VenusBlood‐Slayer   作:ボルボロックス

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今回も短め。


第一話 異世界と出会い

焔Side

 

 

「ぅ……うぅ…………ん?ここ、は……?」

 

 

 大和守さんの造った扉をくぐった俺は、その中で光に包まれて眠ってしまい、しばらくの間倒れてたようだが、気付けばそこは夜の森だった。

 

 

 日本の何処かとも考えたが、空は数え切れないほどの星が煌めいており、空気が澄んでいてとても日本とは思えない。

 

 

「うわあぁぁ……星が綺麗。それにしても、何か空が遠い。それに声も幼い感じが……ん?何だこのモチモチ肌は?って、手も小さいし、背も縮んでる!?」

 

 

 肌はぷにぷに、手は小さいし声も幼い……もしかして俺、若返ったのかぁ!?この肌の感じだと、大体5歳くらいか!?

 

 

 これってもしかして、転生したから幼くなったって事なのか!?というか、何で子供に戻って……って、よくよく考えたらこれ、俺が好きな小説の始まりによく似てる。

 

 

 生前、欠かさず読んでた“とある青年の異世界転生騒動記”……アレの冒頭によく似てるんだ。あの小説は事故で死んだ主人公が転生して、そこからたくさんの仲間を作って冒険する物語、その始まりは子供からなんだ。

 

 

「(本当に俺、異世界に転生したのか?……だとしたら、ここはすでに日本じゃないってことになるのか。)」

 

 

【おい、いつまで立ち尽くしてやがる!】

 

 

「!?だ、誰!?」

 

 

 頭に響いてきた声に驚き、辺りを見渡すが……周囲には誰もおらず、しかしそれでも声はしっかりと聞こえた。

 

 

【精神の方に意識を向けてみろ。“俺様”はそこにいるぜ!!】

 

 

「(精神……こうかな?)」

 

 

 精神の方に意識を向けてみると、そこはマグマが流れる火山地帯のような場所になっていた。幻かと思って手を伸ばすと、熱さを感じて手を引っ込める。

 

 

 辺りの岩山とか偽物ではないようで、握ってみると、かなりゴツゴツしているし、ゴボゴボっとマグマが泡立つ所とかまんま本物だ。

 

 

「(ここは、いったい……。)」

 

 

【ここはお前の精神の中だ!俺様の力を受けてかなり変わっちまったがな!】 

 

 

「(え!?)」

 

 

 空から聞こえてきた声に上を向くと、ドシンっ!!と降りてきたのは巨大な赤いドラゴンが立っており、こちらを見下ろしている。

 

 

 身体は赤が基調になっていて、立派な角と翼、尻尾が雄々しいく、かなりかっこいいなぁ!

 

 

「(え、えっと君は?)」

 

 

【俺様は魔焔龍皇“イグニール”!!赤き龍の皇だ!俺はお前の中にある“龍の炉心(ドラゴン・コア)”の中に封じられていたんだが、お前が取り込んだことでお前と一体化したんだ。】

 

 

「(そうだったんだ。なぁイグニール、俺がどこにいるか分かるか?)」

 

 

【外の世界は……お前のいた世界とは違うな。明らかに“空気”が違う。さらに、感じたことのない程の魔力を感じる。あと、お前も“半分龍人”、“半分人間”にはなっているぞ。】

 

 

「(つまり、俺は本当に異世界に来たってことか。あ、そうだ。イグニール、俺のことは焔って呼んでくれ。)」

 

 

【そうか。ならホムラ、お前が得た“龍の炉心(ドラゴン・コア)”は龍の力が詰まった力だ。それにこの力によってアカルの中にいくつかの“力”が覚醒したぞ。】

 

 

「(力?力って?)」

 

 

 俺が選んだのは、“龍の炉心(ドラゴン・コア)”だけだった筈……それ以外に何かあるなんて聞いてなかった。

 

 

 龍の炉心の効果は、龍種に匹敵する程の魔力に覚醒して、擬似的な龍人になるってぐらいだ。それ以外に力があるなんて知らなかった。

 

 

【お前の覚醒した力は3つだ。一つは龍の炉心の副産物である“龍闘気(ドラゴンフォース)”、もう2つは異能と呼ばれる力で名は“火炎支配(フレイムルーラー)”、“魔喰(グラトニー)”っていう力だ。】

 

 

「(“龍闘気(ドラゴンフォース)”、“火炎支配(フレイムルーラー)”、“魔喰(グラトニー)”……なるほど、教えてくれてありがとう。)」

 

 

【構わん!俺が好きでやってるんだ!ホムラ、それらの力はお前の力だ。だが使い方を誤るなよ?なにせ“龍”の力だからな。並の力よりも上だ。】

 

 

「(うん、分かってる。こういう力は間違わないように使うさ。)」

 

 

 イグニールにそう言うと、俺は意識を元に戻して辺りを見渡してみると、時間はそんなに経っていないのか、真っ暗なままであった。

 

 

 今後、どうしようか悩んでいると、ガサガサッと林の方から音が聞こえ、振り向くと鎧を着た1人の男がボロボロで出てきた。

 

 

「っ!?だ、大丈夫ですか?!」

 

 

「な、何で子供が……?!き、君、早く親の下に帰りなさい!!ここには“異獣”がいる!君も殺されてしまう!」

 

 

「?い、異獣?」

 

 

 そんな事を話していると、巨大な狼のような異獣と呼ばれる怪物が10匹程の群れで現れ、グルルッ!と唸っている。

 

 

 明らかに血の臭いもしてる……こいつらが異獣って奴らなのか?こいつら、人間を食った(・・・)な。それで味を占めたか。

 

 

「に、逃げなさい!ここは私が」

 

 

「大丈夫!僕がやります!」

 

 

「僕がって……やめろ!!殺されるぞ!?」

 

 

 男の人が何か叫んでいるが、俺は自分の力がどんなモノなのか知りたいし、近くの民家のある場所まで行かなきゃならないんだ。

 

 

 こんな所で殺されてたまるか。

 

 

 そうこうしていると、狼たちは俺に向かって迫ってきたが、俺は“昔(生前)”の感覚でやっていたように構えると、手足に炎を纏ってまず一匹を殴り飛ばした。

 

 

 その事に狼たちはギョッとなっているが、その隙を炎の槍を9本生み出して狼達に向けて放つ。

 

 

「9連!“火槍(かそう)”!!」

 

 

 炎の槍は狼達を貫き、9匹の狼の異獣?は倒れ、それを確認すると、男の人の下へと歩み寄る。

 

 

「終わりましたよ。」

 

 

「あ、あぁ……すごいな、狼の異獣はかなり素早いんだが……まぁいい、助けてもらったのは事実だ。感謝するよ。」

 

 

「ありがとうございます。あ、あの……そこで一つお願いが。」

 

 

 俺は男の人に自分が孤児である事を話し、どうすれば良いか困っていると伝えた。

 

 

 孤児っていうのは本当かどうかは俺自身分かってないが、何処か人のいる場所に行きたかったので、そう言うしか無かった。

 

 

「孤児、か。それなら俺の家で暮らさないか?妻にも事情は話しておく。」

 

 

「本当ですか?ありがとうございます!」

 

 

「そうだ、君の名前は?」

 

 

 名前、名前か……ヤバいどうしよう。普通に日本風に名乗るのは変だしな……う~~んどうしよう。

 

 

 ん?そうだ!

 

 

「僕の名前はホムラ、ホムラ・ジオニクスです!」

 

 

 俺は生前に読んでいた小説の主人公と同じ様に名乗ると、兵士さんに連れられて進むのであった……。




今回はここまで!


次回は少し時間が進みます。

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