「終わったかしら?」
「紫…あなた、全て押し付けてどこ行ってたのよ」
「おかえりー」
紫が帰ってきた。今は記憶テストはもう終えておしゃべりしてる感じ
「どこぞの閻魔様を問い詰めてたのよ。あんまり関わりたく無かったのだけど、今回は仕方ないわ」
なんか不敵な笑みを浮かべてる…怖……
「どうせ黄泉による怨霊の大脱走を『不可侵条約の中での侵略行為』とか騒いで嫌がらせしてたんでしょ」
「……ごめん?」
「結果的に幻想郷に何の影響も無かったのだから今は大丈夫よ。あなたの罪はそう大きくないわ、その分の責任を閻魔様に押し付けるから」
私にとって前の私と今の私は別人だけど、前の私の罪は私の罪らしい。罰に執着した怨霊だから罪を貰えるのはありがたいね
「魂が罰をくれと叫んでるけど、何か罰ないかな?出来れば大事な体にダメージ無いタイプのヤツ」
せっかくのかわいい体が台無しになっちゃう
「まぁ、それは後々話すわ。楽しみにしておきなさい」
「わーい」
とりあえず痛いのは無さそう
「休憩ありのここ5時間のデータよ、読んどきなさい」
アリスが紙の束をドサッと置く。こんなに書いてたんだ……
「助かるわ」
紫がペラペラと目を通している
「まぁ、結論から言うと知識は残っていても経験は全て消えてるわ。原因は多分霊夢のアレね」
「間に合わ無かったって事ね……」
多分伊豆能売の事を言ってるのかな?恐ろしや
「周りの怨霊がパンッ!だったんでしょ?いいじゃん私生きてるし」
「多分魂が削れた所を気絶してる間に経験の記憶を削って補ったんでしょうね。紫、あとで調べておいてもらえないかしら?」
「黄泉が寝た後でいいかしら?」
結果は明日かぁ
「寝てる間に枕元に座敷わらし以外の妖怪がいるなんて、人間からしたら発狂ものだよ…私は怨霊だけど」
「ふふッ、そうね」
紫って特に妖怪に見えないんだけどなぁ
「もどったぜ!」「ただいまーって、全員いるのね」
二人が帰ってきた
「おかえりー」
「今じゃなくてもいいから読んでなさい」
「うえっ、なんだその紙の山」
◇ ◆ ◇
「……まぁ、だいたい分かったわ。記憶の件に関しては私は謝る理由も必要もないわ、退治で終わってた所を置き土産残したあんたが悪いんだし」
「大丈夫だよ。前の私がいなくなったから今の私がいる訳だし」
「この思想で人間判定入るのかよ」
凄い言葉が聞こえた気がする
「人間の判定が入ってるから私からは直接命令が難しいのだけど、『罰』という形なら良いのかしら?」
「そういう怨霊だしもちろん!」
「ちょっと待ちなさい、黄泉は一応博麗の庇護下の存在よ。先に私を通さないと承知しないわよ」
そういえば博麗の巫女って人間を守る事が仕事の一つか。なんか得した気分
「あら、きちんと仕事してくれて嬉しい限りよ」
霊夢は完全に敵意をむき出しにし、紫は微笑んでる。博麗の巫女と妖怪の関係ってこんなものなのかな?
そんな事を考えていると、頭をポンッと触られた感覚がした
「アリス、黄泉。1回外出て弾幕ごっこしよーぜ」
「分かったわ。覚悟しなさい」
「罰の内容気になるんだけど……」「お楽しみにしておきなさい」
多分私に内容を聞かせたくないのかな?
「残念」
5分後、私はアリスのパチパチ弾で開幕即行落とされた。魔理沙の火力じゃ普通に服破けるからだと思う、それか魔理沙との弾幕ごっこに集中したかったか
「恋心『ダブルスパーク』」
私が弾幕を張るには先に怨霊を展開するという手間がかかる。怨霊は一発で破壊されるため、せっかく出しても撃つ前にやられる可能性まである。一発撃ったとしても、シンプルに霊力の効率が悪い
ならどうすればいいんだろ?数でゴリ押しは霊夢が軽く突破したみたいだし、体を盾にするのはアリスに禁止されてる。アリスみたいな技術がある訳でもなく……
「その人形、いつもより簡単に壊せるぞ。誘ったの私だがやめとくか?」
「問題ないわ。呪符『ストロードールカミカゼ』」
「うわっ、だから藁人形投げるのやめろ!」
確実に私のせいで疲れてるね……
あと魔理沙の言葉に対して強がってるのか知らないけど、アリスの弾幕が濃くなってる
魔理沙は自分の左右両側に魔法陣があり、そこから常にレーザー弾が出続けている。あれいいね、真似しよう
パッと見、アリスが優勢に見える。多分手数の差でが原因で、魔理沙の星型弾をしっかり撃ち落として避けやすくなってるからだと思う
それが原因で魔理沙のダブルスパークが有効的に働いてない。多分、弾幕で動きを制限して逃げ遅れた所で最も機能する代物だろう
「この感じだと、アリスが勝ちそうだね……」
弾幕を知ったばかりでもなんとなく分かる光景。ここから魔理沙がデカいの当てない限り……
『ブレイジングスター』
「あれ?二人ともどこ?」
1本の極太レーザーと共に、二人ともいなくなっていた
「終わったから戻って来なさい」
呆然としていると後ろから霊夢の声。お母さんかな?
「魔理沙とアリスがどっか行ったけど、大丈夫なの?」
「まぁいいわ、ほうって起きなさい」
気が付けばもう日も暮れる頃、博麗神社に戻った