進撃の王国心III   作:いすゞ

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大変蒸し暑くなってきました。皆さんも熱中症に気をつけましょう!





第6話 懐かしい記憶と新たな道

 

 

前回のあらすじ

 

WISEのシルヴィアから依頼を受けたネル達はバーリントへと降り立つ。

 

そこで、言峰達はキーブレード戦争を起こすべくセブンハートを集めようとしていたことを知る。

 

そして、セブンハートを持っているであろうアーニャという少女の保護をすべく彼女の通うイーデン校へ向かう

 

そこに闇の勢力無惨と謎の機関員の襲撃により戦闘が始まる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、機関員が銃を捨てフランの間合いを詰める。

 

 

フラン「なっ!」

 

 

機関員「……」

 

 

 

ガキィン!

 

 

 

機関員はナイフを取り出しフランに攻撃を繰り出す。

 

 

 

フラン「っ……!」

 

 

セイバー「フラン!」

 

 

 

セイバーは剣を取り出し、間合いを詰めて横から攻撃を仕掛ける。

 

 

しかし、機関員はそれさえも予測していたかのように避け、逆に蹴りを入れてきた。

 

 

ガンッ!

 

 

セイバー 「うっ……!?」

 

 

彼女は壁に叩きつけられ、一瞬意識が飛びかける。

 

 

 

フラン 「セイバー!」

 

 

セイバー (まずい……このままじゃ……)

 

 

 

機関員は再び銃を取り出し、セイバーに照準を合わせた

 

 

 

フラン「っ!まずい……」

 

 

 

その瞬間だった——

 

 

 

ギルガメッシュ 「ハッハッハ! 我の登場だ!」

 

 

 

突然の声と共に、無数の武器が次々と降り注ぎ機関員へ向かっていく。

 

 

 

機関員 「……!」

 

 

 

咄嗟に防御体勢に入るが間に合わない。次々と降り注ぐ武器によって機関員は吹き飛ばされていった。

 

 

 

セイバー 「英雄王!」

 

 

ギルガメッシュ 「全く……世話のかかる連中だな? 感謝するんだな?さて、貴様の正体はなんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーニャと共にネルはロイドと合流する。

 

 

 

アーニャ「ちちぃ!!」

 

 

 

一目散にアーニャはロイドに駆け寄り抱きついた

 

 

ロイドはすぐさまアーニャの身体を調べ怪我はないか確認した。

 

 

 

ロイド「アーニャ、大丈夫だったか?」

 

 

アーニャは黙って頷く。

 

 

ロイド「そうか良かった……本当に良かった……」

 

 

ネルはそれを遠くから見ていた。

 

 

親子の触れ合い…。

 

 

かつて、育ての親である霊夢と過ごした日常が懐かしく思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランは息を整えながらギルガメッシュを見上げた。

 

 

 

フラン「助かった……ありがとう」

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ「ふん、貴様らが不甲斐ないと我が王の威光にも関わるからな」

 

 

 

倒れた機関員に目を向けると、既に立ち上がり身構えていた。だがその動きには明らかに疲れが見える。

 

 

 

ギルガメッシュ「どうやら我の攻撃に体力が消耗したみたいだな?」

 

ギルガメッシュが告げると、天井から黄金の光が差し込んだ。

 

 

次の瞬間、空中に無数の魔法陣が展開され、そこから様々な形の宝具が浮かび上がった。刀剣、槍斧、弓矢――どれも一級品の輝きを放っている。

 

 

 

ギルガメッシュ「さあ、跪くがいい雑種め!」

 

 

彼の号令とともに宝具の雨が降り注いだ。

 

 

 

機関員は即座に回避行動を取るが、宝具はまるで意志を持っているかのように追尾し続ける。

 

 

その時、一本の剣がフードにかすめてしまい頭部が顕になる。

 

セイバーはその姿を見て驚愕した。

 

 

 

セイバー「あなた……まさか……!?」

 

 

 

目の前に現れたのは焦げ茶を束ね、後れ毛をばらつかせたポニーテールにしている少女。

 

 

 

 

 

 

セイバー「サシャ…!?」

 

 

 

 

 

かつて、エレンと104期生の同期だったサシャ・ブラウスだった。

 

 

 

 

サシャ「くっ……邪魔をしないでください!」

 

 

 

彼女は静かに呟き、一気に距離を詰めてきた。先ほどとは違い、そのスピードには鬼気迫るものがある。

 

 

 

ギルガメッシュ「ほう、少しは骨がありそうだな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ロイド達との合流後……

 

 

 

ネルはただ静かにその場面を見守っていた。しかし内心では複雑な感情が渦巻いている。

 

 

 

ネル(……やっぱり、アーニャにはちゃんと家族がいたんだね……)

 

 

 

 

育ての親である博麗霊夢との日々を思い出しながら、自分自身の孤独を感じてしまう。それでも今は皆と共に戦わなければならないという使命感だけが彼女を支えていた。

 

 

 

 

ネル(私も……私の役割を果たさなきゃ……!)

 

 

 

 

決意を新たにした彼女の瞳には強い光が宿っていた――。

 

 

 

その時、背後から闇の回廊が開かれ中から出てきたのは

 

 

 

 

言峰「また会ったなイェーガーの血を引く者よ」

 

 

 

ネルは憎悪の目で睨む。

 

 

 

ネル「言峰!!って…イェーガーの血?」

 

 

 

ロイドはアーニャを守るように立ち、身構えた。

 

 

 

ロイド「お前がこの騒動の黒幕か……!」

 

 

 

だが言峰綺礼は余裕たっぷりに答える。

 

 

 

言峰「フッ……そんな簡単に終わらせてしまっては面白くないだろう?」

 

 

 

そして手元で何か小さな水晶玉を取り出した。

 

 

その水晶玉には薄暗い光が点滅しており、どこか不吉な雰囲気を漂わせている。

 

 

ネル(なにあの禍々しい水晶玉…)

 

 

 

その時、この場全体に強烈な圧迫感が押し寄せた――。

 

 

 

すると、言峰の背後から巨大なハートレスが現れる。

 

 

 

ネル「っ!大きい…」

 

 

 

ネルはキーブレードを構え睨む。

 

 

言峰はネルを試すかのようにニヤリと笑みを浮かべ、闇の回廊へと消える。

 

 

 

言峰「ふふふ、ここで君の実力を試させてもらおうか」

 

 

 

ネルは駆け出し、ハートレスに立ち向かう。

 

 

しかしその巨体からは想像できないほどの素早い動きで反撃してくる。

 

 

ハートレスは両腕を大きく振りかぶり、一気に地面に叩きつけてきた。

 

 

 

ドゴォン!!

 

 

 

衝撃波と共に大地が揺れ動く。周囲の建物までもが崩壊し始める中、ネルは何とか避けながら必死に対応していた。

 

 

しかし敵は依然として無傷であり続けている――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦場となっている別地点では……

 

 

サシャとの対峙するギルガメッシュ達。

 

 

 

サシャ「……ここで終わらせます……!」

 

 

 

彼女の瞳には迷いがない。それは彼女なりの覚悟なのかもしれない。

 

 

 

一方でフランは困惑した表情で口を開いた。

 

 

 

フラン「何故……お前はどうしてこんなことを……」

 

 

 

しかしサシャからの返事はなく、ただ淡々とこちらに向かってくるのみであった。

 

 

ギルガメッシュは状況を見極めた上で冷静な判断を下すことに決めた。

 

 

 

ギルガメッシュ「やむを得ん……全力で叩き潰す!」

 

 

 

再び無数の宝具が空から舞い落ちる。その光景はまるで神話の一場面のようであり圧巻だった。

 

 

しかし、それをセイバーが阻む。

 

 

 

セイバー「待ってください英雄王!彼女はエレンの知り合いです!傷つけては…!」

 

 

 

ギルガメッシュ「騎士王、退くのだ!其奴の格好を見てみろかつて世界を崩壊させようとしたⅩⅢ機関の身なりだぞ!」

 

 

セイバー「ですが、エレンの知り合いなのです!敵であろうと傷つけるわけには…!」

 

 

セイバーの言葉に険しい顔をするギルガメッシュは舌打ちをする。

 

 

ギルガメッシュ「チッ……このアバズレがぁ!!邪魔をするなっ!」

 

 

二人は一触即発の状態になった。

 

 

ギルガメッシュ「ここまで言うのであれば……覚悟しろ騎士王」

 

 

セイバー「望むところです……!」

 

 

 

セイバーも剣を構える。二人の間に緊張が走る。

 

 

そこにサシャが飛び込む。

 

 

サシャ「全員消え去れっ!!!」

 

 

 

サシャの鋭い刃が二人へと迫った――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルの攻防が続いていた。

 

 

彼女は次々と繰り出される攻撃を紙一重でかわしながらも確実に対処していく。

 

 

だが相手があまりにも強力すぎて簡単には勝負が決まらない状況だった――。

 

 

 

ネル(このままだと、2人にも被害が…せめて…何かチャンスがあれば…!)

 

 

 

 

その時ハートレスの頭上から一人の女性が現れ、着地と同時にハートレスの顔面に膝蹴りをお見舞いした。

 

 

 

 

 

ネル「っ!あなたは…!?」

 

 

 

ロイド「っ!ヨルさん!?」

 

 

アーニャ「はは!」

 

 

ヨル「ロイドさん、アーニャさん!ご無事ですか!?帰りが遅いものなのでイーデン校に来てみれば…」

 

 

 

ヨルが突如現れて助け舟を出したことに戸惑いを隠せなかった。

 

 

 

ヨル「何か分かりませんがあまり良くない状況ですね?」

 

 

 

 

ヨルの出現にネルは一瞬驚きつつも直ぐに切り替えた。

 

 

 

ヨル「ロイドさんはアーニャさんを!任せてください。この動物さんをちょっと落ち着かせてきます!」

 

 

ネル「で、ですけど!危ないですよ!」

 

 

ヨル「任せてください!こう見えて運動は得意なので!」

 

 

 

ヨルは軽快な足取りでハートレスの周りを跳び回りながら牽制する。その動きには一切の無駄がなく、見る者全てが息を飲むほどの美しさがあった。

 

 

 

ヨル「こっちよ!来なさい!」

 

 

 

挑発するように声を上げると、ハートレスは標的を完全にヨルに切り替え猛然と襲いかかる。

 

 

 

その隙を見逃さずネルはロイドに指示を送る。

 

 

 

ネル「今のうちにアーニャを安全なところへ!」

 

 

 

ロイドはアーニャを安全な位置まで誘導しつつ周囲の状況を確認する。

 

 

 

ロイド「わかった!アーニャしっかり掴まってろよ」

 

 

 

 

 

ヨルは俊敏な動きでハートレスの猛攻を躱しながら隙を探っていた。その表情には一切の恐怖も油断もなくただひたすらに獲物を追い詰める狩人のような冷静さがあった。

 

 

 

ヨル(この生物……普通ではありませんね。でも問題ありません!)

 

 

 

彼女は一瞬の隙を見計らいハートレスの死角へと潜り込む。そしてその剛腕が届かない範囲から一気に跳躍すると次の瞬間には強烈な踵落としを繰り出した。

 

 

 

ドゴォッ!!

 

 

 

轟音とともにハートレスの巨体が地面へと沈んでいく。

 

しかし倒れ込んでもなお抵抗の意思を見せる相手にヨルは容赦しなかった。

 

 

 

ヨル「これで終わりです!」

 

 

 

再び高く跳び上がると全身全霊の蹴り技を繰り出す。

 

 

その速度は風のように速く狙い澄ました一撃は正確に敵の急所へ突き刺さった――。

 

 

 

やがて静寂が訪れる。その場にはただ微かな震えと共に崩れ落ちるハートレスだけが残された――。

 

 

 

ネルはその光景を目にして思わず声を漏らす。

 

 

 

 

ネル「すごい……あの人本当に強い。私も負けていられない!」

 

 

 

すると、ネルの心に何か燃えるような感覚に襲われる。

 

 

 

ネル「っ!これは…!」

 

 

 

 

すると目の前が真っ白になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光包まれたネルの前にいたのは…

 

 

炎を思わせる焔色の髪と眼力のある瞳が特徴とある人物だった。

 

 

 

 

ネル「あなた…は……?」

 

 

「鍵の少女……君の父上と同じように心を燃やせ…!そうすれば君も俺の力を扱えるはずだ!」

 

 

ネル「父と同じ……?もしかして…私の父って…!」

 

 

「この俺のように嘆くことしか出来ない人を増やさぬ為に!」

 

 

 

 

その人物が喋るとネルの脳裏に過去の記憶が蘇った。エレンが炎を纏うキーブレードを持ちハートレスと戦っている場面が映った。

 

 

 

ネル「あなたは……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、気がつけば目の前にハートレスの攻撃が迫る。

 

 

が、ハートレスの攻撃を炎を纏うキーブレードで防ぐ。

 

 

ネルの心に炎が纏い、力が増す。

 

 

 

 

ネル「炎の呼吸…参ノ型!!!気炎万象!!!」

 

 

 

 

キーブレードの炎が燃え上がり、駆け出す。

 

 

 

 

ネル「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

ネルの渾身の一撃がハートレスを貫き、消滅させた。

 

 

ヨルとロイドはその光景を見て唖然とする。

 

 

 

 

 

ネル「ふぅ……なんとかなったかな……」

 

 

 

 

ヨルはその一部始終を見て嬉しそうにする。

 

 

ヨル「流石です!!」

 

 

 

アーニャも喜び抱きつく。

 

 

 

 

アーニャ「お姉さん!!凄い凄い!」

 

 

ネル「ありがとう……お陰でなんとかなったのかな?」

 

 

 

 

と、その時闇の回廊が開き、拍手をする言峰がまた現れる。

 

 

 

 

言峰「なるほど、探していた物が今目の前にあるということか…」

 

 

 

ネル「言峰…」

 

 

 

言峰「君のキーブレード…いや君の一族の持つキーブレードには特別なものがあるようだな……」

 

 

 

 

言峰は嘲笑うように言う。

 

 

 

 

言峰「クックック……まさか君自身がその鍵だとは思わなかった。素晴らしい偶然だ」

 

 

 

言峰は満足そうな表情を浮かべたあと続けて言った。

 

 

 

言峰「少々、相手をしてやろう…」

 

 

 

すると、言峰は素早い動きでネルの首を締め上げる。

 

 

 

アーニャ「お姉さん!!」

 

 

ヨル「何をするんですか!!」

 

 

 

 

ネル(集中しろ……私…)

 

 

と、その時言峰に光が落ちる。

 

 

雷鳴のような轟音とともに閃光が走り、一瞬視界が真っ白になった。

 

 

やがて煙が晴れてきて見えたのは言峰が片膝をつき、肩を押さえている姿だった。

 

 

ネル(な……何?今の……)

 

 

 

胸の奥から湧き上がる熱い感覚に戸惑いつつも周囲を見渡す。そこには驚いた表情を浮かべるヨルやアーニャたちの姿があった。

 

 

そしてつい先程まで自分が立っていた場所を見ると焼け焦げた跡だけが残っている。

 

 

 

ネル(これが……私の中に眠っていた力……?)

 

 

 

不思議な高揚感と共に新たな可能性への期待感が湧き上がってきた。

 

 

その時、校舎から爆散し、中からサシャ、ギルガメッシュが現れる。

 

 

ネル「ギルガメッシュっ!?」

 

ギルガメッシュ「どうやらそちらも一息つけたみたいだな」

 

 

ギルガメッシュは悠然とした態度を崩さず、ゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。

ギルガメッシュ「さて……言峰。今度はこちらの番だ」

 

目の前の状況を冷静に分析しながら言峰を見るギルガメッシュの目に宿るのは敵意。

 

ギルガメッシュ「さあ、お前も本気を出したらどうなんだ?退屈させると承知しないぞ?」

 

挑発的な笑みを浮かべるギルガメッシュに対して言峰は何も答えず静かに佇んでいるだけであった。

 

 

言峰「うむ…やむを得ない。少々手伝え…レプリカ」

 

 

サシャ「貴方に言われる筋合いはありませんが…いいですよ。お付き合いします!」

 

 

 

 

そう言うと、サシャは懐から銃を取り出し、ネルに向けて発砲する。

 

 

 

しかし弾丸は途中で全てネルの体に吸い込まれるように消え去ってしまった――。

 

 

 

言峰「ほう……なるほど。それもキーブレードの能力か……実に興味深い」

 

 

 

ネル「え?これって一体……」

 

 

 

 

驚きつつも戸惑うネルに対しギルガメッシュは余裕の表情で肩をすくめる。

 

 

 

 

ギルガメッシュ「そいつは貴様の内なる力だ。鍵の持ち主たる資質の一つ」

 

 

ヨル「皆さん、集中してください!まだ終わりではありません!」

 

 

 

 

その言葉にハッと気づいたネルは改めて心を落ち着かせる。そして深く呼吸をすると全身の感覚を研ぎ澄ませていった――。

 

 

 

目の前には依然として不気味な笑みを浮かべる言峰と彼の隣でサシャが立ちはだかっている。

 

 

 

ネル(もう迷わない……私は私自身の力でこの困難を乗り越えてみせる……!)

 

 

 

強い決意と共に新たな一歩を踏み出す準備が整った――。

 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ「足を引っ張るではないぞ?」

 

 

ネル「そういう貴方もお願いしますよ!」

 

 

 

 

 

ネルとギルガメッシュは並んで戦闘態勢に入る。

 

 

 

言峰は一歩前に進み出ると静かに語りかけた。

 

 

 

言峰「さすがは英雄王ギルガメッシュと呼ばれるだけはある。そして娘の方もなかなかやるようだな」

 

 

サシャは銃を握りながら戦闘態勢に入った。

 

 

 

サシャ「あまり舐めないことですね。ここで終わらせるつもりですから」

 

 

 

 

その言葉と同時にサシャの身体から闘志が溢れ出す。普段とは違う鋭い殺気を感じ取ったギルガメッシュは楽しげに微笑んだ。

 

 

ギルガメッシュ「良いぞ……久しぶりに面白い相手になりそうだ」

 

 

ネルもそれに呼応するようにキーブレードを強く握りしめながら前を見据える。

 

 

ネル(負けられない……絶対に!)

 

 

次の瞬間、両者の間で激しい戦闘が始まろうとしていた――。

 

 

サシャは素早く地面を蹴り上げると一直線にギルガメッシュへと突進してきた。

 

 

 

ギルガメッシュ「ふん!」

 

 

 

彼女が接近する寸前で無数の宝具を展開し迎え撃つ姿勢を見せるもののサシャは巧みにそれらを避けていく。

 

 

 

サシャ「甘いですよ!」

 

 

 

そして至近距離まで迫ると渾身の蹴りを放とうとしたその刹那――別の影が飛び込んできた。

 

 

フラン「それ以上近づくんじゃないわよ!!」

 

 

フランが間に割って入り攻撃を受け止める。

 

 

ネルは言峰にキーブレードを振り下ろす。

 

 

ガンっと金属音と共に地面に叩きつけており、言峰に避けられていた。

 

 

しかし、ネルはめげずに次の攻撃に移る。

 

 

すると、横からサシャの銃撃が放たれるがギルガメッシュの宝具により弾かれる。

 

 

セイバー「ネル!」

 

 

セイバーの掛け声と共に2人の武器がサシャに襲い掛かろうとする。

 

 

 

サシャは一旦距離を取りつつ状況を確認した後再度突撃しようとした時、言峰が制止する

 

 

言峰「時間切れだ」

 

 

 

 

言峰は右手を掲げると闇の回廊を開く。

 

 

 

言峰「また諸君らの再会を待つとしよう。行くぞレプリカ」 

 

 

サシャは歯を食いしばると共に武器を仕舞うとネルを見つめる

 

 

サシャ「似ていますね。エレンに…」

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ「待て!言峰!」

 

 

 

ギルガメッシュは叫ぶも、言峰とサシャの姿はすでに闇の回廊の中に消えていた。

 

 

ギルガメッシュ「……チッ」

 

 

彼は苛立たしげに舌打ちし、その後の静寂を見つめる。

 

 

ネルは深く息を吐き出してから周囲を見渡した。疲労感は確かにあったが、それよりも得られたものの方が大きかった気がする。

 

 

 

 

ネル「……終わったのかな?」

 

 

 

 

ヨルも安堵の表情を浮かべていた。

 

 

 

ネル「ひとまず危機は去りましたね……皆さんお怪我はありませんか?」

 

 

 

彼女は素早く周囲を確認しながら問いかける中、ネルは苦笑しつつ頷いた。

 

 

ネル「大丈夫だと思います。ただ……なんか疲れちゃいました」

 

 

アーニャが心配そうにネルに駆け寄る。

 

 

ネル「お姉さん……よかった……」

 

 

ネルは優しく微笑むとアーニャの頭を撫でた。

 

 

 

ネル「ありがとう、アーニャ。私もちょっと休憩したいかも……」

 

 

 

 

 

一息ついた後、一同は別々の道に分かれることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

WISEの本部に戻ったネル達はシルヴィアに報告する

 

 

 

シルヴィア「なるほど、レミリア卿の言うとおり、貴様たちはよくやってくれた。これで、しばらくはこの世界も平穏になりつつあるだろう」

 

 

ネル、フラン、セイバーの三人はそれぞれ顔を頷き合い、互いに安堵した表情を見せた。

 

 

シルヴィアは話し続ける。

 

 

シルヴィア「これからも色々あると思うが、貴様達にはとある情報を提供しよう」

 

 

 

そう言うと、シルヴィアがネルに手渡したのはとある資料だった。

 

 

 

ネル「この資料は?」

 

 

シルヴィア「エレン・イェーガーに関する資料だ」

 

 

ネルはページをめくると内容を確認する。

 

 

すると、とある座標が書かれていたメモがあった。

 

 

 

ネル「これは?」

 

 

シルヴィア「それはエレン・イェーガーが書いたであろうメモだ。恐らく君達の乗っている乗り物に使われるであろう座標が記されている」

 

 

セイバー「グミシップに使われる座標ですか…?」

 

 

フラン「エレンが最後に書いたものだけど……」

 

 

ネル「これは……一体どういう意味でしょうか?」

 

 

シルヴィア「詳しいことはまだわからない。ただ重要な手がかりであることは間違いないだろう」

 

 

 

ネルたちは互いに視線を交わし合う。

 

 

 

ネル「なら行ってみるしかなさそうね」

 

 

シルヴィア「これで我々との協力関係も終わりだ。けれど、今後も困ったことがあれば我々WISEはいつでも手助けする」

 

 

 

ネル「ありがとうございます。とても助かります」

 

 

 

シルヴィア「では解散だ。くれぐれも気をつけろ」

 

 

ネル達が任務完了の報告を終え、次の世界へと向かおうとした時だった。

 

 

 

シルヴィア「ところで、黄昏から連絡があってな。アーニャ譲が君達、特に君に会いたいという要望があった」

 

 

 

シルヴィアは私を指した。

 

 

 

ネル「え?私?」

 

 

 

シルヴィア「そうだ。彼女は今日の一件でかなり興奮していてな、ぜひ『お姉さん』に会いたいと言っている」

 

 

 

フランは小さく笑いながら付け加えた。

 

 

 

フラン「まあ、あの年頃だとヒーローみたいな存在に憧れるもんだよね〜」

 

 

セイバー「とはいえ、アーニャ嬢が無事だったことは何よりですが……あまり干渉しすぎては世界の秩序が…」

 

 

セイバーは腕を組みつつ真面目な表情を崩さない。

 

しかし、シルヴィアは微笑む。

 

 

 

シルヴィア「まあ、いいではないか、偶には息抜きぐらい必要だ」

 

 

 

シルヴィアは肩をすくめながらそう言った。

 

 

ネルは少し考えてから答えを出す。

 

 

 

ネル「わかりました。一度お会いしましょう」

 

 

シルヴィア「それがいい。では黄昏の家に向かうといい。詳しい住所はここだ。あと夕食を作って待っているらしい」

 

 

 

フラン「了解でーす♪」

 

 

セイバー「むむっ!それは行かなければ…」

 

 

ネル「あれ?そう言えば、ギルガメッシュさんは…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バーリントの町並みを見下ろすギルガメッシュ。

 

 

 

ギルガメッシュ「うむ、この世界の建築物も中々、趣があるな」

 

 

 

彼は高台にある廃墟ビルの屋上で立っていた。

 

 

その場所からは街全体が一望でき、夕日に染まる景色が広がっていた。

 

 

 

ギルガメッシュ「……かつて我も同じような景色を見たことがあったな……」

 

 

 

ふと思い返すのは、かつて住んでいた街並み。

 

 

そこでは活気溢れる人々が行き交い、市場には賑やかな声が響いていた。

 

 

だが、今となってはその喧騒も遠い昔の記憶となってしまった。

 

 

ギルガメッシュ(我もまだまだ未熟者なのだな……)

 

 

 

ふと、背後に気配を感じ振り返るとネルがいた。

 

 

 

ギルガメッシュ「何用だ?キーブレードの勇者よ」

 

 

ネル「あの、ロイドさんが夕食どうですかと誘われたのでギルガメッシュさんもどうかなと」

 

 

ギルガメッシュ「……馴れ馴れしくするつもりはない」

 

 

 

ギルガメッシュは冷たく言い放つが、ネルは困惑しつつもその場から離れない

 

 

 

ネル「えっと……その……」

 

 

 

ネルが何か言いにくそうにしているのに気づくと、

 

 

 

ギルガメッシュ「……なんだ?申してみろ」

 

 

 

彼の態度が若干和らいだ。

 

 

 

ネル「あなたも私の父、エレン・イェーガーについて知っているのですか?」

 

 

 

ギルガメッシュはネルの瞳を見つめる。

 

 

 

ギルガメッシュ「言峰から聞いたのか?まぁ、よい。似ているな。あの男に…やはり血は争えんというものだな」

 

 

ネル「やはりあなたは私とエレンの関係のこと知っているのですか……?」

 

 

 

ネルは戸惑いつつも尋ねた。

 

 

 

ギルガメッシュ「無論だ。我が王として当然だろう」

 

 

 

ギルガメッシュは不敵な笑みを浮かべると続けた。

 

 

 

ギルガメッシュ「奴とは昔色々あってな……その昔、彼と約束事を結んだことがあるのだ」

 

 

ネル「約束……ですか?」

 

 

ギルガメッシュ「そうだ。詳しくは教えぬが、いずれわかる日が来るだろう」

 

 

 

ギルガメッシュは遠い目をしながら呟いた。

 

 

 

ギルガメッシュ「しかし、奴も災難だったな……このような末路を迎えるとは……」

 

 

ネル「……それで、今どこにいるんですか?エレンは?」

 

 

ギルガメッシュ「ふん、貴様にそれを教える義理などない。ただ一つ言えることは、お前の旅には必ず関わってくるということだ」

 

 

 

ギルガメッシュはそこで話を打ち切り、ビルの端へと歩いて行った。

 

 

ギルガメッシュ「さて、そろそろ我は失礼する。いずれまた会おうことになろう。先へ進むがいい」

 

 

ギルガメッシュは微笑むとそのまま英霊として消えてしまった。

 

 

ネルは呆然と見送るしかなかった。

 

 

 

ネル「ギルガメッシュさん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ロイド達のいる家へと招かれたネル達。

 

 

 

扉を開けると温かい家庭料理の香りが漂ってくる。テーブルには既に料理が並べられており、ヨルは明るく迎えてくれた。

 

 

 

ヨル「いらっしゃいませ!ぜひ食べてください!」

 

 

ネル「あ、ありがとうございます……」

 

 

フラン「わぁ〜美味しそう〜」

 

 

セイバー「ふむ、見た目だけでわかる美味しそうな匂い……」

 

 

 

アーニャは元気いっぱいに駆け寄ってきてネルに抱きついた。

 

 

アーニャ「お姉さん!!会いたかった!!」

 

 

ネル「わっと……!?」

 

 

 

その勢いでバランスを崩しそうになるも何とか踏ん張るが倒れそうになる。

 

 

すると、後ろから白い大きな犬がネルの背中を支える

 

 

 

ボンド「ボフッ!」

 

 

ネル「わっ!?あ、ありがとうございます……えっと、君は?」

 

 

ボンド「ボフッ」

 

 

 

ロイドが紹介する。

 

 

 

ロイド「ボンドだ。君を歓迎してくれたみたいだな」

 

 

ネル「そうなんですか……。可愛いですね」

 

 

ロイド「ああ、うちの大事な家族だからな」

 

 

ネル「フフッ、そうですか」

 

 

ロイド「まあ、立ち話もなんだし座ってくれ」

 

 

 

ネルは促されるまま席についた。

 

 

 

フラン「うーん♪どれから食べようかな~♪」

 

 

セイバー「とりあえず肉からいただきます!」

 

 

ヨル「沢山あるのでどんどん食べてくださいね~」

 

 

 

ネルは仲間たちとテーブルを囲みながら笑顔で食事を楽しむことができた。

 

 

 

アーニャ「ちちの料理おいしー」

 

 

ロイド「アーニャ、口にソース付いてるぞ」

 

 

ロイドはハンカチでアーニャの口を拭く。

 

 

その光景を見てネルはまた懐かしく思う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつて、育ての母霊夢と私のかけがえのない思い出

 

 

 

霊夢「ネル、口にソース付いてるわよ」

 

 

ネル「あっ、母様、ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルは微笑みながら考えに耽っていた。

 

 

そんなネルにアーニャが話しかける

 

 

アーニャ「ねぇ!お姉さんの名前ってなんだっけ?」

 

 

ネル「……!?あ、ごめんなさい。ボーッとしてしまった。私の名前はネル・イェーガーというの」

 

 

アーニャ「ネルお姉さん?!かっこいい名前!」 

 

 

ネル「フフッ、ありがとう」

 

 

アーニャ「これ、アーニャが描いた絵!あげまする!」

 

 

差し出されたアーニャの絵にはネルが戦っている姿が描かれていた。

 

 

 

ネル「これは……私の絵?すごく上手いよアーニャ」

 

 

 

ネルは優しく微笑みながら絵を見つめる。

 

 

 

アーニャ「えへへ、本当?あざざいます!」

 

 

ネル「うん。本当にすごいと思う」

 

 

 

アーニャは嬉しそうに笑いながら椅子に腰掛ける。その様子を見ていた大人たちも自然と表情を緩めていた。

 

 

 

ロイド「よかったな、アーニャ」

 

 

 

ロイドも温かい眼差しで2人のやりとりを見守っていた。

 

 

 

ネル「この絵は大切に保管しておくね。ありがとう」

 

 

アーニャ「えへへ〜」

 

 

ヨル「まるで、姉妹のようで微笑ましいです!ネルさんには御兄弟とかいるのですか?」

 

 

ネル「いません……。私は小さい頃から両親のいない環境だったので、育ての母親に育てられてきましたから……」

 

 

 

ネルは苦笑しながら言った。少し寂しそうな表情を見せるもすぐに笑顔を作り直す。

 

 

 

ネル「でも今は仲間がいますので寂しくないです!」

 

 

アーニャ「お姉ちゃん優しい!」

 

 

 

アーニャは満面の笑顔で言った。

 

 

 

ネル「お姉ちゃん!?」

 

 

 

セイバー「これは新鮮な呼ばれ方ですね」

 

 

フラン「まぁまぁ、悪い気はしないんじゃない?」

 

 

ヨル「もうアーニャさんにとって大切な存在なんですから」

 

 

ロイド「またここに来てくれ、ネルお姉さん」

 

 

 

ロイドは微笑みながらそう言った。その場にいた全員が和やかな雰囲気の中、楽しい時間を過ごすことができた。

 

 

その時、アーニャの貰った絵から光が放たれ、光線が放たれ空に鍵穴が開く。

 

 

 

 

 

 

 

ネル「っ!」

 

 

 

 

 

 

 

キーブレードを鍵穴に向けるとキーブレードから光線が放たれると鍵穴を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、徐々に光線に包まれながら鍵穴が消えていく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨル「よろしければ、私の作ったデザートいかがですか?私の新作です!」

 

 

ネル「食べます!」

 

 

デザートまで頂いたネル達。

 

しかし、ロイドとアーニャ、ボンドの顔が何か険しい。食べながら見たネル。

 

その瞬間意識が遠のき、倒れる。

 

 

それに続き、セイバー、フランも倒れる

 

 

 

 

 

ロイド「やっぱりこうなったか…」

 

 

 

ヨル「はわわ!!皆さん!!大丈夫ですか!!」

 

 

 

 

ヨルの叫び声が街中が響き渡るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ロイドの処置により無事に回復した3人はWISEの提供してくれた座標を頼りに次の世界へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒野の世界にて、無惨、フリーザは佇む。

 

 

フリーザ「なるほど、ギルガメッシュさんと一戦交えたんですね?」

 

 

無惨「ああ、奴も我々と同じく力をつけている。かつての慢心がないということだ」

 

 

すると、闇の回廊が開く。

 

 

言峰「そろそろ、彼女達は新たな世界に行くことになるだろう」

 

 

無惨「次の世界は何だ?」

 

 

言峰「過去だ」

 

 

フリーザ「過去…ですか?」

 

 

言峰「我々も時を超える時が来るかもしれんな」

 

 

言峰は不気味に笑みを浮かべる

 

 

フリーザ「それはそうとセブンハートは見つからなかったのですか?」

 

 

言峰「残念ながら、キーブレード使いによって失敗した。だが、あの世界にはなかったということだ」

 

 

無惨「ということは無駄足ということか…」

 

 

言峰「そうとも限らん、キーブレード使いを利用することになりそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued

 

 







次回、8/15。

"調査兵団の襲来"
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