キングエンジン(魔改造)でキヴォトス闊歩   作:匿名ゴボウ

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 掲示板回で書き終わった後に思いついちゃった構成
 ↓

 101:おう推せ。俺はオールライトが「弁当、一緒食べよ?」って言うシーンでオールライト推しになった

 102:その後のセリカのツッコミが中々味が染みてて良かった

 104:>>102 煮卵みたいに言うな。お前一回ラーメンから離れろ

 105:>>102 どんだけ柴関ラーメン食いたいねん



Vol.2 人助けこそヒーローの真価
ロマンズハート


 

 

 

 

 要塞都市・エリドゥ。

 

 たった一人の存在の為に作られた、防衛用要塞都市。

 

 詳細は分からないが、ミレニアムのトップが密かに横領して作ったというのは覚えている。

 

 調月リオ…ミレニアムの生徒会長たるビッグシスター。完全合理主義の彼女が作ったこの都市で、一体私は何をさせられるのだろうか。

 

 青黒い建造物と青いライトで構成された無骨で洗練された光景を眺めて、私は依頼人の到着をただひたすらに待っていた。

 

 ヴンッ、という音がルーター音と共に鳴り響く。

 

『お待たせしたわ。単独傭兵、オールライト』

 

「いや、たった今来たところさ」

 

『貴方も遅刻していたのね。私が言うのも違うけれど、少しは時間に厳しくしたら良いと思うわ』

 

 やはり冗談は通じないのか。

 

「HAHA! 調月少女の言う通りだな、以後気を付けよう」

 

『では、依頼内容を説明するわ。と言っても、一言で済む内容だけれど。いま貴方がいる要塞都市・エリドゥの侵入者排除プロトコルを起動させて、予め登録してあった貴方の滞在許可を消去するわ』

 

「Hmm? つまり私の任務は」

 

『排除プロトコルを凌ぐ。又はエリドゥを___機能不全状態にまで陥落させる事。これが依頼よ』

 

「…なるほど、まずは私でお試しって訳か」

 

『話が早くて助かるわ。では早速開始するわね』

 

「ん? あぁ。え、もう起動!? 早くないか!? 今切った瞬間に開始させたな!?」

 

 ヴンッと消えた瞬間にエリドゥの青いライトが全て赤に変わった。

 

 地面が揺れる。私を取り囲むビル群がスライドしながら動き、やがて私を取り囲む壁となった。

 

「おいおい…SFじゃないんだぜ?」

 

 更に出てくるは無数のドローンと生えてくる機関銃。その上地面に穴が開き___訂正、下部の扉が開き、そこからどこか独特なデザインをしたロボットが出現した。

 

 待て、あれは見たことあるぞ? 確か…。

 

「アバンストラッシュだったか…?」

 

『アバンギャルド君よ』

 

 うわっ、なんか聞こえてきた。

 

 声のした場所を見てもそこには何もない。…今のツッコミの為に一瞬だけスピーカーを出したのか?

 

「Hmm…中々クールなロボットだな。実に私好みだ」

 

 デザイン以外はな。

 

 私がそう考えたことを察知したのか、アバンギャルド君は目の色を変えて私に銃口を向ける。

 

「いきなりか!」

 

 的確に私に向けて放たれる二つの機関銃を横に走る事で避け、とりあえず攻めるために接近する。

 

 しかしその間にも周囲から生えてきたMGの数々が私を狙って乱射しているので中々接近できない。

 

 攻めあぐねている間にもアヴァンギャルド君…だったか? そいつの演算が私の動きを捉え始めているのか、時々銃弾が掠ることがある。

 

 Hmm…まずは周囲のMGからだな。

 

 常時50%に留めていたキングエンジンを80%に上昇。弾丸と同じ速度で動いていた私の身体は驚異的な加速を行なって一つのフィールドを作り上げていた壁へと近づいた。

 

 そのまま壁を駆け上り、私を漸く捉えて銃口を向けてきたMGを蹴り飛ばす。

 

 けたたましい音を立てて破損するMGを尻目に両端のMGを拳の風圧で壊し、そのまま右へと疾走。

 

 壁に取り付けられたMGは一つの壁につき3つ。このフィールドを囲む壁の数は確か30と少しなので計90と幾つかを壊さなければならない。

 

「ならば、こちらも出力を上げるまで」

 

 80%から100%へと出力上昇。遂に私の体温は壁を融解する温度にまで達し、走り抜けるだけで壁とMGがドロドロに溶け始めた。

 

 一周するまでに二秒も掛からなかったな…と思いながら私は出力を80%に落とし、いつのまにか動きを止めたアヴァンギャルド君の前に降り立つ。

 

 ここまで一分未満…普通の生徒視点から見ると、普通に壁のMGだけで完封できそうな感じだけどな。アヴァンギャルド君は過剰じゃないかと思う。

 

 いや、待て。そもそも相手はケイだろ? 幾らコンピュータ制御の武装を強化しようが乗っ取られて終わりではないか?

 

 …そう思うとこの戦闘の意味がなくなってしまったように思えるな。

 

「さて、まだやるかい? 一応私はこれ以上の意味はないと思えるが」

 

『…そうね。約41秒…貴方が攻撃を開始してからは6秒。推定として三分で演算が可能だったけれど、貴方の加速につれてこちらのシステムの一部がエラーを起こし出したから実質完敗。参ったわ』

 

「しかし、要塞都市、と言ったか。この都市は何に対して作ったんだ? 普通の生徒相手だと物凄く過剰武力だと思うのだが」

 

『…いつか訪れる未曾有の敵…かしら。それよりも、まだ依頼は終わっていないわ。後一つだけ試したいのがあるの』

 

「ふむ?」

 

『まずフィールドを整えましょうか』

 

 そう言うと、私が破壊した壁が地面へと吸い込まれ、その後ろから新たな壁が現れる。

 

 するとその壁を作るに留まらず、次は天井まで展開される始末。

 

 考えられる点としては、側面だけでなく上下も含めた弾幕の嵐。しかし合理的な彼女が先程の戦闘を得て辿り着く思考ではない。よってこれはない。

 

 音からして恐らく何重にも展開している天井と壁。動き終えた壁の中から駆動音が聞こえないから、恐らく本当に壁として運用している。つまり、今の工程は()()()()()()()()()()()もの。

 

 それ即ち、()()()()()()()()()()()()()()が現れる兆候。

 

 無意識に私はキングエンジンの出力を上げた。

 

『厚さ500mm相当の耐熱合金壁をそれぞれ十三枚ずつ展開して囲ってあるわ。脱出という選択肢を潰して、フィールド変更の危惧を無くした。これで漸く始められるわ』

 

「…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()レベルの兵器…ということかい?」

 

『えぇ。自分で言うのもアレだけれど、これの攻略法は机上の空論としては存在するけれど、実現するのが馬鹿馬鹿しくなる程のもの。現状試作段階だけれど、数分程度の運用ならなんとかなる。装着者の負担を考えれば少し短くなるけれど』

 

 …そういえば、アヴァンギャルド君の他にいたな、エリドゥの防衛システムの一角が。

 

『出て良いわよ。()()

 

「了解しました」

 

 下部の扉が開き、そこからパワードスーツを装着した少女が現れる。

 

「初めまして、単独傭兵オールライト様。私はミレニアム学園C&C所属、コールサイン04(ゼロフォー)の名を頂いております、飛鳥馬(あすま)トキと申します」

 

「あぁ、こちらこそよろしくお願いします」

 

 …しまった。意識外からとてつもなく礼儀正しい挨拶がぶち込まれたものだからこっちも礼儀正しく返してしまった。

 

 見ればバイザー越しでも分かる程度には少しポカンとしており、少し経つとクスクスと笑って貰えた。

 

「失礼しました。予想外にもきちんとした返事が来たもので」

 

「いやいや、こちらこそ学生の身でそこまでの礼儀作法を身に付けていることに少々驚いてしまい思わず緊張してしまった。今からフランクに接しても良いかな?」

 

「良いですよ。ついでにこれが終わり次第、お茶でも如何でしょうか。セッティングはこちらがしますので」

 

「Hmm…中々魅力的な提案だな。まぁ幸い今日の仕事はこれだけだから、ゆっくりお茶会をする時間は充分にあるな」

 

『んっん…雑談はそこまでにして貰えるかしら?』

 

 おっと、私としたことが。

 

「HAHA! すまないね、今からちゃんとするさ」

 

「申し訳ありません。リオ様」

 

『良いわ。今から結果で示して頂戴。では…エリドゥの稼働スペックを全てアビ・エシュフに送るわ。脳のキャパシティがオーバーしないように調整するから、そこは耐えて頂戴』

 

「了解致しました」

 

 アビ・エシュフ。少しだけ知っている。

 

 確かエリドゥの電力やら演算能力を全て注ぐことでフルスペックでの運用が可能なパワードスーツであり、その真価は圧倒的な高火力を演算による擬似的な未来予知で的確に弱点へと当てる実質最強理論を当たり前のようにぶちかましてくるふざけたスペックを持った装置だ。

 

 少しだけと言いながらかなりの情報がスラスラと出てきたが、私でもびっくりしている。あまりミレニアム編は深く読み込んでいない筈なんだがな。

 

「っ…アビ・エシュフ、稼働させます」

 

 青く発光していたアビ・エシュフのライトが赤くなる。

 

 ふむ、見たことのない描写だ。確か試作段階と言っていたし、原作では登場しなかった要素なのかもしれない。

 

「…ん?」

 

「…っぐ!」

 

 たらりと飛鳥馬少女の鼻から血が垂れる。

 

「! 調月少女! 少しやり過ぎではないかね!?」

 

「いえ、問題ありません。この程度ならば耐えられます」

 

「しかし…!」

 

「ですが、長くは持ちません。…三十秒で終わらせます」

 

 赤く光るバイザー越しに、飛鳥馬少女が私を見据える。

 

 …来る!

 

 そう察知した瞬間、私の目の前には銃口が迫ってきていた。

 

 瞬間的にキングエンジンの出力を100%に上昇。迫ってくる銃口を弾こうとして腕を薙ぐも、簡単に躱され逆のアームが私を捉えて殴り飛ばした。

 

「…!」

 

 今ので二秒。ギリギリで防御が間に合ったガードを解き、いつに間にか見失った飛鳥馬少女の姿を追う。…上!

 

 寸前の場所まで来ていたアームを後ろに下がることで避ける。しかし予め向けられていた銃口からの銃弾が襲い掛かり、私は攻撃に転じられず回避にしか専念できないでいた。

 

 十秒経過。飛鳥馬少女のバイザーから血が垂れている。恐らく目が充血している。

 

 ___早く終わらせなければ飛鳥馬少女の身が危ない。

 

 十二秒経過した時点で、私は依頼の遂行を完全に破棄し、目の前の問題を解決する決意を抱いた。

 

 常時100%の出力では容易く追いつかれる。瞬間150%以上の出力では飛鳥馬少女自体に火傷ダメージが行ってしまう。それ以上の出力なんぞもってのほかだ。

 

 考えろ、オールライト。どうすれば彼女を救える。

 

 …!

 

 未だ襲いかかる弾幕をいなし続けながら、私は常時100%の出力から大幅に上げ――常時200%の出力にまでキングエンジンを蒸した。

 

 ここまでくると私の周囲が溶解し、銃弾による弾幕が私に届かなくなる。

 

 それでも撃ち続ける飛鳥馬少女から背を向けて、私は壁へと走り出した。

 

「この空間内での演算は完璧なようだが___」

 

 壁に向けて思い切り拳を放つ。

 

「___場所を広くすれば演算は追いつかないんじゃないか!?」

 

 超高温の拳の圧が齎した被害は甚大であり、耐熱合金の壁十三枚を容易く打ち破った私はそのまま外へと抜け出す。

 

 追いかけてきた飛鳥馬少女だが、空間が広がるにつれて演算が追いつかなくなり、やがて二十五秒の経過を得て…アビ・エシュフが機能を停止した。

 

「ごほ…」

 

「さて、これで私の勝利かな?」

 

『…まさか、勝利する訳でもなく、封じられた選択肢を力任せに選ぶとはね…とてもじゃないけれど、頭の良い戦法とは思えなかったわ』

 

「それだけが取り柄さ。それよりも、早く飛鳥馬少女の救護を。出来るだけ早くだ」

 

『分かっているわ。トキ、今から休養室へと送るわ。そのまま待機していなさい』

 

「了解、しました」

 

 すると、飛鳥馬少女の立つ床が段々と下に下がる。

 

 姿が見えなくなるとその床は閉じられた。

 

 …まだ不安が残るが、これで飛鳥馬少女は大丈夫だろう。

 

「少なくとも数週間は休ませてあげなさい」

 

『…えぇ。幾ら試験とはいえ無理をさせるものではなかったわ』

 

「あの装備は、先程言っていた未曾有の敵とやらの対策かい?」

 

『えぇ。アビ・エシュフ。エリドゥの排除プロトコルを稼働させる演算能力や電力、そしてそれを発動させるまでに得た敵の情報を全てインプットさせて起動する、最後の切り札。情報のラグを無くすために装着者の脳に直接インプットさせる仕様だったのだけれど、今ので理解したわ…大幅な改良が必要ね』

 

「あぁ、そうした方がいい。敵を倒す前に自分の身に余る武力で自爆するなど、あってはならない事だ。誰も救えないどころか、自分すら救えない」

 

『…依頼はこれで終了よ。後、お茶の話は忘れて頂戴。これから忙しくなるから、無駄な事に時間を掛けていられないの。見送りはいるかしら?』

 

「いや、早く終わったついでにミレニアムの観光でもしようかと思っている。見送りは不要だ。…あまり、無理をするものじゃないぞ、調月少女。私で良ければいつでも助けになる」

 

『…』

 

 ルーター音が完全に止み、その代わり既に青いライトへと切り替わっていたビルの一角が横にスライドする。

 

 退出を促された私は大人しく敷地外へと出る。出終わった瞬間背後のビルが完全に入り口を塞ぐ。

 

 これにて、私のミレニアムでの依頼は幕を閉じた。

 

 …さて、観光でもするか。

 

 

 






 はい、お久しぶりです。ゴボウです。

 遂に始まりましたパヴァーヌ編。まぁ時計仕掛けでも花要素もない始まりですがそこは許して。

 さて、まずはリオちゃんによる依頼、『エリドゥの陥落』の依頼を受けたオールライト。時系列とか最低限気にして書いていますが、今話の時点ではエリドゥはまだ完成しただけの試作段階。ここから改良を重ねて原作同様のスペックとなります。
 ぶっちゃけ初っ端からキングエンジンブッパで高熱パンチとかで一瞬で片付けても良かったんですけど、そうなるとオールライト自身「一応試験な訳だし相手の武力の動作とか確認させた方が良いよな…?」って考えそうなので序盤は手加減してます。まぁ気が済んだら暴れますけど。あぁ、アバンストラッシュ君はあまり活躍してません。ぶっちゃけシールドで的確に防御しようがガードの上からぶっ飛ばすんで放置しました。

 んで次はトキちゃん戦。試作段階なだけあって効率重視の負荷無視システム盛り盛りのメガンテ装備を身に付けたトキちゃんをどう救うかが肝ですね。まぁリオちゃんは逃げ場所を封鎖とか言ってましたけど、普通に逃げられたら困るから完璧に演算処理が可能なスペースに閉じ込めておきたいと言うのが正解です。まさか壊れないと思ってた壁をぶち破るとは思うまいよ。というか常人なら脳がポップするのに充血鼻血程度で済んでるネームドキヴォトス人の耐久性やばすぎンゴ。
 んでオールライトが逃げの選択を強いられるフラグもしっかり回収してるっていうね。

 てかあれだね、リオちゃんの「お茶の話は忘れて頂戴」に対してすんごい反抗したい。そうだな…アリス奪還の後でしれっとリオちゃんも混ぜてアリスちゃんトキちゃんオールライトの四人でお茶会させたい。元気に「美味しいです!」っていうアリスちゃんに微笑むトキちゃんとオールライトに、内心きょどりながらも静かにお茶を嗜むリオちゃんに積極的に絡むアリスちゃんに翻弄されるリオちゃん。そして後方保護者&従者面するオールライトとトキちゃん。完璧じゃね? くっそエモいわ。
 このシーン書けたら誰かに絵にしてもらいたいマジで。こう…ジブリみたいな画風でトキちゃんがテーブルのリオちゃんのティーカップに目を伏せてお茶注いで、左側に満面の笑みのアリスちゃんがリオちゃんに話しかけてて、リオちゃんが少し笑みを浮かべながらそれに応えてて、そして右側でオールライトが足を組んでお茶を飲みながら静かにその空間に安らぎを見せている場面。テーブルにはマカロンとかの菓子が載せてあって、アリスちゃんの取り皿の上にはいっぱいあって、リオちゃんとオールライトの取り皿の上には少ししか乗ってないのも良いね。おばちゃん風にこれ食べなこれ食べなって感じで二人がアリスに分けてる姿が脳裏に浮かぶ浮かぶ。
 場所はそのテーブルと四人を照らすような漏れ日のあるどこかの施設で、静かな空間でアリスちゃんの元気な声と雰囲気大人組の静かな相槌だけが聞こえる場所が最高なんすね…。なんかこう、日常を取り戻したアリスちゃんの変わらない元気さ、少し救われたような表情のリオちゃん、静かで楽しく居心地の良い空間で仕事ができる落ち着いたトキちゃん、少女救えてハッピーな後のご褒美タイム(三人の楽しげな雰囲気を見る事)のオールライトという最強デッキ。エグゾディアも浄化されますわ。

 後書きの2/3が私の妄想ってマジ?

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 ※好きな作品を執筆されてる方にお気に入りされててすんごいびっくりした(なんか壮大な巻き添え喰らってるクソ強ヒーローが主人公の作品)
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