「罰の内容、決まったの?」
「罰…なんだけど、片方はこれが無いとむしろあんたが困るわよ」
「そんな事ある?」
博麗神社の中で目覚めた部屋まで歩く。前の私を相手したり用事で人里に行ってたらしいし、今の紫との交渉もあった為か霊夢はかなり疲れているように見える
「確認だけど私、かなり迷惑かけてるよね?」
「…まぁそうね。また宴会でお酒でも持ってきなさい」
「それだけでいいの?」
「みんなそんなもんよ」
…前の私、お酒に関する知識が全く無いな……
そんな事を考えてたら着いた
「ただいまー」
「さっそく話しましょうか」
楽しみにしてた時間がやってきた
「1つ目は怨霊を他者に取り憑かせる行為を禁止にするわ」
「あ、罰ってそういうタイプなんだね」
「まぁ、吸血鬼たちにも制限するタイプの契約があるし。基本そんなもんよ」
その内容めっちゃ気になる
「大差無いから2つ目まで言ってから説明するわ。2つ目は他者の気質に干渉する行為を禁止にするわ」
気質って確か性格みたいなものだっけ?
「何か違いある?2つ目のが範囲広いだけのように見えるけど」
「よく気づいたわね、ほぼ無いわ。抜け穴の対策よ」
「納得」
そのままだけど、『気質に干渉せず取り憑く技術』とか生まれちゃったら困るからだろうね
「2つとも理由は単純よ。あなたが幻想郷にとって危険じゃない存在になってもらう為よ」
「確か人間を恨み合わせるんだっけ?」
「あと、妖怪を完全に乗っ取って別の存在に書き換えたりもするわ」
人間と妖怪両方に害があるなら仕方ないか
「怨霊だから友達が出来ないっていう状況もあるかもだし、そういう証明はあった方が助かるかもだしいいかもね」
「あんた、自分が生き残る為の武器を奪われてる自覚ある?」
「無かった、確かにそうじゃん」
妖怪に襲われてる時に反撃として妖怪に取り憑かせる事も出来るんだった
火を持った人間に猛獣は近付きたくないよね……
「身を守る手段って他に何か無いかな?」
弾幕くらいしか思い付かないけど
「基本、人里の外で生き残るには実力でねじ伏せるか恐怖を与えて襲う事を躊躇わせるかの二択なのよね」
「前者は無理だね。あと、後者かなぁ」
後者の恐怖…お化けだぞ〜?
「まぁ、その話は後でしましょうね。3つ目ね」
「全部聞かないと方針も作れないよね」
「……」
霊夢の雰囲気が変わった?多分ここで揉めたのかな?
「幻想郷にいる怨霊の管理を担ってもらうわ。シンプルに言えばあなたに仕事を与えるって事ね」
「……は?」
馬鹿なの?怨霊に怨霊の管理を任せてる上に一人の人間に幻想郷全体の責任。それが知識のある人物じゃないのも含めて
あ、霊夢って博麗の巫女か。大変だね
「怨霊の危険性は十分に理解してると思うけど、それに対する対抗策が全くと言っていいほど無いのよ…完全に破壊出来る者も一定数いるけど、基本は巫女などの専門職くらいしか対応が出来ないのが原因よ」
確かにそれなら私の『怨霊を操る程度の能力』が貴重かつ重要なのは理解した。ピンポイント特効だし
「……あれ?じゃあ、『私がいなくなったら怨霊が溢れるぞ☆』って感じに広めるとかなり安全にならない?」
「友達作りたいのに『私は爆弾です』って言ってどうするのよ」
「確かに。困ったなぁ」
「あと、当然のように受け入れてるけど断りなさい!」
「罰でしょ?従わないと」
私が罰求める怨霊である事以前の話だけど
「そして4つ目、わ…」「黙りなさい!」
霊夢が投げた御札を紫がスっとかわしている。その結果紫の後ろにあった柱に刺さっているのだけど……
あれ?紙って木に刺さるの?
「今止めたの、没にした罰?」
「そうよ、あんたや幻想郷にとって重要ではない私利私欲の物よ。あんた、聞いたら迷わずOKするでしょ?」
「するね」
『幻想郷にとって』が付くって事は霊夢は紫と一部同じ考え方があるのかな?
いや、霊夢の人柄は詳しくないけど多分違うか。多分紫が大量に用意した中からマシなヤツをピックアップしたのかも
「ちなみに、没になった罰っていくつあるの?」
「8つよ。あんたの反応的に止めておいて正解だったわ」
「そういう話は本人のいない所でしましょうか?」
紫、結構交渉が上手いのかな?閻魔様にいろいろ契約押し付けてたらしいし
「まぁいいか、とりあえず3つ目が直接生きる方針に関わりそうだしそこを詳しく聞くね」
「わかったわ」
「……なんか、話が早すぎて逆に困るわね」
霊夢からしたら3つ目ので詰まると思っていたんだろうし、まぁそんな反応するだろうね
怨霊の管理って何をするか分からないし、とりあえずそこからかな?
「まず、管理って何するの?いろいろあると思うけど」
「それについては簡単よ。幻想郷中の怨霊をありとあらゆる方法で見つけ出し、確保してもらうわ。その怨霊はあなたの手駒に加えても問題ないわ」
フワッとしてるなぁ
「まぁ、怨霊の情報はあんたが思うより素早く入ってくると思うわ。自分の住んでいる所の近くに怨霊がうようよしてるなんて、妖怪からしたら恐怖でしかないもの」
未来の私は業者さんか何かかな?
「今戻ったぜー」「話しは終わったかしら?」
「おかえりー」
アリスと魔理沙が帰ってきた
◇ ◆ ◇
「まぁ、怨霊の管理人はいいんじゃないかしら?少なくとも私は賛成よ」
「だな、前も」
二人にだいたいの説明が終わった
「詳しいことはまた今度決めるつもりよ。そろそろ一旦解散でいいかしら?」
外を見ると日が暮れていた。あれ?もうそんなに経ったの?
「黄泉は今日は私が預かるわ。いろいろ調べたい事があるもの」
紫の言ってる調べたい事ってなんだろ
「ダメに決まってるでしょ、さっきも言ったけど博麗の庇護下の者よ。あとあんたなんか吹き込むでしょ」
「それがダメなら、私も一晩泊めてくれないかしら?」
「…仕方ないわね……」
……すごいね、簡単に霊夢が断れなくしてる。霊夢は多分交渉に合理と感情が混ざっちゃうタイプなのかな?
「てか、お前が泊まってくんだったらあれやってこうぜ!アリスもな」
魔理沙が親指と人差し指で丸をつくって口の前でクイッとやってる。…何するの?
「私、何も持ってきていないわよ」「いいじゃねーか」
アリスも反応的に乗り気だし、よく分かんない
「私は少し控えめで行くわ」
紫にも伝わってるっぽい
「……なにするの?」