生きる怨霊の地上生活   作:にけth

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潰れる未来

 スキマから放たれる大量の拡散するレーザー。あとなんか裂け目?みたいなのが膨らんで割れると四方八方へ小弾を飛ばしている

 この二つだけで私の展開した怨霊が蹴散らされている

 私にそれぞれの怨霊を細かく動かす技術が無いのと、そもそも狙いが正確すぎるのと。怨霊のど真ん中撃ち抜いてるもん

 その代わりに私に飛んでくる弾幕の密度は薄い

 処理に手を焼いているのか、ただ単に手を加減しているか。後者だと正直どうしようもないので、前者だと仮定する。都合のいい考え方じゃないとやってけないのだ!

 

「……そろそろ一発くらい被弾してくれてもいいんじゃない?」

「密度は悪くないのだけど、少し安置が多すぎるのよ。こういったものは知識や理解じゃなくて経験でなんとかする物だから難しいのだけど……」

 

 弾は輝いており、空間を照らす。素人にはその光り輝く弾幕の中で暗い場所なんて分からないし、そもそも自分と相手の弾の区別すらもつかない

 頭に入る情報量が多すぎるため、私は情報を減らすために相手の場所と自分の近くにある弾、あとレーザーの予備動作だけを見ている

 アリスからは『自分と相手の中間あたりの弾を見なさい。急な軌道変更も無いし考える時間も余裕があるわ』って教えられたけど、眩しくてそんなの出来ないし

 

「……安置ってただ弾が薄いだけの所だよね?」

「あら、よく分かってるじゃない」

 

 安全地帯とは?

 

 その言葉に疑問を持った直後、嫌な予感と共に私自身に刺さるレーザーの予備動作によって現れる大量の線。怨霊の視界を確認すると誰も狙われていない

 つまり……

 

「処理は一旦後回しってことなんだね!」

 

 辺りにばら撒かれた小弾に被弾しながら真上に逃げ……

 

「スキマ!?」

 

 被弾はしなかったが、真上に配置されたスキマに入ってしまった。気が付いた時には軌道を変える事が出来なかったのだ

 

「理不尽だね……」

 

 スキマから出た瞬間、大量のレーザーと小弾に被弾しまくる。せっかくアリスに直してもらった服がまた破け、体には傷が増えていく

 

「降参してくれると助かるのだけど……」

「そんなことする訳ないよ……」

 

 動いてもその動きを予測されて弾幕を浴びせられる。けれど、弾が私に向いているという事は怨霊はフリーという事だ

 今は避けても変わらない、だから痛みを堪えるだけであとは考える事が出来るという事。ならば使おう貴重な時間、早く作ろう即興スペル

 どうすればスペルを使わせれるか、そんなもの一つしかない

 怨霊の処理を強要させ、紫の処理速度を上回る数で展開をする。その処理を強要させる方法……

 

「名前は…凝らなくてもいいか……」

 

 これで使わせれなかったら勝つのは難しいだろうね

 

「完成したよ、怨霊『大地に付かぬ者達』」

 

 華扇からもらったただの白い紙に血が一滴垂れ、赤く滲む。スペルカードは特別な物ではない、多分これでも認められるはず

 

「即興だったのね…少し警戒し過ぎたわ……」

 

 地面から2cm浮いた場所に霊力の層を作る。私は霊力を使って弾幕を作る技術はないけど、軽く放出する程度なら出来るみたいだし問題ない

 設定:私と対象の真ん中を中心とした半径70mの上空にランダムに怨霊を配置。怨霊の存在出来る時間は最大5.0秒とする

 怨霊は0.2秒ごとに6〜10のランダムな数を、それぞれ範囲内のランダムな位置に発生するとする

 怨霊は発生から5.0秒以内に地上の霊力の層を目指し、移動中は2.0秒間隔で対象に大弾を3発、それから上下左右4方向に15°ずらして中弾を3発発射する。霊力の層に触れた場合は対象に短時間のレーザーを放つ

 

「見ててね」

 

 設定した通り、上空に怨霊がポコポコ湧き始める。全てが紫を目掛けて弾を放つ

 

「強引ね」

 

 紫はスキマも使って回避に専念し始めている。ワープずるいなぁ

 私への集中が切れているであろう今のうちに10数秒間降り注いだ弾の雨から逃れる

 激痛と出血で頭がぼぉっとするが、気合いで耐えればそのうちなんとかなる

 

「めちゃくちゃ痛いけど、私に撃ってる余裕あるの?処理間に合ってないんじゃない?」

 

 このスペルは怨霊が広範囲にランダムな数がそれぞれランダムな場所に配置され、地面を目指す。その最中や着いた直後に弾幕を張り、攻撃する

 要はただの数。攻撃を減らすには怨霊を処理する必要があり、処理が間に合わないと弾幕が増える。ただそれだけのシンプルなスペル

 通常弾幕では処理しきれない場合スペルで対応するのが基本だが、今回はスペルが1枚。紫は使って時間切れになるか純粋な数の暴力に押しつぶされるかの二択を強要されるのだ

 

「よく考えたわね、参考元は誰かしら?」

「アリスだね。人形を壊せば弾は減るけどアリス自体にダメージは無い、逆にアリスを狙えば人形によって弾幕が張られるって感じの。それの数だけを増やしたバージョン、美しさはかなり減ったけどね」

 

 人形を使って弾幕を張るアリスは怨霊を使って弾幕を張る私からみて参考になる事が多い。まぁ、アリスは本人でも弾幕が張れるんだけど

 

「模倣は成長の肥料よ、確実にいい花が咲くわ」

「その花の芽を引っこ抜こうとしてんのは紫だけどね!」

 

 褒められてるんだよね?

 幻想郷から追い出されるっていう話なのに弾幕関連で未来があるみたいな話するし、わけが分からないよ

 

「…一発くらい当たってくれないと凹むんだけど……」

 

 スペルの起動から30秒。一発も命中する気配が無い

 弾が全て対象に向かうという性質上、引き付けた後にスキマで移動されるとせっかくの弾が全て無意味になるのだ

 

「私の負けってことだね……」

 

 怨霊を処理しながら弾幕を寄せてスキマで移動。その単純な作業を紫は繰り返すだけで渾身のスペルは攻略されてしまう

 もうスペルは完全に設定しちゃったから変えれないし、そもそもどこをいじれば問題を解決出来るかも分からない

 こうなったのは経験不足と完全に試し撃ちをしてないのが原因だろう

 残り10秒、紫はもう弾に完全に慣れたように見える。勝てる未来はもう失った

 

「それならあとは……」

 

 現状、私が撃った弾で当たったのがアリスがわざと当たってくれたあの一発だけだ

 まずは一発当てる。こっちのスペルはもう試してあるよ




 どうも作者です。黄泉の力作スペル、ゲームで表すとNormal一面ボスの1枚目よりちょい下って感じです。避けれる人は簡単に避けるっていう程度です
 でもまぁ、湧いてくる怨霊を全く処理しなかった場合はかなりの難易度になります。普通にLunaticの4面あたりは行きます
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