「さい、みん、術師?」
「夏油、薬物チェックもするぞ」
「はぁ。私は立派な大人ですし、誰にも迷惑も掛けてないですよ。騒ぐのはやめてください。特に相手に迷惑を掛けたりしたら……絶交だからな、悟」
「は? どこも安心できる様子がねぇよ」
「安心する必要はないだろ。悟には関係ない」
「関係ある!」
五条先生は夏油先生の手を握る。
「関係ある! 俺、お前の事好きだし!」
「は? 私は男だぞ」
「でも、お前も好きだって言ってくれたじゃん! ずっと隣にいてくれたじゃん! 俺からすれば、お前が浮気してる状態なんですけど!?」
「は……? あー……」
夏油先生は苦笑した。
「本当、私ってバカだな。でも、私が本当に辛い時、支えてくれたのあの人だから」
「わあああああああああああああああ!!」
五条先生、玉砕。
でも頑張った! 頑張ったよ、五条先生!
こうして、話し合いは強制終了したのだった。
当然、その八岐大蛇系アイドルは調査が入った。
ライブの度に観客を催眠術に掛けるやべー奴だった。
そして、多彩な彼氏彼女を有していた。
「美穂。僕、顔がいいと思う?」
「それは、いいと思いますけど」
「そうだよね。じゃあ、僕、引っ掛けられるかなぁ?」
どうやら、自分に夢中にさせて夏油様を捨てさせる作戦らしい。
呪術史上最も醜く切実な戦いが始まろうとしていた。
「でもそんな事したら、夏油様が1人になっちゃいます」
「俺がいんだよ」
「五条先生がいるならそれでよければこの状況になってないんですよ」
「じゃあどうしろって?」
「でも五条先生、本当に夏油先生の事が好きなんですか? 責任取る覚悟あるんですか?」
「は? 当然だろ」
夏油先生も、流石に肉体関係があれば付き合ってないなんて勘違いしないと思うのだ。30歳も近い大人ななんだからさ。
「じゃあ、夏油先生の唇を奪って下さい。それからちゃんと好きだって伝えて、わからせて、それから全部奪って下さい。日陰に戻る事を諦めるくらい、閉じ込めちゃって下さい。恋敵にかかずらわっている暇なんてないですよ」
「美穂はそれで良いの?」
「私、ハッピーエンドが好きなので。明るい場所に引き戻してくれる人がいるなら、それに越したことはないですよ」
「美穂……」
多分。夏油先生が好きだけど世界が違った人って、五条先生だと思うんだよね。
だから。
五条先生は飛んだ。
それはそれとして、私は真に捕まった。
「真」
「あのさ。俺。美穂にも明るい場所にいてほしいって思う! 違う。わけわかんない奴らに、取られたくない。好きだ、美穂」
私は唇を奪われた。
ふ、フラグ回収ーっ