「黄泉、あなたにはいくつか選択があります」
「ほうほう」
「一つ、このまま戦って退治する」
「咲夜の実力知らないけど、相手怨霊だし難しいんじゃない?」
怨霊相手には専用の対策が必要となる。霊夢のお札や妖夢の白楼剣などがそうだ
さっきのナイフもダメージにはなってもトドメにはならなさそうだし
「はい、私には倒し切る術がありません」
「じゃあ、二つ目は?」
「二つ、諦めて離れる」「論外だね」
「三つ、対応出来る人を呼ぶ」
「寝てると思うよ?」
今、深夜の1時半だしね
霊夢は寝てるだろうし、華扇の家は知らない
「ええ、ですので四つ目との選択です。四つ、朝まで耐える」
「……」
なるほど
ここから博麗神社まで、怨霊の速度だと往復3、4時間はかかる
どちらかが関われないうちに逃げられると大変だ
「質問だけど、紅魔館には怨霊対策無いの?」
「ありますよ」
あ、あるんだ
「それ使わないの?」
「……はい。妹様の力を借りるには至らないかと」
「納得」
詳しく知らないけど、弾幕ごっこの名付け親だった気がする
殺し合いにルールを付けた物を遊戯だと言い始めるヤツなんて、どう考えても危ないヤツだ
まぁ、遊戯扱いがめっちゃ助かってるんだけど
「じゃあ、四だね。霊夢を呼ぶ」
「では、少々お待ちを」
咲夜が消えた
……2対1、ほぼやってないじゃん
とりあえず逃げられないように時間稼ぎだね
「ごめん、2対1する予定だったんだけど」
再び怨霊を展開する
人型怨霊、逢魔は斧を構え、足場を作っては蹴ってこちらに向かってくる
ナイフの雨を見て、思い付いた事がある
逢魔はそれに対応しようと、防御に回っていた
回避ではなく、防御
見た感じ、逢魔に上からの攻撃以外の飛び道具は無い
だから、『大地に付かぬ者達』はかなり有効だと思う
だけど、そのスペルは近付かれた場合はかなり弱い
じゃあ、それの逢魔に合わせた近接バージョンを作る。回避ではなく、防御させるための……
まぁ、前から少し考えてはいたんだけどね
「スペル作るから、実験台になってくんない?」
「へぇ」
逢魔が高速でこちらに向かってくる
こちらはそれに対して、結界。逢魔の攻撃力だと、紫の結界は破れないらしい
体は動かせないし呼吸もできないが、全く問題ない
カンッ、カンッという金属音が響くのみだ
「怨霊『空を駆ける兵隊よ』」
設定はほぼ『大地に付かぬ者達』と同じ
違いは展開した怨霊が弾幕を張りながら地面に向かうのではなく、怨霊が相手へ向かって突撃する
そして、怨霊には短くしたレーザーを持たせる
「それじゃ、受けてもらうよ」
空中に現れた大量の怨霊が、小さなレーザーを剣のように持って逢魔目指して突撃する
「チッ、あーもうダルいなぁ!」
逢魔は私ごと小さな黒い球体で囲った
……………………あれ?もしかして終わった?
球体の外にいる怨霊はこの壁を突破できない。それに対して逢魔は私の結界を斧で叩く
ガンッ!っという音を立てて球体の天上が私の頭の結界にぶつかる。重量はしっかり働くらしい
「あっ、そうだ。中で出せば攻撃できるじゃん」
球体の中で怨霊を出す。なんで思い付かなかったんだろ
短いレーザーを剣のように持った怨霊は、逢魔に襲いかかる
「チッ、」
球体が消え、逢魔がこの閉鎖空間から脱出した
そのタイミングで、私は結界を解除する
そして、外には怨霊が貯まっている
それらが一斉に……あれ?
「いない……」
どこにも、怨霊がいなかった
外にいるはずの怨霊達が……
「もしかして!」
下を見た
そこには沈んでゆく大量の黒い球体
「そゆこと♪」
出した怨霊が全て、対応されていたのだ
そして、私の視界は反転する
気が付けば背後に回っていた逢魔によって、首を落とされていたのだ
「っ〜!」
脳が思考を拒絶するような痛みが遅れてやってくる
すぐにキャッチして付け直そうとしたが、腕が落ちる
「さぁてぇ…どれくらい耐えれるかなぁ……!」
逢魔の声色が変わった気がした
まずい!
そう思い、咄嗟に目を瞑る
「すみません、遅れました」
その声が聞こえた瞬間。目を開き、驚いた。両手と首がくっ付いており、場所が若干変わっている
そして、逢魔には大量のナイフが……
「いってーなぁ!」
刺さっていた
「ありがとう、咲夜。助かったよ」
体もさっさと再生したし、こっからだね
咲夜が来たって事は、霊夢も……
「そのうち博麗の巫女も到着しますよ」
「よし、勝ったね」
霊夢が到着するまで耐久すればこちらの勝ちだ
だが、そんな事……
「もう、面白くないから…帰るね」
相手が許すはずが無かった
そして、逢魔が逃げるとして。私ならどんな手を打つか、想像は容易かった
「咲夜!離れ……」「なっ……!」
咲夜がノーモーションで黒い球体に閉じ込められた
「1分したらそこに槍落ちるから!」
槍?……もしかして
「ほぉっておくとお仲間さん、死んじゃうよ?」
あーなるほど、こちらに対応させたい感じか……
乗るしかないじゃん……
「じゃあねぇ♪」
そう言って、逢魔はどっかに行った
1回置いておこう、仕方ない。今は咲夜優先だ
「咲夜!聞こえる?」「………………」
音は通らないらしい
霧の湖に着水し、少しづつ沈んでいってる
……本格的にまずいな
「二人とも閉じ込めなかった辺り、楽しんでるんだろうね……」
多分、戦闘や相手を苦しめる事を楽しむタイプの存在。それが人型怨霊になったのだろう
空を見上げる。星の美しい夜空一瞬だけ、光が見えた気がした
ハッタリではなく、本当のようだ
「さて」
咲夜の入っている球体に覆いかぶさり、結界を張る
言ってた時間が本当なら残り20秒程度
15秒………10、9、8、7、6、5
ドォンッ!っという音の直後、視界が真っ暗になった
投稿遅い癖に質が、悪い!