アインズとナーベラルは宿屋の一室にて、2人で椅子を並べ、テーブルの上に絵本を開いている。ノートとペンを取り出し、アインズの勉強のやる気は十分にあるといえる。
「ナーベラル。文字を読めるようになるために勉強をするぞ!」
「はっ!しかし、下等生物どもの文字を読めるようになることに意味があるのでしょうか?」
「もちろんだ。読めるようになることで得られるメリットはかなり多い」
「…かしこまりました」
「ん?勉強は嫌いか?」
「い、いえ!そのようなことは。ただアインズ様が私如きのために、このようなことをして下さるというのは…」
(あ〜。ナーベラルはもしかして俺は文字が読めるけど、自分が読めないからこの勉強会をすると思ってるのか。だとしたら、どうやってやる気を出させようか。あ、そうだ!)
「もしこの勉強会を頑張れば、頭を撫でて労ってやろう」
「かしこまりました!勉強します!」
「お、おう。よ、よし、ではペンと紙は用意したな?」
「はっ!」
「よし、とりあえずは1度このアイテムを使って本を読んでみよう。そしたらその後に、単語毎に分けてから、ノートにその単語と意味を書いていこうか」
「かしこまりました」
「とりあえずは私が本を読みながら書いていくから、それまで少し待っててくれ」
「はっ!」
〜数分後〜
「読み終わったぞ。それでは今からナーベラルには単語を書き写して貰う」
「はっ!かしこまりました」
「ではまず初めにここから書いてくれ」
「はっ!」
カキカキ
カキカキ
「ナーベラルは字が上手いんだな。まるで習字みたいじゃないか。そういう字は結構憧れるな」
「お、恐れ入ります」
カキカッカッカカカカ
バキッ
「なんで!?なんでペンを折った!?」
「も、申し訳ございません。つい、力が入ってしまい…」
「そ、そうか。次からは気をつけてくれ。ほら、新しいペンだ」
「申し訳ございません」
カキカキ
カキカキ
「それにしても、姿勢もかなり綺麗なのだな。流石はメイド、というより流石はナーベラルと言うべきか」
バキッッッ
「だからなんで!?」
「も、申し訳ございません。そ、その、お、恐れ多いのですが、ほ、褒められると、どうしても、力が入ってしまい…」
「む?そうか。それはすまなかったな」
「い、いえ。2本もペンを折ってしまい誠に申し訳ございません」
「いや構わん。そういうことであれば私は何も言うまい。続けてくれ」
「はっ!」
カキカキ
カキカキ
アインズ ( ¯•ω•¯ )じーっ
カキカキ
カキッカカカ
アインズ ( ¯•ω•¯ )じーっ
カキカッカッカカ
バキッ
「えぇ…」
「も、申開きもございません」
「いや、も、もしかしたらペンが悪いのかもしれないな!きっとそうに違いない。1度書くのは諦めて、音読にしようか」
「は、はい」
「一度これを使って音読をしてくれ」
「はっ!かしこまりました。──むかしむかしあるところに──」
「ちょっと待て、せっかくの絵本だから私も隣で見よう。それを読み聞かせてくれ」
ピトッ
「ア、アインズ様?こ、こ、この至近距離でよ、読めばよろしいのですか?」
「ああ、すまないな。絵本が小さくて、このくらい近くに寄らないと絵がよく見えんのだ」
「か、か、かしこまりました。そ、それでは、僭越ながら!──む、むかし、みゅかし、あるとこりょに、おじいしゃんとおばぁさんが──」
ビリッ
「…………」
「あ、ああ…うん…そ、そろそろ勉強も飽きたし、今日はこの辺りでやめておこうか」
「…はい」
「いやナーベラルもよく頑張ったと思うぞ」
「そ、それでは頭を!?」
「……あとでな」