散歩から帰ってきた2人は、宿屋の部屋のソファに腰をかけて、会話をしている。
「やはり夜はどこの店もやってはいないようだな」
「そのようですね。人間のような下等生物では夜は行動できないようです」
「そ、そうだな。それよりも、つい外を出歩いてしまったが、私は本当に人間に見えているのか?」
「も、申し訳ございませんアインズ様!決してアインズ様を下等生物と申したなどと──」
「わかっている。それで、どうなんだ?」
「はっ。恐れ多くも、アインズ様の見た目は私のようなお姿となっております」
「なるほどな。つまり視覚では見破られる心配はないか。呼吸もできるし、脈もあるからそうそう見破られることはないのか?寿命はどうなっているのだろうな?」
「恐らくですが、ないかと」
「ほう?それはまたどうしてだ?」
「はい。その足輪は完全な種族変更ではなく、単に種族を違うように見せている、と私は認識しております。ですので、私のような
「なるほど。確かに変身に関しては、お前のような
「は、はい。かしこまりました。アインズ様」
「それよりも、触られた時とかは大丈夫なのだろうか?もしかしたら体温とかが違う可能性もある。自分で触ったところでよくわからないし、どうしようか」
「で、でしたら!わ、私が確認いたします!」
「え、あ、うん。た、確かにそうだな。ナーベラルに触ってもらった方が確認もしやすい、な。で、では、まず私の手を触って確かめてくれるか?」
「はっ!!」
ペタペタ ペタペタ
「どうだ?ナーベラル?」
「はい。問題ないかと思います」
「そうか?じゃあすまないが、私の顔と髪の毛を触って見てくれるか?」
「か、顔でございますか!?」
「そうだ。あと髪の毛もだ。私がお前をいつも撫でていたように、今度はナーベラルが私の頭を触ってくれ」
「か、かしこまりました」
ナデナデ
「どうだ?」
ナデナデ ペタペタ
「な、ナーベラル?」
ナデナデ ペタペタ ナデナデ ペタペタ
「ナーベラル?どうなんだ?」
「……あ。も、申し訳ございません。問題はないかと存じます」
「そうか。ありがとう。ならば触られても気付くものはいないか。だが、この世界にはタレントという未知の能力もある。それで私の正体に気付かれる可能性もあるやもしれんな。だとしたらこの姿は危険な可能性もあるか?」
「1つよろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「もし仮に、アインズ様の正体に気が付く者がいるとしたら、私の方が先に見破られてしまうのではないでしょうか?」
「それもそうだな。確かに、私だけ見破られてナーベラルだけ見破られないということはないかもしれんな。このアイテムはユグドラシルでも、プロフィールの種族名ごと変更をさせるアイテムだ。プロフィールそのものを書き換えているのだから、それすら見破ることができるやつがいれば、まずナーベラルに気が付くはずか」
「はい。恐らくは」
「素晴らしいぞナーベラル!その可能性に気が付くとは」
「恐れ入ります」
「ちなみにナーベラルは私のアンデッドの姿とこの姿はどちらの方が良いと思う?」
「…?どちらでもよろしいかと」
「ん?いや、ナーベラルの好みを聞いているのだ。どちらの方が好みだ?」
「…??いえ、私はどちらも好きでございます。例えアインズ様がどんなお姿であられようとも私は御身に尽くします」
「恐怖公みたいなのでもか?」
「きょ、恐怖公様でございますか……も、もちろんでございます」
「いや、絶対そんなことないだろう?」
「いえ、決してそのような事はございません!アインズ様があのようなお姿になられてしまったのであれば、あの種族は同族食いだと聞き及んでおりますので、大量の同族をアインズ様に献上させて頂く次第でございます」
「それは俺が嫌だ!!」