生きる怨霊の地上生活   作:にけth

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スペルカードルール

「さっきから手首かいてどうしたの?」

 

 私が撃った弾でそれなりに散らかった庭を華扇と片付けてた時だった。もともと霊夢が掃除をサボってたらしく、今日は修行ついでにやらせる予定だったらしいけど…そりゃ私に飛ぶよね

 『これ罰だったりする?』って聞いたら『自分でやった事の後始末なんて罰にはなりません』って返されたから乗り気にならない……

 

「さっき縛られてた所、ちょっと痒くて…足の方はあんまり気にならないんだけどね」

 

 多分古い縄だったからだろう

 

「あぁ、トゲが刺さってるのね。ちょっと待って」

 

 華扇は硬貨を取り出し、刺さってる部分に穴を押し付けて少し動かす。えっすご、浮いてきた

 

「前の黄泉に無い知識だ……」

 

 手首の周り全体でやったあと、水で洗ってきなさいっと言われた。なんか、仙人というより物知りなおばあちゃんみたいな…殺されるからやめとこう……

 

「……博麗神社って妖精が集まってていい場所なの?」

 

 昨日はずっと縁側にいて気が付かなかった事だが、妖精がわいわいしている。前の私の記憶では妖精は害虫みたいな扱いらしいけど…あと、人里への侵入も禁止させられてるらしいし……

 まぁいっか、気付かれる前に戻ろう

 手の痒みもとれたし、とりあえず掃除に戻るかぁ

 

 そのまま華扇の所に戻った

 

「黄泉、さっき触った時に思ったのだけど。あなた風邪でも引いてるの?」

「大丈夫だけど…なんで?」

 

 超健康体だけど

 

「体がかなり熱かったのよ。それで」

 

 縛る時と解く時には気付かなかったのか…

 季節は秋、気持ちのいい風と紅葉の季節。気温・気圧の変化で体調を崩す人は多いらしいけど……

 前の私がどうだったのかは分からないな……

 

「まあ、多分怨霊が中に入った体だからじゃない?怨霊って熱いらしいし」

「まぁ、有り得るわね」

 

 無言の時間に戻り、箒のシャッシャッという音が心地よく感じる

 多分、昨日目を覚ましてから最も落ち着いた時間だろう。どうせだし、自分の状況の整理でもしておこう

 

 霊 黄泉は自殺した。原因は知らないが、まぁうん

 その黄泉は地獄を追い出され、地上でアリスに発見される。アリス曰く元は片側が桃色で反対が紫の目と髪、髪は短かったらしい

 その黄泉は博麗神社で結界に閉じ込めてると暴走(?)大人しかったのが急に暴れだし、大量の怨霊を展開して霊夢と抗戦。敗北、その時に浄化する神の力をかすって死亡。紫に救出された私がいる感じ

 

 私の記憶は言葉、物を知ってるくらい?

 能力は『怨霊を操る程度の能力』。魔理沙から聞いたけど「操る」というのは人によってはトンデモ理論をやらかす人もいるらしく、頭をやらかくしないと損らしい

 他にはスペルカードルールで弾幕ごっこするためのスペルはまだ作って無いから早めに作って起きたい……

 

「手が止まってるわよ」「あ、ごめん」

 

 どうせ作るなら色んなスペルを先に見て回りたいな

 あーでも、そんなに長く居候するのも悪いか

 

「そういえば華扇ってどこに住んでるの?」

「妖怪の山に屋敷を構えてるわ」

「あそこって人間が生きていける場所のイメージが無いんだけどすごいね」

「仙人を襲いたがる妖怪なんていないわよ」

 

 あーなるほど

 

「襲われなくする方法はやっぱり肩書きなんだね……」

 

 襲われない尚且つ避けられない肩書きかぁ……

 

「まぁ、顔が広い人も襲われにくかったりするわよ。中途半端な広さだったら逆に襲われやすくなるけど」

「だめじゃん」

 

 でも実際に人里の外で暮らしている人っているらしいしな…どうやって生きてるんだろ

 

「やっぱり逃げ切れる程度には強くならないとダメなのかなぁ」

「弾幕ごっこに持ち込めば、意図的に殺される事は無くなるわよ?」「え、そうなの?」

 

 確かスペルカードルールには『意味の無い攻撃をしてはいけない』ってのがあるんだっけ?

 

「とりあえず、これくらい持っときなさい。後で書き方教えるから」「何これ、紙?」

 

 華扇が出てきたのは霊夢の御札くらいのサイズの5枚の紙。もしやこれは!

 

「もしかしてスペルカード!」

「違うわ、ただのまがりにくい紙よ」

 

 ありゃ残念

 

「スペルカードってのは契約書。技名とそれを体現した技を書いただけの紙よ」

「前の私の知識には『人間や妖怪が対等に戦える究極のアイテム!』みたいな感じに残ってたからちょっと意外…なんか地味だね」

 

 まぁ普通に考えたらそりゃ盛られるよね。だって幾らでも盛る要素も盛られる理由もあるんだし

 

「ルールや秩序を守る心以上の究極のアイテムなんて無いからある意味間違ってはないのよね」

「えらいまた暴論を……」

 

 同じレールで戦うための契約。霊夢にやられた私みたいに戦いを楽しむタイプの存在がこれを破る事なんて無いだろうし、逆にこれからの私のようにこのルールに守られる側には破る事なんて出来ない

 戦いに命がかからなくなるルールというのはほとんどの立場からデメリットが無いのだろうね。よく出来たシステムだ……

 

「掃除が終わるまで、軽く自分のスペルを考えておきなさい。私としてはあなたはギミックに特化したスペルがおすすめだけど、最初は単純なのでいいと思うわ」

「はーい」

 

 軽く思い付いたのなら一つあるし、名前だけ考えとこう

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