋭利なナイフが突き刺さっており、男は笑っていたのだ。
血が制服と身体を濡らす中、焔は男の手を強く掴み逃がすまいとしたが、男は焔を蹴り飛ばして逃げていき、蹴られた耀は薄れていく意識の中でゆっくりと目から光を失っていった……。
☆◆☆
「お〜〜い、起きろ〜〜?……もしも〜〜し?」
「ん…………ん?ここ、は………………?」
誰かに呼び掛けられ、焔はゆっくりと目を開けていく。すると、そこは真っ白な空間で“植物”と“本”が溢れている場所であった。
「ここは…………あれ?俺、刺されたはずだよな!?何で俺生きてるんだ!?」
「お~~い。」
「ん?うぉっ!?」
胸にある筈のナイフや傷が無いことに驚く耀は、自分を呼ぶ声に前を向くと、そこには頭に曲がった角を持つ青年がいた。
見たことの無い人物に、焔は立ち上がると構えて臨戦態勢を取る。
「そんなに警戒するなよ。まぁ、いきなりこんな所にいたら驚くか。」
「あんた、誰だ?ここはどこなんだ?」
「私か?私は“
「て、転生センター?なんだそれ。まるで役所みたいだな?」
「まぁ、ある意味役所だね、ここでは流れてきた命をどんな形に転生させるかを決める事が出来る。まぁ、あまりに行いが悪かったらさせないけどね。」
転生と聞いて焔は内心驚きながらも、まるで自分が読んでいる小説の世界のような話に信じられないと表情になる。
そんな焔を見て大和守は、用意されている椅子に座るように促す。
「さぁ、君には転生してもらうよ。君には特には問題も無かったからね。何か質問はあるかい?」
「は、はぁ…………あ!あの、俺を刺した男は?両親は?」
焔が大和守に尋ねると、大和守は書類を見ながら答える。
「警察に無事捕まったよ。君のご両親は君の死に涙していたしね。……武術の家の生まれか。なるほど武器相手にも慣れてるのは稽古をしていたからですか。」
「あの、というか、本当に転生出来るんですか?」
「まぁね。あ、何か望む事は有るかい?何か欲しい能力があれば資料を渡すが?」
そう言って大和守が焔に渡したのは、枕並に分厚い本であり、そこには数え切れないほどの転生の際に得られる能力が記されていた。
「(うわぁ、目が泳ぐ……!けど、これって漫画とかアニメでやってた物ばかりだな。)あの、能力とか転生先は選べるんですか?」
「能力は選べますが、行き先は完全にこちらに従ってもらいます。まぁ容姿などは元々のモノを基準にさせてもらいますがね。」
「分かりました……。ん?……“
「それかい?それは龍の力を得られる能力さ。龍種に匹敵する程の魔力を得られ、人から擬似的な龍人になるんだ。そして、その力があれば龍種や龍人しか扱えない特殊な魔力、
「擬似的な龍人、か。……これは鍛錬すれば強くなりますか?」
「勿論。その力は君が成長するごとに力も成長する。それをどう扱うかは焔くん次第だけどね。」
「俺、次第……か。ありがとうございます。頑張ります!」
大和守からの言葉に焔は拳を握ると、その目を見た大和守は面白い物を見た様に感じ、書類を焔に差し出す。
「これに署名すれば、君の転生が開始するよ。」
「は、はい。」
焔は書類に名前を書くと、扉が開いた。
「はい、記名を確認。では、転生先での君の新しい人生に幸あれ。」
「はい!ありがとうございました。」
焔は頭を下げて一礼すると、新たな世界に向かって進んでいったのだった……。
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