キングエンジン(魔改造)でキヴォトス闊歩 作:匿名ゴボウ
説明しよう!
私は死んで転生し、女神様(仮称)にキングエンジンなる転生特典を貰ってブルアカの世界へと転生した!
説明終わり!
…因みにキングエンジンとは『ワンパンマン』の登場人物であるキングが持つ基本にして奥義のような技である。
その効果は…ただ心臓の鼓動音が大きくなるだけ。
もう一度言おう。ただ心臓の鼓動音が大きくなるだけ。
特に力が湧き上がるわけでもないし、特殊な異能が発現するわけでもなく、特に血流が良くなったり体調が良くなるわけでもなく…
ただバックバクの心臓の音を周囲に撒き散らすだけのコケ脅しのようなものである。
…まぁしかし、キャラクターであるキングが使うことによって、持ち前の強面&偶然の産物である強者ムーヴによってそんなコケ脅しがどんな奴であろうと『___勝てない!?』みたいになる。
しかし私は強面でもないし、どちらかと言うと運は悪い方だ。何もしてないのに怒られることもある。
そんな私がヘイロー無しでどうやってキヴォトスを生きればいいのか…と最初は絶望していた。
だが、そんなことは無かった。
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「こちらカイザー銀行ブラックマーケット支部! 雇った傭兵はまだ来ないのか!?」
『たった今送った所だ』
「今だと!? お前らの場所からどれだけ離れてると思っている! 着く頃にはもう俺たちはスクラップだぞ!?」
『心配するな。もう来る』
「何を___!?」
「私が___来たァ!」
銀行強盗に迫る黒い影が着弾すると共に響き渡る轟音。
連絡を取っていたオートマタが立つ地面をも揺らした地響きは他の客や従業員を巻き込む地震となる。
立ち昇る土煙から姿を現したのは、激しい駆動音の様な音を身体から鳴らす一人の男だった。
「な、何が…まさかアイツか!?」
『着いたようだな。では切るぞ』
「ま、待て! クソ、切れた! なんだってんだ一体!」
「ん? 君が通報者か?」
端末を握りしめた男が顔を上げると、そこには男の姿。
呑気に何俺に声掛けてんだ! 早く片付けろ!
…そう言おうとして口を開いた男は、ふと周りが静かなことに気が付き辺りを見渡す。
施設はめちゃくちゃ___全て強盗がやったこと___だが、強盗は全て倒れ伏していた。
まさかあの揺れで全員やられたのかと思いきや、仲間や従業員はふらつきながらも周囲の状況の沈静化に走っており、そんなことはない。
オートマタである自身のズーム機能を使って強盗を次々と見れば、漏れなく腹にクッキリとした拳の形が残っていた。
「い、一体いつ!?」
「HAHA! あの程度なら二秒も要らないさ! 今後とも単独傭兵『オールライト』をご贔屓に! では!」
まるで嵐のように過ぎ去っていった男…オールライトは飛び去っていく。
オートマタは暫し呆然としていたが、沈静化に走っていた同僚の一人から声を掛けられ、慌ててそれに参加する。
オールライト…その男の姿や声を、ハッキリと
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「ふしゅぅぅぅうう」
口から蒸気を吐き出し、まるでマグマのように熱された身体の冷却を開始する。
私が数ヶ月の間で漸く完成させたブラックマーケットの一室に作った常温温度マイナス12℃の冷却室は一瞬にして蒸し風呂のようになり、その熱気を片っ端から冷房や送風機で冷やしていく。
原始的な水銀温度計はまだ72℃を示している。まだ掛かりそうだ。
それにしても…やはり凄いな、キングエンジン。使う度に毎回思う。
最初こそボロクソにディスっていたが、初めて使った時の全能感は、例えるなら黒閃を連チャンで決めたような、そんな感じだった。
何もないと思いきや、心臓のトルクを上げれば上げるほど高まる身体能力。それに伴って体温も上がるから、殴った場所が素肌であるならば火傷ダメージも与えられる。
その上元からの能力なのか、上げても上げても壊れない身体。
超高速で流れる血液を収め続ける血管、上がる身体能力についていく骨や皮や筋肉の耐久度。限界を試そうと思い二時間ほど少しずつ上げても、それでも限界が見えなかった。
因みにその状態で少し動いただけでも地面が抉り飛んだ。
慌てて冷却しようとしたら周りの地面が溶けた。
逃げてしばらくしたら隕石が落ちた跡とか言われていた。
すいません、それ私のせいなんです。
でもまぁしかし、当初不安に思っていた私の武力不足は完全に解決したし、安全かつ安定的に暮らせるようになったからこのままその身任せのオールマイトムーヴで本編とは関係ない所で生活していくのも良いだろう。
ぶっちゃけ私本編の内容とか知らないし。なんなら二次創作とかでキャラの名前とか性格知ってるだけだし。なんか学名的な名前が生徒一人一人に付いている位しか分からんし。
世界滅亡級のシナリオエンドを迎える要素がそこらかしこに転がってるって言ったって、そういうとこって大体立ち入り禁止区域やら人が立ち寄らない場所だろう? なら悪い人が跋扈するブラックマーケットから極力出なけりゃ良い話じゃないか。
シャーレの先生とやらもいつに間にか着任していたようだし、後は私が先生の動向とか関係なく目立たずエンディングまで隠れて過ごせば良い話。
ふっ、勝ったな。やはりキングエンジンは素晴らしい(関係無い)。
さて、冷却しすぎて寒くなってきた事だし、そろそろ夜中になるし寝るかな。
おやすみ私。良い夢見ろよ。
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翌朝。午前七時頃。
私のデスクにある電話が鳴り出した。
恐らくボスかな? と私の所属する一番大きな傭兵事務所のボスの姿を思い浮かべて電話を取ると、私はその電話を物凄く叩き付けたくなった。
『“もしもし。私、シャーレの先生です“』
「oh shiッ…オーケイ、私は単独傭兵『オールライト』。何か御依頼かな? 先生」
『”実は明日アビドスに行くのですが、私の着任から今までの間、中々人手が集まらず…それで有名な傭兵をとりあえず雇おうと、電話をしてみたのですが“』
「成程、アビドス…Hmm、生憎あまり拠点の周辺以外の依頼は受けていないのだが…」
しかし断れば私の信頼が大きく落ちる可能性があるな…。
仕事にあまり私情は持ち込みたくは無い。
受けるしか…無いのか? 昨日あんなフラグを立てたせいなのか?
『“受けて下さらないでしょうか”』
「…オーケイ。その依頼、『オールライト』が引き受けた。とりあえず待ち合わせ場所と…そうだな、本来なら依頼料を受け取るところだが、初回は無料にしてあるんだ。メニューには書いてないがね。だから待ち合わせ場所だけ決めよう」
『“ありがとうございます。ではアビドス駅の前でどうでしょうか“』
「オーケイだ。ではまた後日に会おう。………はぁぁああ……」
電話を切った後に盛大に溜息を吐く。
なんてこった、昨日の今日でフラグを回収しちまった。
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