進撃の王国心III   作:いすゞ

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第5話 WISE

 

 

 

前回のあらすじ

 

武器と職人の暮らす街デスシティにやってきたネル達はマカとソウル。そして、その世界の中心的存在である死神様と出会う。

 

死神様から世界の秩序、エレンの起こした惨劇を聞き驚きを隠せない彼女達に言峰率いる闇の襲撃を受けることになるも見事に撃退することに成功する。

 

そして、言峰を追うべく次の世界へと急ぐ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイディアントガーデン紅魔館にてレミリアは紅茶を客人に渡す。

 

 

レミリア「まさかあなたとお会いすることになるなんてね。諜報組織"WISE"の管理官シルヴィアさん」

 

 

シルヴィア「ええ、改めてはじめまして。レミリア・スカーレット」

 

 

 

紅茶を飲んだ後、シルヴィアは険しい顔でレミリアを見つめる。

 

 

 

シルヴィア「さて、用件はお分かりですね。私がここに来た理由を」

 

 

レミリア「ええ…言峰のことね?」

 

 

シルヴィア「WISEの情報によると言峰率いる闇の勢力とハートレスが我々の世界に現れたという情報が入った。そこで…」

 

 

レミリア「ネルのキーブレードの力を借りたいと?」

 

 

シルヴィア「はい。彼女は我々にとって貴重な戦力です。それに……」

 

 

レミリア「?」

 

 

シルヴィア「あの英雄王ギルガメッシュがあなたと協力しているとなれば、仰がないわけにはいかない」

 

 

レミリア「そう……わかったわ」

 

 

するとレミリアは席から立ち上がる。

 

 

 

シルヴィア「よろしくお願いします。我々の世界で協力者を待機させるので…失礼します」

 

 

 

そう言ってシルヴィアは紅魔館を後にすると共に入れ替わるように咲夜が入室する。

 

 

咲夜「お嬢様。本当にあの3人を?」

 

 

レミリア「……ええ。もしかしたらWISEは何か掴んでいるかもしれないわね。エレン・イェーガーまたは何かの情報を。それを交換条件にネル達には頑張ってもらうしかないわ…」

 

 

レミリアは窓の外を見る。そこには輝く3つの光があった。

 

 

レミリア「鍵が導く心のままに…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グミシップを走らせるネル達に通信が入る。

 

モニターからレミリアが映し出される。

 

 

 

 

セイバー「っ!レミリア卿!」

 

 

レミリア『どうも、ネルにセイバー。あとフラン、やっぱりそこにいたのね?』

 

 

 

座席の後ろに隠れていたフランがゆっくりと顔を出す。

 

 

 

フラン「あはは……バレちゃった…?」

 

 

フランは照れくさそうに頭をかきながら姿を現した。

 

 

フラン「お姉様…その……ごめんなさい!」

 

 

レミリアは険しい顔でフランを見ていたが笑みを浮かべる。

 

 

レミリア「あなたは言っても聞かないからね。いいわ、ネル達と旅を続けなさい。その代わりプリンはなしよ」

 

 

フラン「そ、そんなぁ!」

 

 

 

 

項垂れるフランを見てネルは苦笑しながらレミリアに話しかける。

 

 

 

ネル「それでどうしたんですか?」

 

 

レミリア『実はある世界に行って欲しくてね?』

 

 

 

ネル達はレミリアから事情を聞く。

 

 

 

レミリア『……という訳なの。頼めるかしら?』

 

 

 

ネル「わかりました。ちょうど私達の目的とも合致しますしね」

 

 

レミリア『ふふ。頼んだわよ』

 

 

 

そう言ってレミリアとの通信は切れる。

 

 

 

フラン「なんとか姉様に許してもらえたー。あー、変に緊張した…」

 

 

ネル「でも心配してくれるいい人だね?」

 

 

セイバー「同感です」

 

 

ネル「私も姉妹とか憧れるなー」

 

 

フラン「どこが!?よくない!!」

 

 

ネル達はレミリアからの任務を受けて出発するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその頃…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東国。首都バーリント

 

 

町中のベンチに座る一人の金髪の青年。

 

 

「ほう、悪くない街だ。気に入ったぞ…」

 

 

英雄王ギルガメッシュはニヤリと笑いネル達の合流を待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時同じくして各地で小規模なハートレスの集団が出現していた。それらを裏で操る影の存在──言峰率いるハートレスの一派だ。

 

 

 

その様子を見ていたギルガメッシュはゆっくりと立ち上がると

 

 

 

 

ギルガメッシュ「さて、我の眷属たちを迎える前に1つ片付けておかなくてはな」

 

 

 

次の瞬間、彼は右手を前に掲げ、手のひらを上に向ける。

 

 

ギルガメッシュ「来るがよい――――【王の財宝】!」

 

 

 

彼の背後の空間が歪み、無数の武器が姿を現す。

 

 

豪華な装飾が施された剣や槍、斧など、古今東西の名品が虚空に浮かんでいた。

 

 

ギルガメッシュ「我は、この世界において誰よりも高貴で、誰よりも強大である!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新たな世界バーリントに到着したネル達は歩いていた。

 

 

 

ネル「ここが…レミリアさんから言われた世界バーリントよね?」

 

 

セイバー「そして、ここにこの世界での我々の協力者がいると聞いていますが…」

 

 

フラン「どこにいるの?」

 

 

ネル「確か、情報によるとこの近くの公園で落ち合う予定だけど……」

 

 

 

フランは周囲を見回し、首を傾げる。

 

 

 

フラン「ん~?全然誰もいないよ?」

 

 

 

そのときだった、突然周りにハートレスが現れる。

 

 

 

ネル「ハートレス!?」

 

 

 

キーブレードを構えたネルは飛び込む。

 

 

 

セイバー「やはり言峰達もこの世界に来ているのですね?」

 

 

 

目の前の通路を埋め尽くすのは、まるで意思を持つかのように蠢く黒い影――ハートレスの大群。

 

 

 

ネル「片付けるわよ!」

 

 

 

 

 

そして、ネル達は駆け出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を遠くから見る人物がいた。

 

彼はWISEの諜報員コードネーム黄昏。現在はロイド・フォージャーだ。

 

 

 

ロイド「なるほど、あれがハンドラーの言っていた協力者か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルがキーブレードを振るう度に氷の刃が閃き、前方のシャドウ数体が同時に凍りついて砕け散った。

 

 

ネル「動きが妙に統制されてる……!」

 

セイバー「はい。"司令塔"がいます!それを叩かない限りキリがありせん!」

 

 

 

フラン「まずはこの状況を打破しないとね…」

 

 

 

フランが地面を軽く踏む。その足元から放射状に亀裂が走り──

 

ズズゥン……!

 

地響きと共にハートレス数十体が天井まで突き上げられ、空へ放り出された。

 

 

 

 

ロイドは双眼鏡越しに戦況を見守りながら唇を噛む。

 

 

ロイド「援護すべきか……いや、まずは情報収集を優先させるべきだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハートレスを確実に減らしていくネル達。

 

 

ネル「あと少し!」

 

 

その時、背後からハートレスが襲いかかる。

 

 

セイバー「ネル!後ろ!」

 

 

ネル「──ッ!?」

 

 

 

咄嗟に体を捻る。しかし間に合わない。鋭い爪が視界を掠める瞬間

 

 

 

「戦いの中で油断するとは……まだまだ未熟だな」

 

 

 

目の前で剣がハートレスを貫通し、消滅する。

 

 

その方向を見ると金色の髪を持つ青年が悠然と立っていた。

 

 

 

 

セイバー「っ!!貴様は…!英雄王……!?」

 

 

ギルガメッシュ「ククク、久しいな?セイバーよ」

 

 

ネル「えっと…?お知り合いでしょうか?」

 

 

 

ギルガメッシュが現れたことにより、戦局は大きく変わる。

 

 

 

ギルガメッシュ「おいおい……我を差し置いて好き勝手やるとは……全く困った奴らだ。さて、あれはこの雑種共のまとめ役というところか…」

 

 

 

彼の指す方を見ると、一際大きな個体が中央で陣取っているのが見える。

 

 

 

フラン「あいつがボスっぽい!」

 

 

 

ネル達が視線を向けると、そこには他のハートレスより一回り大きく、鎧のような外殻を纏った個体がいた。その全身から赤黒い瘴気が渦巻いている。

 

 

 

セイバー「あれは……ただのハートレスではありませんね。何か別の力が働いています」

 

 

ネル「とにかく倒さないと!みんな、行くよ!」

 

 

 

 

ネル達が一斉に突撃しようとしたその時、突如として空から無数の光の矢が降り注ぎ、巨大なハートレスを貫いた。

 

 

 

「────ッ!?」

 

 

 

轟音とともに黒煙が立ち込める中、煙の中から黄金の鎧を纏ったギルガメッシュ圧倒的な風格で佇んでいる。周囲のハートレスは既に全て消滅していた。

 

 

 

ギルガメッシュ「さて……」

 

 

 

彼がネルたちの方を見る。

 

 

 

ギルガメッシュ「我を招き入れようとはなかなか良い判断ではないか?褒めてつかわす」

 

 

ネル(何こいつ……すごい圧を感じる……)

 

 

フラン「なんか凄い人出てきた!」

 

 

セイバー「貴方がなぜここにいるのかは問いません……ですが今は何よりも敵を倒すことが最優先です!」

 

 

ギルガメッシュ「ほう?我に指図するか?まぁいいだろう。今回は特別に手伝ってやる」

 

 

 

彼は手を広げる。すると空中に無数の宝具が展開される。

 

そして一斉に放たれる宝具の雨。それらは残りのハートレス達を容赦なく粉砕していく。

 

 

 

ギルガメッシュ「これで終わりだ!!」

 

 

 

最後の一撃が巨大なハートレスを貫き、完全に消滅させた。

 

 

静寂が訪れる。

 

 

 

ギルガメッシュ「フン、この我が手を貸すまでもなかったかもしれんがな」

 

 

ネル「す、凄いですね!知らないところから武器を出すなんて…」

 

 

 

セイバー「英雄王ギルガメッシュ……。まさかこのような形で再会することになろうとは……」

 

 

ギルガメッシュ「ククク。懐かしい顔ぶれよのぅ。あの時と同じようにまたしても我を呼び寄せたか」

 

セイバー「誤解しないでください。私は望んで貴方を呼んだわけではありません!」

 

ギルガメッシュ「分かっておる。だが偶然であろうと必然であろうと……こうして巡り会った以上、運命というのは面白いものだと思わないか?」

 

 

 

ギルガメッシュが愉快そうに笑う中、ネルは問いかける。

 

ネル「えっと……とりあえずお礼を言わせてもらっていいですか?」

 

 

ギルガメッシュ「礼など要らぬ。我はただ我が意思によって行動したまでのこと」

 

 

フラン「でも助けてくれたのは事実だよね?ありがとう!」

 

 

ギルガメッシュ「フッ……素直な者は嫌いではないぞ?」

 

 

セイバー「それで……これからどうするつもりなのですか?」

 

 

ギルガメッシュ「無論、面白そうだからしばらく付き合ってやろうと思っておる」

 

 

ネル「もしかして、レミリアさんから言われた協力者って…」

 

 

セイバー「まさか…貴方なのですか…!?」

 

 

ギルガメッシュ「ククク、そうと言いたいところだが…違う。そこにいるのだろう?気配を消しているつもりだが我には通用せん」

 

 

ギルガメッシュが突然後ろを向き、何もない空間に向かって話しかける。すると虚空から一人の男性が現れる。

 

 

その男こそ、WISEの諜報員───黄昏ことロイド・フォージャーであった。

 

 

 

ロイド「よく気づきましたね。流石は英雄王といったところでしょうか?」

 

 

ギルガメッシュ「当然だ。我の前で隠れることなど不可能だと知れ」

 

 

 

ネル達は驚きつつも警戒を解かない。そんな中、ギルガメッシュだけは余裕の表情を見せている。

 

 

 

ギルガメッシュ「さて……これで揃ったようだな。ならば早速始めるか?新たな物語の幕開けを」

 

 

ネル「まだ何もわからないことばかりなのに……」

 

 

セイバー「でも、今は進むしかないですね」

 

 

フラン「うん!どんな冒険が待ってるんだろう?ワクワクするね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

WISEのアジトへと導かれやって来たネル達。

 

 

そこには諜報組織『WISE』の管理官シルヴィアがいた。

 

 

シルヴィアは穏やかな笑みを浮かべつつも鋭い眼光で一行を見据える。

 

 

 

シルヴィア「ご苦労様。こちらへどうぞ」

 

 

 

案内された部屋には大型のモニターがあり、様々な情報が映し出されていた。シルヴィアは端末を操作しながら説明を始める。

 

 

シルヴィア「まず最初に伝えておくことがある。我々は今、重大な危機に直面している」

 

 

 

画面には各地で起きている異常事態が映し出される。街中のハートレスの出現に民間人たちへの襲撃など多岐にわたる問題が映し出されていた。

 

 

 

シルヴィア「これらの出来事には全て共通点。それは全て何者かによる指示のもと行われているということだ」

 

 

ネル「それってつまり……誰かが計画的に動いてるってことですか?」

 

 

シルヴィア「その通り。そして我々が掴んだ情報によると、その中心にいるのは君たちの言う"闇の勢力"と呼ばれる存在だと言われている」

 

 

 

その言葉に一同は緊張感を増す。特にセイバーとギルガメッシュは厳しい表情を見せる。

 

 

 

セイバー「闇の勢力……やはり!」

 

 

ギルガメッシュ「言峰綺礼ということだ。奴はここにいるのか…」

 

 

 

シルヴィア「そうだ。そして我々の調査によれば、彼らの狙いは単なる混乱ではない。この世界にある特定の"鍵"を探しているらしい」

 

ギルガメッシュ「鍵?それは一体何だ?」

 

ロイド「恐らくは君達が探しているものと関係があるのでしょう。我々の組織に届いた暗号化されたメッセージにはこう書かれていた。『七つの心が集まりし時、封印されし扉が開かれる。』と」

 

ネル「七つの心……なにそれ…」

 

セイバー「レミリア卿の話によるとエレンもかつて聞かされていたセブンハートのことかと…」

 

フラン「でもなにセブンハートって…?」

 

 

ギルガメッシュ「かつて、世界は純粋な光によって作られた。だが、その光は徐々に失われていく運命にあった。そこで選ばれし7つの心が、その光を保ち続けようと決意したのだ。それが"セブンハート"。つまり7つの心だ」

 

 

ネル「それを…言峰は集めて何をするつもりなの?」

 

 

ギルガメッシュ「我もあまり聞いてなかったが…厳密に言えば…キーブレード戦争の再来…とだけ聞いておる」

 

 

セイバー「キーブレード戦争……?」

 

 

ギルガメッシュ「そうだ。かつて"光と闇"との争いで世界の秩序をかけた激闘があった。その時に多くの犠牲が出たが、純粋な光を持つ者達の功績によって世界に平和がもたらされた。だが……」

 

 

シルヴィア「今度は違う。言峰は再びそれを引き起こそうとしている。しかも我々の世界だけでなく様々な世界を利用して」

 

 

ネル「それで、言峰はなぜこの世界に?」

 

 

フラン「たぶん……何か理由があるはず。そうだよね?」

 

ギルガメッシュ「おそらく"純粋な心"を探すためだろう。そしてその心は──」

 

 

シルヴィア「ええ、実はそれらしき人物がこの世界にいる…セブンハートを持つ。特別な人物が…」

 

 

ネル「それって…誰ですか…?」

 

 

 

そして、シルヴィアの懐から出したのは、1枚の写真。

 

 

小さな子供でピンク髪をした笑顔の可愛い女の子だ。

 

 

 

シルヴィア「この子はアーニャ・フォージャーだ。君達をここまで案内してくれた黄昏の義理の娘だ」

 

 

ネル達はその少女の姿に目を奪われる。

 

 

 

シルヴィア「彼女こそがセブンハートと呼ばれるものを持っている可能性が高い。つまり、セブンハートの一つとなりうる存在だ」

 

 

ロイド「そのため、君たちを呼んだんだ。君たちならそいつらを何とかしてくれると思ったからな」

 

 

ネル「でも。もうハートレスは撃退しましたけど?」

 

 

シルヴィア「相手は狡猾な連中。簡単に撤退はありえないだろう」

 

 

ギルガメッシュ「なら我に任せておけば良い。すぐに終わらせてくれる」

 

 

セイバー「待ってください!敵の情報も少ない状態で無策に出るのは危険すぎます!」

 

 

フラン「私も慎重になったほうがいいと思うけどね」

 

 

ギルガメッシュ「チッ……面倒な奴らだ。まぁいいだろう。作戦というものを考えてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イーデン校の近くにある路地裏やってきたネル達。

 

 

 

 

 

ネル「あの学校に、そのアーニャさんがいるのね?」

 

 

ロイド「ああ、もしここにもハートレスが現れ、娘に危害が加われば我々のオペレーションにも大きく影響が出てしまう。だから君たちにも協力を求めたんだ」

 

 

セイバー「協力するのは良いですが……なぜ私達に?」

 

 

ロイド「シルヴィアが信用したからだ。それに……君達ならきっと娘を守ってくれると思ったからだ」

 

 

フラン「頑張ってアーニャちゃんを守ろう!」

 

 

ギルガメッシュ「フン、雑魚ばかりの場所にわざわざ我が出向く必要はないが……仕方あるまい」

 

 

 

そんな会話を交わしながら学園内へと出向こうとした瞬間、異様な気配を感じた。

 

 

 

ネル「なんだ……この感じは……!?」

 

 

セイバー「間違いありません……後ろから敵が来ています!」

 

 

フラン「来たね……!」

 

 

ギルガメッシュ「ほう……楽しみになってきたぞ」

 

 

 

 

刹那───

 

 

轟音とともに背後から攻撃がせまる。

 

 

 

しかし、ギルガメッシュはそれを防ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ「ほう、まさか貴様がここにくるとはな?太陽の光は大丈夫なのか?"鬼舞辻無惨"よ?」

 

 

ネル達が振り返るとそこには一人の男が立っていた。端正な顔立ちでありながら冷酷な眼差しを宿しており、周囲の空気さえ凍りつくような威圧感を放っている。

 

 

無惨「久しぶりだな?英雄王よ」

 

 

ギルガメッシュ「クク……まさかこんなところで会うとは思ってもみなかったぞ?」

 

 

セイバー「貴方は……?」

 

 

 

無惨「私は鬼舞辻無惨。"闇の勢力"の一員だ」

 

 

 

彼の背後からは無数の触手のようなものが伸び始め、それぞれが鋭利な刃となって周囲を威嚇する。

 

 

 

ロイド「まずい……!」

 

 

ネル「みんな気をつけて!この人普通じゃない!」

 

 

無惨「フフ……正解だ。では始めようか。少しばかり遊んでやる」

 

 

 

次の瞬間、無惨から放たれた衝撃波が地面を抉るように走る。ネル達は反射的に避けようとするが……

 

 

フラン「っ!?」

 

 

衝撃波は急激に曲がりフランに向けて襲いかかる。

 

 

セイバー「フラン!」

 

 

 

しかし──

 

 

ザシュッ!!!

 

 

 

 

ギルガメッシュが自身の宝具を使い完璧に防御していた。

 

 

 

ギルガメッシュ「舐めるなよ?かつて我も貴様と共に何度も戦ったのだ。貴様の戦法は読めている」

 

 

無惨「面白い……だが、甘い」

 

 

 

すると突然、地面から複数の影が飛び出し人型の怪物へと変化する。

 

 

 

無惨「行け……私の下僕たちよ」

 

 

ギルガメッシュ「なるほど、随分と厄介な玩具を持ち出してきたものだな」

 

 

 

ネル達は迫りくる下僕たちと対峙する。

 

 

 

ネル「全員!油断しないで!」

 

 

セイバー「了解しました!」

 

 

 

一方でギルガメッシュと無惨は一歩も譲らず睨み合う。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「ふむ、そちらが本気ならこちらも楽しませてもらおう」

 

 

無惨「では……全力で来い……ギルガメッシュ……」

 

 

 

次の瞬間、2人の間で激しい火花が散る。無惨は両腕を伸ばすと血管のように浮き上がった筋肉が膨張し超人的な膂力で拳を繰り出す。それに対抗すべくギルガメッシュは王の財宝から大量の武器を取り出し迎え撃つ。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「おい、貴様ら!いつまでそこで棒立ちしている!さっさと行け!ここは我一人で十分だ!!」

 

 

ネル「えっ!?でも……」

 

 

セイバー「ネル。行きましょう!ここで私たちが戦うべきではない!それに英雄王は……決して負けないと思います!」

 

 

フラン「うん!あの人は強いからね!」

 

 

ギルガメッシュ「当然だ!我が負けるなどあり得ん!」

 

 

 

 

 

そう言い放ったギルガメッシュは無惨と激しい戦闘を繰り広げ始めた。

 

 

 

 

ネル「え…でも!」

 

 

セイバー「ネル!彼なら心配いりません…実力は確かなサーヴァントですから!早く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネル達はイーデン校の敷地内に入ると周囲を見渡す。

 

 

ネル「なんか……普通の学校っぽいけど……」

 

 

セイバー「それでも油断は禁物です。言峰の仲間がいるならばここもすでにハートレスに侵入されているはずです」

 

 

フラン「でもどこから探せば良いかな?」

 

 

 

すると周りを見渡すとロイドがいないことに気がつく。

 

 

 

ネル「あれ?ロイドさんは?」

 

 

 

フラン「あれ?いつの間に!?」

 

 

 

セイバー「どうやら、私達だけでアーニャ嬢を探しつつ、護衛するしかありませんね」

 

 

 

 

 

校舎に入り込んだネルたちは、夕暮れ時の薄暗い廊下を慎重に進んでいく。

 

 

 

フラン 「静かすぎる……人がいないみたい」

 

 

セイバー 「確かに妙です。放課後とはいえ、まだ生徒が残っていてもおかしくない時間帯ですが……」

 

 

ネルは耳を澄ませながら歩を進める。

 

 

 

ネル 「気をつけましょう。もしかしたら奴らの工作がもう始まっているのかも」

 

 

 

突然、教室から物音がした。

 

 

 

フラン 「あっち! 何かいるよ!」

 

 

 

三人が駆け寄ると、半開きのドアの隙間から黒い影が漏れている。

 

 

セイバー 「ハートレスですね。どうやら校内に侵入されているようです」

 

 

 

ネルは深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

 

 

 

ネル 「まずはこの教室から片付けましょう。フラン、援護をお願い。セイバーは近距離戦でサポートして」

 

 

フラン 「任せて!」

 

 

セイバー 「了解しました」

 

 

 

 

彼女たちは息を合わせて教室に突入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ギルガメッシュと無惨の戦いは熾烈を極めていた。

 

 

 

無惨 「ほぉ……さすがは英雄王。この程度では歯が立たんな」

 

 

 

無惨の拳が地面を割り、破片が飛散する。それに対してギルガメッシュは余裕の表情を崩さず応戦する。

 

 

 

ギルガメッシュ 「フン……口だけは達者だな?だが、そんな技で我に傷一つ付けられると思っているのか?」

 

 

 

無惨の攻撃は次第に苛烈さを増していく。地面から伸びる触手、高速移動で繰り出される連続攻撃、さらには周囲の物体を操る能力など多彩な攻撃方法を見せる。

 

 

 

無惨 「これでもダメか……なら次はどうだ?」

 

 

 

彼の体が分裂し始めた。無数の小さな分身が生まれると一斉にギルガメッシュに向かって襲いかかる。

 

 

 

ギルガメッシュ 「くだらん……まとめて消し飛ばしてくれる!」

 

 

 

ギルガメッシュは右手を掲げる。すると空中に無数の宝具が現れた。それらは高速で回転し始めると巨大なエネルギーの渦となって分身たちを飲み込んでいく。

 

 

 

ズゴォォーンッ!!

 

 

 

爆音と共に煙幕が立ち込める。煙が晴れた時には分身は跡形もなく消滅していた。しかし本体の無惨は健在であり、平然としている。

 

 

 

無惨 「素晴らしい……やはりお前と戦うのは楽しいな」

 

 

 

ギルガメッシュ 「ふん……まだ余裕ぶってる暇はあるというのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で校内でアーニャを探すネルたちは次々と現れるハートレスを倒していた。

 

 

 

ネル 「思ったよりも数が多い……これはただの偶然じゃないわね」

 

 

セイバー 「そうです。明らかに何者かが意図的に引き起こしたものでしょう」

 

 

フラン 「早く見つけないと!」

 

 

 

 

ハートレスの集団を駆逐したネル達は一息つく。

 

 

ネル(はぁ…やっと倒せたよ……それにしてもアーニャさんはどこに?)

 

 

すると、ある方向から物音がする。

 

 

セイバー「誰ですか!?」

 

 

 

その方向から、ピンク髪をした幼い女の子アーニャが現れる。

 

 

 

アーニャ「はわわ…」

 

 

ネル「もしかして…アーニャさんですか?」

 

 

アーニャ「……アーニャ…フォージャー…」

 

 

ネル「良かった!無事だったんですね!」

 

 

セイバー「ここは危険です!早く避難しましょう!」

 

 

 

すると、奥から銃を持った黒いコートを着た人物がやってくる。

 

 

 

アーニャ「はっ!アーニャを攫おうとする人!」

 

 

ネル「えっ!?」

 

 

セイバー「その格好…ⅩⅢ機関…!?」

 

 

アーニャ「アーニャを連れていかれる!」

 

 

 

黒いコートの人物がアーニャに銃口を向けたその瞬間、銃声とともに弾丸が放たれた。

 

 

バァン!

 

 

弾丸はアーニャに当たる寸前、ネルがキーブレードを大鎌に変形させて、刃部分でなんとか弾く。

 

 

しかし、威力は殺せず、彼女達は吹き飛ばされてしまった。

 

 

ネル「くっ……」

 

 

 

セイバー「ネル! 大丈夫ですか?」

 

 

 

ネル「私は大丈夫……。でもアーニャさんは……!?」

 

 

 

アーニャ「うぅ……痛い……」

 

 

 

 

セイバーが駆け寄ろうとしたその時、黒いコートがセイバーに銃を向ける。

 

 

セイバー「相手です!」

 

 

彼女の叫びと同時に黒いコートは銃を発砲した。弾丸は壁を貫通し、その先の窓ガラスを粉砕する。

 

 

フラン 「このままじゃまずいよ!」

 

 

ネルは立ち上がり、セイバーはネルを見て言う。

 

 

 

セイバー「ネルはアーニャ嬢を安全な場所に! 」

 

 

ネルは一瞬迷うが、状況を理解して頷いた。

 

 

ネル「わかった。フラン、セイバーをお願いします!」

 

 

 

ネルはアーニャを抱き上げ、隣の部屋へ避難する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校舎から出たネルとアーニャ。

 

アーニャを降ろしたネルは怪我がないか確認する。

 

 

ネル「……アーニャさん?大丈夫ですか?」

 

 

アーニャ「アーニャ、お腹すいた……」

 

 

ネル「え……?こんな時に……?」

 

 

 

ネルはアーニャを避難場所に連れて行くために必死になって逃げたが、その途中で彼女のお腹が鳴ってしまったようだ。

 

 

 

ネル 「あ、そうだ!あれがまだ…」

 

 

 

ネルはアイテムポーチからマッシュさんから貰ったシュークリームを取り出す。

 

 

 

ネル「これ、友達からもらったんだけど……よかったら食べる?」

 

 

アーニャ「シュークリーム!食べる!」

 

 

アーニャは目を輝かせてシュークリームを受け取り、美味しそうに食べ始める。

 

 

アーニャ「おいしい! お姉さんすごい!」

 

 

ネル「良かった……でも今はもっと安全な場所に行かないとね」

 

 

ネル(どうにかして…この娘を私が守らないと)

 

 

アーニャは密かにテレパシーの能力が発動しネルの思考を読む。

 

 

ネルが敵対しないことに安堵し、ネルの手を握る。

 

 

ネル「え?」

 

 

アーニャ「大丈夫ます。怖くない!」

 

 

ネルは微笑み返した。

 

 

ネル「ありがとう、アーニャさん」

 

 

アーニャ「アーニャって呼んで!」

 

 

ネル「あはは……よろしくね、アーニャ」

 

 

二人は手を繋ぎながら安全な場所へと向かう。

 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュが放った無数の宝具は無惨を押し続ける。

 

しかし、無惨もまた不死の如き再生力で抵抗する。

 

 

 

 

無惨 「こんなものか……所詮は過去の遺物だ」

 

 

ギルガメッシュ 「フッ……貴様も大概だな。その程度で我に挑もうとは片腹痛い!」

 

 

ギルガメッシュは更なる力を解放する。宝具一つひとつが巨大な光球となり、無惨に向けて降り注ぐ。

 

 

 

ギルガメッシュ 「受けよ、神々の怒りを!」

 

 

 

閃光と共に無惨は爆発に巻き込まれる。建物全体が震えるほどの衝撃だ。煙が晴れると、そこには大きなクレーターが形成されていた。無惨は辛うじて原型を留めていたものの満身創痍だった。

 

 

 

無惨 「ハァ……ハァ……なかなかやるな……」

 

 

ギルガメッシュ 「まだ喋る気力があるとは驚いた」

 

 

 

すると、無惨の後ろから闇の回廊が開き、中から出てきたのは

 

 

 

ギルガメッシュ「っ!!言峰……綺礼!!」

 

 

言峰綺礼「ふっ……英雄王よ。君も存外弱いものだな?」

 

 

ギルガメッシュ「口だけは達者のようだな?だが、あいも変わらずのようで安心したぞ?」

 

 

無惨「言峰……」

 

 

言峰綺礼「鬼舞辻無惨よ。申し訳ないが退却を願おうか?時期尚早だったようだ」

 

 

無惨「わかっている……。セブンハートの件には別の奴に任せている」

 

 

 

そう言って無惨は両手を広げると、黒いオーラが立ち込める。

 

 

 

ギルガメッシュ「ふん……何をする気だ?」

 

 

無惨「我々の力だ」

 

 

 

黒いオーラは徐々に形を変え始め、やがて巨大な闇の霧を生み出した。

 

 

 

ギルガメッシュ「なるほど、そういうことか……」

 

 

無惨「さようならだ……英雄王」

 

 

 

無惨はその黒い霧に飲み込まれていく。

 

 

 

ギルガメッシュ「フン……まあ良いだろう」

 

 

 

その様子を見ていたギルガメッシュは余裕の表情を浮かべる。

 

 

 

 

 

 

セイバーとフランは機関員と教室で攻防戦の戦いを繰り広げられていた。

 

 

セイバーとフランが間合いを詰めようとするも機関員の放つ弾丸で阻まれてしまう。

 

 

 

フラン 「こいつ……強い!」

 

 

セイバー 「気をつけてください! 相手は素早いだけでなく冷静な判断力を持っています!」

 

 

 

機関員はさらに銃を連射する。弾丸は壁や床を穿ちながら飛び回る。しかし、セイバーとフランは巧みな動きで回避する。

 

 

 

セイバー 「隙を見つけなければ……」

 

 

 

するとフランが急に動き出す。彼女は柱の陰を利用しながら接近し、一気にジャンプして機関員の頭上から攻撃しようとした。しかし、機関員は瞬時に察知し、反転して銃口を向ける。

 

 

 

パンッ!

 

 

 

乾いた音と共に弾丸が放たれる。だが、フランは驚異的な反射神経でそれを避けた。

 

 

彼女の体が宙返りするように翻り、そのまま機関員へ向けて炎の槍を投擲する。

 

 

 

ズバン!

 

 

 

炎の槍は命中し、爆発的な炎を撒き散らす。しかし、煙が晴れるとそこには傷一つない機関員が立っていた。

 

 

 

機関員 「無駄です!!」

 

 

セイバー (耐熱性のあるコートなのか……それとも魔法的防御?)

 

 

フラン 「嘘でしょ……全然効いてない!?」

 

 

 

すると、機関員が銃を捨てフランの間合いを詰める。

 

 

 

 

フラン「なっ!」

 

 

機関員「……」

 

 

ガキィン!

 

 

機関員はナイフを取り出しフランに攻撃を繰り出す。

 

 

フラン「っ……!」

 

 

セイバー「フラン!」

 

 

 

セイバーは剣を取り出し、間合いを詰めて横から攻撃を仕掛ける。

 

 

しかし、機関員はそれさえも予測していたかのように避け、逆に蹴りを入れてきた。

 

 

 

ガンッ!

 

 

 

セイバー 「うっ……!?」

 

 

 

彼女は壁に叩きつけられ、一瞬意識が飛びかける。

 

 

 

フラン 「セイバー!」

 

 

セイバー (まずい……このままじゃ……)

 

 

 

機関員は再び銃を取り出し、セイバーに照準を合わせた。

 

 

フラン「っ!まずい……!!」

 

 

 

 

フランはセイバーを守るために駆け出す

 

 

 

 

 

 

 

to be continued








次回7/30にてスパイファミリー編後編投稿予定
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