生きる怨霊の地上生活   作:にけth

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一発の違い

 砂浜と波。塩っぽい匂いに心地よい音

 真夏の森林と似た幻想的な美しさがあり、頭を空っぽにしてずっと立っていられる

 もし昨日や一昨日に来ていたら多分ここから動く事はなかっただろう

 

「お土産、買うんじゃなかったのじゃない?」

「……そうだね、ちょっと感動してて」

 

 紫に声をかけられて動く。この美しい光景はもう二度と味わえないだろう

 だけど今、記憶には刻んだ

 

「そういえば私どれくらい見てたの?」

「ざっと2時間よ、連れて来て正解だったわ」

 

 そっかぁ2時間かぁ。待たせちゃったな

 

「そういえば霊夢や魔理沙が喜ぶお土産ってなんだろ」

「どうせ酒かそれに合った肴ね。という訳で……」

 

 とりうわけで?

 

「魚市場に行きましょうか」

「海の魚かぁ…いいね!」

 

 ◇ ◆ ◇

 

 向かい合っていた魔理沙と豊布都は同時に南へ走る

 両者理由は単純、自分の得意な距離にするため

 

「その剣、銀か?結構金かかっただろ」

「御仏はそれなりに裕福だったからな。使わせてもらった」

「神が強盗殺人かよ、威厳はどうした威厳はよぉ!」

 

 (わざわざ銀って事は確実に能力と併用するつもりだな)

 

 銀は伝導帯の中で最も電気を通す金属。雷を操る存在がわざわざそんな素材って事は、まぁそうなる

 豊布都は魔理沙の出した魔法陣から連続で発射される星型弾を切断しながら距離をつめようとしているが一向に縮まらない

 

 (そろそろ来そうだな)

 

 距離が縮まらない場合、豊布都はどうするか

 簡単だ、身体強化で加速する

 

「危なっ!」

 

 魔理沙の目の先を刃が通る。豊布都がそのまま連続で斬撃を繰り出すのだが、それを右手に作った青の大弾で遮ることに成功

 

「あと2ミリだったか……」

 

 攻撃に失敗した事により、豊布都は一旦距離を開ける

 

「魔法使い相手に距離取って大丈夫か?」

 

 そう言いながらミニ八卦炉を上に、豊布都に黒い筒を投げ込み、それと同時に黄緑色の誘導弾が入った缶を4つ起動させる

 豊布都は自分に飛んできたそれらを一瞬のうちに全て切り裂き、また距離をつめようとする

 

「……煙幕か、関係ない」

 

 豊布都が切断した黒い筒から青色の煙幕。シンプルに視界を潰すためのものだ

 豊布都はそんなものを気にせずまっすぐ進む。理由は単純、前に魔理沙がいるのは分かってるからだ

 

「星符『メテオニックシャワー』」

 

 魔理沙は両手を前に向け、星型弾を煙幕に向けて連射する。当然煙幕の中では輝く星も全く見えず、豊布都は歩みを止めてその場で迎撃に切り替えるしかなかった

 

「そのまま行くぜ!魔砲『ファイナルスパーク』」

 

 上に投げたミニ八卦炉からマスタースパークを超えた太さのレーザー

 それは自分で張った煙幕を覆い尽くし、中にいる豊布都を襲う

 威力も見た目通りの威力をしており、スペル終了時に周囲がエグれていた

 

「これくらって耐えてんのかよ、流石だな」

 

 天気が急に悪くなりだしたのを確認した魔理沙はそう呟いた

 スペル2枚の同時使用、しかも片方はラストスペルとしても使用されてる物だ

 同時使用が許される理由はそもそもこの勝負にスペルカードルールは適応されていないからだ。前回の勝負が互いの同意が無い状態でスタートし、豊布都は魔理沙の命を奪いかけた

 お互いに相手の持っている情報

 

「っていうか、どこ行った?」

 

 ファイナルスパークの後、豊布都が見付からない

 隠れて反応出来ない速度からの不意打ちか、天候を変えているという時点で確定している雷連打か。それとも両方か

 

 魔理沙が箒に乗って空を飛んだ直後、雷撃による閃光。それは魔理沙に命中するはずだったのだが、関係ない方向へ逸れていった

 その光を確認するや否やマジックアイテムで出したであろう水色の結界を展開し、直後に背後からその結界に剣が当たったのが原因であろう金属音

 

「恋符…あれ?」

 

 振り向きその場所にマスタースパークを発射しようとしたようだが、その地点には剣しか残っていなかった

 

「やべ」

 

 魔理沙の体に痛みが伝わり、瞬きの瞬間の間に空にいたはずが地面に叩き落とされていた

 

「左足が潰れたか…もう博麗の巫女とは戦えなさそうだな」

 

 魔理沙を叩き落として余裕そうな豊布都。というか余裕が出来たようだ

 

「小娘、御仏の娘の場所を教えろ。命は取らない」

「あいつは黄泉だ、とりあえずそう呼べ。あと他に聞くことあるだろ、雷の対処法とか」

 

 先ほど、魔理沙に向かって放った雷撃は魔理沙とは全く違う方向へ飛んで行った

 

「どうせ高圧力の電気を誘導する魔法やら、浮遊金属でも先に仕込んで置いたのだろう?俺ならそうする」

「ちっ、バレてたか。そもそも三段構えな時点でそういう事だよな」

 

 前回出てきたスファーマニウム。あれは浮遊する性質を持ち、錬金術の素材として使われる

 それを素材としては使わず、避雷針ように雷の落ちる先の誘導として使ったのだ

 

「そうな事はどうでもいい、早く霊 黄泉の場所を言え」

 

 話をすり替えて少しでもチャンスを掴もうとしていた魔理沙はここで諦める

 

「……はぁ、知らねぇよ。それに知っててもダチを売る馬鹿がどこにいんだ」

 

 その言葉を聞いた豊布都はため息を付いて剣を抜く

 

「そこでストップよ、これ以上続けた場合この場で封印するわ」

 

 指名されなかったので傍観していた霊夢が止めに入る。もし豊布都に殺す気があるのならば、タイミングは今になる可能性が高い

 

「……いや、情報を聞き出すのはもうやめだ」

「……どういう意味だ」

 

 霊夢、魔理沙の二人とも共に一瞬その意味を考えた時。それの答えとなる声が聞こえた

 

「霊夢ー!魔理沙ー!ただ…」「「黄泉、逃げなさい(逃げろ)」」

 

 霊夢が黄泉に気を取られた瞬間。豊布都は能力でまだ使える右足を強化し、

 

「…いま……?」

 

 一瞬で近ずき、黄泉の胸に剣を刺すのだった

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