夕方までにとりあえずやるべき事を終わらせる
といっても今後の軽い予定作りと洗濯くらいだけど
「両方ボロボロ……」
アリスに直してもらった服は紫との弾幕ごっこでズタボロになっている。多分完全な修復は出来ない
魔理沙からもらった方は3日間着た上で昨日刺されて胸に穴。こっちは修復は簡単そうだけど汚れが酷い
「服、どうやって入手するか……」
家で一人なので今は脱いでまとめて洗濯出来るが、それはそうとして今後も弾幕ごっこで簡単に破れる
ごめん、やっぱ家の中でも全裸で歩き回るのはダメだ。人としてダメだ
「服を発注する所なら紹介出来るわよ?」
「どこどこ?」
スキマから登場する紫。そろそろ驚かなくなってきた
「それより先にこれ、この前の報酬よ。一応あれは私の依頼だったからね」
「この前…あーそういえば無縁塚で1、2万くらい回収したね」
現在手持ち25万後半。うん、無くなる未来が見えないね
紫から封筒を受け取る。こういうのってこの場で確認していいんだっけ?どうだっけ?
「ありがとう、正直忘れてたよ」
あれ依頼判定なのかぁ
「あと…これも使ってちょうだい?」
そう言ってスキマから何かを取り出す紫
スキマから…ナニコレ?スキマ?が出てきた
「夜寝れてるのかと心配になったから…抱き枕よ」
「えっと…ありがとう?」
スキマ型抱き枕…なんか目玉とか見えるけど…流行ってるのかな?そういうの
とりあえず抱いてみたけど凄く心地よい
「よく分かったね、実際昨日暗いの怖くて寝れなかったし」
「それなら一緒に……」「……遠慮しとくよ」
一瞬迷いはしたけど、まぁさすがにね
「そうだ、発注出来る所ってどこなの?」
「そうね、着いて来て」
また新しくスキマが開かれる
入ろうとしてある事に気が付いた
「……さすがにこの格好で外出は出来ないね」
「そういえばそうね」
とりあえず魔理沙からもらった方を着よう。3日間分の汚れと胸の所に穴が空いてるけどまだ服としては機能する
「……ごめん、まだ着るの慣れてないからちょっと手伝って」
「はいはい」
◇ ◆ ◇
香霖堂。魔法の森の入口にあり人妖の店主、森近 霖之助が運営する古道具店
店主は魔理沙の幼なじみらしいよ
「……という訳で、この子の服。大体20着くらい用意出来る?」
「まぁいいだけど、うちは古道具屋なんだって言った気がするんだけどねぇ」
白銀色の髪、金色の目。アホ毛に眼鏡、あと服は青と黒の左右非対称な服
そして、赤色のポーチを着けている
変わった服だなぁ…
霊夢の脇出し巫女服スカート付きも変わってるけど……
「軽く採寸するから来てくれ」「ありがとう」
肩幅、バスト、着丈などを測っていく
「ところで、人間の式神って…普通の妖怪がやってもマズイのに君がやって大丈夫なのかい?」
「何を言ってるの?」「式神って何?」
霖之助が出した言葉に違和感を覚える
式神…神の遣いみたいなのだっけ?
「式神は…そうね、コンピュータだと思ってくれればいいわ。演算器」
「?」
それに…私が?
「『道具の名前と用途が判る程度の能力』、それが僕の能力だ。生き物の身体は道具じゃないんだけどそれには例外があって、それの一つ式神。君に能力が反応し、連れてきたのが式神を扱う八雲 紫。それなら君が式神となっていると考えるのが普通だろう?」
……絶妙に早口で内容入って来なかったな
とりあえず能力で式神だと疑ってるみたい
「なら、用途の方を見てくれないかしら?」
「君が否定してる時点で僕は関わりたくないんだが」
「自分で巻いた種よ」
えっと…小話程度で言ったらワンチャン大事になりそうだからって事か
「『名称:肉体(失敗作)』『用途:器』……だってさ」
「これ以上ないくらい簡素な説明だね」
……失敗『作』?
あの神の言葉だと、普通に母親から生まれてきたらしいけど
「とりあえず式神だと疑ったのは悪かった、依頼のうちの1枚は今から取り掛かるからこれ以上深入りさせないでくれ」
「ふふふ、分かったわ」
「ありがとう、めっちゃ助かるよ」
「魔理沙が『今日宴会あるからたまには来いよ』ってさ、このタイミングで来たという事は君は行くのだろう?」
「霖之助は行かないの?」
「僕はあんまり人が多い所は苦手なんだ」
まぁ、誘われても行くかどうかは人次第だよね
「5時頃に取りに来てくれ、支払いはそこの保護者にツケとくから」
「……魔理沙からどこまで話聞いてるの?」
昨日、母親名乗って助けてくれたって話を魔理沙にしたのを覚えている
「まぁ、いいや」
その後、軽く雑談をしてから香霖堂を出た
◇ ◆ ◇
「本当に紫のツケで良かったの?さすがに住居もらった上に20着もなんて悪いんだけど…お金もらった直後だし尚更」
なんなら外の世界の件もある
「気にしないでいいのよ、お金はあるけど私はほとんど使わないし」「うーん」
何かお礼とか出来ないかなぁ……
「出せるお礼…肩たたき券とか?」「あらやだかわいい」
これで決まりかね?
「まぁあなたは見た目は14、生まれて一週間もしてない上に実年齢もきゅ…忘れて」
「9歳らしいね、まだ寺子屋に通える歳」
「知ってたのね」「霊夢には内緒だよ?」
バレたらなんか良くなさそうだしね
「まぁいいわ、あなたはどの面でも親に甘えていい歳なのよ。だからこの程度気にしなくともいいのよ」
「この程度って言われてもなぁ……」
逆に申し訳なくなるんだよね……
「話を変えるわ。せっかくの長持ちする服を一回の戦闘で使い物にならなくする訳には行かない、その為にはどうするべきでしょう?」
「防御か回避だね、基本回避」
「正解よ、という訳で……」
◇ ◆ ◇
「無理無理無理無理無理無理無理無理!」
結界に囲われた空間で小弾を避け続ける
その小弾は結界に触れると反射されるようになっており、文字通り四方八方から弾が飛んでくるようになっている
「とりあえず一分間被弾無し、成功したらご褒美よ」
「嬉しいけど厳しいよ!」
その後、数時間はこのチャレンジを繰り返すのだった