生きる怨霊の地上生活   作:にけth

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覚えのない再会

「あ、そういえば呼んだの忘れてた。死ぬ覚悟は出来てたのに……」

「そんな簡単に命を投げ出すなよマジで……」

「ごめん、ちょっと罰が絡んじゃって…痛っ!ごめんホントに!」

 

 結構強めの拳骨をくらった

 なにはともあれ魔理沙が駆け付けてくれた事によって私はまだ生きていて良くなった

 

「あの…魔理沙さん、どういう事ですか……?」

 

 妖夢が完全に困惑してる。まぁ仕方ないよね

 

「あぁそうだった、コイツは黄泉。最近幻想郷(ここ)で怨霊の管理者になったんだ」

「活動はまだ始めていないけどね」

「…………」

 

 まぁ、そんな反応になる。しゃーない

 

「なんなら今回の宴会はコイツを紹介するための物だからな、思ったより遅くて心配してたら怨霊がやって来たもんだから流石に焦ったぜ」

 

 ……ごめん、遅かったのは妖夢関係ないんだ

 

「えっと…ちなみに紫様は関わっていたり…してません…か?」

「あぁ、ほぼ紫が進めた話だな。なんならコイツの事娘呼びしてたくらいだし」

 

 妖夢がどんどん青ざめてきている。これが権力の力…恐ろしや……

 

「まぁ、説明が足りなかったのが悪いよ。私だって紫の名前出すの忘れてたし」

 

 気付いてしまった。これ、紫にバレたら怒られる話だ

 

「魔理沙…今の話、三人で秘密にしとかない?絶対に怒られる」

「いやお前、自分の服を見ろよ。スカートだけ血まみれだぞ」「あっ、」

 

 絶対バレるじゃん

 もう血も痛みも収まってるけど、服に付いたのはどうしようも……

 

「それなら、あたいの出番かね?よっ、黄泉ちゃん。一週間ぶり」

「なんだ、お前か」

 

 周りに人の気配は無かったのに、気が付けば後ろにいた

 見た目は赤髪、赤眼で紫に近い青と白色の服やスカート。背中にかなり大きな大鎌を持っており、あとついでとは言えないくらいに胸がデカい

 大鎌や多分ワープしたのであろう点から、多分死神

 気になるのは私の事を知ってるかのような対応。前の私が…死神と?

 

「あれ?もしかして忘れられてる?あれぇおかしいなぁ…半日はお喋りしていたはずなのに」

「……何があったかは知らんが、コイツは一回記憶が無くなってるんだ」

「……なんだ、再開を喜んでたのはあたいだけだったか」

「なんか…ごめん……」

 

 さっき一週間ぶりって言ってたあたり、多分関わりがあったのは地獄での話

 確か私が閻魔大王の所で判決を受けてから地上に出てくるまでに2、3時間程度の空白の時間があったから多分そこが関わってるんだと思う

 

「……ところで前の私の事、どれくらい知ってるの?」

「死ぬ前後の話程度ならしってるさ、とは言っても……」

 

 死神らしき人が妖夢を見る

 妖夢は完全に困惑で固まっている

 

「まぁ後で話しかけてくれりゃーいい、どうせこの後暇だろう?」「分かった」

 

 まぁ、わざわざ時間取ってくれるならありがたいことこの上ない

 

「ところで小町さん、先程言ってた『出番』というのは?」

 

 名前小町って言うんだ

 

「あーそうだそうだった、服の血の話さ」

 

 小町が持ってた大鎌を軽く振るう

 別に何かを切った訳では無く、何も無いところで

 

「服の血は取り除いたからこれで全員の秘密って事に出来るだろう?魔理沙」

「まぁ、だな」「本当にありがとうございます!」

「???」

 

 まずい、今度は私が困惑する番になってる

 スカートを確認すると確かに血は付着してない

 ……何をされた?

 

「『距離を操る程度の能力』、あたいの力さで結構便利なんだよねぇ。自分や他人を移動させたり、三途の川の幅をいじったり、厚い壁を薄くしたり。今回の場合は服と血の距離をいじっただけさ」

「えっと…ありがとう」

 

 なるほど…

 もしかして前の私の知識にあった『死神はワープする』っていう中途半端なのも小町からの受け売りなのかな?

 

 小町のお陰で怒られる事は無いだろうし、とりあえず宴会の所に向かった

 

 ◇ ◆ ◇

 

「疲れた…」「思ったよりハキハキ喋れるんだな、お前」

 

 宴会が始まった後、完全に挨拶回り。意味も使い方も違うのは分かるけど……

 名刺って大事だなぁってなったね

 

 料理を口に運びながらふと思った、出ている料理は全体的に味が濃い

 私の口が薄味に慣れてるのか、酒のつまみになるからなのかは分からない

 お酒は昨日紫が樽で持ってきたヤツ

 さて、今とても悩む事がある

 私はまだ生後6日の子供だ、肉体は14歳程度。子供だ

 前の私は9歳、子供だ

 

「……お酒チャレンジしてみていいかな?」

「いいんじゃねぇか?大事なのは最初の一歩だからな」

「この前あんたが酔った勢いで瓶ごとぶち込んでたでしょ、既に一歩目は竹馬で歩いているわ」

「???」

 

 何の話?竹馬?

 まぁいっか、同意してもらえたなら。気になってたし

 とりあえず酒器を手に取る。前の私の知らない物の一つ、それが酒だ

 だからそんな未知に期待を膨らませてる

 

「ダメに決まってるでしょう?子供なんだから」

「ア、ハイ。ソウダヨネ」

「なんだ親御さんいたのか」「いたのよ」

 

 ちょっと残念、まぁ8年程度すれば解禁されるよね

 ……あれ?私の肉体って成長しないよね?飲めるの?

 

「それより、あの死神の所に行くんでしょう?早くしないと酔って話にならなくなるわよ?」

「ホントじゃん急がなきゃ!」

 

 立って走ろうとした時に気付いてしまった

 あの話は4人の秘密って話の中だよね?

 

「お説教は逃げないから大丈夫よ」

 

 ものすごい圧を感じる

 見なくても分かる、多分紫は凄い笑顔で怒ってる

 振り返っちゃダメだ、とりあえずここを離れよう

 

「なぁ紫……」「あなたも同罪よ?」「終わった……」「あんた何したのよ」

 

 ◇ ◆ ◇

 

 博麗神社の境内から少し出て、階段の所で小町は待っていた

 

「ごめん小町、忘れてた」

「まぁ大丈夫さ、それでどこから聞きたい?」

 

 聞きたい事か……

 

「とりあえず前の私が自殺した理由かな?予想は罰を受けるためだけど……」

「半分正解さ、重い話になるけど大丈夫かい?」

「うん……」

 

 昨日、だいたいの過去は知った

 だけど、どうしても違和感を覚える所がある

 友人を殺した、罰を受けれなかった、罰を受けて自己満足で罪の意識を減らす事が出来なかった、だから地獄へ行った

 上手く繋がらない

 罪の意識があるなら償いくらいすると思う

 だから分からないのだ

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