キングエンジン(魔改造)でキヴォトス闊歩 作:匿名ゴボウ
えー沢山の催促のコメントありがとうございます。急ピッチですが丹精込めて執筆したので楽しんでいただけると幸いです。
今回三人称視点です。どぞ。
「わわ! ちょ! 危な!?」
「あっはは! 見えてるよー!」
「っく! 近づけない…カリン先輩の狙撃も警戒しなきゃだし、このままじゃジリ貧…!」
モモイの被弾スレスレの回避を他所に、ミドリは現状を整えながらの目の前のアスナとの直接戦闘への対処、そして時折正確に頭部を狙ってくるカリンの狙撃を警戒しながら銃を放つ。
先生が無線越しに指揮を取ってくれているが、それでもミレニアムが誇るエージェント三人を相手取るには些か戦力が足りなすぎる。ユズは
アリスは床を破壊してネルとのタイマンをしている最中だし、現状を変化させることは不可能。せめてアリスが勝ってくれたら…という希望的観測しか頼る勝ち目が無い。
先生の的確な指示によりなんとか保ち続けているが、それももう___。
「あっ!」
「お姉ちゃん!」
疲弊によってモモイが転倒する。
それを見逃すカリンではない。一瞬の呼吸を置いて放たれた重い凶弾は正確にモモイの頭部へと吸い込まれ…。
「ダメ…!」
モモイがギュッと目を瞑った瞬間。
___ドッドッドッドッ!!!
「もう大丈夫! 私が___」
凶弾は弾かれ、モモイは太い腕に抱えられる。
「来たッ!」
「オールライト!」
「オールライトさん!」
「待たせたな! 才羽少女姉妹!」
瞬きの間にモモイとミドリを抱え、一気に距離を離すオールライト。
黒を基調とした赤と白のラインが走るヒーロースーツに備え付けられた黄色いマントが翻る。
その間にもオールライトを狙う狙撃や銃弾が飛び交うが、全てを悉く弾いて回避し、そのまま射程から外れた場所で二人を下ろした。
「二人とも、待っててくれ!」
「待って! 一人じゃ危ないよ! 私達も…!」
「心配は必要ないぜ! 才羽少女姉! なんせ私は…!」
「やっばいかも! カリン!」
『既に何発も撃っている!』
「ヒーローなのだから!」
___ドッドッドッドッ!
片手間に弾く狙撃弾を的確にアスナへと向け、オールライトへ牽制として放とうとする銃を阻止しながら急接近する。
「っ!」
先程までの楽しげな表情は一変し、険しい顔でオールライトの接近に苦しむアスナ。
その間にもカリンの的確な狙撃が放たれるが、全て回避されて有効打にはなっておらず、逆に壁や床を撃ち抜き足場を不安定にさせていた。
「デトロイト___」
「っく!」
「SMASHッ!」
辛うじて間に挟んだ銃に拳が撃ち込まれる。
踏ん張る事も出来ずに吹き飛ばされたアスナから目を外し、次に未だ狙撃を行う、カリンに目線を向けた。
スコープ越しに目が合うカリンは背筋に冷たい汗が伝う感覚を感じた。
「!」
安全マージンとミレニアム校舎の一面を狙撃可能な位置であるビルの屋上で、カリンは慌てて立ち上がる。
今のオールライトの身体能力を見て、あの男ならば恐らく短時間でカリンがいる狙撃ポイントに近づく事ができると推測し、予め決めていた次の狙撃ポイントに移ろうと銃だけを持って走り出し___。
ドンッ! と重い音が鳴り響く。
その音に振り返るカリンの眼前に突如として現れる
校舎の窓からカリンのいるビルの屋上、距離約300mを一歩という跳躍で踏み潰したオールライトは、そのままカリンの顔面を掴み、校舎へとまた一歩で舞い戻る。
次に訪れた場所は、ユズとアカネが戦闘を行っている下の階。アカネのいる位置を狙って突撃したオールライトは、手に持っていたカリンをアカネに向かって投げ飛ばした。
「きゃぁ!?」
「っぐ! ごめんアカネ!」
二人まとめて倒れ込んだことを一瞬で確認したオールライトはそのまま呆然とするユズを小脇に抱えて再度窓の外へ。窓枠に手を置き、腕の力だけで一階分の高さを跳躍したオールライトは、丁度真上にいたモモイとミドリのいた場所にある窓から元いた階層へと戻った。
「え…あ、え?」
「「ユズ!」」
「さ、もう大丈夫だ。花岡少女」
『”ありがとう、助かったよオールライト“』
「なに、気にするな。君と私の仲だろう?」
『”はは、そうだね“』
何もなかったかのように先生と無線で話すオールライトに、三人は畏怖と畏敬の視線を向ける。
そしてハッと思い出したかのように、モモイが言った。
「そうだ、アリス!」
「アリスちゃんなら、屋上付近でネル先輩と戦ってるって…!」
「早く行かなきゃ…!」
「おっと、待ちたまえ」
走り出そうとする三人の行手を阻むようにオールライトが手を伸ばす。
「此処から先は、私と先生が対処する。君達は安全な所へ行くんだ」
「で、でも! アリスは私達の仲間なんだから私達が助けないと!」
「アリスちゃんが頑張ってるんです! だから、私達で…!」
「わ、私も…アリスちゃんを助けたいです!」
「…君達の覚悟は伝わった。だが、それでも私は君達をこれから先の戦いには行かせない。君達には、傷ひとつなく、笑顔で天童少女を迎える義務があるからだ」
オールライトはマントを翻し、歩き出す。
「君達の覚悟や想いは、私が背負おう。安心したまえ、ここには…私がいるのだから!」
その口元に笑みを携えて、ヒーローは最後の戦いの場へと足を進めた。
・
・
・
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・
『“アリス! あと少しでオールライトがそっちに辿り着く! だからもう少し耐えて!“』
「っ、はい!」
「何を企んでんのか知らねェが、今この間合いでは私は負けねえぞ!」
至近距離で飛び交う光線と銃弾。
小さな歩幅で刻むようなステップと共にばら撒かれる銃弾によって、確実にアリスは追い詰められている。
回避は困難、スーパーノヴァの銃身によるガードを安易に行ってしまえば視界が塞がり、その隙を縫って銃床や五体による接近戦法が死角からやってくる。
反撃をしようにも少なからずチャージの必要なアリスの銃ではネルのような牽制は放てず、ネルの土俵である接近戦で巨大な銃身を用いて戦おうにもスピードに差があり過ぎる。
アリス自身の耐久性によって今まで耐えられていたが、流石はミレニアム最強と謳われるだけあるネルの攻撃は、的確にアリスの嫌がる場所を撃ち抜き続ける。乱暴な戦闘のその裏には、確かな技術というものがあった。
「オラァ! 段々トロくなってきてんぞ!」
「っく…! …はぁっ!」
「っと! やるじゃねえ…かッ!」
「ぐぅ!?」
大振りの薙ぎ払いをスレスレで回避し、崩れた体勢を利用しての下方向からの突きのような蹴り。スーパーノヴァで辛うじてガードしたその後に、アリスの脚ががくりと崩れた。
「終わりだ…ッ!」
「すいません…皆…ッ!」
『“アリス!”』
視界の中でゆっくりと眼前に迫る銃床を眺めるアリスの脳内で、直近に見聞きした記憶の奔流が流れ続ける。
その中で一際輝く、アリスにとっての宝物のような記憶。
『オールライト。もし、負けそうになった時はどうすればいいですか?』
不意に思いついた、質問を投げかけるアリス。
『簡単さ。
平然と答えるオールライトの回答は、アリスには理解できない内容だった。質問の答えとはズレている上に、実質不可能なものだったからだ。
『しかし、どうしても勝てない敵というものは存在する筈です』
『勝てないからと言って、その勝てない敵とやらを野放しにして、仲間を危険に晒すのかい?』
『…それは』
『天童少女。ヒーローというのはいつでも孤独で、そして沢山の仲間に満ち溢れている。ヒーローである私達の周りには、守るべき人々が沢山いる。
まるでアニメの台詞のようなその言葉は、アリスの
崩れる膝に力が込められる。
いつの間にかアリスの手はスーパーノヴァを手放し、その手に握り拳を作っていた。
「何っ!?」
「っは!」
迫り来ていた銃床を右腕で横から殴り付け、受け流す。ネルの体勢は大きく崩れ無防備になる。
その横っ面を、アリスは左腕を振りかぶってぶん殴った。
「っぐぅ!?」
…しかし、その一撃を黙って喰らうようではミレニアム最強に在らず。
一瞬の判断によってスリッピングアウェーを行ったネルはそのままの勢いで、受け流された銃身とは逆の手に持つ片割れを操り、双子の銃を繋ぐ鎖を伸ばされたアリスの左腕に絡めた。
「っ軽ィなァ! 効かねえ! ___っ!?」
浮かべた獰猛な笑みを即座に驚愕に歪める。
絡めて封じたと思っていたアリスの左腕のみによるとてつもない馬力で、ネルの身体がアリスに引き寄せられたからだ。
「
「マズッ…!?」
完全に意図しない、予測外に崩れる体勢に焦りを見せるネル。
キチンと殴れる位置にネルの顔が来たタイミングで、アリスは全身の力を駆使して右腕の加速を行う。
『拳を放つ時はこう叫べ!』
「
ネルの顔面に捩じ込まれる、全力の右拳。
100kg超のスーパーノヴァを軽々と扱う膂力の100%が込められた一撃を、思い切り地面に叩き付けた。
「はぁ…はぁ…!」
砂埃で胸から上が見えないが、倒れ伏したままピクリとも動かないネル。
砂埃で見えない箇所がある
砂埃が晴れると、そこには左頬を腫らし、白目を向いて倒れ伏しているネルの姿があった。
その姿を確認すると同時に、トルクを伴って廊下を駆け抜けてきたオールライトが到着した。
「これは…!」
笑みを浮かべるオールライト。
オールライトに気付いたアリスは、そのまま振り返らずに…。
「…!」
右腕を掲げたスタンディング。
似ても似つかないその後ろ姿に、オールライトは微かに憧れを重ねた…。
ア リ ス ち ゃ ん ま さ か の 大 勝 利 。
はいどうも。原作の破壊者ゴボウです。
今回久しぶりに三人称に挑戦してみようっつっていきなり三人称視点にしたんですけどどうですかね。違和感ないっすか? あったら遠慮なく申し出てくださいな。
さて、まぁとりあえずC&Cの02、03、04さんには少々の活躍と共にオールライトの手でフェードアウトしてもらいました。仕方ないね、ぶっちゃけネルちゃんしか詳しく知らないし。
正直アカネちゃんの大量爆破の中からターミネーターみたいに出てきてメンバー全員戦慄させるシーンも思い浮かんだけど、それだと校舎へのダメージエグくなるくね? オールライトだったら何かさせる前に無力化するんじゃね? って事で大したダメージも与えられずにご退場していただきました。アンチじゃないよ? ただ描写が面倒くさいだけ(おい)。
んで問題のシーン。アリスちゃん大勝利ヤッター。
えーまぁアリスちゃん勝たせた理由としては、拙者他の方の作品見て思ったわけなんですよ。ここのアリスちゃん確定で負けてるな…って。いやまぁ理解は出来ますよ? 目覚めて一年も経ってない新米のペーペー勇者ちゃんが重いビーム放つ鈍器振り回してるだけじゃミレニアム最強に勝てない事ってくらい。でもですね、私は思った。ここで勝利するアリスちゃんがいても良いじゃないかと。私が敗北の運命しかない、その時のアリスちゃんに勝利を捧げても良いじゃないかと。
というわけでケツの穴グッと引き締めてスマッシュを放ってもらった訳なんです。まぁ当作品では少女相手にケツの穴云々言ってるマッチョとか普通に事案なんでカットしてますけどね。
内容ペラッペラの文字数だけ稼ぎ散らしてる駄文ですけど、何卒評価してくれると幸いです。次はもうちょっとやる気出します。
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※てか意気揚々とオールライトとネルちゃん戦わせるつもりだったのにいつの間にかアリスちゃんが勝利してる時の作者の感想を述べよ。