キングエンジン(魔改造)でキヴォトス闊歩   作:匿名ゴボウ

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Q.巨大なバケモンに立ち向かうのに必要なモンは? A.キングエンジン(魔改造)

 

 

 

 

 DECAGRAMMATON

 

 ブルアカの二次創作では絶対に欠かせない要素の一つ。

 

 『神名十文字』だとか『音にならない聖なる十の言葉』だとかの異名を持つ、自分の事を神だというAIであるらしい。

 

 一番有名なのは、今我々の前に立つビナーとやらがそうだろう。しかしこいつ自体はデカグラマトンではなく、その支配下…確か預言者と言ったか、その一つだ。

 

 十文字やら十の言葉やらやたら十を強調する通り、こいつら預言者は合計で十体いる。ビナーは確か…三番目だったか?

 

 しかしデカいな…何故か出てきてからこちら側…というか私を見て動かないままだが、一体何があったのだろうか。

 

 とりあえず皆を連れて帰ってはダメか?これから祝勝会を考えていたんだが…あ、ダメ? なんか知らないがビナーが首を振り始めた。

 

「“…あれ、知り合い?”」

 

「そんな訳無くないか? ブラマでも無いぞあんなデカブツ」

 

「じゃあなんでアンタ見てジッとしてるの…?」

 

「それは…アレだろう、ライオンとか獲物を前にしていきなり飛びかからないだろう? それと同じじゃないか?」

 

「…じゃあ私達狙われてるって事ですか!?」

 

「おおい待て奥空少女! 下手に刺激するんじゃ無いッ! 猛獣から背を向けてはダメだ!」

 

「“いやオールライトも背向けてるよね!? どさくさに紛れて逃げようとしてない!?”」

 

「いいやそんなことはないぜ先生! そんな君らを置いて逃げるなんてことはしないさ! 背中は任せたぜ!?」

 

「”それ私達が後方にいるじゃないか! 護衛ならせめて後ろにいて欲しいんだけど!?“」

 

「気にするな!」

 

「気にするわ! って早く逃げるわよ先輩! ぼーっと突っ立ってちゃ危ないわよ!」

 

「…」

 

 小鳥遊少女が動かない。

 

 それどころか両手に持つ得物を握り潰さんばかりに握っていて、顔には大量の青筋が走っている。

 

 そしてその小さな体躯から溢れ出る、戦意でも気迫でもない…殺気。

 

 キヴォトス最高の神秘から溢れ出る神秘に乗せられた殺気が、先生や私を含め皆を襲う。

 

「”オールライト!“」

 

「オーケイ! 先生は皆を連れて離れろ! 小鳥遊少女は私に任せたまえ!」

 

「”任せた! …皆! 離れるよ! 大丈夫、ホシノなら必ず戻ってくる!」

 

「…ぅ、ホシノ先輩…」

 

「“シロコも早く! ここじゃ巻き込まれるかも!”」

 

「う…うん…」

 

 

 

 

 

 __________________

 

 

 

 

「小鳥遊少女」

 

「…ぁ、オールライト、さん」

 

「呼び捨てで良いぜ、小鳥遊少女。それより、だ。今の君にあのデカいのを倒す手立てはあるのかい?」

 

「…でも、私がやらなきゃ」

 

「それは何に対する責任だい?」

 

「…先輩を、死なせてしまった責任」

 

「どうして君が背負うんだい?」

 

「…私が、きっかけを作ってしまったから」

 

「それは君が背負わなければならないのか?」

 

「…私が原因だから」

 

「なら、過去に戻って助けられなかった私も同罪だな。一緒に背負うぜ、その責任」

 

「なっ、なんでっ!」

 

「私はね、小鳥遊少女。ヒーローなんだよ。ヒーローがただ一人で背負う罪や責任を、見過ごすわけが無いだろう? 前にも言ったじゃ無いか、お節介はヒーローの本質ってね♪」

 

 私はまたあの時のように指で口角を押し上げる。

 

 あの時の事を思い出して顔を顰める小鳥遊少女だが、私の笑みを見て終いにはふっと顔から力を抜いて苦笑する。

 

「そう、笑えよ少女。自論だがね、やっぱり笑ってるやつが一番強いんだぜ?」

 

「…そっか、だから先輩も…うん、分かった。じゃあ、あいつのこと、オールライトに譲るね」

 

「おいおい、それは私が求める言葉じゃないな」

 

「え?」

 

「私は一緒に背負うと言ったんだぜ?」

 

「___。オール、ライト」

 

「おう」

 

「一緒に、戦ってくれる?」

 

「オーケイ。頑張ってくれたら、何かご褒美をプレゼントしよう」

 

 私はキングエンジンを始動させる。

 

 小鳥遊少女はショットガンとシールドを構える。

 

 眼前に鎮座するは巨大なバケモノ。私達の戦意を感じ取ったのか、そいつは大きな咆哮を発した。

 

  

 

 __________________

 

 

 

 先に動いたのはビナーだ。

 

 その巨大な体躯を利用した頭からの突進が私達に向けて放たれる。

 

「小鳥遊少女!」

 

「! オッケー!」

 

 バレーのレシーブのように構えた私を見て即座に意図を理解した小鳥遊少女が私の手に脚を掛ける。

 

 ___キングエンジン60%

 

 火傷しないギリギリの出力まで落とした為そこまでの力は出ないが、それでも頭を地面に埋めながら突進するビナーの頭上に上げるには充分な高さを稼げた。

 

 すぐさま出力100%に切り替えて私は横に回避し、ビナーの突進を捌いた。

 

 小鳥遊少女の下を通り過ぎたビナーの背に、小鳥遊少女の容赦のない一撃(シールド叩き付け)が墜ちる。

 

「___!!!」

 

 機械らしくない痛がる素振りを見せるビナー。しかし当然致命打にはなっておらず、側面から発射されたミサイルが小鳥遊少女に迫る。

 

「させん!」

 

 初速のみ出力120%。後の調整は常時100%で行い、小鳥遊少女に迫るミサイル全てを爆風を浴びる事なく全て破壊した。

 

 胴体に着地すれば私の体温でビナーの装甲が僅かに溶ける。なるほど、これは良い事を知った。

 

「オールライト! 上!」

 

「分かっているとも!」

 

 そんなデカい体が動けば太陽の影ですぐに分かるとも。

 

 私の真上から口からビームを放とうとするビナーに向かい、正面から跳躍。

 

 発射寸前で顔面にたどり着いた私は出力を___瞬時に150%に底上げして、その横っ面を殴りつけた。

 

「___ッッッ!!!」

 

 勢い良く横に吹っ飛んだビナーの口から暴発したビームが飛び散り、小鳥遊少女はシールドで、私は拳で弾き飛ばして対処する。

 

 地面に倒れ伏したビナーはすぐさま起き上がり、私を睨みつけた。

 

「HAHA! 随分と二枚目になったな!」

 

 150%の出力で上昇した体温を乗せたパンチで、ビナーの顔の左側は凄いことになっている。例えるなら…そうだな、ドラゴンボールの合体ザマスの瀕死状態のような感じだ。

 

 恐らく、これであのデカい口を融解して閉じれた為、これ以上はビームを打てない。そしてあの調子だと、相手は小鳥遊少女を完全に忘れて私に集中している筈…。

 

 ならば!

 

「行け! 小鳥遊少女!」

 

「___!?」

 

 私の言葉に驚いて、弾かれたように死角である左を向く。

 

 しかしそこには何もいない。それどころか、生き残っている右側の視界モニターで私の後ろにいる小鳥遊少女の姿を確認した。

 

 慌てて顔を戻すがもう遅い。

 

 私は既に、お前の下にいるのだから。

 

 

 

 

 __________________

 

 

 

 

 結局、私要らなかったんじゃん。

 

 私は苦笑しながら、そんなネガティブな思考に対してそんなに沈んでいない気持ちに、不思議と泣きたくなるような暖かい気持ちになる。

 

 悔しい気持ちのような、どこか安心しているような、そんな気持ち。

 

 目の前で起きている戦いに介入できない己の実力不足。死んだ先輩を言い訳にして、守れないからと、救えないからと決めつけて磨かなかった私の実力。

 

 せめて後輩は助けられるから良いかと驕った私の脆弱。

 

 過去の怠慢が、今の悔しさに繋がっている。

 

 殺したい程に、私が憎い。

 

 でも、そんな気持ちが全然気にならない程に、それ以上の穏やかな気持ちを感じさせてくれる人が、目の前で戦ってくれてる。

 

「行け! 小鳥遊少女!」

 

 思わず脚がぴくりと動いた。

 

 それでも動かなかったのは、それがブラフだと咄嗟に気づいたから。多分オールライトは、私がどう動こうとフォローしてくれたんだろうな。

 

 慌てて顔を戻す怪物の隙をついて、オールライトが怪物の真下に接近する。

 

「…頑張れ」

 

 ついそんな言葉を溢してしまう。負ける筈ないって思ってるのに。

 

 聞こえない筈の声量のその言葉は、驚く事に、最後の一撃を喰らわせる寸前のオールライトの耳に届いたようで…ジャンプする間際に、私に向かってサムズアップするオールライトの姿が見えた。

 

「___負けるなー! オールライト!」

 

「頑張れー!」

 

「頑張って下さーい!」

 

「頑張ってー!」

 

 気付くと、遠くで見ていた後輩達の声援が聞こえる。

 

 そして最後には、信頼できる大人の大きな声。

 

「“頑張れ! オールライト!”」

 

 その瞬間に、こっちにまで届く衝撃波を残して飛び立つオールライト。

 

 降り掛かった砂を払いながら、私は上を見上げてその決着を見守った。

 

「これは餞だ! アビドス! そしてこの地を愛して散った人よ!」

 

 あぁ、あの人は本当にどこまでも。

 

「ビナーよ! こんな言葉を知っているか!?」

 

更に向こうへ!

 

 私の…。

 

「Plus Ultraaaaaaaッッッ!!!」

 

 私の、ヒーロー

 

 

 

 

 






 はー形になって良かったー。それだけが今回の話を書く上での懸念点でしたね。

 個人的に入れたかったPuls ultra入れれて大満足なんですワ。だって脳無戦カッコよかったんだもん。入れたくなるのは当然なんだよね。
 あと洸汰くんの「僕のヒーロー」ってのもポイントよね。めっちゃホシおじで入れたいって思ってたもんずっと。
 オールマイトのお師匠様の「笑ってるやつが一番強い」も、再登場した「お節介はヒーローの本質」もレギュラーよねもう。

 最初にちょいギャグ入れて、そんなギャグの裏側で先輩の仇(推定)見つけてピキッちゃってるホシおじに『お前の罪を数えろ!』してなんやかんや共闘(実力差1:9(実質∞))して、やっぱり最後の一撃は主人公のパンチで締める。いやー文字に表せて良かった。多分誤字脱字あるかもだけど。

 あと生徒達と先生の応援ね。やっぱりヒーローには応援は付き物でしょ? どんなに声が小さかろうと聞き逃さないのがオールライトクオリティなんすわ。

 そして『Puls ultra(更に向こうへ)パンチ(出力300%)』で顔から首(顔下部分から数mを首と仮定する)を木っ端微塵にされたビナーくんはこれで退場です。撤退ではなく退場です。多分デカマト焦ってます。

 んで、私が書いてる途中に思いついた『ホシおじに分かるようにユメ先輩への御供え品的なもの入れたいよな…そうだ、(はなむけ)って感じにして良い感じにしよう』が上手く刺さってくれたらなーって思ってる。
 元々どっかでユメ先輩関連の話出そうと思ってたんだけど、中々思いつかずに気付けば最後のシーン。無理やり入れるしかねえ! 歪になっても! って思いながらなんとかしようとしたらなんか上手くいったっていうね。アリスかわいい(関係ない)

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