俺は勘が良い   作:slow quick slow

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気付けば1ヶ月経ってました。時の流れは早いですね……なかなか上手くは書けないものです。


Let's get the beginning

 

 

「なにこれ……イタズラ?」

 

アマテは携帯に突如として送られてきたメッセージに対して反応する。それと同時に、電車の閉扉の音が聞こえる。

 

「あっ」

 

振り向き急いで電車の外に出る。先のメッセージに返信したが返事はなし。とりあえず駅を出る為に改札に向かう。

 

「なんだったんだろさっきの。ん?あぁ……はいはい、休みね。了解っと」

 

新着のメッセージが送られてくる。が先程の送り主ではなく、幼なじみのアラキからであった。内容は塾を休むという趣旨であり、てきとうにスタンプで返事を返す。

 

「はぁぁ。ほんとよく休むよね。ため息出しすぎて幸運が逃げちゃいそう」

 

あまりの自由さに呆れと少しの羨ましさを感じられずにはいられないアマテ。

 

 

携帯内の電子通貨で改札口を通る。

通り終えた所で後ろから何やら騒がしい様子。

 

「ん?……ン〜??」

 

目を細め騒ぎの方向を見る。騒ぎの元はだんだんとこちら側に寄ってきている。

 

 

「こらぁ!!!止まりなさい!!」

 

「まてェ!!」

 

「っ…!!」

 

 

女子学生だろうかと凝視して見ているアマテ。そんなアマテに気にも止めず、その女子学生は改札口を飛び越える。

 

「エッ……あぁあ!!?」

「っ」

 

改札口前で止まっていたアマテと女子学生がごっつんこ、それぞれで転倒する。

 

「いっつぅ…っ」

「ぐぅ……っ!」

 

女子学生はこちらを見たかと思えば、すぐさま立ち上がり逃走を始める。

 

「あ、ちょ」

「どけ!!」

「あグッ…!?」

「邪魔だ!!」

 

軍警察はマチュを避けもせずに体当たりをしながら女子学生を追う。その際にマチュの手から離れていた携帯が踏みつけられる。

 

「はぁあぁ…!?」

 

踏み付けられた携帯はパリンと音を立てて宙を舞う。

 

 

 

 

「あー……ん?」

 

綺麗だった画面には大きな亀裂が走っていた。トイレでそれを確認して項垂れていると、背負っている鞄に何かが入っている。

 

「……なにこれ…………爆弾じゃない…よね?」

 

異物を持つかのように中身の機器を取り出す。側面を見ると形式名と製品番号が見える。

しゃがみこんで割れた画面で形式名を検索する。

 

「インストーラー……デバイス?……モビルスーツの、戦闘コンピュータ用!?非合法の、密輸品だ……!!どうしようこれ……ん?これって……もしかしてGPSか何か?ってことは場所バレてるってことだよね。うーん……あ」

 

なにやら考えついたらしい。それが妙案でなければいいのだが。

 

 

 

 


 

 

 

 

イズマコロニー外周に、緑の塗装を施された艦が航行している。

一年戦争にジオンが連邦から奪取し、多大な戦果を挙げたと言われている強襲揚陸艦『ソドン』である。

 

「赤いガンダム……そして灰色のガンダムですか。grayphantom(灰色の亡霊)とは言ったものです。確かに、ガンダムは一般にはそうそうお目にかかれませんからね」

 

「灰色のガンダムですか?」

 

「約1年前から、このコロニーに出没するようになったガンダムです。私のツテで1部映像を軍警から拝借させていただきましたが、間違いはありません」

 

「赤いガンダムよりは信憑性があるということですか?」

 

「そうですね。とはいえ、灰色の方は我々の所有物ではありませんし、主目標のついでで相手できる戦力はありません。ガンダムのデータは既にバックアップ済みですから、無理に捕獲する必要も薄い」

 

コモリ少尉の質問に淡々と答えていくシャリア・ブル中佐。

 

「私としては、ガンダムの実物を直に見てみたいと思っています」

 

技術士官のコワル中尉は自身の思いを述べる。

 

「ガンダムクアックス程の情報はないと思いますよ。そもそも、ガンダムクアックス自体、ガンダムの延長線上にあるのですから」

 

「技術士であれば、原点のガンダムに興味を持つものですよ。シャリア・ブル中佐」

 

「物好きですね」

 

「技術者ですので」

 

やれやれと首を横に振りながら苦笑するシャリアと、それを見てニコリと笑うコワル。

 

「『灰色の亡霊』で思い出したんですけど、シャリア・ブル中佐の異名は『灰色の幽霊』でしたね」

 

「ふっ、過ぎた名前です。私はただ目の前の敵を撃墜していたまで。ですが、何処かでそのガンダムのパイロットと縁があれば、会ってみたいものですね」

 

「意外と乗り気なんですね」

 

「ユーモアはあった方がいいでしょう?」

 

「あり過ぎもどうかと思いますよ……」

 

肩を落として呆れるコモリ少尉。他のクルーも苦笑いに難しい顔をしている。

 

「軍警察の動向はどうですか?」

 

「例の赤いガンダムに対して、軍警は全くと言っていいほど追跡出来ていません」

 

「ガンダムクアックスの状況は?」

 

「只今エグザベ少尉とミソラ候補生が機種転換作業を行っています」

 

「そうですね、Ωサイコミュの起動を」

 

「チョット待ってください!?Ωサイコミュはまだ」

 

「あの機体はサイコミュの不使用を条件に、グラナダ基地から貸し出されているはずでは?」

 

各方面から否定の意見が飛び交う。しかし、シャリアはそれを流して言う。

 

「赤いガンダムに対抗出来るのは、同じ力を持つガンダムクアックスのみです。それに、灰色のガンダムに関しても手練だと思った方が良いでしょう。エグザベ少尉」

 

シャリアは機内からの通信でコンタクトを取る。通信先はガンダムクアックスに搭乗しているエグザベ・オリベ少尉。

 

 

 

 

 

 

 

「サイコミュが使えない状況、マニュアル操作での戦闘は避けられない。僕がこの機体のパイロットでいいのかな」

 

新人故の不安が募る。スクール首席とはいえ、あくまでシュミレーターのみの成績。それに自分よりも腕のいい生徒も少なくはなかった。

フラナガンスクール独自の評価点である『ニュータイプ能力』が他よりあっただけに過ぎない。

 

「大丈夫じゃないですか?」

 

その問いに答えるのはミソラ候補生。エグザベの後輩であり、フラナガンスクールの生徒。齢16でありながら、ジオン軍候補生となった優等生でもある。

現在、コクピットハッチは開いた状態。コクピット内にはエグザベが操作をしており、外からはミソラがコクピットから機械端末を通してエグザベの動かしやすいように調整を施している

 

「軽く言ってくれるなぁ……」

 

「むしろ今の先輩は謙虚すぎると思いますけど」

 

「緊張しているんだよ」

 

「良いのでは?緊張。真面目にしてる証拠じゃないですか。しないよりマシだと思いますよ。それに代表なんて先輩からしたら普通では?」

 

「いやいや、ここはもう学校じゃないんだぞ。そんな気持ちでいたらいけないだろ」

 

「ほぼ軍事学校ですし、気持ちはそこまで入れ替える必要無いと思います」

 

「それはそうだけどさ……こう、責任感が違うというか……」

 

「もっと堂々とした方が良いですよ先輩。少なくとも選ばれたのは先輩なんですから」

 

「……そうだな。選ばれたからには僕がなんとかしてみせないと。皆に顔向け出来ない……ん?回線?」

 

なにやらΩサイコミュ使用に対しての意見が飛び交っているようだ。

 

「雰囲気的にそろそろ出そうですね。私は下がります」

 

「ミソラ、調整補佐ありがとう」

 

「いえいえ、これも現場研修の一環ですし」

 

「現場研修で機体調整ってしたかな……?」

 

「一応の予備パイロット枠ですし、中佐に言われたんですよ。ほらほら、話聞いてないと!」

 

「あぁ、うん……わかったよ」

 

ケーブルを取り外して機体から離れていくミソラ。エグザべはコクピットハッチを閉じ、機体を本起動させる。

そして、上司であるシャリアから指名を受ける。

 

『赤いガンダムに対抗出来るのは、同じ力を持つガンダムクアックスのみです。それに、灰色のガンダムに関しても手練だと思った方が良いでしょう。エグザベ少尉』

 

「……Ωは特殊なサイコミュです。僕に扱えるのでしょうか」

 

このサイコミュは普通では無い。今までに扱ってきたサイコミュとは違い、まだ未解明な部分も多い。発動できるかすらも怪しい代物である。

 

『エグザベ少尉はフラナガンスクール首席の才能と聞いています。現在起動できる可能性があるとすれば君です。でなければ、そのサイコミュ起動モジュールを託しません』

 

左肩付近に貼り付けられたモジュール。本来使う筈もない物だと思っていたが、どうやら使わないといけないらしい。

カタパルトが展開される。出撃のようで、エグザベは機体をカタパルト射出の準備を始める。

 

『あと、これ秘密作戦なので、諸々よろしく』

 

「よろしくって……僕はこれが初陣ですよ!?」

 

『大丈夫、君もニュータイプでしょう?』

 

「っ……エグザベ少尉、GQuuuuuuX、出ますッ……!!」

 

余計な期待だと思いつつその言葉を飲み込み、ソドンのカタパルト射出で発生するGに身体を強ばらせながら出撃する。

その直後、モニターに映し出された秘密作戦の文字。

 

「秘密作戦って……中佐は今も戦争をしているつもりなのか?これだけミノフスキー粒子をばら撒いていたら、バレバレだろっ」

 

色々と物申したい上司の愚痴を吐きながら赤いガンダムを追うのであった。

 

 

 

 


 

 

 

 

はいよーいスタート。

どうも、学習コンピュータを撮影用カメラに取り替えられたガンダム操縦してます、アラキです!(ヤケクソ)

 

「クソッタレめ……」

 

[文句も程々にしとけ、しとけ]

 

「えぇ....(困惑)。嫌ですけど。下手したら死ぬのに……」

 

にしても、あれがソドン……一年戦争の英雄艦か。流石にもうお古だろうし、そこまで脅威はなさそうに見える。

5年でこうも価値観が変わるなんて今時の時代は怖いですねー。一年の戦争で技術進歩し過ぎでは?旧世紀の歴史見るに普通に異常過ぎる。

特にガンダムが台頭した9月から異常に進歩してる辺り、ガンダム……V作戦の存在が全てを変えたような気がする。

 

「ミノフスキー粒子濃度が高い……」

 

[高い、高い]

 

ということでサポートは無し。ハロさんはいるけど。まぁ、撮影しろと言われたけど近くで撮影しろとは言われてないからセーフセーフ。え?近くまで行くのが当たり前だろって?軍艦にんな事できるかよ!!

 

「せっかくの高倍率カメラ付けてんだから有効活用しないと。近づいたら気をつけようないんだからな」

 

[見つかっても勝てる、勝てる。保証する、保証する]

 

「いやぁ、保証されても行きたかねぇよ」

 

熱源センサーで簡単に見つかっちまうよ。そんときゃトンズラトンズラ……できたとしても見つかりたくねぇ……だってよ、ガンダムなんだぜ?反乱分子として始末されても可笑しくないんだけど。

勝ったとしてもジオンに喧嘩売ってることになるんですが?

 

「まぁいいか。バレなきゃ犯罪じゃないって誰かが言ってたし」

 

[『バレなきゃ犯罪じゃないんですよ』]

 

「あぁ、それそれ。ゲスい声してるよなっと、撮影撮影」

 

使うか怪しかった高性能カメラの使い時だ!……ん?何か飛んでいったな。これは……

 

「?MSか……MS!?映像確認……未確認機か」

 

[新型だ!新型だ!]

 

大方例の赤いガンダム用か?にしても本当に出してくるなんて思わなんだ。いやまぁミノフスキー粒子濃度が高いから何かしらするんだろうとか思ってたけどさ。

嘘から出たまこと……嫌な冗談が現実になるほどめんどくさい事は無いぞ。

 

「どうする?何か嫌な予感がするが……」

 

[行け、行け。間に合わなくなっても知らんぞ、知らんぞ]

 

画像はもう十分だろ。何枚取れば気が済むんだ、俺は不穏分子を追い掛けるぜ!コロニーに被害がでるとやかましいからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

『あれ灰色の』

『どうやら観察されていたようですね』

『それじゃあ……!!』

『向かった先はガンダムクアックスの方角……とはいえ、自発的に攻撃する可能性は低いでしょう……軍に手を出すほどの愚か者ではなさそうです』

『それってどういう……?』

『おそらくコロニーへの被害を抑える為に追跡したのでしょう』

『もしかしたら、赤いガンダムと手を組んでるかも知れませんよ?』

『その場合は少尉に頑張ってもらいましょうか』

『現場判断……』

『戻りましたシャリア中佐』

『ああ、ミソラ候補生。お疲れ様です』

『ミソラちゃん、エグザベ君の調子はどうだった?』

『結構緊張していましたよ』

『仕方ありません。初陣とはこういうものですから』

『にしては投げやりな言葉でしたけどね』

 

 

 

 

 

 

 

いた。切削された加工岩……かは知らんけどその保管宙域か?

赤い方は隠れる気無し……もう一機は……あそこか。

 

「戦闘になれば介入……いやどうするか……無駄に戦火を広げる訳にもいかないし」

 

[やって治めるか?自然に任せるか?]

 

悩ましい。コロニーに突っ込むような馬鹿はしないよな……?

まぁカメラは回しておこうか。録画モードっと。

 

「お、動き出し……停戦信号だぁ?違法所持してる奴どころか学がない奴もいるのに効くと思ってるのか?わかるのなんてミリタリーかじってる奴か軍人上がりくらいだろ」

 

[アホ、アホ]

 

あーあ、姿晒しちゃったね。ってガンダム側がなにか飛ばした。アレがサイコミュを利用した兵器か?

アイツ……ガンダムに夢中になって飛んでるアレが見えてないな?

 

「おぉ……反応したぞ」

 

[良いセンスだ、良いセンスだ]

 

良く反応できたな。ガンダムに集中していた奴とは思えない。

 

「赤いガンダム……何者だ?」

 

サイコミュ兵器(仮)を使いこなす人材がこのコロニーに居たのか……それとも最近になって移住してきたのか。

それはそうと新型の方が劣勢だな。武装を潰されていってる。

 

「これ以上余計な真似されてコロニーに被害がいっても困るし、いっちょ助太刀しますか」

 

というか鹵獲するならそれ用の機体と大人数での物量攻めした方が有効じゃないかと思うんですが……新型でやる意味なくない?

 

 

 

 


 

 

 

 

赤いガンダムを追跡していたエグザベ。切削だろうか、四角に整えられた白岩郡を背にして、赤いガンダムの接触機会を伺う。

 

「丸見えじゃないか……隠れる気が無いのか?」

 

隠れる気もなくただ宇宙を飛んでいる赤いガンダム。

エグザベは機体を動かし、後方から停戦用の信号弾を発射させる。それに反応したように赤いガンダムはビットを展開し行動も変化する。どうやら話し合いをする気はないようだ。

 

「停戦信号は無視。やるしかないのか……」

 

ハイリスクハイリターンの行動はリスクになった。

そもそも違法に乗り回しては軍警に対して矛を向けている時点で大人しく停戦する輩ではないだろう。下手をすれば信号弾すら知らない可能性もある。

 

「Ωサイコミュ、起動」

 

モジュールを挿し、起動スイッチを回す。が、特に変化は見られない。

 

ピキリリン

「っ!!」

 

何かに勘づいたエグザベはGQuuuuuuXを行動させる。瞬間に元いた場所にビームが通り過ぎる。その後に反転させるが、瞬間に2射目がビームライフルに直撃、ライフルが宙を舞っていく。

 

「何だコレッ……!!?」

 

吹き飛ばされ、姿勢制御を行う。その直後に赤いガンダムがビームサーベルを抜き接近する。

エグザベも応戦するべくビームサーベルを構えるが、間に合わない。シールドで防ぐが体制を崩される。

そして赤いガンダムが頭部バルカンを斉射する。

エグザベは咄嗟に反動で仰け反った左腕よりも、右手で狙われた頭部を守るが、ビームサーベルが破損し、その場に投げ捨てる。

 

「ビットに、頭部バルカン……コイツ、本当にガンダムなのか……!?」

 

赤いガンダムは再度GQuuuuuuXに向かって攻撃を開始する。

 

が、突如ビームの一線が赤いガンダムに向けて飛んでいく。赤いガンダムは避けたが、ビットの1基はビームに落とされる。

 

「ッビーム!?何処から……あれは!」

 

ビームが放たれた方角を確認するエグザベ。そこには灰色をベースに各部が青、又は青紫の塗装が施されたガンダムがライフルを構えていた。

 

「反応できなかった……敵意が無いのか?いや、今はそんな事を考えている場合じゃない」

 

エグザベはビームに対して反応ができなかった事に、少しの疑問を浮かべるが、戦闘中であるため、心に留めておく。

残ったもう1基のビットは灰色のガンダムに、赤いガンダムはGQuuuuuuXに向け突撃する。

 

「来たっ」

 

ビームサーベルの攻撃をシールドで防御する。しかし、肝心な攻撃手段が無いため、攻めようにも攻めれない。

幾らシールドとはいえ耐久力には限りがある。どうにか隙を作れないかと慣れない操作をしていると、突如ガンダムの体勢が崩れる。灰色のガンダムによるシールドバッシュのようだ。

 

「っ!アイツか。今ならッ……うぉお!!」

 

体制が崩れた赤いガンダムに対し、エグザベはスラスターを吹かして突撃を行う。そのまま岩に激突し、岩は粉砕され、直進は止まらない。

直線上にあるものはイズマコロニーの外壁だ。

 

 

 

 


 

 

 

 

なっ、馬鹿野郎コロニーに突撃するなバカっ……コロニーを囮に使うとか軍人のやるかよ!

 

「チッ……なんでこうも嫌な結果になるんだろうな……!」

 

[アイツ、手が一杯、手が一杯]

 

こっちまでコロニーに入るとミイラ取りがミイラ状態になりかねない。もどかしい……!

それに_

 

「どうするかな、コレは」

 

このサイコミュ兵器、途端に動きが悪くなったな。向こうにリソースを割いているのか、電波の入りが悪くなったのか。

 

「……持ち帰るか!」

 

[そうだな!そうだな!]

 

爆発しないよな?多分しないやろ!そうと決まればスラスターをぶっ壊す。そうだよ、腹いせだよ!

動きは大体理解できた。多少頼ってた勘任せにしなくても、クセがわかってきた。反応が鈍くなってから特に顕著になっている。

 

「これなら案外楽に終わるかもな」

 

[対処は?対処は?]

 

対処とかはよく分からん。初めてだもん、仕方ないね!

まぁ逃げ道を作っておびき寄せればあとはパパっと解体作業できるんだけど……というか銃口掴めば解決じゃね?

 

とりあえず、バルカンで軌道を塞ぎ、ビームはシールドで防ぎながら掴める距離まで近づく。

そしてそこォ!!よしよし、もう許さねぇからなぁ?(シールドを囮に下から掴み取る)

メインスラスターは破壊させてもらう。ついでに銃身の先も折っておこう。ホントはアポジモーターも止めたいが、殴るとマニュピレーターがイカれるからなぁ……

 

「トンズラするか?」

 

[敵来た!敵来た!]

 

「もう嗅ぎつけてきたか」

 

はぁ……少し長居するとこうやって面倒事が来るんだよドチクショウめ。軍警察の追っ手だよな。

 

「めんどうだな……」

 

潰すのにそこまで時間を掛ける訳にもいかない。いつコロニーから出てくるかわかったもんじゃない。

 

「悪いが手荒くいかせてもらう。まぁ聞こえてないよな」

 

[ぶっ潰せ!ぶっ潰せ!]

 

でもあっちの方が合法なんだよなぁ……

 

 

 

 


 

 

 

 

イズマコロニー外壁に、2機のザクがガンダム捜索に現れる。

 

『こちら2班、マルモは未確認機体と共にコロニーに侵入。侵入先はネノクニと思われる』

 

『こちらは亡霊の対処に当たる。そちらはコロニー内部の対処をされたし』

 

《了解した。行くぞ》

 

《はい》

 

『さて、ここであったが百年目。次こそは捕縛させてもらう』

 

『とは言っても連戦連敗、挙句ナめられてますけどね!』

 

『殺さずに仕留める、奴も同じだ。これまでに故意的な殺生は一度もなし。あわよくば周りを掃除する始末。我々の存在意義が問われるな』

 

『もうこれって……非公式の自警団ですよね?ありがた迷惑だなぁ』

 

『我々の態度が気に食わない連中の方が多いんだ。仕方もあるまいよ。だが、法律上奴らは違法者だ。示しはつけないとな』

 

『なんで本業より違法者の方が強いんですかねぇ』

 

『さぁな。行くぞ』

 

『了解……!』

 

2機のザクが灰色のガンダムに向け突撃する。

ガンダムは前進しながら、ビームライフルを撃つ。

相手のザクは即座に散開、ビームをさけながらガンダムを挟み撃ちしようと左右に回り込む。

左右を確認しながらそれぞれにビームを撃つが避けられる。

 

『ぬぅ……!!』

 

『アレには当たりたくないッ……!!』

 

特務仕様のザクも避けているが、追加のブースターによる推進力のゴリ押しで避けている為、身体への負荷がそれなりにくるようだ。

ザクもザクマシンガン改を放ってはいるが、速度を維持しながらの射撃では弾が散らばり、ガンダムは最小限の動きで回避していく。

 

『ブースターの推進剤が無くなりますね……!』

 

『全く……面倒な事極まりないなっ!切り離してからは奴の独擅場だ。気をつけろよ!』

 

『わかってます!』

 

ザクの方は背部の追加ブースターをパージし行動を開始するが、ビームの一線が1機のザクの左腕を抉り取る。

 

『ぬぁァッ!!?』

 

『チッ……ヤツめ、よくやる!』

 

一射を決めたガンダムはシールドを背部にマウント、ビームライフルを右手、ビームサーベルを左手に攻勢をかける。

ザク2機は後退する。

 

『自分はまだいけますっ』

 

『馬鹿者、片腕でどう当てるつもりだ』

 

『うっ……』

 

『……最低限、奴の気を引け。私のザクが中破し次第、撤退する』

 

『了解……』

 

手負いのザクはザクマシンガン改を構え、MAVのザクに対し援護体勢をとる。

ガンダムは弾幕の雨を、小さい動きで回避しながら距離を縮めていき、その間にもバルカンとビームライフルでザクを追い詰める。

 

『まだ終わらないっ……』

 

片腕での射撃は精度があまり良くない。

既に相手としてみているのは片方のザクである。

 

『くるか……!』

 

ザクマシンガン改を手放し、ヒートホークを構え、ビームサーベルと交差する。

押し負けたのはザクだ。ザクは両腕で振りきったが、ガンダムはそれを片腕のみで押し出したのだ。

 

『ぐぅっ!!化け物めッ!』

 

体勢を戻す。その時にはガンダムはザクの目の前にいた。ザクがヒートホークで応戦しようとした瞬間に、脚部でザクの腹部を蹴り飛ばす。

 

『コイツ!!』

 

もう一機のザクが後方からザクマシンガン改を撃つ。ストックを活用したことで先程よりも照準が良くなっている。

とはいえ背部にマウントされているシールドによって殆ど効果はなく、あくまで意識を向かせるための誘導のつもりの射撃。

ガンダムはそれに気にも止めず、蹴りを入れたザクの頭部をサーベルで焼く。

 

『ここまでか……』

 

赤く灯ったコクピット内で呟くザクパイロット。操縦桿から手を離し、MAVのパイロットと通話をする。

 

『撤退だ。スマンが頼む』

 

『はぁ、これじゃ実質クランバトルじゃないですか……』

 

『そうは言うが、逃してくれるのならそれに乗った方が良いだろう?』

 

『はぁぁ、なんだかんだ許容してる節が見え見えですよ……自分も人の事言えませんけど』

 

片腕のザクが頭を潰されたザクを牽引する。

ガンダムは特に何もせずに2機を見つめている。

 

『行きますよ。何かあり次第指示しますんで』

 

『あぁ』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「ふぅ……来るとわかってても、いざ弾が当たるとビビるよな」

 

[ビクついてた、小心者]

 

「コイツほんと悪口だけは達者だな……」

 

シールド越しでも衝撃は来るからな。背負ってる堅物を鈍器で滅多打ちしてるものだしビビるわ。あと普通に警告音も流されるから気が散って仕方がない。

追い返したし、サイコミュ兵器を拾って帰るか。

 

「どこだーどこだー……コレか」

 

特徴的だからすぐ見つかったな。

よし、帰るか。なんかもう手遅れだろうけどとりあえず帰った方が良いよな。

 

[赤いヤツ!赤いヤツ!]

 

「赤いヤツ……ホントだ、赤いガンダムじゃん」

 

なんかこっち見てる。これはやらんぞ!お前の自業自得__

 

 

_ゾワッ_

 

 

__ッハッ__!!?

 

ナン__だ……!!?後ろッ?

 

「未確認機体__ッ……!!

 

何だこの感覚ッ、あの2機が発しているのかっ……

 

「勝手に何かが流れ込んで__ッ

 

__これ以上居たら頭おかしくなる!撤退……!!

 

「ッ……」

 

[大丈夫か?大丈夫か?]

 

「さっさとここからトンズラするぞ……!」

 

[おん、おん。しっかりしろよ、しっかりしろよ]

 

「あぁ……!」

 

 

 

 


 

 

 

 

「はぁ……はぁ……倒しちゃった……」

 

肩で息をするアマテ。軍警察の追っ手を謎のMSで撃退することに成功した。何故か戦い方が頭に入ってきたが、そのお陰で勝つことができたので結果オーライである。

 

「……ん?……あの赤いの、誰なんだろう……」

 

謎の空間にもいた赤いガンダム。ソレがあの空間に引き寄せてくれたのだろうか。

 

「……あれ?あっちは亡霊、って何処かに行っちゃった。そういえば……亡霊は見えなかったな」

 

あの空間では赤いガンダムは見えた。しかし、灰色のガンダムは見えなかった。なにかしらの法則があるのか。

 

「……帰ろ」

 

[かえる!かえる!]

 

白いハロの返事を聞いた後、アマテはネノクニに戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

そしてそれから数時間後。コロニー内に警報が鳴り響く。

アマテは風呂場の窓から、アラキは帰宅中にそれを見る。

 

「なにあれ?」

 

 

「あぁ……本当に来たのかよ……意味ねぇじゃん」

 

コロニーの中央を行くソドンを見ながらアマテは疑問を抱き、アラキは諦観をしていた。

 

 

 

 


 

 

 

『ジオン所属、ソドンに告ぐ。直ちに停船せよ!繰り返す………』

 

「構いません、そのまま微速前進」

 

「滅茶苦茶ですよぉ!!」

 

シャリアは警告を無視してソドンを前進させるよう指示する。

 

「良いか?絶対にミノフスキー粒子は撒くなよ」

 

「入っちゃって大丈夫なんですか?」

 

流石に故郷であり、コロニーでの事件の観点からミソラはシャリアの入港指示に対して問いかける。

 

「えぇ。エグザベ少尉は必要ですからね。ミソラ候補生も、久しぶりの帰省でしょう?折角ですしご家族とお会いになってもいいかも知れません」

 

「あのー……私が言うのはアレですけど、軍属なのにフリー過ぎませんかね……?」

 

ミソラは呆れ声でシャリアに言葉を返す。

 

「出来るならば、君のお兄さんに挨拶とダメ元の勧誘ですかね」

 

「次も断られますって」

 

「やってみないとわかりません。彼には才能がある。とても惜しい人材です。いずれ損害が出かねないほどの」

 

「仮にもその人物の実妹に聞かせていい内容ですかね?」

 

「それに私の見立てだと、かなりやんちゃもしているようですしね」

 

「?」

 

「あぁ、そういえば貴女は知りませんでしたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、教えてくれないんですか?!」

 

「確証はありませんから」

 

「…………」

 

「落ち着いてミソラちゃん。気持ちは痛い程分かるから」

 

フッ、と笑うシャリアに苛立ちで眉をピクつかせるミソラ、それを宥めるコモリであった。

 

 

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