生きる怨霊の地上生活   作:にけth

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時間制限

 スペルの時間が切れ、弾幕も怨霊も全てが消える

 

「やっと終わったのね」

 

 ふぅっ、っと額の汗を拭う紫。多分汗かいてない

 私が怨霊を出していないからか、紫は攻撃してこない

 

「今のでスペルを使わせたかったんだけど…無理だったね」

「使って耐えられたら私の負けですもの、使う訳ないでしょう?」

 

 私が使わせようと意地になってたのはバレてたのかな?

 

「聞きたいんだけど、紫はなんで私を追い出したがってるの?」

 

 さっきから違和感が疑問として残り続けてたこと。紫が私を幻想郷から出したい理由がイマイチ分からないのだ

 説明はされたが、それを否定出来る理由はしっかりとある

 

「しっかりと伝えたはずよ、怨霊は危険。ついでにあなたは毒をばらまいていると」

「霊力の話は時間が解決しそうだし、怨霊の危険性の大部分である取り憑く行為は紫が禁止にしたじゃん」

「……」

「まだ何か、理由あるでしょ。隠してるの」

 

 紫はそれ以上話すことなく、再び私に照準を定めた

 

「それなら、頑張って口を割らせるだけだね!怨霊『六道からの脱出』」

 

 さっきの反応的に紫はこのスペルを既に見ているのだろう。でもそれは修正前、修正後だから対処法は前回とは違うよ

 

「……わかりやすく変わってるわね」

 

 修正した所。対象の周りの水平にあたる位置に配置していたが、それに加えて鉛直にあたる位置にも配置

 結果出す怨霊が増えて上下への移動への対策になっている。前のままだと上下移動だけで回避されてたからね

 

「まぁ、美しさが犠牲になっちゃうから悩みどころなんだけどね」

 

 調整すると強くなっても見た目が悪くなる。当然だけど、どうすればいいんだろ

 そんなことは置いておいて太いレーザーのコスト用に怨霊を30体用意する。このスペルを一度見ている紫なら予備動作を見た時点でスキマを使って大きく移動するだろう

 それならそれを逆手にとるのみ

 

「ここからが本番だよ」

 

 怨霊を消費し、レーザーの予備動作が発生する

 紫はすぐにスキマに入り、繋がっているもう1つのスキマへ移動する。これでレーザーは回避されるだろう、()用の

 

「細い……!」

 

 紫はレーザーを確認すると確実にスキマで移動する。当然だ、このスペルの中で一番威力のあるのはこのレーザーなのだから

 じゃあ、先に囮として細いレーザーの予備動作を見せたらどうなる?

 

「まずは一発!」

 

 紫出てくるスキマに向けて残り29体の怨霊を使った太いレーザーを発射する

 タイミング的に防御も回避も間に合わず、命中する

 

「やった!」

 

 喜びを噛み締めながら次の行動へ。レーザーのあった場所に怨霊を配置し、追撃の準備をする

 

「ふふっ、やるじゃない」

 

 レーザーの中から出てきた紫の言葉は軽い称賛だった。いいダメージ入ったと思ったのにかなり余裕があるように見える

 再び紫はスキマを出し、レーザーを発射する

 紫は私より配置した怨霊を狙うが、そうはさせない

 配置した怨霊は全て私のマニュアル操作。頭は使うが手足のように動かして弾を回避させる

 

 スペル起動から30秒、2発明のレーザーを発射しようとした時に全てが変わった

 紫の顔から笑みがこぼれ、背筋に悪寒が走る

 私の勘がマズイと叫び、囮用の細いレーザー無しで30体消費したレーザーを放つ

 

「私の勝ちよ、『弾幕結界』」

「……ラストスペル!」

 

 紫の身体が薄く透けていき、消える。スキマで移動したものではない、確実に居なくなった

 『境界を操る程度の能力』。華扇から聞いた紫の能力だ

 全ての存在は境界無くして存在出来ず、その境界を操る能力

 華扇曰く、「湖は水面という境界がないと存在出来ない」とのこと。よく分からないけどその境界を消すと湖は存在出来なくなり、逆に湖に新たな境界を作ると新しい存在が生まれる

 破壊も創造も出来るらしい

 スキマは空間と亜空間、亜空間と空間の今日をいじって繋ぐことで作ってるのだとか

 

 そんな紫が消えた。何でも出来る能力で消えたという事は「見えない」ではなく「当たらない」と解釈してもいいと思う

 つまり……

 

「耐久型のラストスペルってことね」

 

 大抵のスペルは60秒以内に効果が切れる。短い物は30秒らしい

 だが、もう私のスペルの残り時間は30秒を切っている

 スペルカードルールでは宣言したスペル全てが無くなると敗北となっている

 耐久系スペルは基本無敵。つまり、私がどれだけ耐えようとももう勝ち目は無いのだ

 

「今度こそ詰みかぁ」

 

 スペルの『対象の周りに怨霊を配置する』という動作が機能していない。紫の位置が分からない

 

「とりあえず、耐えないとね」

 

 魔法陣が2つ、青と紫の鱗弾をそれぞれが私を中心に回りながら配置していく。配置が終わる頃には完全な檻となっており、逃げる隙間は無くなっていた

 急に全てが中心に向かって渦を描くように動き、中心にいた私は完全な的となった

 

「く!……」

 先ほどのダメージが蓄積し、かなり痛い。絶対に次が来る、痛みに苦しんでるとさらに痛い思いをすることになるからこんな邪魔な感覚頭から切り離さないと

 また魔法陣が動き出し、今度は小さな隙間をくぐって中心から抜け出す

 

 先ほどと同じ動きで中心をつたった弾がこちらに向かってくる

 ただ、今度は回避が楽だ。ゆっくり来る弾を避けるだけなのだから

「……終わっちゃったか」

 

 2回目の攻撃を避け、安心した直後。スペルが時間切れになった

 幻想郷から、出ていかないといけないんだね……

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