英雄と美姫の物語   作:ながしながされ

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 本日は聖王国編のBlu Ray&DVDの発売日ですね。私は買っていないので、小説で我慢してます。


番外編(十三話)『アインザックとラケシルの考察』

モモンとナーベが去った組合では、アインザックとラケシルは話し合っていた。

 

 

「ラケシル、第八位階なんて聞けば取り乱すのはわかるが、さっきのは酷すぎたぞ」

 

 

「いや、すまなかったアインザック。しかしお前もわかるだろ、第八位階だぞ。御伽噺でも存在したかどうかすらわからない、人智を超えた魔法なんだ。あのような反応になってしまうのは仕方がないだろう。一人で依頼をこなすと言われただけでも驚きだったんだ、それに加えてあんなのを見ればあのような反応になってしまうのも仕方がないだろう。今日だけで一生分どころか来世分まで驚かされた気分だ」

 

 

「来世は無表情にでもなってるんじゃないか?」

 

 

「はっはっは、違いないな!それにしてもあのアイテムやら、実力やら、あの2人は一体何者なんだ?」

 

 

「さあな。ただ少なくとも一般人ではないように思う。それなりの地位にいた者か、もしかしたらモモンくんは王子…ではないのか?」

 

 

「あのアイテムは王家の秘宝ということか!しかしなぜそんな人物が2人だけでこんなところに来ている?」

 

 

「私も詳しくはわからないが、あの2人はナザリックというものを探して来たそうだぞ」

 

 

「ナザリック?聞いたことがないな。それを探しに来たとしても、モモン殿の国から王子自ら探しに来るなんてことは考えられないだろう。国が大々的に探さなくてはおかしな話になるぞ」

 

 

「いや、ない──んじゃないのか?」

 

 

「そのナザリックがか?」

 

 

「違う。モモンくんとナーベ嬢の国が、だ」

 

 

「ますますわからんぞアインザック」

 

 

「まあ待て。これは私の推測だが、もしかしたらモモンくんとナーベ嬢の国は滅びているのではないのか?」

 

 

「つまり、ナザリックを追っているのは私怨ということか…」

 

 

「そう、そしてナーベ嬢が貴族、もしかすると王家の血も入っているかもしれない」

 

 

「王族…確かに」

 

 

「特別な血統を維持している王族は実際にあるからな」

 

 

「例え王族でなくとも、それに近い血族だという線か。モモン殿が国対国の話にしたくないのはその辺り。なるほど」

 

 

「矛盾はないし、その辺りが妥当な線か。だとするとどうする?この裏をとるべく行動すべきか?」

 

 

「いや、友好的な態度を示してくれる彼に不快感を与える行為は当然避けるべきだ。これは2人だけの話にしておこう」

 

 

「そうだな。まあ、モモンくんが本当に王族だとしたら、落ち着くまでは子供は作らないんじゃ無いかな」

 

 

「すると…あの美しいナーベ嬢が彼に付き従う理由は…別の意味も含む…のだろうなぁ……」

 

 

「そっち系の監視、もしくは奉仕も行うという意味か?」

 

 

「ああ…正直言ってモモン殿が羨ましいと思ってしまうなぁ…」

 

 

「いや、そうではないだろ」

 

 

「ん?どういうことだアインザック?」

 

 

「奉仕も何も、あの2人は夫婦だ」

 

 

「なぁ!?えぇ!?!?そ、そうなのか?」

 

 

「ああ。前にラカロくんがモモンくんに『ナーベ嬢のような美しい伴侶がいて羨ましい』と言った時、彼は特に否定もしてなかったしな」

 

 

「あの2人が夫婦…?しかしどう見ても夫婦というよりは主人と従者のように見えるぞ?」

 

 

「いや、そんなことはないだろう。この前の祝宴会の時もモモンくんはナーベ嬢のメイド姿が──メイド…?」

 

 

「どうしたアインザック?」

 

 

「ラケシル、お前にはあの2人が主従関係に見えるのだったな?」

 

 

「ああ、そうだが」

 

 

「元々ナーベ嬢はメイドだった…?しかしメイドだと…いや…しかし」

 

 

「さっきからどうしたんだ?アインザック?」

 

 

「いや、あの2人は元々主従関係だったのではないか?モモンくんはナーベ嬢のメイド姿がたまには見たい、と祝宴会の時に言っていたらしい。その時は夜をそう楽しむと思われていたのだが…もしかすると、ナーベ嬢は元メイドの可能性がある」

 

 

「メイド?そんなことはありえないだろ。第五位階を使える人物がただのメイドなわけが無い。むしろ騎士なのではないか?」

 

 

「その線もあるな。だとしたらメイドは擬態で、モモンくん付きの騎士か。それならばお互い接する時間が長くなり、惹かれ合うこともあるだろう。そしてナーベ嬢であれば恐らく大貴族の令嬢だろうし、王族の血を引いているのだとしてもモモンくんとは遠縁ならば相手としても問題はない。それで2人は婚約を交わしたのでは無いか?」

 

 

「なるほど!それなら辻褄が合う!つまりは、主従関係で接する期間が長すぎたことで、ナーベ嬢は癖で、いまだにそういう風にモモン殿に接してしまうということか!」

 

 

「うむ。しかし子供がいないところを見ると、最近夫婦になったばかりなのかもしれないな」

 

 

「いや、もしかしたら、婚姻関係はまだ結べていないんじゃないか?」

 

 

「なるほど…ありえる。正式な婚約を結ぶ前に国が滅びてしまった…ということか」

 

 

「そうだ。お前にとってあの2人がどう見えているのかはわからんが、夫婦の距離感にしては少し変だ」

 

 

「そうなると…。しばらくは2人の間に子供は産まれない可能性もあるか…。本当に夫婦なのかどうかも確かめなくてはならないし…」

 

 

「そうだな。それなら1つ提案があるぞ。耳を貸せ」

 




 この話の追記です。
 アインザックがモモンの子供にこだわる理由としては、モモンにエ・ランテルに残って貰いたくて、彼の子供が産まれればいい、という考えからです。そして、ナーベとモモンの間に子供が産まれれば、少なくともその子供が成人(15歳くらい)になるまではエ・ランテルに残ってくれるのではないか、と考えています。
 その間にその子供を手籠に取って、モモンとナーベがいなくなっても、子供だけ残って貰えればいい。モモンとナーベの間の子供ならその才能は絶対に化け物という確信があるので、最悪モモンとナーベはこの街から去っても平気、と考えているのでモモンの子供に拘っています。
 原作と違うところといえば、モモンとナーベが夫婦だと勘違いしているので、アインザックはモモンを娼館に誘うようなことはしませんでした。

 それのせいもあり、会話中に子供の話を入れるのが難しくこのように後書きで説明することになってしまったこと、お許しください。

 また、アインザックの予想だとナーベは貴族位を持っている家の騎士ということなので、簡単に例えるとナーベ自体はガゼフみたいな役割だけど、ガゼフとは違って、家が大貴族だろうからモモンとも結婚できるよねって感じです。
 
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