「………………ん?」
凄く知ってる天上だ…自宅だね
昨日の事がイマイチ思い出せない……
「……zzZ」「起きなさい」
目を開き直すと、紫がいる。天上にいる
「…見間違えか……」
天上に人が居るわけなんてないしね……
……あ、紫か
「おはよう、紫」「おはよう。目が覚めて安心よ」
体を起き上がられると、紫もスキマから出てくる
……あれ?私服着てない?
裸族になった覚えはないけど……
「昨日、何かあったっけ?」
記憶が曖昧だ…確か、夜中彷徨いてた気が……
何やってるの私……
「昨日は何も無かったわ」「そうなの?よかった……」
「昨日は、ね?」「というと?」
「昨日、どころか一週間。あなたはずっと寝てたのよ」「!?」
一週間……寝てた!?
急にギュゥゥゥッとお腹が鳴る。本当に寝ていた事を証明するかのように
「……話、ご飯食べながらでもいい?」
「ふふふっ、ちょっと待ってね」
◇ ◆ ◇
「ふむふむ…人型怨霊に会って、それと交戦。んで、そいつに閉じ込められた咲夜を死なせないために……咲夜、生きてる?」
「えぇ、あなたのおかげよ」
「ふーん……」
それなら良かった
紫の作ってくれたサンドイッチを食べながら話をする
サンドイッチと言っても、ライスサンドだけど
一昨日の記憶が、欠けている
具体的には、霧の湖の中央に向かってる途中辺りで途切れているのだ
人型怨霊の顔も名前も思い出せない
「なんで、そんな大層な事があったのに思い出せないんだろ」
「思い出したいの?」「うん」
「じゃあ、『記憶と忘却の境界』とを弄るけどいい?」
「お願い」
紫の手が頭にポンッと置かれる
直後、全て思い出した
◇ ◆ ◇
「────って事があったの。私の能力だと、人型怨霊は操れないみたい」
便利だね、その能力
「だいたい分かったわ。ありがとう」
「こっちがお礼言いたいくらいだよ……」
あの後、逢魔は逃走。行方不明
咲夜は私を紅魔館へ。そっから紫がここへ運んでくれたらしい
紫からもらった結界のペンダントは壊れたみたい
結界と私の体で、両方ペチャンコになって咲夜を守ったらしくて……
「ところでだけど、服ってあったりしない?寒くて……」
もう11月に入っているのだ、寒い……
服って…あれ?もしかしてもうない?
胸に穴空いたヤツしか残ってない?もしかして
「あとで受け取りに行ってくるわ」「ありがとう……」
せめて寝間着くらい買わないとな……
とりあえず後でお風呂でも入ろう……
「……あ、そういえば。逢魔が地上にいる人型怨霊が一体じゃない的な事言ってたよ」
「それは…厄介ね」
お風呂→温泉→間欠泉センター→怨霊で帰ってきた
あれ、私が約束してたら全部教えてくれてたんだろうけど……まぁ、うん
「対策とかした方がいいのかな?」
イマイチ思いつかないけど……
「情報の共有は私が終わらせとくわ。黄泉、あなたは博麗神社に警報用の怨霊を配置しなさい」
「あーなるほど。大事だね」
実際、咲夜呼べたのもそれが理由だったし
私が人型怨霊に対応できないのなら、霊夢を呼ぶしかないもんね
「ごちそうさまでした、美味しかったよ」
◇ ◆ ◇
「〜〜〜♪」
体を洗い、お風呂(温泉)に浸かる
紫は香霖堂に取りに行ってくれてるらしい
なんというか、一週間寝てたなんた未だに信じられないな……
日を見ると、今は9時頃。ただの朝風呂だね
「今日、何するんだっけ……」
予定立ててたような…立ててなかったような……
まぁいっか、思い出せないし人里に買い物行こう
山菜はあるけど、それだけだと栄養偏っちゃうしね
って考えていたら家と繋がるドアが開いた
「ご一緒しても?」
見れば、タオルで胸を隠した紫
そういえば、なんであんな事するんだろ
深い理由は無さそうだけど……
「もちろん!」
◇ ◆ ◇
「ふふふっ、娘と一緒に入浴。悪くないわね」
「この前もしたじゃん。何をいまさら」
紫が体を洗い終えた後、向かい側に来た
「そういう訳じゃないのよ、冬が間近に迫ってるから」
「なんで?」
確かにここは露天風呂だけど、私は冬でも気にしないけどなぁ
「スキマ妖怪はね、冬は冬眠するの」「????」
妖怪に冬眠とかあるんだ……
じゃあ、しばらく紫とは会えないのか……
「という訳で、それまでに親子らしい事をしておこうかと」「なるほどね」
一応、娘扱いだったね
まぁ一緒にお風呂に入るのは親子らしいことかぁ
「本の読み聞かでも、どう?」「お風呂で!?」
「じゃあ、後でね」
なんかクスクスと微笑んでる
まぁいっかぁ
「…………!!」
急に、怨霊の気配を感じた
そういえばここは間欠泉センター、旧地獄と繋がっている場所
定期的に怨霊が地上にやってくる
紫がここに建てたのもこれが理由だ
そういえば、一週間寝てたのだから出てきていてもおかしくないか……
「ごめん紫、ちょっと行ってくる」
怨霊の管理・回収が私の役割だしね
そのまま空を飛び、気配を感じた方に行こうとする
「女の子なんだから服くらい着なさい!」
怒られた