対象から水平に10m離れたポイントに怨霊を配置。怨霊の存在出来る時間は0.2秒とする
0.1秒の間隔で同じ条件の怨霊を一つ前に配置した怨霊から2m離して時計回りに配置
弾は小弾。六方向に5発ずつ
これで最低限形になるかな?見た目のイメージとしては相手の周りにぐるーって出現しながら全体に弾を撃っては消えてく怨霊の完成
円周はだいたい62.8mだから、一周回るのに32体。一周に3.2秒…まぁいいか
これに前の私が使ってたらしい太いレーザーと残った場所に怨霊配置するのを追加
大きく動かなかったらレーザーを受けるって感じ。魔理沙のマスタースパークリスペクト
「こんな感じでいいかー。華扇ー書き方教えてー」
微妙に長かった掃除も終わり、本格的に霊夢を待っている。さっき言われていたスペルカード作り、生きる為には持っておいた方がいいし
それに迷惑も考えてあと数日以内にここを出るつもりだし、それまで他のスペル見て回る時間も無さそうだしね
「どうせだし、ちょっと見せてみなさい」「はーい」
「名前は?」
名前かぁ…
「美少女『御霊の怨霊』とか?」
「真面目に考えなさい」
◇ ◆ ◇
「いやぁ、やーと着くぜー。なんか茶でも出してくれよ?」「はいはい」
博麗神社と人里の間は一本の大きな道で繋がっている
基本的にここを参道として使われるのだが、長い。人里を離れて一人でこんな長い道を歩く人間など、妖怪の格好の的だろう。博麗神社に参拝客があまり来ない理由の一つでもある
「って…何ウチで撃ち合ってるのよ……」
「いーじゃねーか、楽しそうだし」
「包符『疑腕プロテウス』」
前後左右が怨霊と弾幕に囲まれた華扇が上に上がり、スペル宣言。そのまま腕の包帯が広がり、黄泉を包み込んだ
「あー、完全憑依の時に使ってたヤツだな」
包帯が消えるとそこには落下していく黄泉がおり、華扇はすぐに追いつき捕まえていた
◇ ◆ ◇
「……はっ!なんか一瞬寝てた?」
気が付けば華扇の腕の中にいた。多分一瞬意識飛んでたのかも
華扇と弾幕ごっこしてたらスペルをもろに受けてやられたんだ
……さっきの、どうやって避ければいいの?
スペル宣言と同時に目の前が真っ白だったんだけど
「お疲れ様だなー」「あ、おかえり」
「あんた、いたのね」「見ての通りよ、いつも通り来たらまた怨霊がいて焦ったんだから」
また?…はどうでもいいとして、やーっと霊夢達が帰ってきた!
「ほい、黄泉。お土産な」「なにこれ?」
華扇の腕から降りて、魔理沙が出した物を受け取る。白い高そうな布、それに生地の触り心地がものすごく肌に馴染む
「もしかして…ありがとう!」
「同じのが無かったからちょっと違うけど、まぁそういうこった」「戻ったら一回それ洗うから脱いでおきなさい」
…早めにお礼出来るようにならないと……
とりあえず一旦神社に戻った
◇ ◆ ◇
「……という訳よ。あの子、服も含めて考えると生贄として育てられた可能性が高いのよね」
黄泉が何気に初めての着替えに苦戦してる中、別の部屋で情報が共有されていた
「まぁ、私が見っけてきたやつも肩が空いてる時点でそこの店長も察したんだろうな。仮にも店の裏の家の話だし、私達より情報は多いはずだし」
肩の空いた白い和服に広がるスカート。ここまで来ればピンポイントで「生贄用」と言ってるまである
「まぁ、だいたい分かったわ。それで?世に放たれた神霊とかいう確実に黄泉を最初に襲いそうな爆弾がある訳だけど?どうするつもりなの?」
行方不明の御仏。即日に鬼灯が行方不明だと言って霊夢に依頼したのも含めると神霊に喰われた可能性が高く、その野放しになった神霊が誰を優先的に襲うかと言えば当然、元々生贄になる予定だった黄泉の可能性が高い
「対策は全く無いわね。儀式の準備がされてた事以外痕跡も無かったし、行方不明者が出てるのに儀式がまだ行われて無かったって事は既に自由な神霊が相手だったって事。『神霊である』という情報しかない存在を痕跡無しで探る事なんて不可能だし」
神霊とは、人間や幽霊が一定の信仰を得る事で生まれる存在だ
難しそうに聞こえてその実色んな方法であっさりと変化するために数も種類も無限と存在する
本人は知らなかった事だが、汚染に苦しんでる最中の前の黄泉が能力を怖がらずに使って『私を崇めて』とでも言えば汚染が終わるか神霊になるかのチキンレースが出来たレベルで簡単なのだ
「まぁ、しばらくはここに居させたらいいだろ。その間に黄泉に戦うか逃げる力でも持たせて、いざと言う時に最低限本人で対応出来る状態にするのが最善だしな」
神霊に襲われて無事でいるには、当然力が必要だ。環境も整っている博麗神社なら実力は伸びるだろう
「……あの子、早く出たがってたわよ」「
霊夢と魔理沙の同時の反応。確実に華扇の言い方が悪かったのだが……
「迷惑だと思ってるみたいよ。それに自分が生まれたのも、今生きてるのもあなた達のお陰だからすぐにでも恩返ししたいんだと」
「昨日、酒でも持ってくるだけでいいって言ったんだけどねぇ」
罰を聞く直前に黄泉が霊夢に聞いていた話だ
「それになら困ったな…よくよく考えたら、さっきお前と弾幕ごっこしてたのもそれか?一人暮らしで妖怪に殺されないように……」
ガランと障子の開く音がした
「やーっと着替え終わったよー、和服ってめんどくさいんだね」