ホムラがディアヘルムに来て10日程過ごしてから、民達と少しずつ交流を重ねた。
ホムラはディアヘルムの民に、自分が異国から来た事、そして自分の目的が世界を知ることであると話した。
「だから俺はこの大陸を旅する事にした」
ホムラの話を聞いた民達やギルフォードは、その話を信じてくれたが、一部の者達からは理由も聞かれた。
その際にホムラは地図や歴史書では知れない事を知りたいと伝えると理由を訪ねてきた者達は納得したのであった。
そしてその夜、ホムラ達が寝静まった頃、ディアヘルムの森の方では巨大な異形がディアヘルムの国へと向かっており、そのことに気付いた見張りが鐘を鳴らす。
鐘の音が鳴った頃、ホムラ達は飛び起きて外に出ると、そこには尾と鋏を持った巨大な蠍がいた。
「グォォォ!!」
「……なんだ、あれは!?」
「テラー・スコーピオン!?何で蟲魔の怪物がディアヘルムに!?」
大きな体躯の異形が吼えながら、街の中にある屋敷の壁を壊していくテラー・スコーピオン。
「な、なんだこれは!クソッ!皆が寝ている時間帯に来るなんて……!」
「ホムラ、俺がやる。お前は民達と離れてろ!」
ギルフォードはそう言うと、剣を携えてテラー・スコーピオンに相対して向かっていく。
テラー・スコーピオンは巨大な鋏と尻尾で襲い掛かるが、ギルフォードは鎧を着ながらも身軽に避けていく。
「グォ!」
テラー・スコーピオンは尻尾の鋏を地面に叩き付けると、地面が割れてギルフォードは落ちそうになるが、すぐに態勢を立て直して着地し、そのまま剣で斬りかかる。
しかしテラー・スコーピオンの甲殻は硬く、剣では斬れない。
「チッ!硬いな……!」
そんなギルフォードにテラー・スコーピオンは尾を振り回すが、それを見切った彼は跳躍して避けながら攻撃する隙を狙う。
しかし、テラー・スコーピオンはしなやかに動く尻尾と強靭な鋏で、ギルフォードを翻弄する。
「くっ!?このっ!?」
強烈な鋏の一撃を剣で防ぐギルフォード、しかし、それと同時に鋭い針付きの尾が彼に迫る。
「ヤバい!?避けれないっ!」
「飛炎拳!!」
ギルフォードに迫る尾を殴り飛ばしたのは、何とアカルであった。
「何してるんだ、逃げろと言ったろ!?」
「無茶言うな。1人だけ放っておけるかよ!2人でやれば勝てる!一緒にやろう!」
「無茶苦茶だな。だが、足引っ張るなよ!」
「勿論!!」
アカルは炎を四肢に、ギルフォードは凍気を剣に纏わせて、テラー・スコーピオンに向かっていく。
2人の力は合わさり、テラー・スコーピオンは徐々に追い詰められていく。
「これで……終わりだ!!炎龍瀑穿!!」
「はあぁぁぁぁぁぁっ!!氷撃斬!!」
ホムラが炎の脚で跳躍し、ギルフォードは剣に氷の力を纏わせて斬りかかる。
2人同時に攻撃した事でテラー・スコーピオンは倒れ、2人は勝利を分かち合うようにハイタッチをするのであった。
それからホムラは旅に出る2日前、アカルはギルフォードに呼ばれて自分達が出会った森に来ると、そこにはレベッカもいた。
「ホムラくん、この国を出て新しい国に旅立つんだよね?」
レベッカはそう尋ねてくる。
「ああ、それが俺の旅の目的だからな」
そう言うとレベッカは微笑んで答えた。
「それなんだけど、実は私とギルフォードくんも旅に出ようかなって思ってるの。」
「その旅でホムラ、お前に付いて行っても構わないか?」
「え?何でまた急に?」
「実はな、私はこの森を出て世界を見て回りたいんだ。」
「それは良いけど、何で俺なんだ?」
「ホムラは異国から来たんだろう?だから俺達もその国を見てみたいし、他の国にも興味があるからな。それにお前といれば何か面白い事が起こるかもしれないだろう?」
「まぁ別に構わないけどよ。目的とかは特にないぞ?」
「大丈夫だ。その点に関しては、俺もレベッカも問題ない。」
こうして2人はホムラと共に旅をする事を決めたのであった。
2人が旅に出る事を聞いたホムラも、2人の申し出を受け入れて一緒に旅をする事にしたのであった……。
次回も遅くなります。
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